エコキュートのセミオートとは?選ぶ場合の注意点や販売しているメーカーを紹介
2025年1月26日

エコキュートの給湯方法はフルオート、給湯専用、セミオートの3種類があります。
給湯方法によってメリットやデメリットは異なりますが、なかでもセミオートはデメリットのほうが多いです。そのためセミオートを選びたい方は、事前に注意点や販売しているメーカーを知っておきましょう。
本記事では、エコキュートのセミオートを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートのセミオートとは?
エコキュートのセミオートとは、お湯はりをボタン1つで行えることを指します。
エコキュートの給湯方式は以下の3種類です。
- フルオート…お湯はりから保温までをボタン1つで行い、追い焚き機能が付いている
- セミオート(オート)…お湯はりをボタン1つで行う
- 給湯専用…お湯はりが手動で、保温や追い焚き機能は付いていない
ボタン1つでお湯はりから保温まで行える点ではフルオートと似ていますが、自動保温ができず、追い焚き機能が付いていないなどの点が異なります。
また、メーカーによってセミオートの表記が異なる点にも注意しましょう。
セミオートを選ぶ場合の注意点
結論から申し上げますとセミオートは他のタイプに比べてメリットが少なく、デメリットが多いので選ぶ際は注意すべきポイントが複数あります。
セミオートを選ぶ場合の注意点は以下の通りです。
- フルオートに比べて機能が少ない
- フルオートに比べて性能が低い
- 給湯専用に比べて価格が高い
- ほかのタイプに比べて選択肢が少ない
上記を順番に解説します。
フルオートに比べて機能が少ない
エコキュートメーカーはフルオートに力を入れている傾向があり、セミオートでは搭載する機能を少なくする場合があります。
例えば、パナソニックエコキュートではJシリーズからフルオートとセミオートが販売されていますが、次の表のように搭載されている機能が異なります。
セミオート | フルオート | |
---|---|---|
搭載されている機能 | エコキュート専用アプリ ソーラーチャージ 清潔・便利機能 真空断熱材 4本脚 耐震設計技術 AiSEG2と連携 充実機能のリモコン |
エコキュート専用アプリ ソーラーチャージ 清潔・便利機能 真空断熱材 4本脚 耐震設計技術 AiSEG2と連携 充実機能のリモコン 温浴セレクト AIエコナビ リズムeシャワープラス ぬくもりチャージ うっかりアシスト |
フルオートに搭載されている機能の概要は以下の通りです。
概要 | |
---|---|
温浴セレクト | 家族1人1人のお好みの湯温へと切り替えられる |
AIエコナビ | センサーが人の出入りに気付いて無駄なエネルギー消費を抑える |
リズムeシャワープラス | シャワーの流量や温度を一定リズムで変動させて省エネ性能を高める |
ぬくもりチャージ | 風呂の残り湯を活用して翌日分のお湯はりのエネルギーを節約する |
うっかりアシスト | 湯はり時の栓の閉め忘れを知らせる機能 |
同じJシリーズではありますが、上記のような便利な機能はセミオートに搭載されていません。
そのため、お風呂の時間を快適に過ごしたい、便利な機能を使いたいと考えている方はセミオートよりもフルオートを選びましょう。
フルオートに比べて性能が低い
エコキュートの性能を示す数値として、年間給湯保温効率があります。年間給湯保温効率とは、エコキュートを1年間使用したときの効率を示しており、数値が大きいほど性能が良いです。
政府は年間給湯保温効率が高いエコキュートに対して補助金を出す傾向があります。補助金制度の内容や条件によって多少異なりますが、一般的には3.5がボーダーラインとなっています。
セミオートのエコキュートは3.5前後が多く、補助金の対象にはなりますが、フルオートに比べて低い場合があります。
また、フルオートに比べて年間給湯保温効率が低いので、年間のランニングコストが高くなる可能性があります。
次の表は、愛知県で暮らす四人家族が三菱のセミオート「SRT-C376」とフルオート「SRT-P376UB」を利用した場合のランニングコストを比較したものです。
SRT-C376 | SRT-P376UB | |
---|---|---|
給湯効率 | 3.2 | 4.2 |
1月 | 6,951円 | 5,699円 |
2月 | 6,208円 | 5,100円 |
3月 | 6,241円 | 5,124円 |
4月 | 3,894円 | 3,192円 |
5月 | 3,525円 | 2,911円 |
6月 | 2,720円 | 2,239円 |
7月 | 2,222円 | 1,807円 |
8月 | 1,903円 | 1,543円 |
9月 | 2,269円 | 1,858円 |
10月 | 3,174円 | 2,624円 |
11月 | 3,845円 | 3,182円 |
12月 | 6,049円 | 4,998円 |
合計 | 49,001円 | 40,277円 |
実際のランニングコストは家族の人数や電力会社の料金単価などで異なりますが、年間給湯保温効率が低いセミオートだと、ランニングコストが高くなる可能性があると覚えておきましょう。
給湯専用に比べて価格が高い
給湯専用とは、セミオートと異なり、お湯はりを手動で行うエコキュートのことです。
メーカーやシリーズによって異なりますが、セミオートと給湯専用では、搭載されている機能や性能に大きな違いがありません。
しかし、セミオートに比べて給湯専用の方が、価格が抑えられている傾向があります。
例えば、三菱のシンプルベーシックAシリーズからセミオートと給湯専用は販売されており、メーカー希望小売価格は以下の通りです。
- SRT-C376(セミオート)…97万円
- SRT-N376-2(給湯専用)…97万円
実際の販売価格は店舗によって異なりますが、セミオートの「SRT-C376」が45万円以上するのに対して、給湯専用の「SRT-N376-2」は40万円を下回ります。
基本的な性能や機能はほとんど同じで、給湯方法が異なるだけで数万円の差が生じます。
つまり、初期費用を抑えるならセミオートを選ぶよりも、給湯専用を選んだ方が良いでしょう。
ほかのタイプに比べて選択肢が少ない
セミオートをおすすめできない理由として最も多いのが、ほかのタイプに比べて選択肢が少ないことです。
例えば、三菱はエコキュートのトップメーカーですが、2025年1月時点で販売している4シリーズ33機種のうち、給湯専用は4機種で、セミオートは2機種しかありません。
2機種も貯湯容量の違いだけなので、三菱のエコキュートでセミオートを選びたい場合の選択肢は1種類です。
次の表は、2025年1月時点で販売されているセミオートをまとめたものになります。
セミオート(オート・エコオートを含む) | |
---|---|
三菱 | Aシリーズ |
パナソニック | Jシリーズ |
ダイキン | Aシリーズ |
コロナ | スタンダード |
エコキュートの主要メーカーとしては、上記以外に日立もありますが、記事執筆時点ではセミオートを販売しておりません
そのため、セミオートのエコキュートを選ぶ場合は上記の4種類を比較しましょう。
セミオートのエコキュートを選ぶ場合のポイント
セミオートのエコキュートはフルオートに比べて機能や性能が低く、給湯専用に比べて価格が高い機種です。
そのため、あまりおすすめできませんが、何らかの理由でセミオートのエコキュートが必要な場合は次のポイントを比較しましょう。
- 搭載している機能
- 給湯保温効率
- 水圧
エコキュートを選ぶ場合のポイントとして貯湯容量が挙げられますが、セミオートの場合は貯湯容量が370Lと460Lしかないので家族の人数に合わせて選択しましょう。
上記を順番に解説します。
搭載している機能
セミオートのエコキュートでも、メーカーによって搭載している機能が異なります。
次の表は、各メーカーのセミオートに搭載している機能をまとめたものです。
セミオート(オート・エコオートを含む) | 機能 | |
---|---|---|
三菱 | Aシリーズ | こだわりの先進仕様 スマートリモコン パカっとハンドル 耐震クラスS 電力自由化対応 省エネ制御 あったかリンク お天気リンクEZ MeAMOR |
パナソニック | Jシリーズ | エコキュート専用アプリ ソーラーチャージ 清潔・便利機能 真空断熱材 4本脚 耐震設計技術 AiSEG2と連携 充実機能のリモコン |
ダイキン | Aシリーズ | パワフル高圧給湯 昼間シフト天気予報連動 気象警報緊急沸き上げ 無線LAN対応リモコン Daikin Smart APP 対応 ECHONET Lite 規格&AIF認証対応 昼間シフト機能 電力抑制設定 ツイン給湯 ふろ自動 高温たし湯 |
コロナ | スタンダード | 湯上りタイマー 節水モード(ふろ) ecoガイド スマートナビリモコンプラス ソーラーモードプラス 貯湯ユニット内ステンレス配管 |
最近のエコキュートはスマホとの連携機能や太陽光発電システムとの連携機能が標準装備されています。
給湯専用にも搭載されている共通機能を除いた場合、特筆すべきなのはパナソニックのJシリーズです。
Jシリーズには浴槽内部のお湯を捨てる際に、配管内部の汚れを自動洗浄する機能が搭載されており、配管内部を毎回掃除するので、配管内部をご自身で掃除する手間が省けます。
また、三菱とパナソニックのエコキュートは耐震性に優れていることもポイントです。
セミオートで機能にこだわるなら、三菱やパナソニックの機種を比較しましょう。
給湯保温効率
次の表は、各メーカーのセミオートで、貯湯容量370Lの機種の年間給湯保温効率をまとめたものです。
セミオート(オート・エコオートを含む) | 年間給湯保温効率(貯湯容量370L) | |
---|---|---|
三菱 | Aシリーズ | 3.2 |
パナソニック | Jシリーズ | 3.5 |
ダイキン | Aシリーズ | 3.5 |
コロナ | スタンダード | 3.5 |
パナソニック、ダイキン、コロナのセミオートは年間給湯保温効率が3.5を達成しています。
補助金の条件にもよりますが、年間給湯保温効率が3.5を超えていると補助金の対象になる可能性があります。
セミオートでも相場は45万円以上するので、エコキュートをお得に購入したい場合は年間給湯保温効率を比較し、補助金が利用できるかどうかチェックしましょう。
水圧
エコキュートは貯湯式給湯器です。ヒートポンプユニットで作ったお湯を貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所に給湯します。
貯湯タンクユニットで溜めておく際に、内部の圧力でタンクが変形しないように減圧するため、一般的なガス給湯器に比べるとシャワーの水圧が弱いことがデメリットの一つです。
最近のエコキュートは水圧が改善されており、300kPaを超えている機種も多くなっていますが、セミオートの場合は大半が200kPa前後となっています。
ただし、ダイキンのAシリーズだけはパワフル高圧給湯となっており、シャワーの水圧が330kPaです。
2025年1月時点で販売されているセミオートのなかでは最も水圧が強いので、シャワーの勢いにこだわる方はダイキンのAシリーズを検討しましょう。
まとめ
以上が、エコキュートのセミオートの解説になります。エコキュートのセミオートはフルオートに比べて機能数や性能で劣り、価格で給湯専用に劣るなど、注意すべきポイントが多いです。
特に、ラインナップが少ないので、無理にセミオートを選ぶ必要がありません。
しかし、どうしてもセミオートのエコキュートが必要な場合は、メーカーや機種ごとの違いを理解して購入しましょう。
「エコパパのお店」では、専門知識が豊富なスタッフが、ご家庭に合ったエコキュートをご提案いたします。メーカーの正規品を低価格で販売しておりますので、セミオートのエコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。