エコキュートがずっと沸き上げ中になる理由は?追加沸き上げを防ぐ方法もわかりやすく解説
2023年2月7日
エコキュートは夜間にお湯を沸かす給湯器システムのため、基本的に朝起きた時には沸き上げが終了しています。しかし、何らかのトラブルが発生すると、朝起きた時や日中でもずっと沸き上げ中になるケースがあります。
そこで今回は、エコキュートがずっと沸き上げ中になる理由について解説します。日中に追加で沸き上げをしようとする場合の防ぐ方法もわかりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの仕組み
エコキュートは一般的なガス給湯器と異なり、お湯を夜間に沸かして、日中に消費する貯湯式給湯器システムです。
エアコンの室外機のようなヒートポンプユニットが空気の熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクユニット内部で貯めて、必要に応じて各所に給湯するようにリモコンユニットでコントロールします。
夜間にお湯を沸かすのは、エコキュートを導入すると夜間の電気料金単価が安くなる季節別時間帯電灯に切り替えているからです。
例えば、中部電力ミライズの場合、エコキュートを導入するとオール電化向け料金プラン「スマートライフプラン」に切り替えます。「スマートライフプラン」の電気料金は以下の通りです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 契約容量10kVAまで | 1ヵ月1契約に付き | 1487.04円 |
契約容量10kVAを超える場合 | 1ヵ月1kVAにつき | 286.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWhにつき | 38.71円 |
@ホームタイム | 28.52円 | ||
ナイトタイム | 16.30円 |
ナイトタイムは全日22時~翌日8時までで、デイタイムに比べると1kWhあたりの電気料金単価が約12円安いです。
エコキュートは「スマートライフプラン」のナイトタイムのような、電気料金単価が安い時間帯にお湯を沸かすため、お湯を沸かすランニングコストがほかの給湯器よりも抑えられています。
メーカーや機種によって給湯効率や搭載されている機能などは異なりますが、電気料金の安い夜間にお湯を沸かすという仕組みはどのエコキュートでも共通しています。
エコキュートがお湯を沸かすために必要な時間
エコキュートがお湯を沸かすために必要な時間は、機種や季節、タンク内部に残っている湯量などによって異なります。
パナソニックによれば、ヒートポンプユニットの性能によって異なりますが、約80℃のお湯を夏季なら1時間に約62L、冬季なら1時間に約49L沸かすことが可能です。
設定温度を下げれば、1時間あたりの沸き上げ量を増やすことができます。例えば、約40℃のお湯を沸かすなら、冬季でも1時間に約98L沸かすことが可能です。
ダイキンの発表でも、42℃のお湯を沸かすなら1時間で約100L沸かすことできます。つまり、エコキュートは約40℃のお湯を1時間で約100L~約130Lのお湯を沸かすことが可能です。
一般的なエコキュートの貯湯容量は370Lと460Lです。次の表は、貯湯容量370Lと460Lのエコキュートを、冬季に満タンにするまでに必要な時間をまとめたものになります。
370L | 460L | |
---|---|---|
約40℃のお湯 | 約3.7時間 | 約4.6時間 |
約80℃のお湯 | 約7.5時間 | 約9.3時間 |
表の時間はあくまでも目安で、実際の給湯時間はエコキュートの性能や外気温などに影響を受けます。しかし、約40℃のお湯は5時間以内に、約80℃のお湯は9時間もあれば満タンになる計算です。
オール電化住宅向けの料金プランは電力会社によって内容は異なりますが、中部電力ミライズの「スマートライフプラン」のナイトタイムは、22時~翌8時までなので、10時間あります。
つまり、貯湯容量が大きく、水温や外気温が低い冬季でも、エコキュートの沸き上げは電気料金単価が安い夜間時間内に終わる可能性は高いです。
エコキュートがずっと沸き上げ中になる理由は?
エコキュートの沸き上げが深夜時間帯に終わらず、朝起きた時や日中でもずっと沸き上げ中になる理由は以下の通りです。
- エコキュートの性能が低い
- エコキュートが故障している
- 深夜にトラブルが起きていた
上記の理由を順番に解説します。
エコキュートの性能が低い
エコキュートがずっと沸き上げ中になってしまう理由として考えられるのが、エコキュートの性能と設定温度のバランスが合っていないことです。
1時間に沸かせるお湯の量はエコキュートの給湯効率により異なりますが、基本的にお湯の設定温度が低いほど沸かす湯量は増えていく傾向があります。
ダイキンエコキュート | 1時間あたりに沸かせる湯量(冬季) |
---|---|
約40℃のお湯 | 約100L |
約80℃のお湯 | 約50L |
エコキュートは定期的に手入れやメンテナンスを行っていれば10年以上使用できますが、使用していれば部品が摩耗していき、性能が劣化します。
つまり、エコキュートの性能に対して給湯温度が高すぎると、1時間あたりに沸かせる湯量が少なくなり、深夜時間を過ぎてもずっと沸き上げ中になる可能性があります。
また、外気温が極端に下がってしまうと、一般地仕様のエコキュートでは給湯効率が著しく下がり、深夜時間帯にお湯の沸き上げが終わらない可能性もあります。
冬に入ってから朝になってもエコキュートの沸き上げが終わらない場合は、リモコンユニットで給湯温度を下げてみましょう。
エコキュートが故障している
エコキュートの設定温度を下げている、あるいは冬用のモードに切り替えているのにずっと沸き上げ中になるのは、エコキュートで次のような故障が発生している可能性が高いです。
- 水漏れ
- ヒートポンプユニットの不具合
- 配管内部の凍結
貯湯タンクユニットや配管から水漏れが発生しているなら、お湯が貯まらないので沸き上げが終わりません。
また、ヒートポンプユニットは基板やセンサーなど精密な部品がいくつも使用されているので、故障しやすい機器です。例えば、サーミスタという部品が壊れると自動制御ができなくなり、リモコンユニットに沸き上げ中の表示が続くトラブルが発生します。
ほかにも、外気温が氷点下まで下がると配管内部の水が凍ってしまい、お湯の沸き上げが行えない状況になります。エコキュートはお湯を沸き上げようとしますが、配管内部が凍っているので、朝になっても沸き上げ中のままというケースがあります。
深夜にトラブルが起きていた
エコキュートの性能や故障が原因でないなら、深夜にトラブルが起きていた可能性があります。
例えば、深夜に何らかの原因によってブレーカーが落ちていたり、停電が発生したりしていると、沸き上げが停止になります。
ブレーカーが復旧する、あるいは停電が解除されると自動的に沸き上げが再開されますが、時間が足りなくて日中まで沸き上げが続き、ずっと沸き上げ中になっているように見えてしまいます。
エコキュートが深夜に停止していたかどうかは、リモコンユニットの時刻設定を確認しましょう。ブレーカーが落ちたり、停電が発生したりすると、エコキュート内部の時刻設定がズレることがあります。
エコキュートがずっと沸き上げ中になっている場合の対処方法
エコキュートがずっと沸き上げ中になっている場合、まずはエコキュートのリモコンユニットにエラーコードが表示されていないか確認しましょう。
エラーコードとは、アルファベットと数字の組み合わせにより、エコキュートで起きているトラブルや故障内容を示す表示です。
エコキュートメーカーや機種によってエラーコードの内容は異なりますので、取扱説明書や公式サイトでエラーコードの内容を確認し、ご自身で対応できる内容でしたら、対処しましょう。
本格的な修理が必要な場合は、施工業者かエコキュートメーカーの相談窓口に依頼します。次の表は、主要なエコキュートメーカーの相談窓口をまとめたものです。
相談窓口 | |
---|---|
パナソニック |
0120-878-554(年中無休) 03-6633-6700・0120-087-704 (上記の番号が利用できない場合) |
三菱 |
0120-139-365 (平日9時~19時、土日祝9時~17時) |
ダイキン | 0120-881-081 |
コロナ |
0120-919-302(年中無休) 0570-550-992 (上記の番号が利用できない場合) |
日立 |
0120-3121-68 (月~土9時~18時、日・祝日9時~17時) 0570-0031-68(携帯電話) |
東芝 |
0120-1048-19(全日9時~20時) 03-5365-7420(携帯電話) |
エコキュートの追加沸き上げを防ぐ方法
エコキュートが日中に追加沸き上げを行うと、電気料金が高くなる恐れがあります。そのため、日中に追加沸き上げを行おうとする場合は、手動で沸き上げの休止設定を行いましょう。
また、エコキュートによっては学習機能が付いており、使い方によっては昼間に沸き上げするように学習する場合もあります。エコキュートの取り扱い説明書を確認して、夜間だけ沸き上げるように沸き上げ時間を設定すると良いです。
ほかにも、エコキュートの給湯温度を上げるという方法もあります。
エコキュートの給湯温度が40℃で、風呂やシャワーの温度も40℃の場合、貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯をそのまま使用します。
しかし、エコキュートの給湯温度が60℃で、風呂やシャワーの温度が40℃の場合、貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯と水道水を混ぜて、風呂やシャワーの温度まで下げてから給湯します。
給湯温度が高いほど水道水を多く使用するので、貯湯タンクユニットのお湯の消費量は少ないです。お湯の消費量が少なければ、夜間に沸き上げを行う時間も短縮されるので、追加沸き上げを防ぐことができます。
まとめ
以上が、エコキュートがずっと沸き上げ中になっている理由の解説です。朝起きた時や日中でもエコキュートがずっと沸き上げ中になっている場合、下記のいずれかがが原因と考えられます。
- エコキュートの性能が低い
- エコキュートが故障している
- 深夜時間帯にトラブルが起きていた
エコキュートが故障しているならリモコンユニットにエラーコードが表示されているので、取扱説明書や公式サイトで内容を確認し、場合によっては施工業者やメーカーに修理を依頼しましょう。
エコキュートの性能が低い場合は、エコキュートの設定を見直すか、エコキュートの買い替えをお勧めします。
特に、購入してから10年以上が経過しているエコキュートは、メーカー側で部品の生産が終了していることもあるので、故障したときに修理できない可能性が高くなります。そのため、購入してから10年以上経過しているなら、買い替えを検討してみましょう。
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