エコキュートでは水道代が高くなる? 導入するとどう変化するのかを検証!
2024年7月27日
私たちの日常生活においても「省エネ」のキーワードが浸透し、節水や節電などを通じてエネルギー消費量を削減していく取り組みが続けられています。
継続的に電力や燃料を消費する住宅設備においても同様で、少ないエネルギーで効果を発揮する高効率な機種が続々と登場しているのも周知の通りです。
家庭生活のなかでももっとも多くのエネルギーを必要とするのが「給湯」に関わることで、高い効率を実現する省エネタイプの給湯機も導入が進んでいます。
そのうち電気をエネルギー源として稼働するのが「エコキュート」です。
本記事では高効率給湯器の一種であるエコキュートを取り上げ、電気代や燃料費の節約に対して「水道料金が高くなるのでは」という懸念とその理由・対策について解説します。
エコキュートとは? どんな仕組み?
はじめにエコキュートとはどのような仕組みの給湯機であるのかを概観しておきましょう。
エコキュートは電気を動力源としていることを先に述べましたが、電気の熱で水をお湯にするわけではありません。
概要としては「ヒートポンプ」という装置で大気中から集めた熱を、二酸化炭素を媒介として運びます。気体は圧縮すると熱くなるという性質を利用して熱量を高め、これを循環させて水を加熱することでお湯を得るという仕組みです。
ヒートポンプの機能は温めることも冷やすことも可能であり、エアコンや冷蔵庫にも同様の原理が使われています。
エコキュートはこのヒートポンプの機能を使って主に夜間の安い電力でお湯をつくり、貯湯タンクに貯めておいて適宜給湯するというのが基本的な構造です。
エコキュートは水道代が高くなる?
高効率給湯器の一種であるエコキュートは、光熱費の低減と温室効果ガス削減に寄与することは周知の通りです。
しかしその一方で、導入することによって水道料金が高くなるといった声が聞かれることもあります。
結論からいうと、エコキュートを導入することによって必ず水道料金が上がってしまうという特性が存在するわけではありません。
ではなぜエコキュートは水道代が高くなるといわれるのでしょうか。
以下にその理由について具体的なケースを踏まえて検証していきましょう。
エコキュート導入で水道代が高くなるケースの理由3選
エコキュートそのものに水道料金が上がる性質はないものの、導入することによって副次的な理由から水道使用量が増加してしまうことはあり得ます。
そうしたケースの代表的な3つの事例を、以下で見ていきましょう。
水漏れしている
エコキュートの導入によって水道料金が高くなった場合には、水漏れしている可能性があります。
エコキュートの構造上、そのままでは水を必要以上に消費することはないため、不自然に水道料金が上がっているときにはいずれかの部位から水が漏れてロスとなっていることが考えられます。
エコキュートにはヒートポンプユニットや貯湯タンクなど水・お湯が流れる配管が多数備えられており、これらから漏水するケースが皆無ではありません。
日中の暖かい時間帯に本体周りが濡れていたり、設備の周辺に濡れたような跡があったりする場合は水漏れの可能性を疑ってみましょう。
もちろん設置工事の不良というパターンも皆無ではありませんが、配管部材が地震などの衝撃でずれたりダメージを受けたりして継ぎ目から漏水してしまうこともあります。
万が一水漏れに気が付いたらできるだけ早く施工した業者に相談することが重要ですが、エコキュート専用の止水栓を操作するなどして水の供給を自分で止めることもできるため、ある程度の取り扱い方を把握しておくことが望ましいでしょう。
水圧の高いタイプである
エコキュートの機能自体に水道料金が上がる性質はないことを先に述べましたが、水圧の高い機種であればついついお湯を使いすぎてしまう懸念があります。
それというのもエコキュートは貯湯タンクにお湯を溜める構造であることから、タンクに圧力がかかりすぎてダメージを与えないよう水圧を弱める処置が施されています。
このことからエコキュートは水圧が弱いとされていますが、2階以上にキッチンや風呂場を設けるケースなどに応じて高水圧タイプの機種もラインナップされています。
こうした水圧の強いものは通常タイプの1.5~1.8倍にもなることから、同じ使用時間でも消費する水の量は多くなってしまいます。
このように高水圧タイプのエコキュートでは、無意識に多くのお湯を使ってしまうことで水道料金が高くなるケースが考えられるでしょう。
大容量タンクで必要以上のお湯を使ってしまう
エコキュートはヒートポンプでつくったお湯を専用のタンクに溜めておき、必要に応じてそこから給湯する仕組みであることを述べました。
貯湯タンクにはさまざまなサイズがありますがおおむね370Lか460Lが一般的な容量規格で、家庭生活でのお湯の想定使用量に応じて選択します。
当然ながら必要量に満たないタンク容量だとすぐにお湯切れを起こしてしまいますが、逆に必要以上の湯量を使ってしまう結果として水道料金が上がる可能性も否定できません。
家庭における一日のお湯消費量に対して多すぎる容量のタンクを備えていると、ついつい不要なはずのお湯を使ってしまうことも考えられるでしょう。
必要量を確保することは重要ですが、省エネタイプの給湯器でもさらに無駄なく使う心がけが肝心です。
エコキュートの水道代を抑えるための工夫とは?
エコキュートの導入で副次的に水道代が上がってしまう例を見てきましたが、中には使い方を工夫することで対処可能なものもあります。
そこでエコキュートでの水道代を抑えるための、具体的な3つの方策を以下で見てみましょう。
追い焚き機能の効率利用
エコキュートでお風呂を入れる場合、追い焚きの機能を効率的に活用することで水道代を抑えられます。
追い焚きというのは周知の通り、バスタブに張ったお湯が冷めた場合に再加熱することで、エコキュートでも同様のことが可能です。
ヒートポンプで集めた熱を圧縮・温度上昇させて水に伝えることは追い焚きにも利用でき、同じ水を使うことで消費量を低減します。
その際には貯湯タンク内のお湯とは完全にルートが分けられており、両者が混入してしまうことはないため安心して追い焚き機能を利用できます。
ただし当然ながら完全な水から再加熱するとその分多くのエネルギーが必要なため、できるだけ温かい状態で追い焚きすることで最低限の時間とエネルギー消費で済むことを念頭に入れておきましょう。
節水シャワーヘッドの利用
通常タイプのエコキュートは構造的に水圧が弱く、高水圧の機種では同じ使用時間でも水道使用量が増えてしまうことを先に述べました。
そのため高水圧タイプではお湯の使用時間に留意することはもちろんですが、通常機種でも節水タイプのシャワーヘッドに交換するといった工夫も非常に有効です。
この節水シャワーヘッドとは水圧を高めて出てくるお湯の勢いを強くする機能を持っており、自分で交換できる手軽さも魅力です。
そもそも通常型エコキュートの水圧は水道の半分以下であり、そのままではシャワーとしてやや心もとなく感じる人も少なくありません。
シャワーの水圧が弱いとついつい必要以上の使用時間となる場合があり、これも結果として水道代の増加につながってしまいます。
キッチンや風呂場、あるいは洗面所など給湯の必要なスペースが家の2階以上に設けられている場合は高水圧タイプのエコキュートが推奨されますが、そうでない場合にもわずかな工夫で効果を得つつ節水できるライフハックがあるため、効率的に利用する工夫に取り組みましょう。
最適なタンク容量の選択
エコキュート導入をきっかけに水道代が上がる原因の一つとして、過剰な分量の貯湯タンクによりお湯を使いすぎてしまうことを先の項目で挙げました。
そのため最適なタンク容量を選択することは非常に重要で、これは導入の計画段階で入念にシミュレーションを行っておくのがポイントです。
例えば一般的なサイズのバスタブであれば、目いっぱいお湯を張るとおおむね240L程度が必要となります。
ふつうに入浴するためには180~200Lほどあれば十分と考えられ、仮に370Lの容量を持つ貯湯タンクであれば半分ほどのお湯を消費する計算になります。
ですが実際には、貯湯タンク内にはそのまま浴びて快適な温度のお湯が溜められているわけではありません。
もっと高温の熱湯が蓄えられ、用途に合わせて最適な温度になるよう水で割って供給されているため、通常であればタンク容量以上のお湯を使える点を把握しておきましょう。
このことから、家族構成を含めて一日のお湯使用量を理解し、最適な容量のタンクを選ぶことが水道代を抑えることにつながります。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートの導入で水道代が高くなるといわれることについて、その副次的な理由の具体例と対応策を解説しました。
エコキュートは導入にあたって初期費用が高めな傾向はありますが、長期的なスパンではそれを補って余りある光熱費削減効果とランニングコストの安さを誇ります。
その一方で利便性のあまり水道使用量が増えすぎてしまっては本末転倒のため、無駄を出さないような利用の仕方を工夫する必要があります。
1998年に創業した「エコパパのお店」は、エコキュート設置の専門店です。
関東・関西・中部・中四国・九州の各エリアに拠点を持ち、地域に寄り添った迅速・丁寧なサービスでこれまでに20,000件以上の施工実績を有しています。
エコキュートの設置や買い替えなど、関連する設備の施工についてご検討中のことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合せくださいませ。