エコキュートの取り付け方は?工事の流れや工事費用の相場などをわかりやすく解説
2023年7月4日
エコキュートは貯湯式給湯器のため、ガス給湯器とは取り付け方に違いがあります。そのため、エコキュートを取り付けたいと考えている方は、工事の流れや工事費用の相場などを知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートの取り付け方について解説します。工事の流れや費用の相場を解説するので、最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす貯湯式給湯器です。ヒートポンプユニットが外気を取り込んで圧縮して生み出した熱でお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで貯めておき、各所に給湯する仕組みです。
一般的なガス給湯器は瞬間式給湯器と呼ばれており、給湯器内部にあるバーナーで水道管を温めて、各所に給湯します。そのため、ガス給湯器とエコキュートでは次のような違いがあります。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
給湯器の種類 | 貯湯式給湯器 | 瞬間式給湯器 |
必要なエネルギー | 電気 | ガス |
貯湯タンク | 必要 | 不要 |
水圧 | 普通 | 強い |
お湯を沸かすためのランニングコスト | 安い | 高い |
エコキュートでは貯湯タンクユニットを設置するため、ある程度の設置スペースや基礎工事が必要になります。
エコキュートの取り付け方
エコキュートは以下の手順で取り付けを行います。
- 現地調査
- 商品の提示と契約
- 既存設備の撤去
- 基礎工事
- 配管接続工事
- 電気工事
- リモコン工事
- 試運転
- 電力会社への申請
上記の手順を順番に解説します。
現地調査
エコキュートは設置環境や機種にもよりますが、基本的に建物の外に設置する給湯器です。
ヒートポンプユニットはエアコンの室外機と同程度のサイズですが、貯湯容量370Lで角型の貯湯タンクユニットなら、横幅630mm、奥行き730mm、高さ2000mm以上はあります。
貯湯タンクユニットを置いたうえに、さらにメンテナンスや点検を行うためのスペースが必要になるので、機種によっては狭小スペースや集合住宅では設置できない可能性があります。
なお、貯湯容量が大きくなると、同じ機種なら横幅や奥行きは変わりませんが、高さが高くなり、満水時の重量が重くなる傾向があるので、設置する土地の状態によっては補強工事が必要です。
そのため、エコキュートの販売業者は現地調査を行って、設置できるエコキュートのサイズや必要な工事の有無などを確認します。
ただし、既にエコキュートがあり交換する場合など、写真等でも十分に情報が得られる際は現地調査が必要ない事もあります。
また、エコキュートはメーカーや機種によって性能や貯湯容量、機能などが異なります。エコキュート選びで失敗しないためには、ある程度の知識が必要になるため、専門的な知識を持つ販売業者がお客様のご要望に関するヒヤリングを行います。
商品の提示と契約
設置スペースとご要望を踏まえたうえで最適な商品を提示して、契約を行います。
大抵の販売業者が工事を行う前に見積書を提示するので、本体価格や工事費用などを確認し、場合によっては別の業者と比較しましょう。
見積書の内容に問題がなければ契約を結びます。
既存設備の撤去
エコキュートの工事は場所にもよりますが1日で完了します。最初に行うのは既存給湯器の撤去で、不要になったガス給湯器や電気温水器、エコキュートなどを取り外して、廃棄します。
費用は既存設備の種類やサイズによって異なりますが、大抵は2万円前後です。なお、給湯器は撤去しますが、利用できそうな配管は残して再利用します。
基礎工事
既存設備を撤去したら同じ場所、あるいは別の場所にヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットを設置します。
ヒートポンプユニットはエアコンの室外機と同程度のサイズなので基本的に問題ありませんが、貯湯タンクユニットはお湯を満タンまで入れると400kg以上になることも珍しくないので、設置場所によっては追加工事が必要です。
例えば、設置予定場所がコンクリートの場合は強度を調べて、直接アンカーを打ち込んで倒れないように固定します。設置場所が砂利や土の場合は、エコベースもしくは先行土間打ちを行います。
エコベースとはエコキュートや電気温水器、蓄電池を設置する際に使用する基礎のことで、高い強度と安全性を誇り、作業時間が短いことから簡易基礎とも呼びます。
先行土間打ちとは、貯湯タンクユニットを設置するためのスペースに土間コンクリートを打ち込む作業のことです。エコベースよりも強度や安全性は高いですが、土を掘り、型枠を作成し、鉄筋を打ち込むなどの作業に手間や時間がかかります。
設置場所がコンクリートである、あるいは前のエコキュートのエコベースを使用する場合は基礎工事の費用がほとんどかかりません。しかし、エコベースを新しく設置するなら2万円~3万円、先行土間打ちなら3万円~5万円程度かかります。
配管接続工事
貯湯タンクユニットを設置したら、次は水道水やお湯などを送るための配管接続工事を行います。主に、次の配管を設置します。
配管の種類 | 概要 |
---|---|
給水配管 | エコキュートに水道水を送る配管 設置環境や前の給湯器によっては、使用していた配管を再利用する場合がある |
追い焚き配管 | 浴槽のお湯を温めなおす配管 追い焚き機能を持っているエコキュートを設置する場合に必要 |
ドレン配水管 | ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットから出る排水を流す配管 工事をしないとヒートポンプユニットが凍結する恐れがある |
上記の配管工事にそれぞれ2万円~5万円程度かかります。なお、設置スペースの関係でエコキュートを設置する場所が浴室から離れている場合は延長工事が必要になります。
施工業者によって価格は異なりますが、1mあたり1,000円程度掛かると覚えておきましょう。
電気工事
配管工事が終わったら、電気関連の工事を行います。エコキュートは一般的なガス給湯器に比べて配線工事が複雑で、配線が絡まったり、順序を間違えたりすると正しく動きません。
また、エコキュートは200Vが必要な住宅機器なので、ご自宅の分電盤が100Vまでの場合は分電盤の交換、あるいは追加でブレーカーを付けることがあります。
電気配線工事やエコキュート用のブレーカーの取り付けのみの場合なら3万円~5万円程度ですが、分電盤の交換や幹線の張替などが発生すると、追加で10万円以上する場合があります。
配管同様にエコキュートとブレーカーの距離が離れている場合は電気配線の延長工事も必要になるので、見積書に含まれているか確認しましょう。
リモコン工事
最後にエコキュートのリモコンを台所と浴室に取り付けます。基本的に以前の給湯器で取り付けていた場所にリモコンを設置する場合が多いです。
試運転
リモコン工事まで終わったら、試運転を始めます。貯湯タンクユニットに給水を行い、タンクが満タンになったらヒートポンプユニットのエア抜きをして流量を確認します。
あとは給水専用止水栓や漏電ブレーカーなど、各所の動作を確認したら、お湯が沸けるかテストを行います。全て問題がなければ、現場で行うことは終了です。
電力会社への申請
エコキュートに買い替えると各電力会社のエコキュート専用の料金プランに変更する必要があります。
例えば、中部電力エリアに住んでいる方は、次のスマートライフプランに契約します。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10kVAまで | 1契約 | 1597.04円 |
10kvAを超える | 1kVA | 297.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWh | 38.95円 |
@ホームタイム | 28.76円 | ||
ナイトタイム | 16.63円 |
基本的に、電力会社への申請は施工業者が代行します。ブレーカーを追加した場合の申請もあるため、一緒に行うケースが多いです。
ただし、ガス給湯器を利用していて、エコキュートに交換したことでガスを使う必要がなくなった場合の手続きはご自身でおこなってもらう可能性があります。手続きの有無は施工業者に確認しましょう。以上で、エコキュートの取り付け手順は終了です。
エコキュートの取り付け費用は?
施工業者によって異なりますが、エコキュートの取り付け費用の相場は10万円~20万円程度です。
以前の給湯器で使用している配管が再利用可能だったり、貯湯タンクユニットを設置する場所がコンクリで固めていたりするなど、設備や環境を利用できれば取り付け費用は抑えることができます。
しかし、配管が古い、基礎工事が必要などの場合は追加費用が発生するため取り付け費用が高額になる傾向があります。
エコキュートの取り付けは素人でもできる?
結論から申し上げますと、エコキュートの取り付けは素人にできません。
エコキュートを設置するためには第二種電気工事士と排水装置主任技術者という2つの資格を持っている人間が必要です。また、ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合は、2つの資格に加えてガス機器設置スペシャリストや液化石油ガス設備士も必要になります。
取り付け方のマニュアルや動画は公開されていますが、あくまでも専門の業者に向けている情報で、一般の方向けの内容ではありません。
エコキュートは楽天やAmazonなどのネットショップで購入できますが、設置は専門の資格が必要だと覚えておきましょう。
エコキュートは屋内に設置できる?
基本的に、エコキュートは屋外設置が推奨されている住宅機器です。
特にヒートポンプユニットは冷媒にCO₂を利用しているので、屋内に設置しているとCO₂漏れによる酸欠や、冷風による室内温度の低下などのリスクがあります。そのため、ヒートポンプユニットは必ず屋外に設置します。
ただし、外気温が著しく下がる地域では、貯湯タンクユニットを室内に設置する場合はあります。なお、設置する場合は密閉室ではなく、通気口を設けてある室内に設置します。
エコキュートを設置する際にやっておきたい追加工事は?
エコキュートを設置する際にやっておきたい追加工事は凍結や積雪対策です。
エコキュートは外気温が氷点下以下になる環境では、配管内部の水が凍結する危険があります。一晩中お湯側の蛇口を開いておく、エコキュートの凍結機能を利用するなどの方法で凍結を防ぐことはありますが、忘れてしまう可能性は否定できません。
そのため、寒冷地方に住んでいる方は施工業者と相談して、配管周りに配管保温保護カバーや凍結防止用ヒーターなどを取り付けると良いです。
また、豪雪地帯の場合、屋根に積もった雪が落ちてきてヒートポンプユニットが破損するリスクもあります。積雪や落雪などに対応できる防雪屋根が販売しているので、施工業者に取り付けを依頼しましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの取り付け方です。エコキュートは下記の順番で取り付けを行います。
- 現地調査
- 商品の提示と契約
- 既存設備の撤去
- 基礎工事
- 配管接続工事
- 電気工事
- リモコン工事
- 試運転
- 電力会社への申請
エコキュートの取り付け費用の相場は10万円~20万円で、設置環境や施工業者によって金額は異なるため、複数の業者から見積もりを取って比較すると良いです。
「エコパパのお店」はこれまでに数多くの施工実績を積み重ねており、多くのお客様に満足頂いております。メーカー正規品を低価格で販売しており、専門知識が豊富なスタッフが対応致しますので、エコキュートに興味がある方はぜひご相談ください。