エコキュートを利用中に断水した場合の対処方法は?断水時にやっておくことや注意点を解説
2022年5月22日
エコキュートを利用する際は断水に注意しましょう。断水が起きた時に適切な対処方法をとっていないと、お湯が濁る、あるいはエコキュートが故障する原因となります。
そこで今回は、エコキュートを利用中に断水した場合の対処方法について分かりやすく解説します。断水時にやっておくことや、知っておきたい注意点なども併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
断水とは?
断水とは、水道管が何らかの理由で機能を停止して水を供給できなくなる状態を指します。断水が起きる理由によって、断水の呼称が次のように異なります。
- 計画断水…水道管の新設工事や更新工事
- 緊急断水…災害や不測の事態
計画断水
計画断水は、文字通り計画して断水をするので、事前に通知されるのが特徴です。水道管の法定耐用年数は40年で、古い水道管だと新耐震基準を満たしていない可能性があります。
そのため、自治体は水道管の新設工事や老朽化した水道管の更新工事を定期的に行っています。
緊急断水
計画断水は事前に通知されるため、前もって準備しておくことができます。一方で、地震や凍結など、予想していない事態で起きてしまう断水のことを緊急断水と呼びます。緊急断水はいつ起きるのか分からないため、事前に準備をしておくことは難しいです。
また、漏水箇所が分かる、あるいは範囲が狭い場合はすぐに修理できますが、凍結のように断水している場所が分かりづらい、漏水や故障の範囲が広い場合は修理に時間が掛かり、断水が長引く傾向があります。
なお、エコキュートは利用中に断水が起きると、自動的に停止する仕組みとなっています。次のエラーコードが表示された場合、断水が起きているので適切な対処方法を行いましょう。
メーカー名 | エラーコード |
---|---|
パナソニック | U22 |
三菱電機 | P21 |
コロナ | E14 |
ダイキン | C15、C16 |
日立 | Er15 |
東芝 | U27 |
断水が起きた時のエコキュートの対処方法
計画断水、あるいは緊急断水が発生したときはエコキュートの給水止水栓を閉めましょう。
エコキュートのメーカーや機種によって操作方法は多少異なりますが、基本的に貯湯タンクユニットの脚部や下部あたりに給水止水栓はあります。貯湯タンクユニットに脚部化粧カバーが取り付けられている場合は、外して確認してみましょう。
なお、給水止水栓は給水配管の途中に設置されています。貯湯タンクユニットに付属されておらず、取付位置や形状は家庭ごとに異なるので、分からない場合は設置業者に尋ねてみましょう。
給水止水栓の位置が分からない、あるいは取り付けていない場合は、水道メーター横の止水栓を閉めましょう。
断水時に給水止水栓や止水栓を閉める理由
断水時にエコキュートの給水止水栓や水道メーター横の止水栓を閉める理由は、貯湯タンクユニット内部に泥水や空気が入るのを防ぐためです。
普段の水道管は水で満たされ圧力がかかっているので、貯水場から各家庭まで泥水や異物が入らないようになっています。しかし、計画断水や緊急断水が起きると、水道管の取外し工事が起きるので、泥水が混じってしまう可能性があります。
また、普段なら水圧により固まっていた水道管の内面のサビがはがれて、水に混じることもあります。
そのため、貯湯タンクユニットに泥水やサビが混ざらないように、エコキュートの給水止水栓や水道メーター横の止水栓を閉める必要があります。
断水が終わった後のエコキュートの対処方法
断水が終わっても、直ぐにお湯を使おうとするのは止めましょう。水道管内部に泥や空気が混じっている可能性があるため、まずは水だけを流して様子を見ます。
なお、エコキュートの給水止水栓を閉めたかどうかで、対処方法が異なります。順番に解説します。
エコキュートの給水止水栓を閉めた場合の対処方法
エコキュートの給水止水栓を閉めたなら、断水が終わっても閉めたままにしておきます。
まずは、蛇口のレバーを水側にして、泥水や空気が出なくなるのを確認するまで出し続けます。
給水止水栓を閉めたままでも、水は蛇口から出ます。また、給水止水栓を閉めておけば、間違えてレバーを湯側にしても、泥水や空気がエコキュートの貯湯タンクユニットに混ざるのを防げます。
蛇口から泥水が出ないのを確認したら、エコキュートの給水止水栓を開けます。なお、断水でエラーコードが表示されたら、リモコンをリセットしましょう。
エコキュートの給水止水栓を閉めていない場合の対処方法
エコキュートの給水止水栓を閉めていない場合は、家の水道メーター横の止水栓を開けます。
次に、蛇口のレバーを水側にして、泥水や空気が出なくなるまで出し続けます。このとき、エコキュートの給水止水栓は閉まっていないので、絶対にレバーを湯側にしないように注意しましょう。
水に泥や空気が混じっていないのを確認したら、水道メーター横の止水栓を開けます。なお、断水でエラーコードが表示されたら、エラーのリセットを試しましょう。
断水時の注意点
断水時には次のことに注意しておきましょう。
- トイレや洗濯機の止水栓も閉めておく
- 断水が終了してもすぐに水を出そうとしない
- 水を出す蛇口は外の蛇口から始める
- 洗面台やキッチンの洗管時にはフィルターを外す
上記の注意点について、順番に解説します。
トイレや洗濯機の止水栓も閉めておく
断水時にエコキュートの給水止水栓を閉めておくのは、泥水や汚れ、サビなどが貯湯タンクユニットに入ると故障の原因になるからです。
同様に、トイレや洗濯機に泥水やサビが混じってしまうと、故障する可能性が高まります。そのため、断水時はエコキュートだけでなく、トイレの給水止水栓や洗濯機の蛇口などを閉めておく必要があります。
断水が終了してもすぐに水を出そうとしない
計画断水や緊急断水が終わったとしても、すぐに水を出そうとしてはいけません。
断水の規模や内容にもよりますが、終了しても水道管内が満水になっていない、水道管内の洗浄が完全に終わっていない可能性があります。
また、水道水は配水池に近いほど水が早く出る仕組みとなっているので、配水池から遠いとすぐに水は出ません。
そのため、断水が終わったからと言ってすぐに水を出そうとしても、上手くいかない場合があります。自治体や建物の管理者から案内や通知が届くまで待ってみましょう。
水を出す蛇口は外の蛇口から始める
断水が終わった後の水道管は泥やサビ、ゴミ、空気などを巻き込みながら給水されます。そのため、断水後に水を出そうとすると、空気を吐き出すような音が断続的に続き、白く、あるいは茶色く濁っています。
断水後に行う水出しは、蛇口に負荷をかけるため故障の原因となります。そのため、断水後に水を出すなら、室外にある蛇口から始めると、故障した場合の修理代を抑えることができます。
断水後に蛇口で水を出す際は、次の順番で行いましょう。
- 1. 外の散水栓や蛇口
- 2. 洗面台
- 3. キッチン
- 4. 洗濯機用の蛇口
- 5. トイレ
- 6. 給湯器
洗面台やキッチンの洗管時にはフィルターを外す
外に蛇口が無く、洗面台やキッチンの蛇口で水を出す場合は、蛇口の吐水口(水の出口)にある泡まつキャップやフィルターを外しましょう。
断水後の水は泥やサビが混じっている可能性が高いので、フィルターを付けたままだと目詰まりの原因となります。フィルターを外してから、水を出して、汚れや空気が無くなるのを確認します。
断水時に給水止水栓を閉めていない場合
断水時にエコキュートの給水止水栓や水道メーター横の止水栓を閉めていないと、貯湯タンクユニットに泥やサビが混じる可能性があります。泥やサビが混じるとお湯が濁り、将来的には故障の原因となります。
エコキュートには水抜きというメンテナンス方法があり、貯湯タンクユニット内部の汚れを排出できます。メーカーや機種によって多少異なりますが、水抜きの手順は以下のとおりです。
- 貯湯タンクユニットの給水止水栓を閉じる
- 貯湯タンクユニットの逃し弁を開ける
- 貯湯タンクユニットの排水栓を開ける
- 汚水が排出されたら排水栓を閉める
- 給水止水栓を開けて貯湯タンクユニットに給水する
- 水が満杯になったら逃し弁を閉じる
エコキュートの貯湯タンクユニットはお湯を全て出して丸洗いすることが構造上できません。そのため、水抜きを行ってもお湯が濁る場合は、メーカーや設置業者に相談しましょう。
断水時にお湯を利用することはできるの?
基本的に断水時にシャワーや給湯は利用できません。使用すると、エラーコードが表示され、機能が停止します。
ただし、エコキュート内部に溜まっているお湯を直接出して、生活用水として使用することはできます。メーカーや機種によって手順は異なりますが、貯湯タンクユニットの非常用水取水栓を緩めるとお湯が出ます。
なお、貯湯タンクユニット内部のお湯は高温なので、出すときは注意しましょう。また、貯湯タンクユニットのお湯は飲用水として使用するのは推奨できません。飲用・調理に使う場合は、煮沸して使いましょう。
まとめ
以上が、エコキュートを利用中に断水が起きた場合の対処方法です。断水が起きると、エコキュートは自動的に停止しますが、そのまま放置していると故障の原因となります。
エラーコードが表示され、原因が断水の可能性が高い場合は、まずはエコキュートの給水止水栓を閉めましょう。次に水道メーター横の止水栓を閉めておくと、家全体の水回りや機器に泥水やサビが混じるのを防ぐことができます。
あとは、トイレや洗濯機の栓を閉めて断水が終わるのを待ちましょう。なお、断水が終わっても、すぐに水を出すようなことはせず、外の蛇口などを開いて泥水やサビ、空気などが排出できたか確認してから、お湯を使うようにしましょう。
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