エコジョーズとは?エコキュートとの違いやデメリットなどをわかりやすく解説
2023年3月13日
エコジョーズは給湯器の一種で、従来のガス給湯器に比べて省エネ性に優れ、CO2排出量も少なく、環境にやさしいとされています。
一方で、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。似たような名前ですが、お湯を沸かすための熱源や給湯の仕方などに違いがあります。
そこで今回は、エコジョーズとエコキュートの違いや、エコジョーズのデメリットなどをわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコジョーズとは?
エコジョーズとは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことが可能な給湯器システムのことです。従来のガス給湯器に比べて給湯熱効率がアップしたことで、次の3つのメリットがあります。
- お湯を沸かすためのガス消費量が少なくなる
- 同じ湯量を沸かしてもでもガス料金が安くなる
- CO₂排出量が削減される
つまり、ガス給湯器からエコジョーズに交換することでガスの使用量が減り、ガス料金の節約ができ、環境への影響を抑えられます。
エコジョーズとエコキュートの違いは?
エコジョーズとエコキュートは、どちらも給湯機能を持つ住宅機器ですが、次のような違いがあります。
- 熱源の種類
- 給湯の仕方
- ランニングコスト
上記の違いを順番に解説します。
熱源の種類
エコジョーズとエコキュートの最大の違いは熱源の種類です。エコジョーズは、ガスを燃焼させて熱を発生させる方式で、エコキュートは電気を使用して空気を圧縮して熱を発生させる方式です。
- エコジョーズ…ガスでお湯を沸かす
- エコキュート…電気と空気の熱でお湯を沸かす
従来のガス給湯器は配管を通る水道水を温めることで各所に給湯しています。メーカーによって性能に違いはありますが、基本的に熱交換は1回のみで、お湯を沸かす時に約200℃の排気が発生しています。
エコジョーズは熱交換を2回に増やすことで、余った熱を再利用している給湯器です。排気の温度は約50℃に下がっており、従来のガス給湯器に比べて無駄が少なく、効率よくお湯を沸かしています。
一方、エコキュートはエアコンでも使用されているヒートポンプを活用している給湯器です。ヒートポンプユニットが外気を取り込むと内部で圧縮し、高温に達した熱を利用してお湯を沸かします。
エコジョーズは、ガスを燃焼させることで、比較的短時間でお湯を沸かすことができますが、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすため、湯沸かし時間が長くなる場合があります。
給湯の仕方
エコジョーズとエコキュートは給湯の仕方にも違いがあります。
エコジョーズはお湯を沸かしながら各所に給湯する瞬間式給湯器で、エコキュートは沸かしたお湯を貯湯タンクユニットに貯めて、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。
- エコジョーズ…お湯を沸かしながら給湯する瞬間式
- エコキュート…沸かしたお湯を貯めておく貯湯式
従来のガス給湯器やエコジョーズのように、お湯を沸かしながら給湯する瞬間式はいつでも必要な量のお湯を利用できます。そのため、湯切れの心配がなく、水道水の水圧をそのまま利用できるというメリットもあります。
一方、エコキュートはヒートポンプユニットで温めたお湯を貯湯タンクユニットにて貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。高温の状態で保たれているお湯を給湯する際に、水道水と混ぜて設定温度まで下げてから各所に給湯します。
貯湯タンクユニットにお湯が無ければ、お湯を利用できません。そのため、エコキュートのような貯湯式給湯器は使いすぎると湯切れのリスクがあると覚えておきましょう。
ランニングコスト
エコジョーズとエコキュートの最後の違いはお湯を沸かすためのランニングコストです。
エコジョーズは従来のガス給湯器に比べてお湯を沸かすためのガス量が少ないため、同じ湯量を沸かすためのランニングコストがお得になります。
例えば、リンナイのエコジョーズは従来機種に比べて給湯効率が15%アップしているので、年間ランニングコストが116,570円から98,460円に下がり、年間約18,100円のランニングコストを節約できます。
一方、エコキュートは電気と空気の熱を利用するため、他の給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが大幅に節約できます。
次の表は、同じ湯量を沸かした場合の年間ランニングコストを比較したものになります。
エコキュート | エコジョーズ | 従来のガス給湯器 | |
---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約92,800円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約88,740円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約100,980円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約66,300円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約74,460円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約69,360円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約95,880円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約84,660円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約91,800円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約45,900円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストはエコキュートの性能や家族の人数、ライフスタイルによって異なりますが、エコジョーズよりもエコキュートの方がお湯を沸かすためのランニングコストを節約できます。
エコジョーズのデメリット
エコジョーズには次のようなデメリットがあります。
- 一般的なガス給湯器よりも本体価格が高い
- 余分な工事が必要になる
- お湯を沸かすためにガスが必要になる
- 中和器の交換が必要になる
上記のデメリットを順番に解説します。
一般的なガス給湯器よりも本体価格が高い
エコジョーズは比較する商品にもよりますが、一般的なガス給湯器よりも本体価格が高い傾向があります。
一般的なガス給湯器は100,000円~160,000円程度ですが、エコジョーズは150,000円~200,000円程度が相場となっています。
販売している業者によって販売価格は異なりますが、一般的なガス給湯器よりもエコジョーズのほうが高いです。
余分な工事が必要になる
エコジョーズは本来なら排気される余熱を利用してお湯を沸かしているため、ドレン排水が発生します。
ドレン排水とは、空気が熱を失って凝縮した際に発生する水のことで、エコジョーズでは機器内部に水が溜まらないように排水する仕組みがあります。
しかし、ドレン排水はそのまま流すことができないので、各自治体の条例に従って汚水系統か雨水系統の排水設備を設置が必要です。そのため、エコジョーズの本体価格とは別に、ドレン排水用の工事費用として、5,000円~10,000円がかかります。
お湯を沸かすためにガスが必要になる
エコジョーズはお湯を沸かすためにガスが必要な給湯器です。
液化石油ガス(LPガス)や都市ガスなどの燃料を必要とするため、火災の危険性があります。また、ガス漏れのリスクもあるため、定期的な点検が必要です。
他にも、ガスが必要になるので、オール電化住宅には不向きな住宅機器になります。
中和器の交換が必要になる
エコジョーズの最後のデメリットは、中和器の交換を10年に1度のペースで行う必要があることです。
エコジョーズは排気からの熱を回収して給湯効率を向上させていますが、余熱を利用する過程でドレン排水が発生します。ドレン排水は燃焼ガスに含まれる水蒸気が凝縮されている酸性の液体のため、でエコジョーズの外に排出する際には中和する必要があります。
中和器内部にはドレン排水を中性にするための炭酸カルシウムが詰められており、化学反応により中和します。この炭酸カルシウムは10年程度で減少して効果を失うので、定期的に交換を行います。
エコジョーズの種類にもよりますが、交換費用が12,000円~25,000円程度はかかると覚えておきましょう。
エコキュートとエコジョーズのどちらが良いの?
結論から申し上げますと、エコジョーズを購入するよりもエコキュートを購入したほうが良いです。
エコジョーズは従来のガス給湯器に比べてガスの消費量が抑えられています。ガスの消費量や機種にもよりますが、年間ランニングコストが10,000円~20,000円程度安くなることは魅力的です。
しかし、お湯を沸かすためのランニングコストはエコジョーズよりもエコキュートの方が抑えられます。例えば、中部電力エリアで従来のガス給湯器からエコキュートに交換した場合、年間ランニングコストが約63,600円も節約できます。
エコキュートの相場は400,000円~700,000円となっており、エコジョーズの相場の150,000円~200,000円程度に比べると高額ですが、10年近く使用していれば初期費用の差額を回収可能です。
また、エコキュートは国や地方自治体の補助金の対象となっているので、お得に購入することができます。
例えば、国が主導している「こどもエコすまい支援事業」の場合は27,000円、「給湯省エネ事業」の場合は50,000円がもらえます。
エコジョーズは、国の補助金制度が2023年3月時点で行われておらず、地方自治体レベルの補助金制度は10,000円~30,000円と少ない傾向があります。
エコキュートは貯湯式給湯器で、お湯の沸かし方や使い方がエコジョーズや従来のガス給湯器と異なります。そのため、最初は使い慣れないと感じるかもしれませんが、将来的なランニングコストを考えると、エコジョーズよりもエコキュートのほうがおすすめです。
まとめ
以上が、エコジョーズの解説になります。エコジョーズは、ガスを効率的に燃焼させることでお湯を沸かす給湯器です。従来のガス給湯器よりも給湯効率が良く、エコキュートと違って湯切れを気にせずに使用できるなどの特徴があります。
一方で、お湯を沸かすためのランニングコストは圧倒的にエコキュートのほうが安いです。そのため、コストパフォーマンスを重視するなら、エコジョーズよりもエコキュートの購入を検討してみましょう。
「エコパパのお店」では、メーカー正規品のエコキュートを低価格で販売しています。専門知識が豊富なスタッフが対応いたしますので、エコキュートの購入を検討している方は、ぜひご相談ください。