オール電化住宅の電気代はどれくらい?ポイントを押さえてしっかり節約
2024年3月22日
2021年のある調査によるとオール電化住宅の普及率は14.3%、持ち家一戸建てで20%強だとか。意外と低い理由は、本当に光熱費が安くなるか、疑わしく思っている方が多いからかもしれません。
ここではオール電化住宅にかかる電気代と、光熱費の全国平均を比較しながら、オール電化住宅なら電気代がどれくらい安くなるかをさぐります。
あわせて電気代を節約する方法についても、解説していきますので、ぜひ最後までお読み下さい。
オール電化住宅の電気代はどれくらい?
下記の表は関西電力が調査したオール電化住宅における光熱費(電気代)1カ月あたりの平均額を記載したものです。
季節による差は考慮しなければなりませんが、オール電化住宅にすると月々の電気代がどれくらいになるかがわかります。
- オール電化住宅光熱費平均額
オール電化住宅光熱費平均額 | |
---|---|
1⼈暮らし | 1万777円 |
2⼈家族 | 1万3,406円 |
3⼈家族 | 1万4,835円 |
4⼈家族以上 | 1万6,533円 |
また、下記の表は国の調査をもとに、電気代やガス代などを光熱費として関西電力が合計したものです。
オール電化住宅光熱費平均額表は関西電力の管内での調査に対して光熱費全国平均額表は全国であることなど、単純には比較できませんが、オール電化住宅にすると光熱費(電気代)がどれくらい安くなるかの目安になります。
- 光熱費全国平均額
光熱費全国平均額 | |
---|---|
1⼈暮らし | 9,134円 |
2⼈家族 | 1万4,824円 |
3⼈家族 | 1万6,754円 |
4⼈家族以上 | 1万7,617円 |
中でもオール電化住宅へのリフォームがおすすめなのは、割高なプロパンガスを使っているエリアです。下の表の値から上を引いたものより、さらに大きな光熱費の削減が期待できるでしょう。
とはいえ、どんな場合でもオール電化住宅にすると、光熱費が安くなるわけではありません。「1人暮らし」の項目を比較すると、オール電化住宅の方が光熱費が高くなることがわかります。
オール電化住宅へのリフォームで電気代がどれくらいになるかをもっと正確に知りたい方は、お住いのエリアの「エコパパのお店」まで、お気軽にお問い合わせください。
オール電化住宅なのに電気代が高い理由
ほとんどのケースで光熱費(電気代)が安くなるのが、オール電化住宅へのリフォームですが、一方で電気代の値上がりが心配な方もいらっしゃるでしょう。ニュースによると昨今の電気代の高騰で、ひと月の電気代が10万円を超えたオール電化住宅もあったとか。
しかし、ひと月の電気代が10万円超の話には、ちょっとした裏があるのです。
消費電力が高い機器を使っているから
電気代が特別に高いオール電化住宅の多くは、1990年代に建てられた初期型です。電気温水器や蓄熱暖房機など、今のものとは比較にならないくらい電気を消費する住宅設備を使っています。
寒冷地に住んでいるから
ひと月の電気代が10万円を超えたというニュースが報じられたのは、電気の消費量が増加する冬の時期でした。寒冷地では大量の電気を消費する暖房機器をフル運転せざるをえなくなり、高額な請求になってしまった可能性があります。
オール電化住宅で電気代が気になる機器
オール電化住宅で電気代が気になる機器とは、大量の電気を消費するものです。具体的には電気温水器や暖房機器、熱を発する住宅設備といえます。
電気温水器
電気でお湯を沸かす電気温水器の消費電力は相当なものです。たとえば、パナソニックは電気温水器のひと月あたりの電気代を1万3,200円としていますが、2024年3月に販売中のモデルでもこの金額なのです。古い機種を使っているなら、さらに電気代がかかっても不思議ではありません。
暖房機器
初期型のオール電化住宅に使われている暖房機器は、蓄熱暖房機やパネルヒーターかもしれません。空気を汚さないなどのメリットがある機器ではありますが、電気代に注目すると今ではさらにすぐれた機器も登場しています。
オール電化住宅ならヒートポンプの導入を
大量の電気が必要な温水器や暖房機器に対して、ヒートポンプは少しの電気で大きな熱を発生させます。ヒートポンプを利用したエコキュートや暖房用エアコンの導入で、オール電化住宅の電気代を大きく引き下げられるでしょう。
ヒートポンプは気体を圧縮すると、温度が上がる性質を利用したものです。空気中の熱を有効利用して水や空気を温めます。
エコキュート
ヒートポンプ技術を利用した代表劇な機器といえば、空気中の熱を集めてお湯を沸かすエコキュートです。夜間の割安な電力の利用で電気代を大きく引き下げます。
たとえば、パナソニックはエコキュートのひと月当たりの電気代を3,000円としています。電気温水器と比較すると、ランニングコストは実に4分の1になる計算です。
暖房用エアコン
ヒートポンプ技術を利用して、寒冷地向けに開発されたのが暖房用エアコン(ヒートポンプ暖房システム)です。蓄熱暖房機やパネルヒーターよりも安い電気代で、高い暖房効率が得られます。
国によると電気温水器や蓄熱暖房機を利用した、初期型のオール電化住宅が冬期に消費する電力が3,000~5,000kWhだったのに対して、ヒートポンプ技術を利用したエコキュートや暖房用エアコンを導入したオール電化住宅なら1,000kWh程度におさえることができるとか。
ひと月の電気代が10万円超という話は初期型のオール電化でのことであり、近年のオール電化住宅では少し考えにくいことがわかります。
旧型のエコキュートを使うデメリット
エコキュートを導入ずみだから、ひと月に10万円とまではいかないけれど、少しでも電気代を安くしたいという方は、新型のエコキュートへの入れ替えを検討してください。
導入から10年くらいたつ旧型のエコキュートを使い続けると、いくつかのデメリットが出てきます。
電気代が高い
旧型のエコキュートは新型にくらべると、電気代が高いのがデメリットです。
旧型と新型では年間保温効率に大きな差があります。年間保温効率とは、エコキュートがどれくらいの電気を使ってお湯を沸かすかをあらわしており、数値が高いほどかかる電気代が安いことをしめしています。
たとえばコロナが2013年に発売されたエコキュート(CHP-HX37AW2)の給湯保温効率は3.3ですが、2022年に発売の同クラスのもの(CHP-HXE37AY5)は4.0に改善されているのです。
年間保温効率が0.1低くなると電気代は年間1,000円節約できるので、3.3から4.0への改善は、年間7,000円の節約になると考えられます。
故障が多くなる
製造後10年くらいたつと、一定の温度のお湯が出なくなるなどの故障が多くなります。これはエコキュートの部品の耐用年数が、おおむね10年くらいだからです。高額な修理料金がかかるかもしれません。
あわせて困るのが、製造終了後10年程でメーカーは修理部品を保持しなくなることです。故障するだけでなく修理不可にもなりえるのが、製造後10年たったエコキュートなのです。
突然お湯が使えなくなる
調子が悪いエコキュートを使い続けるのは不安なものです。いつお湯が使えなくなるかわからないからです。
使っているエコキュートの製造年は、ヒートポンプの側面や貯湯タンクに貼られているステッカーで確認できます。
いざというときに備えて、最低限の耐用年数まであとどれくらいか把握しておくとよいでしょう。
電気代だけではない!新型エコキュートのメリット
新型エコキュートへの入れ替えるメリットは、電気代が安くなったり故障の心配がなくなったりするだけではありません。
各メーカーが搭載した新機能や、国や自治体が用意している補助金・助成金にも注目してください。
エコキュートの最新機能を楽しめる
近年のエコキュートで各メーカーが力を入れているのは、スマートフォンとの連携機能です。お湯をはる、沸き上げを停止する、使ったお湯の量を確認するなど、外出先からさまざまな操作が可能になっています。
また新型のエコキュートは、水圧が低いという不満も改善しています。各社工夫を凝らしていますが、中でも日立「ナイアガラ水圧」は出色の強さで、上水道の水圧そのままを使用できます。2箇所で同時にお湯を使うと水圧が弱いなどの不満を感じることもないでしょう。
新型のエコキュートに入れ替えて、細かな泡を発生させて保温や美肌効果を狙う、循環するお湯を殺菌するなど、さまざまな新機能を楽しみましょう。
補助金・助成金がもらえる
電気代が安くなるなど、よいことづくしのエコキュートへの入れ替えを、後押ししてくれる国の制度がスタートしています。住宅省エネ2024キャンペーン「給湯省エネ2024事業」は最高で13万円、電気給湯機からの入れ替えならなんと18万円がもらえるというもの。このチャンスを逃す手はありません。
新規導入だけでなく、新しいエコキュートへの買い替えでも使える補助金の基本補助金額は8万円ですが、導入する機種が条件を満たすごとに13万円まで増額されます。
また電気給湯機からエコキュートへの入れ替えは、撤去費用として5万円が補助されるのも耳よりなところです。電気給湯機からエコキュートに入れ替えて、電気代を大幅に削減してしまいましょう。
国だけでなくお住まいの都道府県や区市町村も、補助金・助成金を用意しているかもしれないので、ぜひ問い合わせてみてください。
オール電化住宅で電気代を節約する他の方法
エコキュートや暖房用エアコンの入れ替えで、オール電化住宅の電気代は削減できますが、ここからは他の方法についても見ていきましょう。
日中の電気の使用量をおさえる
オール電化住宅の多くは、深夜の電気料金が安いプランに加入しているはずです。一方で電気料金が割高なのが朝から夜にかけての時間帯、日中の電気使用量をおさえれば、電気料金を安くできます。
タイマーを駆使して、洗濯機や炊飯器などを深夜に集中して動かすのもよいでしょう。ただし騒音が近所迷惑にならないよう、お気をつけください。
電力会社やプランを見直す
2016年にスタートした電力の小売り全面自由化で、電力会社を自由に選べるようになりました。新電力と呼ばれる事業者の中には、携帯電話のキャリアが運営しているところもあるので、契約中のキャリアとそろえれば電気代が引き下げられるかもしれません。
また電気料金プランの見直しも、電気代の引き下げに有効です。
太陽光発電・蓄電池を導入する
太陽光発電や蓄電池を導入すると、電気代がゼロという毎日も夢ではありません。導入に費用がかかるのが難点ですが、中には東京都のように太陽光発電1kWあたり12万円、蓄電池は最大120万円という巨額の補助金を用意しているところもあります。
助成金・補助金を利用して、オール電化住宅で電気代ゼロの毎日を目指しましょう。
まとめ
オール電化住宅へのリフォームは光熱費の削減に効果的ですが、もしオール電化住宅で電気代の高さにお悩みなら、電気温水器や蓄熱式暖房機を、ヒートポンプ技術を利用したエコキュートや暖房用エアコンに入れ替えてみましょう。
また旧型のエコキュートを新型へ入れ替えるのも、電気代の削減に有効ですし、国が助成金を用意している今がチャンスです。最新のエコキュートの便利・快適機能を楽しむためにも、新しいエコキュートへの入れ替えをおすすめします。
これらの相談に最適なのは、日本各地に拠点を展開するエコキュート専門店「エコパパのお店」です。どんなことでも結構なので、お気軽にご相談ください。