壊れやすいエコキュートメーカーってあるの?エコキュートの寿命を伸ばすメンテナンスのやり方を紹介
2022年10月15日
エコキュートは一般的なガス給湯器に比べると高額な給湯機のため、すぐに壊れてしまったら勿体ないと思ってしまいます。そのため、壊れやすいエコキュートメーカーがあるのか、不安に思う方もいるかもしれません。
そこで今回は、壊れやすいエコキュートメーカーがあるのか、わかりやすく解説します。エコキュートの寿命を伸ばすメンテナンスも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
壊れやすいエコキュートメーカーってあるの?
結論から申し上げますと、エコキュートメーカーによって壊れやすさに違いはありません。
次の表は、エコキュートメーカーの保証期間をまとめたものです。
三菱 | パナソニック | 東芝 | ダイキン | コロナ | 日立 | |
---|---|---|---|---|---|---|
リモコンなど | 2年 | 1年 | 5年 | 1年 | 2年 | 1年 |
ヒートポンプユニット | 3年 | 3年 | 5年 | 3年 | 3年 | 3年 |
貯湯タンクユニット | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 |
メーカー保証とは企業が独自に品質を保証する規定のことで、保証期間内に故障した場合は無償で対応いたします。
メーカーが想定している使い方で突然故障したら、ユーザーはメーカーの製品に対して不信感を持つ可能性があるので、無償で修理します。
しかし、家電製品は使用し続ければ劣化していき、故障するリスクは高くなります。そのため、メーカーは耐久試験の結果やフィードバックなどから、故障するリスクが低い期間を算出して設定します。
つまり、メーカー側が設定する保証期間は、「故障するリスクは低い」と判断した期間となり、保証期間が長いほど耐久性に優れていると考えられます。
エコキュートはリモコンユニット、ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニットの3つで構成されており、それぞれ保証期間が異なります。
- リモコンユニット…エコキュートの設定温度や湯量を管理する
- ヒートポンプユニット…エコキュートの心臓部分で、お湯を温める
- 貯湯タンクユニット…ヒートポンプユニットが温めたお湯を貯めておく
ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットのメーカー保証期間は、東芝以外だとメーカーごとに大きな違いはありません。そのため、エコキュートメーカーによって壊れやすさに違いは無いと言えます。
エコキュートを選ぶ時はパナソニックや三菱などの有名メーカーだけでなく、コロナやダイキンなどの機能や特徴などもしっかりと確認しましょう。
東芝だけヒートポンプユニットのメーカー保証が5年の理由は?
貯湯タンクユニットはヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯めておく役割があります。使用している素材はメーカーによっては違いがありますが、基本的な構造は似ているため壊れにくさに大きな差はなく、どのメーカーも5年の保証を付けています。
ヒートポンプユニットもファンで取り込んだ空気の熱をコンプレッサーで圧縮し、水に熱を伝えてお湯にするという基本的な構造は共通しているため、東芝以外のメーカーは保証期間を3年としています。
しかし、東芝はエアコン分野で培ってきたノウハウと技術力により、ヒートポンプユニットの基板部分に特殊なコーティングを施しています。
ヒートポンプユニットの故障で最も多い基板部分の性能と耐久力を高めたことにより、ほかのメーカーよりも長い5年のメーカー保証を付けることができます。
エコキュートの寿命は何年なの?
使用頻度や設置条件によって変わりますが、エコキュートの寿命はヒートポンプユニットが5年~15年、貯湯タンクユニットは10年~15年とされています。
エコキュートは有償でメーカー保証期間を最長10年に伸ばすことができるので、メーカー側も10年程度なら故障する確率は低く、故障した場合でも対応できると判断している可能性があります。
ただし、エコキュートは定期的にメンテナンスを実行していないと寿命が短くなります。
エコキュートに必要なメンテナンスは?
エコキュートを使用し続けると、水道水に含まれる不純物が沈殿し、貯湯タンクユニット内部が汚れることがあります。また、追い焚きをしていると湯船内の皮脂や髪、入浴剤などが配管を循環するので、目詰まりの原因となります。
ゴミや汚れ、目詰まりを放置していると給湯効率が下がり、故障する可能性が高くなるので、メーカーも定期的に下記のメンテナンスをするように推奨しています。
- 貯湯タンクユニット内の掃除
- 給水口ストレーナーの掃除
- 浴槽アダプターの清掃
- 配管の清掃
- 漏電遮断器の動作確認
- 逃し弁の動作確認
- 水漏れの点検
上記のメンテナンスを半年に1度のペースで実行すると、エコキュートの寿命を伸ばすことができます。順番に解説します。
なお、機種によっては名称や手順が異なる場合があるので、メンテナンスを行う際は公式サイトか取扱説明書を確認しましょう。
貯湯タンクユニット内の掃除
貯湯タンクユニットは排水栓からお湯を流すことで、沈殿しているゴミや不純物を取り除くことができます。タンク内の掃除の手順は以下のとおりです。
1. 貯湯タンクの下部の脚部カバーを取り外す
2. 給水配管に付いている止水栓を閉める
3.「逃し弁」カバーを開け、中に入っているレバーを引く
4. 排水栓を開き、約1~2分間、水を出し続ける(高温が出る可能性があるので注意)
5. 排水栓を閉じて、給水配管の止水栓を開ける
6. 排水口から水があふれるようになったら、逃し弁のレバーを元に戻す
浴槽内に黒いゴミが浮かぶようになったら、貯湯タンクユニットの内部が汚れている可能性があるので、上記のメンテナンスをおこないましょう。
給水口ストレーナーの掃除
給水口ストレーナーとは、貯湯タンクユニットにゴミを入れないように止めるフィルターのことです。フィルターがゴミで目詰まりしていると、お湯が出にくくなるので、定期的にチェックしてみましょう。
給水口ストレーナーの掃除の手順は以下のとおりです。
1. 貯湯タンクの下部の脚部カバーを取り外す
2. 給水配管に付いている止水栓を閉める
3. 「逃し弁」カバーを開け、中に入っているレバーを引く
4. ストレーナーを外して歯ブラシなどでゴミを取り除く
5. ストレーナーを取り付ける
6. 逃し弁のレバーを元に戻す
7. 止水栓を開く
手順が貯湯タンクユニット内の掃除と一部同じなので、一緒におこなうと効率が良いです。
槽アダプターの清掃
浴槽内部にあるアダプターにもフィルターがあります。長年使用していると目詰まりを起こすことがあるので、アダプターを外してフィルターを掃除しましょう。
外し方はメーカーによって異なるので、取扱説明書を確認すると良いです。なお、フィルターを外したまま給湯すると、故障の原因になるので注意しましょう。
配管の清掃
ふろ配管や追い炊き配管は汚れが蓄積しやすい箇所のため、定期的に清掃しておくことが望ましいです。ドラックストアやスーパー、インターネットショップなどで風呂用の配管洗浄液が販売されているので購入して綺麗にしましょう。
漏電遮断器の動作確認
漏電遮断器とは、エコキュートで漏電が発生した時に、自動的に電源を切る安全装置です。エコキュートのような住宅機器が漏電すると、家全体のブレーカーが落ちたままになるので、万が一に備えて作動するかチェックすることは大切です。
漏電遮断機の動作確認は以下のとおりです。
1. 漏電遮断器の点検ボタンを押す
2. 漏電遮断器が「切」になれば正常
3. 漏電遮断器を「入」に戻す
逃し弁の動作確認
貯湯タンクユニット内の掃除や給水口ストレーナーの掃除で登場する逃し弁とは、水がお湯になるときの膨張分を排水して、タンクを守る安全装置です。確認する手順は以下のとおりです。
1. 逃し弁レバーを上げる
2. 排水が始まれば正常
3. 逃し弁レバーを戻す
動作確認の手順は簡単ですが、沸き上げや沸き増し中におこなうと危険なので止めておきましょう。
水漏れの点検
貯湯タンクユニットの配管が劣化していると、水漏れが発生します。半年に1度のメンテナンスをおこなう時は、水漏れらしき痕跡がないかチェックしておくと良いです。
エコキュートの寿命を伸ばすメリットはあるの?
メンテナンスをおこなってエコキュートの寿命を伸ばすメリットは、お湯を沸かすランニングコストの節約ができることです。
次の表は、同じ量のお湯を沸かした場合の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | 電気温水器 | 石油給湯機 | ガス給湯器 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 | 約81,600円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約80,400円 | 約73,200円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約82,800円 | 約72,000円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約102,000円 | 約67,200円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約99,600円 | 約68,400円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 | 約64,800円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約91,200円 | 約68,400円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 | 約67,200円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約78,000円 | 約66,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 不明 | 約56,400円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストとは異なる場合もありますが、基本的にエコキュートは他の給湯器よりもお湯を作る費用が安いです。
ガス給湯器の初期費用が15万円~25万円に対して、エコキュートは30万円~50万円と高額な傾向はありますが、ランニングコストが抑えられているので、使い続けていれば初期費用の差額を回収できます。
例えば、初期費用の差額が35万円だったとしても、中部電力エリアの年間ランニングコストの差額は約63,600円なので、6年程度でガス給湯器との初期費用の差額を回収でき、7年目以降は年間約63,600円の節約が可能です。
ただし、上記のメリットは、エコキュートが10年程度使用できた場合に得られます。エコキュートが5年で故障して買い替えることになれば、初期費用の差額を回収できず、節約効果も期待できません。
そのため、エコキュートを購入した時は半年に1度のメンテナンスをおこなって、寿命を伸ばす必要があります。
まとめ
以上が、壊れやすいエコキュートメーカーについての解説です。エコキュートはメーカーによって耐久性に大きな違いはないため、知名度だけでなく、機能や特徴なども含めてしっかりと比較しましょう。
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