夏場のエコキュートはお得? 高気温のメリットやデメリットを解説!
2024年5月30日
エコキュートの給湯効率は季節によって異なることをご存じですか?外気温が低い冬場に使用するよりも、外気温が高い夏場に利用したほうが電気代を節約できるため経済的です。しかし、なぜ夏に利用するとお得なのかについて聞かれたら、明確に答えられないかもしれません。
今回はエコキュートを夏場に利用するとお得な理由をヒートポンプの仕組みを踏まえて解説します。それと同時に夏場ならではのデメリットについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ヒートポンプの仕組みを理解しよう
夏にエコキュートがお得になる理由を理解するため、ヒートポンプの仕組みについて簡単に説明します。
ヒートポンプとは少ないエネルギーを使って、低温の熱源から高温の熱源に熱を送り込む仕組みのことです。ヒートポンプは片方は冷たくなり、もう片方は暖かくなります。部屋の中の空気を冷やして外部に熱を逃がすのがエアコンであり、外気の熱を取り込んでタンク内のお湯を暖めるのがエコキュートです。
ヒートポンプには化石燃料である都市ガスやLPガスと異なり、二酸化炭素を排出しないという特徴があります。ヒートポンプの機械を動かすための最小限の電気は必要ですが、従来の電気温水器に比べると消費電力量は3分の1以下であり、エネルギー効率が高い給湯器だといえます。
夏にエコキュートを使うメリット
エコキュートは外気の熱を取り込んで効率よくお湯を沸かす給湯器です。外気の温度は給湯にも大きな影響を与えます。ここではコスト面に着目し、夏場にエコキュートを使用する2つのメリットを紹介します。
お湯を沸かすコストが低くなる
夏場にエコキュートを使用すると給湯コストを下げることができます。
コストが下がる理由は、夏場は水道水の温度が高いからです。
東京都水道局のデータによると、真冬である1月の平均水温は約8.4℃であるのに対して、真夏の8月の平均水温は26.9℃と夏と冬で18.5℃も違いがあります。
原因は言うまでもなく外気温に差があるからです。気温が低い冬場は水温が低く、高い夏場は水温が高くなります。
次に一定温度まで水を温める時のことを考えてみましょう。50℃まで水を温めるとすると、冬場は41.6℃も温めなければならないのに対し、夏場は23.1℃上げれば良いため、少ないエネルギーでお湯を沸かせます。
エコキュートの効率という点で比較しても冬よりも夏の方がメリットがあります。エコキュートは一定の温度を下回ると消費電力が多くなってしまいますが、外気温が温かい夏ならその心配がありません。
また、外気温が低いと沸かしたお湯の温度が低下しやすくなるため、設定温度を高くしなければなりません。夏場であればお湯の温度をあまり高くしなくてもお湯が冷めにくいため経済的です。
給湯温度の設定を冬より低くできてコストを下げられる
給湯温度設定を冬よりも低くできるということは、それだけ使用するエネルギーを少なくできるため電気代を安くすることにつながります。もう少し詳しく説明します。
エコキュートは高温に沸き上げたお湯に水道水を混ぜることで温度を調節する給湯器です。ということは、沸き上げる温度が高くなればなるほど多くのエネルギーが必要となるため電気代がかかります。
気温が低い冬は貯湯タンクに蓄えたお湯が冷えやすいため沸き上げ温度を高くしなければなりません。しかし、気温が高い夏はお湯が冷えにくいため、沸き上げ温度を下げて電気代を削減することができます。
だからといって、沸き上げ温度を60℃以下に設定するのは避けたほうが無難です。なぜなら、水温が低くなりすぎると配管やタンクユニットの内部で雑菌が繁殖する恐れがあるからです。そればかりか、サーモスタット混合栓が故障する可能性もあります。温度を下げるとしても65℃〜80℃以内に収めておく方がよいでしょう。
夏場にエコキュートを使うときの注意点
コストが安いからといって、夏にどんどん使用すればよいかというと必ずしもそうではありません。ここからは夏場に使用する際の注意点について解説します。
シャワーの使い過ぎによる湯切れに注意
国立研究開発法人科学技術振興機構が行った「シャワー使用行為の実態に関する研究 ―その1 使用時調査からみた流量・温度について」によると、夏場の平均シャワー使用時間の中央値は浴槽浴・洗髪ありで4.33分、シャワー浴・洗髪ありで5.83分でした。
家族4人が全員シャワー浴となるとシャワーを23.32分使用することになります。夏になり、汗を頻繁にかくようになると1日に2回以上シャワーを使う日があるかもしれません。いくらエコキュートが夏場にお得になるといっても、お湯を使いすぎれば話は別です。
湯切れすると沸きなおしをしなければならなくなり、電気代が余計にかかってしまいます。安いからといって「湯水のごとく」シャワーを使うのは控えましょう。
高温になりすぎると機械が故障する
エコキュートは温度が高いほど効率よく稼働する機器ですが、気温が高すぎて猛暑になってしまうと機器そのものが故障してしまいます。故障の原因はさまざまですので、猛暑だけが原因ではありません。しかし、以下のような挙動が見えたら、できるだけ早く専門業者に相談したほうがよいでしょう。
機械から異音・異臭がする
- エラーコードが消えない
- タンクから水漏れが発生
- お湯が止まらない
- お湯の温度が安定しない
- シャワーの水圧が弱い
こうした症状が出た場合は故障のサインである可能性が高いため、速やかに業者に連絡してみてもらうようにしましょう。
夏場を乗り切るための対処法
夏場は電気代という面ではメリットが多いですが、湯切れやエコキュートの故障に備える必要があります。ここでは夏場を乗り切るための対処法を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
自動沸き増しで湯切れを防止する
1つ目の対処法は自動沸き増しの活用です。自動沸き増し機能とはタンクの容量が少なくなってきたときに、自動的にお湯を沸かす機能のことです。この機能が作動していると、お湯の量に対応して沸きます量を決めるため、シャワーを使いすぎても湯切れを起こす可能性はかなり低いといえます。
しかし、自動沸き増し機能を停止していたり、沸きましが追い付かないくらいお湯を使ってしまうと湯切れする恐れがあります。シャワーなどでお湯を多めに使うときは、お湯の残量をチェックし、場合によっては手動で沸き増しを行うとよいでしょう。
容量が多い貯湯タンクに変更する
2つ目の対処法は貯湯タンクの容量を大きいものに変更することです。エコキュートの導入時に、あまりお湯を使用しないと考えて容量の小さいものを設置すると、子どもの成長など生活環境の変化にお湯の量が追いつかなくなることがあります。
その場合は、貯湯タンクユニットを大きなものに変更するのも選択肢の一つです。ただ、貯湯タンクだけを取り替えるよりもヒートポンプごと全部取り換えたほうが高機能のエコキュートを導入できるため、ランニングコストの削減につながるかもしれません。貯湯タンクだけ交換するべきか、全てを交換するべきかよく考えてから決めましょう。
定期的なメンテナンスを実施する
3つ目は定期的なメンテナンスの実施です。エコキュートの寿命の目安はヒートポンプユニットで10年、貯湯タンクユニットで15年です。それぞれの年限が近づくにつれ、故障する確率が上がっていきます。
エコキュートが老朽化していればしているほど大切なのが定期メンテナンスの実施です。メンテナンスの考え方は業者によって異なりますが、内部の清掃の必要性などを考慮すると、半年に1回は定期メンテナンスを入れるのがおすすめです。
エコキュートの寿命を長くするため、貯湯タンク、浴槽フィルター、配管などの清掃や水漏れの点検、凍結防止の確認といった定期的なメンテナンスを実施するのが理想的です。
まとめ
今回は夏にエコキュートを利用することで得られる経済的なメリットを中心にまとめました。水温が高い夏は冬に比べるとお湯を暖めるためのエネルギーが少なくてすむため、少ないエネルギーでお湯を沸かせます。
沸かしたお湯は気温が低いと冷めやすくなりますが、夏場は外気温が高いため冷めにくく、お湯の沸き上げ温度・給湯温度を低めに設定することができるため、その点でもエネルギー消費を抑えることができます。
しかし、近年は猛暑が続いているためエコキュートの故障事例が報告されています。自宅のエコキュートの調子が悪いと思ったら、早めに修理や買い替えの予定を立てておきましょう。
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