【2023年版】エコキュートの主要なメーカーを徹底比較!暖かい地方でのエコキュートの選び方も紹介
2023年5月20日
エコキュートは定期的にモデルチェンジを行っており、性能がアップしていたり、新しい機能が搭載されていたりします。そのため、エコキュートの主要メーカーを比較する場合は、最新モデルで進化したポイントや機能などを確認しましょう。
そこで今回は、エコキュートの主要なメーカーの特徴を解説します。また、暖かい地方でエコキュートを選ぶ時のポイントも紹介しますので、参考にしてください。
エコキュートの主要メーカーは?
エコキュートは2001年4月にコロナが販売して以降、さまざまなメーカーが開発しています。しかし、幾つかのメーカーは2023年までにエコキュートから撤退しており、販売していません。
2023年時点で主要なエコキュートメーカーは下記の通りです。
- パナソニック
- 三菱
- ダイキン
- コロナ
- 日立
- 東芝
エコキュートの施工や販売を専門的に行っている業者の場合、上記のメーカーの商品を扱っている傾向があります。
基本的に、エコキュートの仕組みはメーカーによって違いはありません。電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす仕組みとなっており、ヒートポンプユニットで沸かしたお湯を、貯湯タンクユニットで貯めておく貯湯式給湯器です。
一方で、メーカーごとに搭載している機能や特徴などが異なります。次項より、メーカーごとの違いを順番に解説します。
パナソニックエコキュートの特徴
パナソニックエコキュートはプレミアムクラス、ミドルクラス、スタンダードクラスに分かれており、シリーズが豊富です。
シリーズ | |
---|---|
プレミアムクラス | JPシリーズ |
ミドルクラス | Jシリーズ、Nシリーズ、Cシリーズ、Wシリーズ、Bシリーズ、Vシリーズ、DFシリーズ |
スタンダードクラス | NSシリーズ、Hシリーズ |
シリーズごとに特徴が異なり、プレミアムクラスのJPシリーズは年間給湯保温効率が4.0と高く、エネルギーを効率的に活用するAIエコナビやリズムeシャワープラスなどの機能をすべて搭載しています。
代表的な機能 | 内容 |
---|---|
AIエコナビ | センサーにより、人の入退室に合わせてお湯の温度を自動的にコントロールする |
リズムeシャワープラス | シャワーの流量や温度を一定リズムで変動させることで、肌あたりが快適になる機能 |
ぬくもりチャージ | 浴槽に残ったお湯を用いて、翌日のお湯を作る機能 |
温浴セレクト | 入浴前に好みの温度に切り替えられる機能 |
また、パナソニックエコキュートは狭い敷地でも設置しやすいコンパクト設計です。夫婦だけで暮らしているような世帯向けのサイズのエコキュートも販売されています。
ナソニックエコキュートの2023年のポイント
2023年の新しい機能として、スマートソーラーチャージを搭載予定です。従来のソーラーチャージは日中の余剰電力を活用することで、夜間の沸き上げ量を減らし、電気代を節約します。
スマートソーラーチャージでは、日射量予報により、太陽光発電をさらに有効活用します。例えば、曇りの日でも日射量から日中に沸き上げを行ったほうがお得になるかどうかを、エコキュートが判断できます。
また、シャワーの水圧が280kPaから325kPaにアップしたウルトラ高圧が実装予定です。300kPaを超えたので、3階でのシャワーや浴槽の湯はりが快適に行なえます。ほかにも、浴槽の栓を閉め忘れた時にリモコンやスマホに通知する「うっかりアシスト」も搭載されます。
上記の新機能は2023年6月26日発売予定の、JPシリーズ、Jシリーズ、Nシリーズ、Cシリーズ、Sシリーズ、NSシリーズに搭載予定です。
三菱エコキュートの特徴
三菱エコキュートは、4つのシリーズを販売しており、次のような特徴があります。
概要 | |
---|---|
Pシリーズ |
三菱エコキュートのフラグシップモデル 便利な機能を多数搭載している |
Sシリーズ | ホットあわーは利用できないが、ほかの機能を搭載しているハイグレードモデル |
EXシリーズ | ZEH住宅向けの特別仕様モデル |
Aシリーズ |
機能数が少なく、PシリーズやSシリーズよりも価格が抑えられているモデル 給湯専用やオートタイプなどがある |
三菱エコキュートで特におすすめの機能は「ホットあわー」と「キラリユキープ」です。
概要 | |
---|---|
ホットあわー |
約0.01ミリの微細な泡で全身を包み込む機能 泡の力により毛穴の奥の汚れまで洗浄でき、肌の水分量がアップする |
キラリユキープ |
深紫外線をお湯に照射することで菌の繁殖を抑制する 翌日になっても残り湯のニオイや濁りが少ない |
また、三菱エコキュートは貯湯タンクユニットの形状が角型と薄型のほかにコンパクトがあります。少人数向けのエコキュートで、敷地が狭くても貯湯タンクユニットを置くことが可能です。
三菱エコキュートの2023年のポイント
2023年1月に販売されたPシリーズでは「ホットあわー」と「キラリユキープ」が進化しています。
「ホットあわー」の性能や仕組みは2022年までのモデルと同じですが、使用できる入浴剤に次の商品が追加されています。
- 薬用あわ入浴剤ボトルタイプアンパンマン
- アロマルセットボディウォッシュ&バブルバスPG&WGなど
フルオートタイプのエコキュートは使用できる入浴剤の種類が限定されていることが多いので、使用できる入浴剤が増えたことは魅力的です。
また、「キラリユキープ」は「キラリユキープPLUS」に進化しており、除菌機能が搭載されています。深紫外線の連続照射により菌を除菌できるので、次の人に綺麗なお湯で入浴してもらうことや、綺麗な残り湯で洗濯ができます。
ダイキンエコキュートの特徴
ダイキンエコキュートはお湯はりから追い焚きまでボタン1つで可能なフルオートタイプ、お湯はりを自動で行えるオートタイプ、手動でお湯はりを行う給湯専用らくタイプの3種類に分かれています。
基本的にフルオートタイプの方が機能数は多く、お風呂の時間を快適にできますが価格は高い傾向があります。一方、給湯専用らくタイプは機能数が少ないですが、価格が抑えられているので初期費用を安くしたい方におすすめです。
ダイキンエコキュートの主な機能は次の通りです。
概要 | |
---|---|
ウルトラファインバブル入浴 | 直径約0.001mm未満の微細なバブルにより、毛穴の奥の汚れが取り除かれ、温熱効果を期待できる |
温浴タイム | 入浴前に好みの温度に設定可能 |
ターボ沸き上げ | 外気温が低くて沸き上げに時間がかかる場合に自動制御できる機能 |
また、ダイキンエコキュートは他社のエコキュートに比べて使用できる入浴剤の種類が多いことも特徴です。
ダイキンエコキュートの2023年のポイント
2023年3月に発売したダイキンエコキュートでは、深紫外線機能が搭載されています。
貯湯タンクユニット内部にUV除菌ユニットを搭載したことで、深紫外線によってお湯に含まれる菌を除菌して、菌の抑制を抑えます。次の人は綺麗なお湯で入浴でき、綺麗な残り湯で洗濯が可能です。
ただし、現時点で深紫外線を搭載しているのは、フルオートタイプのパワフル高圧Xシリーズ角型と、パワフル高圧角型のみです。
同じパワフル高圧Xシリーズでも薄型タイプには搭載されていないので注意しましょう。
コロナエコキュートの特徴
コロナエコキュートは商品のラインアップが豊富なことが特徴です。
概要 | |
---|---|
プレミアムエコキュート | 年間給湯保温効率4.0で、すべての機能を搭載したタイプ |
ハイグレードタイプ | プレミアムエコキュートと同等の機能を持つが、水圧が290kPaのタイプ |
薄型タイプ | 高圧パワフル給湯とスタイリッシュなデザインを兼ね備えたタイプ |
省スペース・スリムタイプ | ハイグレードタイプと同等の機能で、よりスリムなデザインのタイプ |
スタンダードタイプ | 給湯専用やオートタイプが揃っているタイプ |
エコキュートライト | 貯湯容量185Lで少人数向けのタイプ |
集合住宅向け | マンション専用で、部屋の構造に合わせて柔軟に設置できるタイプ |
コロナエコキュートはどのタイプも高い省エネ性能を実現しています。特に、独自のES制御を搭載することでお湯を効率よく沸かし、貯めて、使うことが可能です。また、次のような機能を搭載しているため、掃除をする手間が抑えられることも魅力的なポイントになります。
概要 | |
---|---|
ふろ配管 自動洗浄 | お風呂の栓を抜くと自動でふろ配管の内部を洗浄する機能 |
貯湯ユニット内配管ステンレス化 | 配管内部が耐腐食性と耐久性に優れたステンレス製となっている |
汚れんコート | 貯湯タンクユニットの外側に塗膜があり、汚れが付きにくくなっている |
コロナは販売価格と性能のバランスが良いので、コストパフォーマンスにこだわる方におすすめです。
コロナエコキュートの2023年のポイント
記事執筆時点では、コロナエコキュートの2023年モデルに関する情報はありません。
一方で、2022年のコロナエコキュートには次の変更が起きています。
- 専用アプリのレジリエンス対応を強化
- おひさまエコキュートの販売
レジリエンス対応とは、災害が起きた時の対応を指します。2022年モデルから、停電や断水などの発生が予測される際に、アプリやリモコンから操作して、生活用水を貯湯タンクユニット内部に貯めておくように設定可能です。
事前にエコキュートがお湯を貯めておいてくれるので、断水が起きてから慌ててしまうようなケースを減らせます。
また、コロナでは2022年12月より、太陽光発電システムとの連携が前提の「おひさまエコキュート」を販売しています。一般的なエコキュートと違い、日中にお湯を沸かすエコキュートで、従来の機種よりも更に年間ランニングコストを抑えられる可能性があります。
記事執筆時点では、「おひさまエコキュート」の設置には太陽光発電システムが必須で、東京電力エナジーパートナー管内でしか利用できません。しかし、卒FIT後を見据えると、通常のエコキュートよりも、おひさまエコキュートに買い替えたほうがお得な可能性はあります。
日立エコキュートの特徴
日立では水道直圧給湯を採用したエコキュートを販売しています。通常のエコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットにて貯めておき、必要に応じて各所に給湯します。貯湯タンクユニットで貯めておくため、貯湯式給湯器と呼びます。
日立エコキュートの[水道直圧給湯]は、貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯で水道水を温める仕組みとなっています。そのため、水道水の水圧を直接利用できるので、一般的なエコキュートに比べて水圧が高いことが特徴です。
また、タンクのお湯は熱交換で冷めたら再び温めるので入れ替え量が少なく、配管にステンレスを使用しているため、カルシウムが含まれている井戸水や地下水のような環境下でも使用できます。
日立エコキュートの主な機能は以下の通りです。
概要 | |
---|---|
きらりUVクリーン | 深紫外線によりお湯内部の菌の増殖を抑制する |
シルキー快泡浴 | 0.1mm未満のファインバブルにより、肌表面が効率よく綺麗になり、体が温まる |
水に不純物が多く含まれている地域でエコキュートを使いたい方は、日立の商品を検討してみましょう。
日立エコキュートの2023年のポイント
日立が2023年4月10日より販売している2023年モデルは、省エネ性能が向上しています。国が定めている省エネ基準を達成しているので、補助金の対象となるモデルが多いです。
また、公式アプリ「日立エコキュートアプリ」にお湯の使用有無を確認できるプッシュ通知が追加されました。過去一週間の給湯使用量をグラフで確認でき、給湯の有無が通知されるので、離れて暮らす家族を見守りやすくなっています。
東芝エコキュートの特徴
東芝のエコキュートのラインアップは以下の通りです。
給湯方法 | タイプ | 特徴 |
---|---|---|
フルオート | プレミアム | すべての機能を搭載しているシリーズ |
ハイグレード | プレミアムと同じ機能を搭載しているが、若干給湯効率が低い | |
スタンダード | パワフル給湯タイプで水圧が300kPa | |
ベーシック | 基本的な機能を搭載しているフルオートタイプ | |
給湯専用 | 機能数は少ないが価格が抑えられている |
東芝エコキュートはプレミアムとハイグレード、スタンダードとベーシック、給湯専用と3つのグループに分かれています。グループごとに搭載されている機能は同じですが、年間給湯保温効率や水圧が異なる場合があるので注意しましょう。
プレミアムとハイグレードには、次のような機能が搭載されています。
概要 | |
---|---|
銀イオンの湯 | 銀イオンにより、残り湯の菌の増殖を大幅に抑えることが可能 |
節水湯はり | 残り湯に新しいお湯を足すことで節水ができる |
東芝エコキュートの最大の特徴は銀イオンにより、高い除菌や防臭効果を期待できることです。残り湯に含まれる菌の増殖を大幅に抑えます。
そのため、「銀イオンの湯」を搭載しているプレミアムとハイグレードでは、新しいお湯を足して残り湯分の節水が可能な、「節水湯はり」機能も搭載しています。
東芝エコキュートの2023年のポイント
記事執筆時点では、東芝エコキュートで2023年モデルに関する情報はありません。東芝エコキュートは2019年に現在の主力商品「ESTIA」を販売して以降、新しいモデルや新機能に関する情報がほとんど無いです。
暖かい地方でエコキュートを選ぶ時のポイント
エコキュートはどのメーカーでも一般地仕様、寒冷地仕様、耐塩害仕様を販売しています。
空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器のため、外気温が低かったり、空気中に塩分が含まれている場合は給湯効率が下がったり、故障したりするリスクが高くなります。
そのため、気温がマイナス10℃を下回る地域では寒冷地仕様を、海までの距離が300m~500m以内の場合は耐塩害仕様の購入を推奨されています。
一方で、暖かい地域での使用に関しては特に問題がないので、注意すべきポイントはありません。
日中と夜間の気温差が少ないので、寒い地域よりもお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられている傾向があります。
エコキュートの年間ランニングコストの目安 | |
---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 |
東北電力エリア | 約21,600円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 |
関西電力エリア | 約20,400円 |
中国電力エリア | 約22,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 |
九州電力エリア | 約18,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 |
九州地方や中国地方、四国地方、関西地方、中部地方、関東地方に住んでいる方の大半は一般地仕様の商品を購入しましょう。選ぶ時は、メーカーごとの特徴や機能を比較して、人数やライフスタイルに合った商品を選ぶと良いです。
まとめ
以上が、エコキュートの主要メーカーの解説になります。2023年時点で、主要メーカーの特徴は以下の通りです。
特徴 | |
---|---|
パナソニック |
エコキュートのシリーズや機能が多い コンパクトなタイプを扱っている 太陽光発電システムとの連携に新しい機能が追加された |
三菱 |
泡機能を搭載している Pシリーズの年間給湯保温効率は現在もトップクラス 泡タイプの入浴剤が使用できるようになった |
ダイキン |
泡機能を搭載している 入浴剤の種類が多い 深紫外線機能を搭載した |
コロナ |
どのタイプも省エネ性能が高い 掃除をする手間が抑えられている コストパフォーマンスに優れている |
日立 |
泡機能を搭載している 水道直圧給湯を行っているため、高濃度の地下水や井戸水に対応している 省エネ性能が向上した |
東芝 |
銀イオンの湯を搭載している ほかのメーカーに比べると機能や性能はやや劣る |
エコキュートはメーカーや機種ごとに搭載している機能や特徴が異なります。また、家庭の人数やライフスタイル、敷地などによって適切な貯湯タンクユニットのサイズも違います。そのため、エコキュートを選ぶ時はある程度の商品知識が必要です。
「エコパパのお店」では、エコキュートの主要メーカーの正規品を低価格で販売しています。専門知識が豊富なスタッフが対応いたしますので、エコキュートの購入を検討している方は、ぜひご相談ください。