お風呂の追い焚きってなに?追い焚きの魅力やたし湯との違いなどをわかりやすく解説
2023年6月16日
家族の入浴時間がバラバラだったり、冬になって寒くなったりすると、お風呂の温度が下がっていることがあります。冷めたお湯に無理やり入ると体調を悪くする恐れがありますが、入れ替えるとなると時間とお金がかかってしまいます。
いつでも温かいお風呂に入りたい方は追い焚き機能が付いている給湯器を購入すると良いです。
そこで今回は、お風呂の追い焚きについて解説します。追い焚きの魅力やたし湯との違いなども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
お風呂の追い焚きとは?
お風呂の追い焚きとは、冷めてしまったお湯を給湯器に戻して再び温め直して、浴槽に戻す機能です。給湯配管とは別の追い焚き配管を通って給湯器に戻すので、汚れやゴミなどが給湯配管に混じることはありません。
ただし、追い焚きには次の種類があり、方式によって追い焚き配管の循環口が異なります。
概要 | |
---|---|
自然循環方式 |
循環口が上下に2つ並んでいる 下の口から冷えたお湯を吸引して、温めなおしたお湯を上の口から浴槽に戻す 配管が短くなるので雑菌が繁殖しにくくなるが、浴槽内部の上下で温度が異なる場合がある |
強制循環方式 |
循環口が1つだけ 冷えたお湯を吸引して、同じ循環口から温めたお湯を浴槽に戻す 浴槽内部の温度でムラはできにくいが、配管が長くなるので雑菌が繁殖しやすい |
貯湯式給湯器の追い焚きの仕組み
一般的なガス給湯器は配管をガスバーナーで直接温めて各所に給湯します。追い焚き時も、追い焚き配管を直接温めてお湯を戻すため、給湯配管を使いません。
一方で、エコキュートや電気温水器のような貯湯式給湯器は、温めたお湯を貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯します。
機器によって多少の違いはありますが、追い焚き時には貯湯タンクユニット内部に貯めてあるお湯と混ぜずに、冷えたお湯と熱交換して温めて戻す仕組みです。
そのため、貯湯タンクユニット内部に貯めてあるお湯はお風呂のお湯と混ざることはありませんが、熱交換によって温度が下がってしまい、使用できる湯量が減る可能性はあります。
追い焚きのメリット
追い焚きのメリットは以下の通りです。
- 風呂に入る時間帯を気にせずに済む
- 水道代の節約につながる
上記のポイントを順番に解説します。
風呂に入る時間帯を気にせずに済む
追い焚きの最大のメリットは、風呂に入る時間帯を気にせずに済むことです。
お風呂は設定温度で沸かしていても、時間経過と共に冷めていきます。冷めているお湯に入ってしまうと体調を崩す恐れがあるため、なるべく熱い内に入りたいですが、仕事や家事などが原因で、風呂に入る時間帯が遅くなってしまうことは珍しくありません。
追い焚き機能があれば、風呂に入る時間帯を気にせずに済み、いつでも温かいお風呂に浸かることができます。
水道代の節約につながる
追い焚きのもう1つのメリットは、水道代の節約につながることです。お風呂を温める機能は追い焚き以外に、次の方法があります。
概要 | |
---|---|
さし湯 | 冷めたお湯に対して、新しく温めたお湯を足す機能 |
入れ替え | 冷めたお湯を捨てて、新しく湯船を張ること |
さし湯や入れ替えは、新しくお湯を沸かすのでガス代のほかに水道代が発生します。一方で、追い焚きは冷めたお湯を利用しているので、水道代は発生しません。
また、冷めたお湯と言っても、一度沸かしているので、水よりは温度は高いです。そのため、お風呂を設定温度まで上げるのに必要なガスの量はさし湯よりも少ないので、ガス代の節約につながる可能性はあります。
なお、入れ替えは湯船を再び張る行為なので、追い焚きやさし湯に比べて水道代やガス代が最も高くなる方法です。
追い焚きのデメリット
追い焚きのデメリットは以下の通りです。
- 追い焚きが可能な給湯器は高くなる
- 入浴剤が使用できない場合がある
- 配管の掃除が必要になる
上記を順番に解説します。
追い焚きが可能な給湯器は高くなる
メーカーや機種、販売業者によって異なりますが、追い焚きが可能な給湯器は高くなる傾向があります。
例えば、「エコパパのお店」のダイキンエコキュートで追い焚き機能がない給湯専用タイプ「EQ46XV」の販売価格は461,800円(税込)です。同程度のスペックを持ち、追い焚き機能を搭載しているフルオートタイプ「EQ46XFV」は500,800円(税込)になります。
上記の場合は数万円程度ですが、追い焚き機能が付いている給湯器はほかの機能も充実している場合があるので販売価格に注意しましょう。
入浴剤が使用できない場合がある
追い焚きは風呂のお湯を戻して温めなおす機能です。そのため、入浴剤を使用しているとお湯に溶け込んでいる成分が追い焚き配管に影響を与えて、詰まったり、腐食させたりする原因になる可能性があります。
そのため、給湯器によっては特定の入浴剤の使用が禁止されている場合があります。禁止されている入浴剤を使用して故障しても、補償の対象になりません。入浴剤を使用したい方は、購入前に確認しておきましょう。
配管の掃除が必要になる
追い焚きの最後のデメリットは、定期的に追い焚き配管の掃除が必要になることです。追い焚きは専用の配管を循環してお湯を温めますが、配管内部にお湯の汚れや雑菌が残ってしまう可能性があります。
放置していると、追い焚き配管内部で雑菌が増えてしまい、追い焚きするとお湯が汚れて不衛生になります。そのため、定期的に掃除すると良いです。
追い焚き配管の掃除方法
追い焚き配管は自然循環方式と強制循環方式で多少掃除方法が異なりますが、基本的には高温のお湯と洗剤を利用して掃除をします。ドラックストアやオンラインショップで追い焚き配管用の洗剤を購入しておきましょう。
それぞれの掃除方法を順番に解説します。
自然循環方式の掃除方法
自然循環方式は浴槽に2つの穴があり、別々の配管でお湯を循環させる方法です。強制循環方式と違ってポンプを使わないので、追い焚き機能は利用せずに次の手順で掃除を行いましょう。
- 1. 下の穴(冷めたお湯を吸引する穴)にタオルを詰めて塞ぐ
- 2. 上の穴(温めたお湯を出す穴)に洗剤を入れる
- 3. 40℃~50℃程度のお湯を上の穴に注ぎ入れて2時間程度放置する
- 4. 下の穴のタオルを外してシャワーを注ぐ
- 5. スポンジを使用してフィルターを綺麗にする
お湯を上の穴に注ぐ際はポットやヤカン、ホースなどを活用してみると良いです。
強制循環方式
強制循環方式はポンプを使うので、追い焚き機能を利用して次の手順で配管内部を掃除しましょう。
- 1. 給水口の上5cmまで水を溜める
- 2. 溜めた水のなかに洗剤を入れる
- 3. 40℃~50℃の設定で追い焚きを始める
- 4. 2時間~3時間程度、蓋や保温シートを設置して放置する
- 5. 放置後、追い焚きを行う
- 6. 再び追い焚きを行う
- 7. スポンジでフィルターを掃除する
強制循環方式の場合、水を溜めて追い焚きを行うと良いです。水だと設定温度まで上昇するのに時間がかかるため追い焚き時間が長くなり、自然と浸け置き時間も長くなるので汚れが落ちやすくなります。
また、水の量によっては洗面器や椅子などを一緒に置いておくと、掃除する手間が減らせます。
追い焚き機能は後から付けられる?
結論から申し上げますと、可能ですが高額な設備費と工事費が発生する可能性があります。
給湯器は追い焚き機能がない給湯専用タイプと、機能を搭載しているオートタイプやフルオートタイプに分かれています。現在使用している給湯器が給湯専用なら、追い焚き機能を搭載している給湯器への買い替えが必要です。
次に、追い焚きは追い焚き配管を設置する必要があるので、浴槽に新しく配管を設置する工事が発生します。工事内容にもよりますが、給湯器の買い替えも含めれば数十万円程度の費用がかかると予想されます。
いつでも温かいお風呂に入れる追い焚き機能は魅力的ではありますが、後から導入するとなると設備費と工事費が高額になると覚えておきましょう。
追い焚きとたし湯の違い
追い焚きとたし湯の違いは以下の通りです。
- 追い焚き…冷めたお湯を再び温める機能
- たし湯…湯量が減った場合に新しいお湯を足す機能
追い焚きやさし湯は風呂の温度を上げることを目的としていますが、たし湯は設定した湯量まで増やすことを目的とした機能です。たし湯を行うことで、結果としてお湯の温度が上昇することはありますが、基本的には減った湯量を増やす機能になります。
そのため、お風呂の温度が下がった場合はたし湯を利用するよりも、追い焚きやさし湯を利用したほうが良いです。
エコキュートを利用している場合は追い焚き機能に注意する
お風呂の温度が下がったら、瞬間式給湯器であるガス給湯器を利用しているなら、追い焚き機能でお湯を温めなおす方法がおすすめです。しかし、貯湯式給湯器であるエコキュートの場合は、追い焚きで温めるよりもたし湯のほうが良い場合があります。
エコキュートは貯湯式給湯器で、ヒートポンプユニットで温めたお湯を貯湯タンクユニットにて貯めておき、必要に応じて給湯します。設定温度にもよりますが、タンク内部のお湯は非常に高温のため、給湯時には水を混ぜて温度を下げます。
エコキュートの追い焚き機能は機種にもよりますが、冷めたお風呂のお湯を貯湯タンクユニット内部に溜めてあるお湯と熱交換させて温めます。結果、お風呂のお湯は温まりますが、貯湯タンクユニット内部のお湯の温度は下がります。
タンク内部のお湯の温度が下がると、エコキュートはお湯を消費していないのにお湯の量が減ったと判断して、沸かし直しを行おうとします。
エコキュートの年間ランニングコストはほかの給湯器に比べて抑えられていますが、日中にお湯を沸かしなおそうとすると電気代が余分にかかってしまい、節約効果が薄れます。
たし湯なら、貯湯タンクユニット内部にある高温のお湯をそのまま浴槽に流すだけなので、追い焚きを利用するよりも経済的な影響は少ないです。そのため、エコキュートは追い焚きよりも、たし湯のほうが良い場合があります。
ただし、エコキュートのたし湯は高温がそのまま出てくるので、座っている位置によっては熱湯が直接身体に触れる可能性があるので注意しましょう。
給湯器はガス給湯器とエコキュートのどちらが良い?
ガス給湯器とエコキュートはどちらもメリット、デメリットはありますが、年間ランニングコストを考えるとエコキュートのほうがおすすめです。次の表は、エコキュートとガス給湯器の年間ランニングコストを比較したものになります。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数によって異なりますが、エコキュートのほうがガス給湯器よりも抑えられている傾向はあります。
エコキュートはヒートポンプ技術により空気を圧縮して高温にした熱を利用してお湯を沸かします。また、電気料金が安い時間帯にお湯を沸かすためランニングコストを抑えることが可能です。
エコキュートで追い焚き機能を搭載している機種は多く、メーカーによっては使用できる入浴剤の種類が豊富な場合もあるので、追い焚き機能を搭載した給湯器を選ぶ際はエコキュートを検討してみましょう。
まとめ
以上が、追い焚きの解説になります。追い焚きはお風呂の冷めてしまったお湯を循環させて温める方法です。さし湯や入れ替えに比べると水道代がかからないので、コストを抑えられます。
ただし、追い焚き機能を搭載している給湯器は高い傾向があり、定期的に配管を掃除し、使用する入浴剤が限定されるなどのデメリットがあります。また、エコキュートの場合は追い焚きよりもたし湯のほうが経済的に良い場合があります。
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