こどもエコすまい住宅支援事業とは?申し込み条件や補助金額などをわかりやすく解説
2022年12月15日
こどもエコすまい住宅支援事業とは、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高い新築住宅を購入する際や、リフォームをする際に支援する事業です。
国が主導している事業で、子育て世帯や若者夫婦世帯などの条件を満たしていれば、全国どこでも受けることができます。
そこで今回は、こどもエコすまい住宅支援事業について分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。ただし、本記事の内容は2022年12月時点での内容で、将来的に変更になる可能性はあります。
こどもエコすまい住宅支援事業の概要
こどもエコすまい住宅支援事業は国土交通省が主導している事業で、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高いZEH住宅を新築(注文・分譲)する際に最大100万円、あるいは特定の条件を満たしたリフォームを行った場合に30万円~60万円の補助金が出ます。
補助金の申請は「こどもみらい住宅支援事業の登録事業者(施工業者や販売業者)」が行うため、住宅の購入者やリフォーム工事の依頼者は面倒な手続きをする必要はありません。
また、新築に対する補助金の条件は「子育て世帯または若者夫婦世帯」となっていますが、リフォームは「住宅取得者等」なので、子育て世帯や若者夫婦世帯ではなくても申し込むことができます。
ただし、子育て世帯や若者夫婦世帯以外が住宅のリフォームでこどもエコすまい住宅支援事業を申し込むと、補助金の上限額は30万円になります。
子育て世帯や若者夫婦世帯とは?
こどもエコすまい住宅支援事業における子育て世帯と若者夫婦世帯の定義は以下の通りです。
定義 | |
---|---|
子育て世帯 | 申請時点において子(令和4年4月1日時点で18歳未満、すなわち平成16(2004)年4月2日以降出生の子)を有する世帯のこと |
若者夫婦世帯 | 申請時点において夫婦であり、令和4年4月1日時点でいずれかが39歳以下(すなわち昭和57(1982)年4月2日以降出生)の世帯 |
夫婦のどちらかが39歳以下なら、若者夫婦世帯として認められます。
こどもエコすまい住宅支援事業の対象期間
こどもエコすまい住宅支援事業の補助の対象となる期間は以下の通りです。
補助の対象期間 | ||
---|---|---|
新築 | 注文 | 令和4年11月8日~令和5年12月31日までに工事請負契約を締結した物
事業者登録を行った業者が令和5年12月31日までに建築工事に着工する物 |
分譲 | 事業者登録を行った業者が令和4年11月8日~令和5年12月31日までに建築工事に着工する物を対象とする
令和5年12月31日までに建築着工する物 |
|
リフォーム | 令和4年11月8日以降に工事請負契約を締結した物 事業者登録を行った業者が建築工事に着工し、令和5年12月31日までにすべての工事を完了する物 |
簡単にまとめると、こどもエコすまい住宅支援事業の補助期間は令和5年(2023年)12月31日までです。既に新築工事やリフォームが始まっている場合は対象外で、事務局に登録した業者と工事請負契約や売買契約を結ぶ必要があります。
なお、新築の場合は令和5年12月31日までに工事が一定以上完成し、令和8年(2026年)2月末までに完了報告が可能な規模の住宅に限ります。また、リフォームの場合は、令和5年12月31日までに工事が完了している必要があります。
こどもエコすまい住宅支援事業の要件
要件とは、こどもエコすまい住宅支援事業の補助金を受け取れる条件のことで、新築とリフォームでは異なります。それぞれ、順番に解説します。
リフォームの要件
こどもエコすまい住宅支援事業のリフォームの要件は以下の通りです。
要件の内容 | |
---|---|
世帯要件 | なし (条件を満たした世帯の場合は補助金の上限額が引き上げられる) |
対象工事 | 8種類の工事のうち、いずれかに該当すること |
リフォームの場合、世帯要件は「なし」なので、住宅の持ち主なら誰でも申し込むことが可能です。ただし、対象工事は下記の8種類で、必須と任意に分かれています。
リフォームの対象工事 | |
---|---|
必須 | 開口部の断熱改修 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 エコ住宅設備の設置 |
任意 | 子育て対応改修 防災性向上改修 バリアフリー改修 空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 リフォーム瑕疵保険等への加入 |
こどもエコすまい住宅支援事業はエネルギー価格の高騰を受けて、省エネ性の高い新築住宅やリフォームを支援する事業です。そのため、補助金を受けるには、省エネ性能の高いリフォーム工事が必須です。
例えば、エコキュートを購入する場合はこどもエコすまい住宅支援事業の補助金を受けられます。しかし、バリアフリーやエアコンの設置で受けたい場合は、3種類の必須工事のいずれかもセットで申し込む必要があります。
なお、経済産業省及び環境省が実施する「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業等」、または経済産業省が実施する「高効率給湯器導入促進による家庭部門のエネルギー推進事業費補助金」において交付決定を受けている場合は必須の工事を行ったとして取り扱いされます。
新築の要件
こどもエコすまい住宅支援事業のリフォームの要件は以下の通りです。なお、分かりやすさを優先して内容をシンプルにまとめてあります。
要件の内容 | |
---|---|
世帯要件 | 子育て世帯または若者夫婦世帯 |
対象住宅の要件 | 省エネ性能の高い住宅
住戸の延べ面積が50㎡以上 土砂災害特別警戒区域外に対象住宅がある 適切な手順を踏んでいること |
新築の要件は注文住宅、分譲住宅で違いはありません。
子育て世帯、または若者夫婦世帯で、土砂災害特別警戒区域外に対象住宅があり、住戸の延べ面積が50㎡以上の省エネ性能の高い住宅を、適切な手順を踏んで新築で購入した場合に、こどもエコすまい住宅支援事業の対象になります。
こどもエコすまい住宅支援事業の補助額
こどもエコすまい住宅支援事業の新築の補助額は、1戸100万円です。基本的に、注文住宅と分譲住宅で違いはありません。
一方で、リフォームの場合は次のように補助額が異なります。
既存住宅購入の有無 | 1戸あたりの上限補助額 | |
---|---|---|
子育て世帯・若者夫婦世帯 | 既存住宅を購入してリフォームを行う | 60万円 |
上位以外のリフォームを行う | 45万円 | |
その他の世帯 | 安心R住宅(※)を購入してリフォームを行う | 45万円 |
上記以外のリフォームを行う | 30万円 |
(※)国土交通省が認めたリフォーム済みの既存住宅
リフォームの場合、世帯要件や既存住宅の購入の有無によって補助金額の上限が異なります。また、必須と任意のリフォーム工事の内容によって補助額は変動します。
例えば、必須である「エコ住宅設備の設置」で、エコキュートを購入した場合、補助金額は1戸あたり27,000円です。
こどもエコすまい住宅支援事業の注意点
こどもエコすまい住宅支援事業の注意点は以下の通りです。
- リフォームの申請は合計補助金額が5万円以上の場合に対象
- 交付申請と契約着工の時期は異なる
- 他の補助金との併用は難しい
上記の注意点を順番に解説します。
リフォームの申請は合計補助金額が5万円以上の場合に対象
リフォームでこどもエコすまい住宅支援事業に申し込む場合、1申請あたりの合計補助金額が5万円以上になることが条件です。
エコキュートを購入した場合の補助金額は27,000円なので、エコキュートだけでは、こどもエコすまい住宅支援事業に申し込めません。
リフォームでこどもエコすまい住宅支援事業に申し込む場合は、蓄電池のようなエコキュートと相性の良いエコ住宅設備の導入や、ほかのリフォーム工事なども検討してみましょう。
交付申請と契約着工の時期は異なる
2022年12月時点でのこどもエコすまい住宅支援事業の交付申請受け付けは、2023年(令和5年)3月下旬頃を予定しています。
ただし、交付申請受け付けと契約着工の時期は異なります。事業者登録を済ませた業者と契約を結んでいるなら、交付申請前に工事を始めたり、売買契約を結んだりできます。
こどもエコすまい住宅支援事業の予算額は1500億円とかなり高額ですが、申し込み状況によっては早めに受付を終了する可能性はあります。
実際、こどもエコすまい住宅支援事業に似たこどもみらい住宅支援事業は合計1142億円の予算を使いきり、予定よりも早くに申請を終了しました。
補助金に興味がある方は事業者登録をした業者と相談して、早めに準備をしておくと良いでしょう。
他の補助金との併用は難しい
こどもエコすまい住宅支援事業は国が行っている事業です。そのため、原則として補助対象が重複する国の他の補助制度との併用はできません。
例えば、ZEH住宅向けの補助制度である「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業」と、こどもエコすまい住宅支援事業は併用不可です。
ただし、地方公共団体の補助制度は国費が充当されているものを除いて併用可能となっています。例えば、地方自治体が出しているエコキュートの補助金と、こどもエコすまい住宅支援事業でエコキュートの補助金の両方を受け取ることができます。
まとめ
以上が、こどもエコすまい住宅支援事業の解説になります。こどもエコすまい住宅支援事業は子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高い住宅を購入する場合と、すべての世帯が特定のリフォーム工事を行う場合に補助金を出す事業です。
省エネ性能の高い住宅を購入する場合は1戸あたり100万円、リフォーム工事の場合は上限30万円~60万円の補助金が貰えます。ただし、リフォーム工事の補助金額は世帯の属性や既存住宅の購入の有無、リフォーム工事の内容によって変動します。
こどもエコすまい住宅支援事業では、エコキュートの購入時に27,000円の補助金が貰えます。ただし、こどもエコすまい住宅支援事業のリフォーム工事での補助金額は最低5万円なので、ほかにもリフォームを行わないと、申し込みはできません。
「エコパパのお店」では専門知識が豊富なスタッフが対応しております。エコキュートを購入しようと考えている方はご相談ください。