どうしてエコキュートでは入浴剤が指定されているの?全てのメーカーで使用できる入浴剤を紹介
2022年6月26日
「入浴剤」はエコキュートを購入する際の注意点として挙げられます。エコキュートメーカーの公式ホームページをチェックすると、使用できる入浴剤が指定されており、推奨品以外を利用すると故障する恐れがあると説明されています。
そこで今回は、エコキュートで入浴剤が指定されている理由について解説します。全てのメーカーで使用できる入浴剤や、入浴剤を使用したい方におすすめのメーカーも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートで入浴剤が指定されている理由
エコキュートで入浴剤が指定されている理由は、入浴剤に含まれている成分が原因で故障やトラブルが起きる可能性があるからです。
エコキュートは電気と空気の力を利用してお湯を作る給湯器システムです。ヒートポンプユニットで作ったお湯は貯湯タンクユニットに貯められ、必要に応じて各所に給湯されます。
エコキュートではお湯がぬるくなった時に、温め直す追い焚き機能がフルオートタイプに搭載されています。
浴槽内のお湯を循環用配管で戻し、貯湯タンクユニットの熱を用いて温めなおすのですが、お湯に入浴剤が含まれていると循環口フィルターや循環用の配管に様々な影響を及ぼします。
一方で、給湯専用タイプやセミオートタイプの場合、追い焚き機能がありません。配管内部に浴槽のお湯が流れることが無いので、入浴剤の使用に条件や制限はありません。
そのため、フルオートタイプのエコキュートを購入した方は、使用できる入浴剤に制限があると覚えておきましょう。
入浴剤がエコキュートに与える影響
エコキュートでは次のような特徴のある入浴剤は基本的に使用できません。
- 硫黄が含まれている入浴剤
- 酸やアルカリなどを含む入浴剤
- 生薬のような固形物を含む入浴剤
- とろみ成分やにごり湯タイプの入浴剤
- 炭酸ガスなどの発泡系の入浴剤
上記の入浴剤をフルオートタイプのエコキュートで使用した場合の影響を順番に解説します。
硫黄が含まれている入浴剤
本物の温泉に含まれている硫黄を用いた入浴剤は、ほかの商品に比べて効能が強いといわれています。
例えば、多硫化態硫黄が含まれている入浴剤はリウマチや神経痛、しっしん。しもやけ、打ち身、産前産後の冷え性、疲労回復など、様々な効能があるとされ、高い人気を集めています。
しかし、硫黄に含まれている成分は循環用配管を腐食させる可能性があります。現在の入浴剤では、硫黄はごく少量しか入っていませんが、フルオートタイプのエコキュートで使用を続けていれば、水漏れやトラブルに発展する可能性は否定できません。
そのため、エコキュートでは硫黄が含まれている入浴剤の使用を禁止しているメーカーが多いです。
酸やアルカリなどを含む入浴剤
入浴剤によっては、酸性泉やアルカリ性温泉などの商品があります。それぞれ、次のような効果があると期待されています。
特徴 | 注意点 | |
---|---|---|
酸性泉 | 殺菌力が強く皮膚病に効果があるとされる | 刺激が強いため肌が弱い方は注意が必要 |
アルカリ性温泉 | 古い角質が浮かび上がり、皮膚汚れを分解する効果があるとされる | 油分が取られ過ぎると肌が乾燥してしまう |
酸やアルカリを含んだ入浴剤は肌に良い影響を与えますが、硫黄と同じように配管の金属を腐食させる恐れがあります。
そのため、エコキュートメーカーは中性の入浴剤を使用するように呼び掛けています。
生薬のような固形物を含む入浴剤
生薬とは、トウやセンキュウなどの薬用植物のことです。薬用植物は医療薬として認められており、血行促進効果があるので、肩こりや腰痛の改善、あるいは肌荒れやしっしんを和らげることができます。
しかし、生薬はそのまま刻んだものを入浴剤に入れているケースがあるので、お湯に入れて使用しても、固形物が溶けきれずに残ってしまいます。
固形物を含んだお湯で追い焚きをすると、フィルターに張り付いて目詰まりを起こす原因となります。そのため、生薬のような固形物を含んだ入浴剤の使用も推奨されていません。
とろみ成分やにごり湯タイプの入浴剤
とろみ成分やにごり湯タイプの入浴剤は、含まれている温泉成分によってお湯が不透明になっているのが特徴です。主な効能として、湯温効果が長続きする、美肌効果が強い、神経痛が和らぐなどがあります。
他の入浴剤に比べて肌への刺激が少なく、安価な商品が多いことから人気の高い種類ですが、入浴剤には細かな固形物が含まれています。
生薬のような固形物を含んだ入浴剤と同様に、フィルターの目詰まりや、ヒートポンプユニットのポンプ部分を故障してしまう可能性があります。
炭酸ガスなどの発泡系の入浴剤
入浴剤をお湯に入れて、表面が泡立つのは炭酸ガスを含んだ発泡系の商品の特徴です。お湯に溶けた炭酸ガスは皮膚から吸収されると、血行を拡張して促進する効果があり、全身の新陳代謝が活発な状態になります。
疲労回復効果を期待できる炭酸ガスですが、配管に含まれている金属を腐食させる恐れがあるとされています。
ただし、入浴剤に含まれている程度の炭酸ガスの量で、エコキュートの配管を腐食させて、水漏れや故障に繋がることは、ほとんどありません。
しかし、炭酸ガスが金属を腐食させる効果があるのは事実のため、エコキュートメーカーは自社の製品に使用して問題ないかどうかを確かめるテストをする必要があります。
テストは長期間に渡って行われるので、メーカーによっては有名なメーカーの入浴剤であってもテストをしないというケースもあります。そのため、多くのエコキュートメーカーでは、炭酸ガスを含んだ入浴剤を推奨していません。
エコキュートメーカーは自社でテストをおこなっている
エコキュートのメーカーは入浴剤のテストを自社でおこなっており、使用しても問題ない入浴剤を発表しています。そのため、エコキュートで入浴剤を使用したい方は、メーカーが認めている商品を使用するようにしましょう。
なお、テストはメーカーごとに個別でおこなっています。そのため、ダイキンでは大丈夫でも、パナソニックでは使用できないというケースがあります。
エコキュートで入浴剤を使用したい方は、必ずメーカーの公式ホームページや説明書を確認しておきましょう。
全てのメーカーのエコキュートで使用できる入浴剤
エコキュートメーカーごとに使用できる入浴剤は違いますが、基本的に次の商品はどのメーカーのエコキュートでも使用できます。
- バブ
- バスロマン
- バスクリン
入浴剤選びで迷った場合は、上記の入浴剤で「にごり湯タイプ」や「発泡ガス」などの記載が無い商品を選ぶようにしましょう。
上記の入浴剤の特徴について、順番に解説します。
バブ
バブは花王製薬が販売している入浴剤です。最大の特徴は小さい石鹸のような固形物が入浴剤となっていることで、手や周りを汚さずに簡単にお湯に投入できます。
固形入浴剤を入れたあとに出てくる泡は二酸化炭素です。二酸化炭素を含んだお湯は血行促進効果や疲労回復効果があるとされています。
なお、花王のバブは「にごり湯タイプ」や「シリカパウダー含有タイプ」などが販売されていますが、エコキュートメーカーによっては使用不可となっているので注意が必要です。
バスロマン
バスロマンはアース製薬が販売している入浴剤です。温泉ミネラルが豊富なので他の入浴剤に比べて保温効果が高いとされており、人気を集めています。冬場に湯冷めしたくない方におすすめの入浴剤となります。
また、バスロマンは商品が豊富なのも特徴です。記事執筆時点で、全8シリーズ28種類もあります。様々なタイプの入浴剤が販売されているので、自分好みの商品を見つけやすくなっています。
ただし、バスロマンでお湯に溶かすと乳白色系になる「にごり湯タイプ」は大抵のエコキュートメーカーで使用禁止となっています。
バスクリン
バスクリンは株式会社バスクリンが販売している入浴剤です。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方が利用できる商品を目指して開発されており、様々なタイプの入浴剤があります。
また、温浴効果と香り、美肌効果の3つにこだわっており、温泉ミネラル成分や天然アロマ香料、天然ホホバオイルなどを多く含んでいます。
他の入浴剤と同様に乳白色系となる「にごり湯タイプ」は使用できないケースが多いです。ただし、ダイキンのエコキュートはバスクリンのにごり湯タイプでも使用可能となっています。
エコキュートで入浴剤を使用したい方におすすめのメーカー
エコキュートで入浴剤を使用したい方におすすめのメーカーはダイキンと日立です。
どちらも、ほかのエコキュートメーカーでは使用できない入浴剤が利用できます。それぞれ、順番に解説します。
ダイキンはにごり湯タイプの入浴剤に強い
ダイキンは株式会社バスクリンの次の商品なら使用可能となっています。
- バスクリン
- きき湯
- 日本の名湯
- ソフレ
- 温美浴
最大の特徴は、上記の商品ならにごり湯タイプでもフルオートタイプのエコキュートで使用できると推奨していることです。
にごり湯タイプの入浴剤は不純物が含まれているので、多くのエコキュートメーカーでは使用を制限しています。
にごり湯タイプの入浴剤は含まれている温泉成分によっては美肌や疲労回復などの効果を期待できるので、にごり湯タイプの入浴剤でも使用できるのは大きな魅力となっています。
ただし、ダイキンはまた、株式会社バスクリン以外の入浴剤が使用できるかどうかのテストを行っていません。そのため、ダイキンエコキュートではバブやバスロマンが使用できない可能性があると覚えておきましょう。
日立
日立のエコキュートで使用できる入浴剤は次のとおりです。
使用できる入浴剤 | |
---|---|
炭酸発泡あり | バブ バブ和漢ごこち きき湯 きき湯アロマリズム |
炭酸発泡なし | バスクリン バスクリンクール バスロマン バスロマンクール |
日立はバブやきき湯なら炭酸ガスを含んでいる入浴剤を使用できるのが大きな特徴です。また、使用可能な入浴剤を細かく公表しているので、自分の愛用している入浴剤が使用できるかどうか、すぐに確認できます。
まとめ
以上が、エコキュートで入浴剤が指定されている理由の解説になります。フルオートタイプのエコキュートで入浴剤を使用すると、種類によっては故障やトラブルの原因になります。
基本的に「バブ」や「バスクリン」、「バスロマン」で、にごり湯タイプ・発泡ガス以外の透明な入浴剤は使用できます。上記以外の入浴剤で使用できるかどうかはメーカーによって異なるので、購入前にしっかりと確認しましょう。
「エコパパのお店」は総施工件数20,000件を突破しており、エコキュートに関する専門知識が豊富なプロのスタッフが対応しております。エコキュートの入浴剤やトラブルに関する疑問やご相談がありましたら、ぜひ「エコパパのお店」までお気軽にご連絡ください。