エコキュートが凍結してお湯が出なくなった!冬場の凍結トラブルの対処法と防止対策
2021年12月2日
冬場の「エコキュートからお湯が出ない」「エラーが出る」といったトラブルの原因はもしかすると「配管の凍結」によるものかもしれません。
エコキュートは外気温が0℃以下だと、配管内部のお湯が凍結してしまう可能性があります。北海道や東北、北陸などの寒冷地だけでなく、雪が降らないような一般地でもエコキュートの凍結は報告されています。
凍結したらお湯が出なくなり、風呂やシャワーを浴びることができません。また、凍結したお湯が原因で配管が破裂し、水漏れや故障の原因になる場合もあります。
本記事では、冬場にエコキュートが凍結してお湯が出ないときの原因や対象法、防止対策について解説します。併せて各メーカーの連絡先も掲載しているで、ぜひご覧ください。
目次
エコキュートが凍結する原因
エコキュートは貯湯タンクユニット内部にお湯を貯めておき、必要なときに応じて給湯を行う給湯器です。貯湯タンクユニットは保温性に優れているので凍る心配はほとんどありません。
しかし、ヒートポンプユニットからタンクへの給水配管や、タンクから風呂や各所に給湯する配管は外気に触れているので、0℃以下の環境だと凍結してしまう恐れがあります。
給湯器の凍結は北海道や東北などの寒い地域だけではなく、中国、四国、九州地方でも発生します。
公益社団法人「日本水道協会 工務部技術課」が行ったアンケート結果によると、平成30年1月上旬から2月中旬までに凍結被害に遭った件数は合計22,033件あり、配管が凍結した件数は9,494件です。凍結被害の約43%が配管の凍結になります。
エコキュートが凍結した時の対処方法
エコキュートが凍結した時の対処方法は次の3つです。
● 漏電遮断器を切る
● 気温が上昇するのを待つ
● 配管部分にぬるま湯をかける
冬場にお湯が出なくなり、エラーコードが表示されるようになったら、まずは漏電遮断器をオフにします。1分以上経過してからオンに戻すとエラーが解除されます。
エラーコードが解除されたら、気温が上がるのを待つか、配管部分にぬるま湯を掛けて凍結を溶かすか決めましょう。
寒冷地以外の場所であれば、凍結は一時的な気温低下で起きた現象だと考えられます。そのため、時間経過とともに気温が上昇すれば解消されるので、待っていれば問題は解決します。
すぐにでもお湯が欲しい、あるいは寒冷地で凍結している場合は、配管部分にぬるま湯を掛けて溶かす方法がおすすめです。
ただし、配管部分にお湯を掛ける場合、熱湯は止めましょう。凍結している配管に直接熱湯をかけることで、急激な温度差が生じて配管自体が破損してしまう恐れがあります。
配管部分にお湯を掛ける場合は、タオルを巻いて、その上にぬるま湯を注ぎながらゆっくりと溶かしましょう。なお、凍結している配管は外部からでは分からないので、下記の配管にお湯を掛けて、給湯されるか確かめてみましょう。
● タンクからヒートポンプユニットに繋がる給水・給湯配管
● タンクから浴槽の循環口に繋がる風呂配管
エコキュートの凍結防止対策
エコキュートが凍結すると、冬場なのにお湯が使えなくなり、上記の対処法を試さなければなりません。凍結を回避するためには、一般地でも次のエコキュートの凍結防止対策を行っておくのが望ましいです。
● 各部配管に保温材をチェックする
● 給水・給湯配管の凍結防止
● 風呂配管の凍結予防
本格的な冬を迎える前に、エコキュートの凍結防止対策を見直しておきましょう。
各部配管に保温材をチェックする
給水や給湯配管は断熱材で覆われています。しかし、断熱材が破損、あるいはズレていると効果を発揮できず、凍結することがあります。冬場を迎える前に、各部配管の保温材(断熱材)が破損していないかチェックして、場合によっては工務店に修理してもらいましょう。
なお、ホームセンターでは配管の凍結予防として保温素材を販売しています。配管の外側に巻くだけでも一定の効果を期待できるので、自分で購入して取り付けるのも選択肢の1つです。
また、保温材取り付けていても、外気温0℃以下が続くと配管が凍結する可能性があります。費用は掛かりますが、凍結防止用のヒーターを取り付けることも検討してみましょう。
給水・給湯配管の凍結防止
給水・給湯配管の凍結を防止する最も簡単な方法は、お湯の蛇口から少しだけ水を出しておくことです。配管内部に溜まっているお湯が流動していれば、凍結被害が発生する確率を抑えられます。
一晩中、お湯の蛇口から少しだけ水が出るようにしておくだけでも、凍結防止になります。目安としては、1分間にコップ一杯分(200ml)程度の水が出るようにしましょう。
注意点は「お湯の蛇口から水を出す」ことです。お湯の蛇口からお湯を出していると、貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯を消費してしまうので、凍結を防止しても、日中に湯切れを起こす可能性があります。
また、水の蛇口から水を出していると、単に水道水を給水しているだけなので、エコキュートの凍結防止にはなりません。
蛇口がサーモスタット式、あるいはシングルレバー式の場合は最高温度側に設定し、エコキュートのリモコンで温度を水に設定して少しだけ開いておきましょう。なお、温度設定で水を設定できない場合は、この方法はおすすめできません。
風呂配管の凍結予防
フルオートタイプのエコキュートは、外気温が3℃以下になると風呂配管の凍結予防を自動で行う場合があります。浴槽内部に残っているお湯を循環させて、風呂配管の凍結を予防します。
循環口の中心から10cm以上の湯量があると作動しますので、冬場はある程度のお湯を残すようにしましょう。なお、残り湯がない場合は水を張っておくことで、風呂配管の凍結予防運転は行われます。
エコキュートが凍結した時の問い合わせ先
エコキュートからお湯が出ず、上記の凍結の対処法を行っても改善されない時は、メーカーの修理相談窓口か販売店・工務店に相談してみましょう。次の表は、主要エコキュートメーカーの修理相談窓口をまとめたものです。
電話番号 | 受付時間 | |||
---|---|---|---|---|
パナソニック | 0120-872-150 | 9時~19時(月~土) 9時~18時(日祝日・年末年始) |
||
ダイキン | 0120-881-081 | 24時間受付(年中無休) | ||
三菱 | 0120-139-365 | 9時~19時(月~金) 9時~17時(土日祝日・年末年始) |
||
コロナ | 0120-919-302 | 24時間受付(年中無休) | ||
日立 | 2019年10月以降の商品:0120-3121-19 2019年9月以前の商品:0120-578-011 |
9時~19時(月~金) 9時~17時(土日祝日・年末年始) |
||
東芝 | 0120-1048-00 | 9時~20時(年中無休) |
なお、エコキュートはメーカー保証が付きますが、保証期間が過ぎてからの修理は有償となります。
凍結以外の冬場のトラブル
エコキュートは外気の熱を利用してお湯を作る給湯器です。そのため、冬場は凍結以外にも次のようなトラブルが発生しやすくなります。
● 給湯効率が下がる
● 雪や霜でヒートポンプが塞がってしまう
冬場に起きやすいトラブルと対象法について順番に解説します。
給湯効率が下がる
エコキュートは外気の熱を利用してお湯を作るので、冬になって寒くなると給湯効率が他の季節に比べて下がってしまいます。
そのため、お湯がいつもよりぬるくなったり、追い炊きができなくなったりします。冬場になったらお湯の設定温度を上げるか、「おまかせモード」に切り替えてみましょう。
最新のエコキュートはAIが利用者のライフスタイルやお湯の消費量を学習し、適切な状態になるように管理しています。普段の生活は節約できるモードでも大丈夫ですが、給湯効率が下がってしまう冬場は「おまかせモード」にしてみましょう。
なお、お風呂のお湯を温めなおすときは、追い炊きよりも高速足し湯の方が光熱費の節約に繋がります。
フルオートタイプのエコキュートは追い炊き時に、浴槽内部のお湯を循環させて、温めなおします。しかし、追い炊き時に貯湯タンク内部の熱が浴槽のお湯に移ってしまい、タンク内部のお湯の温度は下がってしまいます。
温度が下がったタンク内のお湯を上げるためにヒートポンプユニットが稼働するので、結果として電気代が余分にかかってしまうのです。冬場は追い炊きよりも、貯湯タンク内のお湯をそのまま使う足し湯機能を使用しましょう。
雪や霜でヒートポンプが塞がってしまう
ヒートポンプユニットは、外気を取り込んでお湯を作るエコキュートの心臓部分です。しかし、外気を取り込む排気口周りが雪や霜で塞がってしまうと、給湯効率は著しく悪くなり、日中に湯切れを起こす頻度が増えてしまいます。
冬場はヒートポンプユニット周りの雪やゴミを退かし、霜が付着していないか定期的に確認するようにしましょう。もしくは、積雪対策として、防雪カバーや防雪架台の購入も検討してみましょう。
まとめ
以上が、冬場にエコキュートが凍結してお湯が出ないときの原因や対象法などの解説になります。エコキュートが凍結してしまう理由は、外気温が0℃以下になってしまうと配管内部に残っているお湯が凍ってしまう可能性があるからです。
冬を迎える前に、配管の保温材が破損、あるいはズレていないか確認をして、場合によっては自分で保温材をまいたり、工務店に依頼したりしてヒーターを設置しましょう。
また、エコキュートの凍結防止策として、一晩中お湯の蛇口から水を出す、もしくは浴槽にお湯や水を張って風呂配管の凍結予防運転を動かすなどを行いましょう。
上記の凍結防止対策を行っても、寒波が強いと凍結は発生します。気温が上昇するまで待つか、待てない場合は配管周りにタオルを巻いて、お湯を掛けて凍結を溶かします。それでも凍結が対処できないときはメーカーの修理窓口か工務店に相談してみましょう。
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