エコキュートが故障した場合は保険の対象になる?住宅の損害保険の適用事例や注意点などを解説
2023年4月22日
エコキュートが故障した場合は保険の対象になる?住宅の損害保険の適用事例や注意点などを解説
エコキュートは住宅に設置する給湯器のため、火災保険や地震保険などの損害保険に加入していれば、補償が適用される可能性はあります。
ただし、損害保険に加入しているからといって、すべてのケースで補償を受けられるとは限りません。
そこで今回は、エコキュートと損害保険について解説します。損害保険の注意点も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
住宅の損害保険とは?
住宅の損害保険には、主に火災保険と地震保険があります。どちらも、住宅に損害が発生した場合に保険金が支払われる制度です。ただし、火災保険と地震保険で内容が異なります。
概要 | |
---|---|
火災保険 | 火災や落雷、爆発、風災、雪災、盗難などにより保険の対象である建物や家財に損害が生じた場合に補償される |
地震保険 | 地震や噴火、津波などにより保険の対象である建物や家財に損害が生じた場合に補償される |
基本的に、火災保険や地震保険を加入する義務はありません。そのため、人によっては火災保険や地震保険に加入していないことも珍しくありません。
ただし、マンションやアパートなどの共同住宅を賃貸する場合には、家主や不動産会社から火災保険に加入することを求められることがあります。
エコキュートは住宅の損害保険で補償される?
結論から申し上げますと、エコキュートは住宅に関する保険で補償される可能性はあります。
保険の対象となるものは、原則として住居にのみ使用される建物と、建物に付随する門や塀、住居内の家財などです。
エコキュートのような住宅に取り付けて容易に外せない機器は建物に分類されるため、保険の対象になる傾向があります。ただし、保険会社の保険内容によっては給湯器を対象に含めないとしている場合があるので、事前に確認しましょう。
エコキュートが住宅の損害保険で適用される事例
エコキュートが住宅の損害保険で適用される事例として、次のような内容があります。
適用される事例 | |
---|---|
火災保険 |
火災によってエコキュートが故障する 落雷によってエコキュートが故障する 台風によってエコキュートが倒れる 台風による飛来物でエコキュートが故障する 屋根から滑り落ちた雪でエコキュートが故障する 川の増水などでエコキュートが水に浸かって故障する ヒートポンプユニットや部品などが盗まれる 車がエコキュートにぶつかり故障する ボールがエコキュートにぶつかり故障するなど |
地震保険 |
地震でエコキュートが倒れて故障する 地震が原因の津波によってエコキュートが故障する 地震が原因の火災によってエコキュートが故障する 噴火が原因の火災や飛来物によってエコキュートが故障するなど |
契約する保険の内容にもよりますが、火災保険の適用事例は幅広いです。火災のみならず、落雷や風災、雪災、雹災、水災、盗難、物体の落下や衝突などでも適用される場合があります。
一方で、地震保険の適用事例は基本的に地震や噴火が原因の損害のみ適用されます。火災保険に比べると適用事例が狭いように思えますが、そもそも地震保険は火災保険で補えない範囲をカバーするための損害保険です。
地震保険は単独での契約ができず、火災保険とセットで加入できます。そのため、人によっては火災保険に加入していても、地震保険に加入していないケースも珍しくありません。
住宅の損害保険の注意点
エコキュートは住宅の損害保険で補償される可能性はありますが、次のような注意点もあります。
- 損害保険は保険によって補償範囲が異なる
- 地震による火災は火災保険で補償されない
- 地震保険は建物に損害が生じた場合に適用される
- 経年劣化や誤った使用による故障は適用されない
- 免責金額以下の場合は補償がされない
上記の注意点を順番に解説します。
損害保険は保険によって範囲が異なる
損害保険は保険によって適用される補償範囲が異なります。
例えば、火災保険の場合は火災や落雷は標準として含まれている傾向はありますが、風災や水災、破損、盗難などは任意付帯となっているケースがあります。任意付帯となっている補償は契約時、あるいは中途で申し込まないと適用されません。
また、火災や水災で故障したとしても、必ず補償を受けられるとは限りません。
例えば、損保ジャパンでの水災による補償の支払い基準は次のようになっています。
- 建物の協定再調達価額の30%以上の損害を受けた場合
- 居住部分が床上浸水したことにより建物が損害を受けた場合
上記の基準を満たすケースは、河川の氾濫により床上浸水が起きる、あるいは台風により洪水が発生して家屋が流されるなどとなります。
水災保険が組み込まれていても、雨が降って故障した程度では補償されない可能性があるので注意しましょう。
地震による火災は火災保険で補償されない
火災保険は火災による損害をカバーしていますが、地震が原因で起きた火災は補償されない傾向があります。地震による火災に備えておきたい場合は、地震保険に加入しましょう。
地震保険は建物に損害が生じた場合に適用される
地震保険は地震が原因で発生した損害を補償する保険です。エコキュートが地震によって転倒、あるいは損害が生じた場合に補償される可能性はあります。
しかし、地震保険は原則として住宅の柱や梁、壁などの主要構造物が地震によって被害を受けた場合に補償します。つまり、地震が発生してエコキュートだけが転倒しても、住宅に被害が出ていない場合は補償されません。
経年劣化や誤った使用による故障は適用されない
エコキュートは利用していると、基板や配管などが経年劣化により摩耗していき、故障する可能性があります。
しかし、損害保険は経年劣化による故障は補償しません。また、メーカーが指定していない使用方法や、推奨していない入浴剤の利用などで故障した場合も損害保険で補償されません。
エコキュートのように室外に設置する住宅機器は雨風で摩耗する可能性が高いので、取扱説明書に記載されている内容を守り、定期的にメンテナンスや点検を行うようにしましょう。
免責金額以下の場合は補償がされない
火災保険には免責金額が設定されています。免責金額とは、損害が発生して補償する際に被保険者(契約者)が負担する金額です。
免責金額に関する内容や金額は保険会社や契約している保険によって異なります。例えば、免責金額が20万円の火災保険の場合、エコキュートの修理や買い替えに必要な金額のうち、20万円までは被保険者が負担することになります。
エコキュートの修理費用は故障箇所や被害の程度によって異なります。三菱エコキュートの場合は、電源が入らない故障なら2万円~5万円程度が目安です。
上記の場合、修理費用は20万円の免責金額を超えないので、火災保険に加入していて適用事例であっても補償されません。
また、メーカー保証で修理できる場合も損害保険で補償されません。
エコキュートは購入時にメーカー保証が付き、メーカー保証期間内なら無料で修理してもらえます。次の表は、主要メーカーの無償保証期間をまとめたものです。
リモコンユニット | ヒートポンプユニット | 貯湯タンクユニット | |
---|---|---|---|
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 |
三菱 | 1年 | 3年 | 5年 |
東芝 | 5年 | 5年 | 5年 |
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 |
日立 | 1年 | 3年 | 5年 |
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 |
また、購入者は保証期間を最長10年に延長する有償保証に加入できます。料金を支払うことで、無料で修理してもらえる期間を延長できます。
延長保証(税込) | |
---|---|
ダイキン | 10年間:30,800円 |
三菱 |
5年間:11,880円 8年間:25,562円 10年間:31,220円 |
東芝 |
8年間:18,700円 10年間:26,400円 |
パナソニック |
5年間:11,524円 8年間:25,666円 10年間:29,700円 |
日立 | 10年間:31,220円 |
コロナ |
5年間:11,800円 8年間:25,520円 10年間:31,130円 |
基本的に、メーカー保証期間内で、保証範囲内の故障なら修理費用が発生しないので、損害保険による補償は受けられません。
損害保険はエコキュートの買い替え時に役立つ
損害保険はエコキュートの修理や買い替え時に補償してもらえる可能性はありますが、免責金額によっては保証金が受け取れないケースはあります。
そのため、免責金額が10万円や20万円と高額な火災保険の場合、小規模な修理では補償がされない可能性は否定できません。
一方、エコキュートの買い替え費用はメーカーや機種によって異なりますが、40万円~70万円程度と高額です。
損害保険の免責金額は保険会社や保険内容に異なり、自分で決定できるパターンがありますが、損害保険はエコキュートが火災や落雷などで故障して買い替える時のために活用すると良いでしょう。
エコキュートが故障した時はどうすればいい?
火災や落雷などでエコキュートが故障した場合は、次の手順で手続きを行います。
- 保険会社に連絡して手続きの書類一式を郵送してもらう
- メーカーや修理業者を呼んで見積書を作成してもらう
- 書類に従って申請書を作成する
- 見積書と申請書を保険会社に提出する
- 保険会社に依頼されて鑑定人が現地調査を行う
- 保険金額が決定して保険金が振り込まれる
- 保険金を使って修理、あるいは買い替えを行う
まずは契約している保険会社に連絡します。保険会社によって連絡方法が異なるので注意しましょう。
保険会社から火災保険の申請に必要な書類を受け取ったら、メーカーや施工業者に相談して修理、あるいは買い替えの見積書を作成してもらいます。同時に、破損部位や状況などを写真で撮影して、必要書類の作成を行います。
見積書と保険申請に必要な書類などを保険会社に提出すると、保険会社から依頼された鑑定人が被害状況の現地調査に訪れて状況を確認します。そして、申請した金額や現地調査の結果から保険金額が決定し、口座に振り込まれます。
つまり、損害保険の保険金が振り込まれるまでにはある程度の期間が必要で、鑑定人がチェックするまでは修理や買い替えはできません。
先に修理や買い替えを行ってしまうと保険会社に火災や落雷で被害を受けたことの証明ができず保険金がもらえない可能性もあるので、手順はしっかりと守りましょう。
まとめ
以上が、エコキュートと損害保険に関する解説です。損害保険は内容にもよりますが、エコキュートの修理や買い替え費用を補償する可能性はあります。
ただし、保険ごとに適用事例や免責金額、申請手順などが異なり、すべてのケースで補償されるとは限りません。小規模な故障で終わった場合は、損害保険で補償されるのは難しいです。そのため、エコキュートを購入する際は、メーカーの有償保証に加入しましょう。
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