エコキュートで水は出るけどお湯が出ない場合は?原因と対処方法などをわかりやすく解説
2023年6月22日
エコキュートを利用していて水は出るけどお湯が出ない場合は幾つかの原因が考えられます。大抵の場合は湯切れが原因ですが、トラブルや故障が発生している可能性を否定できません。
そこで今回は、エコキュートで水は出るけどお湯が出ない場合の原因と対処方法をわかりやすく解説します。また、水もお湯も出ない場合の原因と対処方法も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの仕組み
エコキュートはお湯を沸かして貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。
一般的なガス給湯器は瞬間式給湯器で、給湯器内部を通る配水管をバーナーで直接温めて給湯します。
一方、エコキュートはヒートポンプユニットが周りの空気を取り込んで、内部で圧縮して生み出した熱でお湯を沸かします。お湯は高温の状態のまま貯湯タンクユニットで貯めておき、シャワーやお風呂の給湯時に水道水と混ぜて設定温度まで下げて給湯します。
つまり、エコキュートは事前に沸かしておいた熱湯に水道水を混ぜて給湯する仕組みなので、貯めておいたお湯が無くなってしまうとお湯が出てこなくなる可能性はあります。
エコキュートで水が出るのにお湯が出ない場合の原因
エコキュートで水が出るのにお湯が出ない場合は次の原因が考えられます。
- 貯湯タンクユニットにお湯がない
- 貯湯タンクユニットの湯温が下がった
- エコキュートでトラブルが起きている
- エコキュートが故障している
上記の原因と対処方法を順番に解説します。
貯湯タンクユニットにお湯がない
エコキュートは夜間にお湯を沸かして、日中に消費する貯湯式給湯器です。そのため、日中にお湯を使いすぎると湯切れを起こす可能性はあります。湯切れが発生したら、蛇口のお湯側を捻っても、お湯は出てきません。
エコキュートは基本的に夜間の設定した時間にならないとお湯を沸かさないので、湯切れになったら次のどちらかを選択する必要があります。
- 手動で沸き増しを行う
- お湯を使うのを諦める
エコキュートには手動で沸き増しする機能があるので、夜間の設定した時間まで待てない場合はお湯を沸き増ししましょう。なお、エコキュートの性能や外気温によって異なりますが、100Lのお湯を沸かすのに約1時間かかります。
浴槽の平均湯量は1回につき約200Lなので、お風呂に入るためには約2時間かかると覚えておきましょう。
お湯をすぐに利用したい理由がない場合は、夜間の設定した時間まで待つという選択肢もあります。なぜなら、エコキュートは夜間の電気量料金が安い時間帯にお湯を沸かしたほうが、ランニングコストを抑えられます。
例えば、中部電力のスマートライフプランに契約していてエコキュートを利用している場合、電気量料金は次の表のとおりです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10kVAまで | 1契約 | 1597.04円 |
10kvAを超える | 1kVA | 297.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWh | 38.95円 |
@ホームタイム | 28.76円 | ||
ナイトタイム | 16.63円 |
スマートライフプランでは、時間帯区分を3つに分けており、下記の時間帯で電力量料金が変動します。
- デイタイムは平日10時~17時まで
- @ホームタイムは平日8時~10時までと17時~22時まで、土日祝日8時~22時まで
- ナイトタイムは平日22時~翌8時まで、土日祝日22時~翌8時まで
日中や夕方ごろに手動でお湯を沸かそうとすると、電気量料金単価が高くなってしまい、余分なコストが発生する可能性があります。そのため、お湯を使う必要がない場合は、無理に沸かさずに設定した時間まで待つことも選択肢の1つです。
貯湯タンクユニットの湯温が下がった
基本的に貯湯タンクユニットは密閉されており、メーカーや機種によっては断熱性の高い素材で作られています。しかし、時間経過と共に湯温が下がっていく可能性はあります。
なぜなら、貯湯タンクユニット内部には熱湯以外に水道水も混じっているからです。
貯湯タンクユニットは清潔性を保つために常に満水の状態が理想とされています。エコキュートを購入したら、最初に水道水で貯湯タンクユニット内部を満たし、タンク内部の水道水をヒートポンプユニットで温めて、貯湯タンクユニットに戻す作業を行います。
上記の作業により、貯湯タンクユニット内部は上層が80℃~90℃の熱湯、下層は水道水、中層には熱湯と水道水が混ざった混合層となっています。
給湯時は、下層の水道水が給水されたときの圧力を利用して上層の熱湯が押し出され、温度調節弁で水道水と混ぜ合わせて設定した温度で給湯します。つまり、消費する熱湯と同じ量の水道水が補給されるので、貯湯タンクユニット内部は常に満水の状態です。
そのため、お湯を使い続けると水道水の割合が増えていき、自然と熱湯の温度も下がっていく可能性があります。温度が下がるとエコキュートはお湯を消費していないのに湯量が減ったと判断して、お湯が出なくなります。
また、エコキュートによっては追い焚き機能が利用できますが、追い焚きはお風呂のお湯を循環させて温める際に貯湯タンクユニットの熱湯を利用します。
貯湯タンクユニット内部の熱湯と混ぜず、熱交換だけ行って浴槽に戻すため、追い焚きを繰り返していると熱湯の温度が下がります。
貯湯タンクユニット内部の温度が下がった場合も、手動で沸き増しを行うか、夜間の設定した時間まで待つか、どちらかを選択しましょう。
エコキュートでトラブルが起きている
エコキュートで次のようなトラブルが起きていると、お湯が出ない場合があります。
- 給水ストレーナーにゴミが溜まっている
- 止水栓が閉まっているなど
給水ストレーナーとは、エコキュートに異物が混入しないように給水部に設置されているゴミ取り装置です。ゴミや不純物で目詰まりを起こしていると、お湯が出にくくなる場合があります。
ゴミや不純物を取り除けばお湯が出るようになるので、取扱説明書を参考にしながら給水ストレーナーの掃除を行いましょう。
また、止水栓が閉まっているとお湯が出ません。エコキュートは給水圧力を利用してお湯を出す押し上げ方式を採用しているため、貯湯タンクユニットと繋がっている水道管が閉じているとお湯は出なくなります。
メンテナンスや点検などで止水栓を閉じてしまった方は、取扱説明書を確認して開栓してみましょう。なお、メーカーや機種によっては別の名称を用いている場合があります。
上記のようなトラブルが起きている場合は、業者を呼ばずにご自身で解決できる可能性が高いので、まずは取扱説明書を確認して対処してみましょう。
エコキュートが故障している
エコキュートは定期的にメンテナンスや点検を行っていれば10年以上使用できる機器ですが、故障する可能性はあります。水は出るのにお湯が出ない場合は、次のような故障が考えられます。
- 混合水栓の破損
- カートリッジの故障
- ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットの故障
エコキュートは故障していると、リモコンユニットにエラーコードが表示されます。エラーコードはアルファベットと数字の組み合わせで、どのような故障やトラブルが起きているのか示しているので、取扱説明書で確認し、内容に応じた対処を取りましょう。
エコキュートで水もお湯も出ない場合の原因と対処方法
エコキュートで水もお湯も出ない場合の原因は以下の通りです。
- 配管の水が凍結している
- 断水している
- エコキュートが故障している
上記の原因と対処方法を順番に解説します。
配管の水が凍結している
夜間に気温が大きく下がったり、積雪が続いたりすると配管の水が凍結する場合があり、凍結すると蛇口を捻っても水やお湯が出ません。
凍結した配管は目視で確認することは難しいので、日中に気温が上がって溶けるまで待ちましょう。気温が上がっても水やお湯が出ない場合は、露出していて、凍結している可能性がある配管にぬるま湯をかけて溶かします。
なお、直接熱湯をかけると温度差によって配管が破損する可能性があるので、タオルを巻いた上からかけると良いです。
また、配管が凍結してしまうと水やお湯が使えなくなって不便になるので、次のような対策を行いましょう。
- 夜間に少量の水を流し続ける
- 残り湯を捨てずに取っておく
- 凍結防止ヒーターを設置する
寒暖差が激しい場所や、冬季に0℃を下回る日が多い地方では、凍結対策を行っておくことが重要です。
断水している
住んでいる地域や住宅で断水が起きていると水やお湯が出ません。断水が起きている時は、問題が解決するまで待つ必要があります。
なお、断水が起きている理由にもよりますが、断水後の水やお湯が濁る可能性があるので、電源を落とし、止水栓を閉じて貯湯タンクユニット内部に濁ったお湯が混ざらないようにしましょう。
また、エコキュートは断水時でも非常用取水栓を開ければ内部のお湯を生活用水として使用できます。地震や自然災害で断水となり、生活用水が不足した場合はエコキュートからお湯を取り出して使用すると良いです。
エコキュートが故障している
水やお湯が出ない原因が上記以外の場合、エコキュートが故障している可能性は高いです。お湯だけが出ない場合よりも重度の故障や水漏れが起きている可能性があるので、早めにメーカーや販売業者に修理を依頼しましょう。
なお、エコキュートは購入時にメーカーの無償保証が付き、次の期間内なら修理を無料で受けられます。
リモコンユニット | ヒートポンプユニット | 貯湯タンクユニット | |
---|---|---|---|
ダイキン | 1年 | 3年 | 5年 |
三菱 | 1年 | 3年 | 5年 |
東芝 | 5年 | 5年 | 5年 |
パナソニック | 1年 | 3年 | 5年 |
日立 | 1年 | 3年 | 5年 |
コロナ | 2年 | 3年 | 5年 |
また、購入後に上記のメーカー保証期間を延長する有償保証を付けることが可能です。
延長保証(税込) | |
---|---|
ダイキン | 10年間:30,800円 |
三菱 | 5年間:11,880円 8年間:25,562円 10年間:31,220円 |
東芝 | 8年間:18,700円 10年間:26,400円 |
パナソニック | 5年間:11,524円 8年間:25,666円 10年間:29,700円 |
日立 | 10年間:31,220円 |
コロナ | 5年間:11,800円 8年間:25,520円 10年間:31,130円 |
有償保証なので料金を支払う必要はあります。しかし、水やお湯が出ない故障の修理代は数万円以上かかります。有償保証の費用を支払ったほうがお得になる可能性があるので、検討してみましょう。
まとめ
以上が、水は出るけどお湯が出ない場合の原因と対処方法です。お湯が出ない原因が湯切れ、あるいは貯湯タンクユニットの内部の湯温が下がったことなら、お湯を手動で沸かすか、夜間の設定した時間まで待てば問題は解決します。
湯量や湯温に問題がない場合は、給水ストレーナーや止水栓を確認し、リモコンユニットにエラーコードが表示されていないか確認しましょう。エラーコードが表示されていて、本格的な故障の場合はメーカーや販売業者に相談すると良いです。
「エコパパのお店」で購入すると、10年間の「BEST保証」を30,000円(税込)で付けることができます。故障・不具合(自然故障)が発生した場合は、無償でメーカー保証とほぼ同等の修理を提供しますので、エコキュートの故障対策として検討をおすすめします。