エコキュートとガスを併用することは可能?併用することのメリットやデメリットを解説
2022年12月22日
一般的にオール電化住宅は給湯器をエコキュート、コンロをIHクッキングヒーターに交換し、住宅のエネルギーを電力のみに集中することを言います。しかし、人によってはコンロをガスコンロにしたままエコキュートと併用したいことがあります。
そこで今回は、エコキュートとガスを併用することについて解説します。エコキュートとガスを併用することのメリットやデメリット、おすすめの人なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
エコキュートとガスを併用することは可能?
結論から申し上げますと、エコキュートと都市ガス、あるいはプロパンガスを併用することは可能です。
併用する場合、給湯はガス給湯器からエコキュートへ交換して、台所のガスコンロはIHクッキングヒーターに変更しないケースが一般的になります。
つまり、エコキュートとガスを併用する場合は、オール電化住宅を目指しません。
エコキュートとガスを併用するメリット
エコキュートとガスを併用するメリットは以下の通りです。
- 給湯のランニングコストを抑えられる可能性がある
- 調理のランニングコストを抑えられる可能性がある
上記のメリットを順番に解説します。
給湯のランニングコストを抑えられる可能性がある
ガス給湯器からエコキュートに交換する最大のメリットは、給湯のランニングコストを減らせることです。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を作る給湯器システムです。電気料金が安い時間帯にお湯を沸かすので、ガス給湯器に比べて同じ湯量を沸かしたときのランニングコストが次のように安いことが特徴です。
エコキュートの月間ランニングコスト | エコキュートの年間ランニングコスト | ガス給湯器の年間ランニングコスト | |
---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約2,700円 | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約1,800円 | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約1,700円 | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約2,000円 | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約2,000円 | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約1,700円 | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約1,900円 | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約2,200円 | 約26,400円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約1,500円 | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約900円 | 約10,800円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストは、家族の人数やお湯の消費量によって異なりますが、ガス給湯器からエコキュートへ交換すれば、ランニングコストを3分の1以下に抑えられます。
経済産業省資源エネルギー庁の発表によれば、家庭のエネルギー消費量の平均割合は、照明や家電が約34%、給湯が約31%、暖房が約25%と高い割合を占めています。
つまり、給湯器をガス給湯器からエコキュートに交換すれば、光熱費のなかで大きな割合を占めている給湯部分の節約につながる可能性は高いです。
調理のランニングコストを抑えられる可能性がある
給湯器をガス給湯器からエコキュートに交換し、コンロをガスコンロからIHクッキングヒーターに交換しない場合のメリットは、調理のランニングコストを抑えられる可能性があることです。
ガスコンロは都市ガス、あるいはプロパンガスを燃やして火が使用可能になる調理器具です。一方、IHクッキングヒーターは電気の力で電熱線を温め、熱によって調理が可能になる器具です。
一般的に、電気だけでガスと同じ熱量を生むのに必要なエネルギーは、ガスの約10倍必要になります。
東京ガスのシミュレーションによれば、最新の高効率ガスコンロの年間ランニングコストは4人家族の場合、約12,515円です。仮に、同じだけのエネルギーをIHクッキングヒーターで消費した場合のランニングコストは、約20,000円です。
実際のランニングコストは家族の人数や調理時間によって変動しますが、ネックになるのはエコキュートを導入した場合の料金プランです。
エコキュートを導入すると、電力会社の料金プランをエコキュート用のプランに変更します。例えば、中部電力ミライズの場合は、次のプランに変更します。
時間帯区分(平日) | 1kWhあたりの電力量料金 | |
---|---|---|
スマートライフプラン | デイタイム:10時~17時 @ホームタイム:17時~22時ナイトタイム:22時~8時 @ホームタイム:8時~10時 |
デイタイム:38.71円
@ホームタイム:28.52円 ナイトタイム:16.30円 |
スマートライフプラン 朝とく |
デイタイム:10時~17時 @ホームタイム:17時~23時ナイトタイム:23時~9時 @ホームタイム:9時~10時 |
|
スマートライフプラン 夜とく |
デイタイム:10時~17時 @ホームタイム:17時~21時ナイトタイム:21時~7時 @ホームタイム:7時~10時 |
エコキュート向けの料金プランは季節別時間帯別電灯で、電力料金が昼間や夕方ごろに高くなる傾向があります。実際、中部電力ミライズの季節別時間帯別電灯は夕食を作る18時~20時頃は1kWhあたりの料金が高いです。
つまり、調理のランニングコストはIHクッキングヒーターよりも、ガス給湯器にしておいたほうが、抑えられる可能性があります。
コキュートとガスを併用するデメリット
エコキュートとガスを併用するデメリットは以下の通りです。
- 電気とガスの両方の基本料金を支払う
- 太陽光発電システムや蓄電池のメリットをすべて発揮できない
上記のデメリットを順番に解説します。
電気とガスの両方の基本料金を支払う
エコキュートとガスを併用する最大のデメリットは、電気料金とガス料金の両方の基本料金を支払うことです。
一般的なガス料金は毎月固定で支払う基本料金と、ガスの使用量によって変動する従量料金の合計を支払います。
エコキュートとガスを併用することで、給湯にかかるガスの使用量が大幅に減るため、従量料金は下がります。しかし、基本料金は毎月固定で発生し、仮にガスを1㎥も使用していないとしても請求されます。
ガス会社によって基本料金は多少異なりますが、エネ研・石油情報センターの「液化石油ガス市況調査」によると、基本料金の平均は約2,000円です。約2,000円の基本料金に調理で使用したガスの従量料金が加算されます。
エコキュートとガスを併用した場合、年間約24,000円以上の余分な出費が発生すると覚えておきましょう。
太陽光発電システムや蓄電池のメリットをすべて発揮できない
太陽光発電システムや蓄電池はオール電化住宅との相性が非常に良いです。
例えば、太陽光発電システムで発電した電力の余剰電力でエコキュートを稼働したり、電力料金が安い時間帯に電力会社から買電した電力を蓄電池に蓄えて昼間の消費量を抑えたりできます。
そのため、オール電化住宅に太陽光発電システムや蓄電池を導入すれば、光熱費の大幅な節約も見込めます。
しかし、エコキュートとガスを併用している場合、調理の面では太陽光発電システムや蓄電池の恩恵を受けられません。
エコキュートとガスを併用したほうが良い方の特徴
エコキュートとガスを併用したほうが良い方の特徴は以下の通りです。
- IHクッキングヒーターに魅力を感じない人
- 太陽光発電システムや蓄電池を設置していない人
IHクッキングヒーターに魅力を感じない人は、エコキュートとガスを併用したほうが良いです。
IHクッキングヒーターはガスコンロに比べて火事が起きるリスクが少なく、調理後の掃除が簡単などのメリットがあります。一方で、使い方によってはガスコンロよりもランニングコストが高くなり、直火調理ができない、専用の調理器具が必要などのデメリットがあります。
また、IHクッキングヒーターは初期費用が工事費用込みで200,000円前後します。そのため、IHクッキングヒーターに魅力を感じない方は、無理にガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する必要はありません。
ほかにも、太陽光発電システムや蓄電池を設置していない場合、ライフスタイルによってはオール電化住宅にしたことで電力料金が高くなってしまう恐れがあります。
太陽光発電システムや蓄電池を設置してない方は、エコキュートとガスを併用した場合の光熱費をシミュレーションしてから、併用するかどうかを決めましょう。
エコキュートとガスを併用しないほうが良い方の特徴
次のような人は、エコキュートとガスを併用せず、オール電化住宅を目指したほうが良いです。
- ガス料金の基本料金がもったいないと感じる人
- 太陽光発電システムや蓄電池を設置している人
エコキュートとガスを併用した場合の最大のデメリットは、ガス料金の基本料金をずっと支払い続けることです。金額にすれば年間約24,000円ですが、10年間で約240,000円になります。
IHクッキングヒーターの初期費用の相場が20万円前後と考えると、今後10年間ガス料金の基本料金を支払うことはよりも、IHクッキングヒーターに交換したほうが良いと感じる場合があります。
そのため、ガス料金の基本料金を支払うことがもったいないと感じる人は、オール電化住宅を目指してみましょう。
また、太陽光発電システムや蓄電池を設置している人はIHクッキングヒーターの導入を検討すべきです。
IHクッキングヒーターのネックはガスコンロよりもランニングコストが高くなる可能性があることです。しかし、太陽光発電システムや蓄電池を設置しているなら、電力消費量が抑えられるので、調理のランニングコストを抑えられる可能性があります。
そのため、太陽光発電システムや蓄電池を設置している人は、ガスコンロからIHクッキングヒーターの交換をおすすめします。
まとめ
以上が、エコキュートとガスを併用した場合の解説です。エコキュートとガスを併用した場合のメリットは、給湯と調理のランニングコストを抑えられる可能性があることです。
一方、エコキュートとガスを併用した場合は、電気とガスの両方の基本料金を支払うことや、太陽光発電システムや蓄電池のメリットをすべて発揮できないなどのデメリットがあります。
エコキュートとガスを併用することのメリット、デメリットを考えると、やはりガス給湯器からエコキュートに交換することのメリットは大きいです。光熱費の節約を考えている方は、まずはエコキュートへの交換を検討してみましょう。
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