エコキュートとネオキュートの違いは?貯湯容量やランニングコスト、機能などの違いを解説
2025年2月22日

エコキュートとネオキュートは、どちらもヒートポンプ技術を用いている貯湯式給湯器です。
しかし、ヒートポンプ技術で利用する冷媒の種類や販売しているメーカーなどで違いがあるため、エコキュートとネオキュートで迷っている方は知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートとネオキュートの違いを解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器の名称です。
エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットが空気の熱を圧縮し、生み出した高熱でお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所に給湯します。
一度お湯を沸かしておいて溜めておくことから、貯湯式に分類される給湯器です。
また、エコキュートは空気の熱を取り込む際に二酸化炭素を冷媒として利用しています。
熱を取り込んだ二酸化炭素をコンプレッサーで圧縮し高温にしてお湯を沸かし、拡張弁で膨張して温度を下げたら、再び空気の熱を取り込ませるという循環を繰り返す仕組みです。
エアコンにも用いられているヒートポンプ技術を採用しているため、一般的なガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられています。
ネオキュートとは?
ネオキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器のなかで、二酸化炭素ではなく、HFC32(R32)を用いている機種の名称です。
基本的な仕組みや形状、給湯の仕方などはエコキュートと同じですが、冷媒が異なる点が違うと覚えておきましょう。
エコキュートとネオキュートの違い
エコキュートとネオキュートはどちらも電気で稼働し、ヒートポンプ技術を用いる貯湯式給湯器です。
一方で、次のような点で異なります。
- 冷媒の種類
- お湯を沸かすためのランニングコスト
- 販売しているメーカー
- 搭載している機能
- 貯湯容量と沸き上げ温度
上記を順番に解説します。
冷媒の種類
ヒートポンプ技術とは、冷媒に空気の熱を取り込ませて、圧縮、膨張を繰り返すことで高温や低温の状態を生み出しお湯を沸かす、冷たい空気を送り込むなどを可能にする技術です。
エコキュートは二酸化炭素、ネオキュートはHFC32(R32)を冷媒として利用している点で異なります。
HFC32(R32)は2013年頃に開発された冷媒です。
1980年代、北極や南極のオゾン濃度が減少していることが発見され、当時冷蔵庫やエアコンに用いられていたフロン系の冷媒が原因と指摘されました。
オゾン層保護に関するウィーン条約に基づいた「モントリオール議定書」が採択されると、フロンを用いない冷媒の開発が進み、先進国では2020年頃、新興国では2030年までに撤廃や転換が進められています。
HFC32(R32)はオゾン破壊係数が低いことに加えて、温暖化係数が低い冷媒です。
2013年頃に主流だったR410Aに比べて、温暖化係数が3分の1まで引き下げられています。
また、蒸発するときに周りから奪う熱量が大きいので、ヒートポンプユニットをコンパクトかつ軽量なサイズにすることが可能です。
次の表はダイキンのエコキュートとネオキュートのヒートポンプユニットのサイズを比較したものになります。
エコキュート | ネオキュート | |
---|---|---|
横幅 | 825mm(+74mm) | 675mm(+50mm) |
奥行き | 300mm | 284mm |
高さ | 735mm | 550mm |
重さ | 58kg | 28kg |
冷媒の種類が異なるため、エコキュートに比べてネオキュートはヒートポンプユニットのサイズが小さいです。
そのため、狭小スペースに給湯器を設置したい方に適しています。
お湯を沸かすためのランニングコスト
エコキュートやネオキュートは電気で動いていますが、空気の熱を利用しているため、ほかの給湯器に比べるとお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられています。
例えば、ダイキンのエコキュートのランニングコストはシミュレーション上では年間43,700円で、同じ条件下のガス給湯器が年間120,300円に比べて約64%もの削減が可能です。
一方、同じダイキンのネオキュートのランニングコストはシミュレーション上では年間36,600円で、エコキュートよりもお得となっています。
ただし、同じメーカーのシミュレーションではありますが、ネオキュートが3人家族を想定しているのに対して、エコキュートは4人家族を想定しています。
そのため、同じ人数で比較した場合のランニングコストは以下のとおりです。
エコキュート | ネオキュート | |
---|---|---|
1人あたり | 年間10900円 | 年間12,200円 |
4人家族 | 年間43,700円 | 年間48,800円 |
実際のランニングコストはお湯の使い方や外気温によって変動しますが、エコキュートよりもネオキュートのほうが高くなる可能性がある点に注意しましょう。
販売しているメーカー
記事執筆時点でエコキュートを販売しているメーカーは三菱、パナソニック、ダイキン、コロナ、日立の5社です。過去にはほかのメーカーも開発していましたが、現在ではこの5社をエコキュートの主要メーカーと呼びます。
一方、ネオキュートはダイキン、コロナの2社のみです。
メーカーによってエコキュートのラインナップは異なりますが、複数のシリーズが販売されており、家庭の人数やライフスタイルに合った商品を選べます。
しかし、ネオキュートはメーカーが2社しかなく、どちらのメーカーもフルオートタイプと給湯専用タイプが1種類ずつしかないので、選択肢が非常に少ないです。
販売しているメーカーが少なく、選べる機種が少ないことは、ネオキュートのデメリットと言えます。
搭載している機能
エコキュートはメーカーや機種によって異なりますが、お風呂の時間が快適になる機能が搭載されている傾向があります。
例えば、ダイキンのXシリーズは細かい泡の力で皮脂や汚れを落とす「ウルトラファインバブル入浴」や深紫外線の力でお湯を除菌する「おゆぴかUV」などの機能が搭載されており、人気を集めています。
しかし、同じメーカーから販売されているネオキュートには、上記のような便利な機能はありません。
基本的な機能しか搭載されていないので、利便性を重視する方はネオキュートよりもエコキュートを選びましょう。
貯湯容量と沸き上げ温度
エコキュートやネオキュートは沸かしたお湯を溜めておく貯湯式給湯器なので、貯湯タンクユニットを設置します。
エコキュートの場合、メーカーや機種によって異なりますが、370L、460L、550Lなどのバリエーションがあり、家族の人数やお湯の使用量に合わせて選ぶことが可能です。
一方、ネオキュートの貯湯容量は320Lしかありません。
また、沸き上げ温度もエコキュートとネオキュートは異なります。
沸き上げ温度とは、お湯を沸かして貯湯タンクユニットで溜めておく際の温度で、一定温度を下回ると自動で温め直しが始まります。
エコキュートの場合はメーカーや機種によって異なりますが、沸き上げ温度は約65~90℃です。
一方、ネオキュートは沸き上げ温度が約65℃と、エコキュートに比べて低く設定されています。
貯湯式給湯器は、給湯時に溜めてあるお湯をリモコンユニットで設定された給湯温度まで水道水に混ぜてから、シャワーや蛇口へと送り出す仕組みです。
沸き上げ温度が高いほど、タンク内部のお湯を使う量が少なくなるため、エコキュートの場合は貯湯容量の2倍程度のお湯が利用できます。
しかし、ネオキュートは沸き上げが低く設定されているので、貯湯容量320Lに対して、実際に使える給湯量は400L程度です。
1日の1人あたりのお湯の使用量の目安は約280Lなのを考えると、ネオキュートは1人~3人家族向けの商品になります。
エコキュートとネオキュートのどちらが良いの?
結論から申し上げますと、ヒートポンプ技術を用いた貯湯式給湯器を購入するなら、ネオキュートよりもエコキュートのほうが良いです。
ネオキュートよりもエコキュートのほうが良い理由は以下のとおりです。
ネオキュートのメリットはエコキュートでも得られる
ネオキュートはヒートポンプ技術を用いているため、ガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられ、環境に優しいなどのメリットがあります。
しかし、エコキュートでもランニングコストの節約効果や環境に優しいなどのネオキュートと同じメリットを得られます。
また、エコキュートは販売しているメーカーが多く、ネオキュートに比べて選択肢が豊富です。貯湯容量のバリエーションが充実し、お風呂の時間が快適になる機能も搭載しているので、購入したときの満足度は高いです。
一方で、ネオキュートはバリエーションが少なく、搭載されている機能はエコキュートよりも少ないなどのデメリットがあります。
まとめ
以上が、エコキュートとネオキュートの違いの解説になります。ネオキュートは2015年に販売され、エコキュートと違った冷媒を用いているため、ヒートポンプユニットがコンパクトなサイズの給湯器です。
ヒートポンプユニットはコンパクトですが、貯湯タンクユニットは一般的な角型サイズと近いです。家族の人数が少ない、狭小スペースに設置したいと考えている方は、ほかの少人数向けエコキュートや薄型エコキュートを購入したほうが良いでしょう。
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