エコキュートと太陽光発電を連携させるメリットとは?光熱費の削減になるか解説
2025年7月22日

近年、電気代の高騰が続き、毎月の電気代の高さに頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。そこで、節電対策として少ない電気でお湯が沸かせる「エコキュート」を選ぶ人も増えています。ところが、エコキュートによる光熱費の削減効果を、より高める方法があるのはご存知でしょうか。それは、エコキュートと太陽光発電を連携させる方法です。そこで今回はエコキュートと太陽光発電を連携させて得られるメリットや、各メーカーの太陽光発電との連携に対応したエコキュートについて紹介していきます。
1.まずは「エコキュート」と「太陽光発電」の仕組みをおさらい
エコキュートと太陽光発電は、それぞれどのような仕組みなのかから、おさらいしておきましょう。
1-1.エコキュートの仕組みとは?
エコキュートは、家庭用給湯設備の一種で、電気の力を利用してお湯を作ります。一般的な「ガス給湯器」がガスを燃料にしてその場でお湯を沸かすのに対して、エコキュートは電気と空気中の熱を組み合わせて効率よくお湯を作る仕組みです。
電気で直接タンクを加熱する「電気温水器」とも異なり、エコキュートは空気の熱をヒートポンプ技術で取り込み、その熱を使って水を温めます。つまり、少ない電力でも高効率でお湯を沸かせるのが特徴です。
また、ガス給湯器のように使うたびにその都度お湯を沸かすのではなく、エコキュートではあらかじめまとめてお湯を沸かし、それを貯湯タンクに蓄えておくというスタイルをとっています。とくに電気代が安くなる深夜の時間帯を利用してお湯を沸かすことで、ランニングコストの削減にもつながります。
1-2.太陽光発電とは?
太陽光発電は、屋根の上に太陽光パネルを設置して、太陽光のエネルギーを集めて電気を作るシステムです。発電した電気は、自宅の家電を稼働させるのに使ったり、余った分は電力会社に買い取ってもらったりします。太陽光発電で電気を作り出せれば、もちろん電気代はかかりません。
ただし、太陽光発電で作り出した電力は、ためておけません。そのため、蓄電池を併用して蓄電する家庭も多々あります。
2.エコキュートと太陽光発電の連携とは?
エコキュートと太陽光発電は、どちらも省エネ効果を高められる設備ですが、これらを連携させればさらに、高い省エネ効果が期待できるといわれています。そこでここでは、エコキュートと太陽光発電の連携について、具体的に解説していきましょう。
2-1.エコキュートと太陽光発電の連携とは?
エコキュートは、単価の安い夜間電力を使ってお湯を沸かしてためておく仕組みです。ところが、太陽光発電をしているなら、昼間に自家発電で作り出した電気を使って、お湯を沸かすというエコキュートの使い方もできるようになります。これが、エコキュートと太陽光発電の連携です。
2-2.太陽光発電に対応したエコキュートでないと連携できない?
エコキュートと太陽光発電を連携させる時に注意しなければならないのは、エコキュートのモデルです。エコキュートすべてが太陽光発電と連携できるわけではなく、太陽光発電との連携に対応したモデルでなければなりません。古いエコキュートや機能が限られた普及価格帯の一部モデルなどでは、昼間の沸き上げがコントロールできない機種もあるのです。
単に沸き上げを昼間にタイマー設定すれば太陽光発電が作り出した電力で沸き上げできるものの、発電量が少ない日には、電力会社から買った電力で沸き上げしてしまいかねません。太陽光発電と連携させて効果的に発電するには、太陽光発電との連携を前提にしたエコキュートを選ぶ必要があります。
2-3.エコキュートと太陽光発電の連携方法
エコキュートと太陽光発電を連携するには、連携を前提にしたエコキュートを選ばなければなりません。連携を前提にしたエコキュートと太陽光発電を連携させて沸き上げするには、いくつかの方法があります。
「AI制御」機能が搭載されているエコキュートなら、天気予報から発電量を予測して、最適なタイミングと量で沸き上げをしてくれます。そのため、発電できた量に応じて、タイミングよく沸き上げすることが可能です。
また、家庭内のさまざまな家電をネットワークでつなぎ、エネルギーの流れを一元管理するHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を導入した家庭なら、さらに簡単に連携できます。HEMSに対応したエコキュートを連携させることで、太陽光の発電量と使用量をリアルタイムでモニタリングして、電力が余ったタイミングで自動的に沸き上げします。
3.エコキュートと太陽光発電を連携させて得られるメリットとは?
エコキュートと太陽光発電を連携させれば、次のようなさまざまなメリットが得られます。
3-1.自家発電した電気を使うので電気代がかからない
エコキュートは本来、単価の安い深夜帯の電力を使って沸き上げする仕組みです。ただ、近年電気代の高騰によって、深夜帯の電気代も値上がり傾向にあります。その点、太陽光発電によって作り出した電気を使えば、時間帯関係なく沸き上げできて、電気代も無料です。
3-2.太陽光発電で作った電気を無駄にしない
太陽光発電で作り出した電気は、日中稼動している家電の電力に使われます。ところが、日中は不在にしている家庭も多く、家電の電力として使ってもまだ電気が余ってしまうことも少なくありません。その余った電気を日中にエコキュートでお湯を沸かすのに使えば、無駄にすることなく効率的です。
3-3.売電するより効果的に使う方がお得
太陽光発電で昼間に作り出した電気が余ったら、売電できるのが大きなメリットだといわれていました。ところが近年は、売電価格が年々下がってしまっています。売電することにお得感が薄れているので、自家消費した方がお得だといえます。エコキュートと連携させれば、最大限に自家消費が可能です。
3-4.災害時にも安心
太陽光発電は、災害時や停電時でも、条件が合えば昼間の太陽光で発電が可能です。また、エコキュートには貯湯タンク内に数百リットルの水が蓄えられているので、生活用水として活用できます。大きな災害の多い日本において、災害時にも電力網に依存せずエネルギーを自給自足できるシステムは、大きな安心材料になるでしょう。
3-5.補助金や省エネ制度の恩恵が受けられることも
省エネ性能の高いエコキュートや太陽光発電は、設備を導入するのに当たって国や自治体が設けている補助金を利用できる場合があります。近年、再生可能エネルギーの活用を前提にした機器には、導入時の支援制度が充実しているので、初期投資の負担が減らせます。
3-6.エコキュートの性能をフルに生かせる
近年のエコキュートは、AI制御やHEMSと連携できる高度な制御機能をもったモデルが少なくありません。太陽光発電と連携させてこそ、このような機器の性能を十分に発揮させられます。
4.太陽光発電と連携できるエコキュート、各メーカーの特徴を紹介!
最後に、各メーカーのエコキュートの中で、太陽光発電と連携できるものの特徴を紹介していきます。
4-1.ダイキン
ダイキンのエコキュートは、全機種で「昼間シフト機能」が使えます。これは、昼間の沸き上げを手動設定できる機能で、リモコンやアプリから操作可能です。夜間の沸き上げを最小限に抑え、残りを昼間に沸かすように設定できます。
2022年以降のモデルなら、スマホアプリ「Daikin Smart APP」との連携が可能です。このアプリを使うと、天気予報と連動して雨の日は昼間の沸き上げをストップしたり、警報が出た際には非常用の沸き上げをしたりと、最適なタイミングで自動的に沸き上げできます。
さらに、ダイキンには「おひさまエコキュート」という、もともと昼間の沸き上げをメインにするように設計されたモデルもあります。太陽光発電がピークの時間帯に沸き上げを集中させることで、省エネになります。
4-2.三菱
三菱のエコキュートは、インターネットから情報収集した天気予報をもとに、昼間の余剰電力で沸き上げ調整を行う「お天気リンクEZ」の搭載されているものがあります。おもなシリーズは、Pシリーズ・Sシリーズ・EXシリーズ・Aシリーズです。スマホ向けアプリ「MyMU」で、遠隔操作やスケジュールの設定が可能です。
AIによって、天気予報と過去のデータをもとにさらに高精度に太陽光発電量を予測する「お天気リンクAI」搭載モデルなら、三菱HEMSとの連携ができます。ただし、三菱HEMSの新規提供は終了しているので、導入済みの家庭に限り使用可能です。
4-3.パナソニック
パナソニックのエコキュートには、昼間の太陽光で発電した電気を有効活用できるモデルが存在します。その代表例が「おひさまエコキュート」と呼ばれるシリーズで、日中の太陽光発電による余剰電力を使って効率的にお湯を沸かすことが可能です。
この機種では、「ソーラーチャージ」機能が搭載されており、夜間の沸き上げは最小限に抑え、昼間の沸き上げに重点を置くような運転が行われます。天気が悪い日でも指定した時間帯には沸き上げされるものの「日照量シフト」という設定を活用すれば、天候の変化に応じて日射量が多くなりそうな時間帯に自動調整して沸き上げするため、より効率よく電気を使えます。
さらに、太陽光の自家消費を優先させたい時には、「昼のみ沸き上げ」というモードを選ぶことで、夜間の沸き上げ運転を完全に停止することも可能です。また、「ダブルピークカット」という設定を使えば、沸き上げを2つの時間帯に分けられるため、電力需要が高くなる時間を避けて運転させることもできます。
4-4.日立
日立のエコキュートは、手動でのタイマー設定によって好みの設定で日中お湯を沸かせる「太陽光発電利用沸き上げ」が便利です。翌日の天気予報を確認して前日のうちに沸き上げ時間を設定できるのはもちろん、当日の天候次第で沸き増しを当日に設定することもできます。
また、対応機種なら、スマホ向けアプリ「日立エコキュートアプリ」で自動沸き上げ制御ができます。晴れ予報の日は日中に太陽光発電の余剰電力で沸き上げをし、雨予報の時は夜間の沸き上げで十分な湯量を確保できるように自動で調節するのです。
日立のHEMSと接続できる機種なら、アプリより詳細なエネルギー管理ができ、住宅全体の省エネが可能です。
4-5.コロナ
コロナのエコキュートは2017年から、太陽光発電の余剰電力を使って昼間に沸き上げ運転する機能が搭載されています。手動設定の「ソーラーモード」や、HEMSに接続して天気予報をもとに柔軟に運転する「ソーラーモードプラス」に加え、AY5シリーズ以降のモデルは、「ソーラーモードアプリ」で太陽光発電との連携が可能です。ソーラーモードアプリなら、HEMSがなくても、クラウド上の天気予報をもとに自動で沸き上げを調節してくれます。
AY5シリーズは、停電や断水の時に趙統タンクの水を生活用水に活用するための対応が強化されているのも特徴です。
4.まとめ
エコキュートは少ない電気によって効率よく給湯できるシステムではあるものの、太陽光発電と連携させれば、昼間に沸き上げさせられて余剰電力も無駄になりません。電気代が高騰している今、光熱費を大幅に削減できる方法だといえます。そのほかにも、太陽光発電とエコキュートを連携させることで得られるメリットはいくつもあります。エコキュートまたは太陽光発電の導入をお考えの方は、ぜひ両者を連携させるプランについて検討してみましょう。
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