エコキュートに屋根は必要?設置する地域によって必要な対策をわかりやすく解説
2024年9月27日
エコキュートは野外に設置する機器なので、雨風に強い構造となっていますが、地域によっては屋根が必要です。屋根がないと、故障する確率が高まるため、該当する地域に住んでいるか方は検討しましょう。
また、屋根以外にも設置する地域によっては対策が必要になるので、エコキュートを設置したい方は知っておくべきです。
そこで今回は、エコキュートに屋根が必要なのか、地域によって必要な対策などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートに屋根は必要?
エコキュートの屋根とは、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットを保護するための防雪屋根のことです。
エコキュートはエアコンの室外機に似た形状のヒートポンプユニットでお湯を沸かし、人の背丈よりも大きい貯湯タンクユニットで溜めておき、室内に設置したリモコンユニットで湯温や湯量をコントロールします。
メーカーや機種によって搭載している機能や性能に多少の違いはありますが、基本的な構成や仕組みは変わらず、野外に設置して使用する給湯器です。
そのため、エコキュートは野晒しで使用することが想定されており、防水構造のコーキング処理がされているので、屋根は必須ではありません。
しかし、地域によっては防雪屋根が必要なケースはあります。
雪が積もりやすい地域ではエコキュートに屋根が必要
エコキュートに屋根が必要な地域は、雪が積もりやすい場所や、外気温がマイナス10℃を下回る寒冷地などです。
エコキュートは野外に設置する給湯器で、お湯を使う風呂場や台所の近くに設置する傾向があります。
建物のすぐそばにあるので、屋根の形状や設置した場所によっては積もった雪が落ちてくる可能性が高いです。
屋根の高さや雪の量、重さにもよりますが、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットが落雪で壊れる恐れがあるので、雪が積もりやすい地域では防雪屋根の設置が推奨されています。
また、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。
エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットはファンを利用して空気の熱を集めますが、雪が積もってファンが塞がってしまうと、給湯効率が著しく下がります。
エコキュートが雪で埋まらないように定期的に雪かきをするか、ヒートポンプユニットの下に架台を設置しましょう。
エコキュートが落雪で故障しても保険の対象になる?
エコキュートは給湯器ではありますが、火災保険の対象である建物に含まれます。
保険の種類にもよりますが、落雪で建物が破損した場合は補償されるケースが多いです。
そのため、エコキュートが落雪で故障した場合でも、火災保険で補償される可能性はあります。
全てのケースで補償されるとは限りませんが、落雪以外にも火災や落雷、風災、水災による故障でも補償される可能性があるので、エコキュートを導入する際は火災保険の加入や内容の確認をしましょう。
エコキュートは屋内に設置できないの?
結論から申し上げますと、貯湯タンクユニットは室内に設置できますが、メリットは多くありません。
まず、ヒートポンプユニットはお湯を沸かす際に氷点下以下の冷たい空気を吐き出す可能性があります。また、故障すると冷媒として使用している二酸化炭素が漏れてしまう危険性もあるので、ヒートポンプユニットは室内に設置できません。
一方、貯湯タンクユニットは人の背丈よりも大きい機器ではありますが、空間と耐久性がある場所なら設置は可能です。
しかし、ヒートポンプユニットを設置している場所から遠いと給湯効率が悪くなり、巨大な機器を室内に設置するためスペースが圧迫される恐れがあります。
そのため、落雪対策に貯湯タンクユニットを室内に設置するよりも、防雪屋根を導入したほうが良いでしょう。
寒冷地域で屋根の設置以外に必要な対策
防雪屋根は雪が積もりやすい地域で検討すべき対策です。
また、雪が積もりやすい地域では、凍結対策も考えておきましょう。
エコキュートは夜間にお湯を沸かす給湯器で、配管内部にお湯や水が溜まります。周りの気温が氷点下だと、溜まったお湯や水道水が凍結してしまう恐れがあるので、対策が必要です。
そのため、雪が積もるような地域では次の対策を行っておきましょう。
- 水を出しっぱなしにする
- 保温材を配管に設置する
- 定期的にメンテナンスや点検を行う
なお、雪が積もりやすい地域以外でも、外気温がマイナスになると配管が凍結する可能性があるので、対策を確認しましょう。
水を出しっぱなしにする
配管内部のお湯や水道水が凍結するのは、内部で循環がされていないためです。そのため、配管の凍結対策として、前日の夜から蛇口をわずかに開けておき、水を出しっぱなしにしておきましょう。
メーカーや機種によって手順は多少異なりますが、お湯の温度を水まで下げておき、給湯栓側の蛇口を少しだけ開いておくと、エコキュートの水が循環され凍結を防げます。
給水栓側を開くと水道水しか流れないので、間違えないようにしましょう。
保温材を配管に設置する
上記の対策は一晩中水道水を流しているので、余分な水道代が発生します。水道代を節約したい方は、配管に追加の保温材や凍結防止用のヒーターを設置しましょう。
外気温が0℃を下回っても、配管の温度が一定を保っていれば、凍結する心配はありません。
ホームセンターで購入してご自身で取り付ける方法もありますが、施工業者が依頼を受けて取り付ける場合もあるので、まずは相談してみましょう。
定期的にメンテナンスや点検を行う
エコキュートによっては入浴後のお湯を循環させて凍結を防止する機能があります。
水を出しっぱなしにするよりも水道代を節約できる可能性はありますが、機能が壊れている可能性は否定できません。
そのため、本格的な冬を迎える前に機能が利用できるか点検を行いましょう。
また、エコキュートは定期的にメンテナンスを行うことで寿命が延びます。点検を行う際は、一緒に次のメンテナンスを行うと良いです。
- 貯湯タンクユニット内の掃除
- ヒートポンプユニットの水抜き
- 給水口ストレーナーの掃除
- 配管の清掃
- 漏電遮断器の動作確認
- 逃し弁の動作確認
- 水漏れの点検
本格的な点検を依頼したい場合は、メーカーや施工業者に相談します。
塩害地域で注意したいこと
上記までは寒冷地域で注意したいことや対策の解説です。
エコキュートのメーカーは設置する地域の気温や海岸までの距離によって、一般地、寒冷地、塩害地の3つに分けています。
寒冷地は時期によって外気温が一定以下になる地域で、落雪による損傷や配管の凍結などが発生するリスクが高いです。
塩害地は海外に近い、空気中の水分に塩分が多く含まれており、金属が腐食しやすい地域です。ヒートポンプユニット内部の基盤やベースなどがサビやすく、故障する可能性があります。
一般地は、寒冷地と塩害地の条件を満たしていない地域すべてを指しており、基本的にエコキュートを設置する際の制限や注意点はありません。
塩害地に指定された場所でエコキュートを設置する場合は、次のことに注意しましょう。
- 潮風を直接浴びない場所に設置する
- 場所によっては寒冷地対策も一緒に行う
上記を順番に解説します。
潮風を直接浴びない場所に設置する
塩害地にエコキュートを設置する場合は、塩害地仕様となっているエコキュートを購入し、潮風を直接浴びない場所に設置しましょう。
塩害地仕様とは、一般地仕様のエコキュートに比べて潮風でサビないように防錆効果を高めている機種です。
塩害地仕様のエコキュートは一般地仕様に比べてサビにくいですが、潮風に直接当たるとサビてしまうリスクがあります。
そのため、塩害地仕様のエコキュートでも、建物の影になる場所で、潮風を浴びないように防雪屋根のような囲いを設置することを検討してみましょう。
なお、特殊な工夫が施されているため、塩害地仕様のエコキュートは受注仕様となっており、届くまでにある程度の時間がかかります。
場所によっては寒冷地対策も一緒に行う
塩害地仕様はあくまでも塩害地に対応しているエコキュートです。
外気温がマイナス10℃を下回る地域は寒冷地に分類されるので、場所によっては寒冷地仕様と塩害地仕様の両方を満たしているエコキュートを購入したうえで、本記事で紹介した対策を行う必要があります。
北海道や青森県、岩手県の沿岸部に住んでいる方は、寒冷地と塩害地の両方を満たしている可能性があるので、エコキュートを購入する際にメーカーや施工業者に確認しましょう。
浸水しやすい地域で注意したいこと
浸水とは雨や河川の氾濫などによって住宅やビルなどのなかに水が入ってしまう状況です
近年、自然災害は増加しており、令和に入ってからは毎年のように台風による浸水被害が発生しています。
2023年は大雨による水害被害が大きい1年で、6月と7月だけで25,000件もの住宅が被害を受けたと報告されました。
浸水しやすい地域では次のことに注意しましょう。
- 浸水したら漏電遮断器をオフにする
- 浸水対策に架台を設置する
上記を順番に解説します。
浸水したら漏電遮断器をオフにする
エコキュートは野外に設置する住宅機器で、浸水や冠水、水没すると故障する可能性は高いです。
特に、ヒートポンプユニットが浸水した場合、内部の電子回路に水が入り込み、泥や砂などの不純物が隙間に詰まっている恐れがあります。
乾いたとしても漏電や発火につながり、正しく動作しない場合もあるので、注意が必要です。
ヒートポンプユニットが浸水した場合は、エコキュートの漏電遮断器をオフにして電源を落として、メーカーや施工業者に点検を依頼しましょう。
浸水対策に架台を設置する
浸水しやすい地域でエコキュートを設置する際は、ヒートポンプユニットに架台を設置しましょう。
架台が設置してあれば、浸水や積雪が発生しても、影響を最小限に抑えられる可能性があります。最低でも1m以上の高さのある架台の上にヒートポンプユニットを設置すると良いです。
まとめ
以上が、エコキュートの屋根や、地域ごとに必要な対策の解説になります。寒冷地では防雪屋根や凍結対策を、塩害地では潮風への対策を、浸水地域では浸水への対策を行いましょう。
地域によって必要な対策は異なるので、どんな対策が必要なのか、どのようなことに注意すれば良いのか分からない方は、施工業者に相談してみるのも良いです。
「エコパパのお店」はエコキュートに関する専門知識が豊富なプロのスタッフが対応しております。エコキュートの点検や買い替えに関する疑問やご相談がありましたら、ぜひ「エコパパのお店」までお気軽にご連絡ください。