エコキュートのお湯が切れた時の対処法は?湯切れの回避方法も分かりやすく解説
2023年4月22日
エコキュートはお湯を沸かすための仕組みがガス給湯器と違い、お湯を使いすぎると湯切れを起こす可能性があります。湯切れが起きている間は、お湯が沸くまで風呂やシャワーだけでなく、洗面所や台所でもお湯は利用できません。
そこで今回は、エコキュートで湯切れが起きた時の対処法や、湯切れの回避方法を分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートは貯湯式給湯器
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。エアコンにも採用されているヒートポンプ技術を用いて空気を圧縮し、高熱を生み出してお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで貯めておきます。
貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯は高温のため、設定温度になるように水道水と混ぜてから、必要に応じてシャワーや浴槽などに給湯します。
エコキュートのようにあらかじめお湯を沸かしておいて貯めておき、必要に応じて各所に給湯する給湯器を貯湯式給湯器と呼びます。
なお、ガス給湯器のようなお湯を給湯する際に水道管を直接熱する給湯器は瞬間式給湯器と呼びます。
貯湯式給湯器は湯切れのリスクがある
貯湯式給湯器は貯湯タンク内部にお湯がなくなると、給湯ができません。お湯がなくなることを「湯切れ」と呼び、お湯を沸かす必要があります。
エコキュートには自動沸き増し機能が付いているので、湯切れが起きた場合は自動的にお湯が沸くようになっています。また、機種によって名称や操作方法は異なりますが、手動で沸き増すことも可能なので、湯切れが起きる前に対策しておくと良いでしょう。
日中にお湯を沸かすのはコストパフォーマンスが悪い
エコキュートは電力量料金が安い夜間にお湯を沸かすことで、電気料金を抑えることが可能です。次の表は、エコキュートとほかの給湯器の年間ランニングコストを比較したものになります。
エコキュート | 電気温水器 | 石油給湯機 | ガス給湯器 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 | 約81,600円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約80,400円 | 約73,200円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約82,800円 | 約72,000円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約102,000円 | 約67,200円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約99,600円 | 約68,400円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 | 約64,800円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約91,200円 | 約68,400円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 | 約67,200円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約78,000円 | 約66,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 不明 | 約56,400円 | 約54,000円 |
表の数字はあくまでも目安で、実際のランニングコストはエコキュートの性能や家族の人数などで異なりますが、エコキュートがガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすためのコストが安いことが分かります。
一方で、日中は電気量料金が高いので、お湯を沸かしてしまうとコストパフォーマンスが悪くなる可能性があります。
例えば、中部電力のスマートライフプランに契約していてエコキュートを利用している場合、電気量料金は次の表のとおりです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10kVAまで | 1契約 | 1597.04円 |
10kvAを超える | 1kVA | 297.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWh | 38.95円 |
@ホームタイム | 28.76円 | ||
ナイトタイム | 16.63円 |
スマートライフプランでは、時間帯区分をデイタイム、@ホームタイム、ナイトタイムの3つに分けており、電力量料金が変動します。
- デイタイム…平日10時~17時まで
- @ホームタイム…平日8時~10時までと17時~22時まで、土日祝日8時~22時まで
- ナイトタイム平日22時~翌8時まで、土日祝日22時~翌8時まで
エコキュートは電気量料金が安い深夜にお湯を沸かすため、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすための年間ランニングコストが抑えられています。中部電力のスマートライフプランの場合は、主にナイトタイムの時間帯でお湯を沸かします。
デイタイムの電力量料金は、ナイトタイムの2倍以上するので、湯切れを起こして日中にお湯を沸かすことになった場合、エコキュートのランニングコストが高額になってしまう恐れがあります。
エコキュートが湯切れになった場合の対処法
エコキュートが湯切れになった場合は、お湯が沸くまで待つしかありません。
機種によって性能は異なりますが、シャワーを使用できるようになるまでには30分~1時間程度、浴槽に湯船を張るなら1時間~3時間程度は必要です。なお、タンクを満タンにするには、およそ7時間~8時間程度かかります。
貯湯式給湯器の場合、お湯が使えるまでに時間がかかり、時間帯によってはランニングコストが高額になるので、湯切れを起こさないように対策しましょう。
湯切れの回避方法
エコキュートの湯切れを回避する方法は以下の通りです。
- ライフスタイルや家族の人数に合った貯湯容量を選ぶ
- お湯の設定温度を高くする
- エコキュートの設定を見直す
- 追い焚きを利用しない
上記を順番に解説します。
ライフスタイルや家族の人数に合った貯湯容量を選ぶ
エコキュートはメーカーや機種によって貯湯容量が異なるので、ライフスタイルや家族の人数に合ったサイズを選ぶと良いです。
次の表は、貯湯容量と家族の人数の目安になります。
貯湯容量 | 家族の人数 |
---|---|
300L以下 | 2人~3人 |
370L | 3人~4人 |
460L | 4人~5人 |
550L以上 | 5人~ |
4人家族の場合は貯湯容量が370Lのエコキュートでも十分な可能性はあります。
しかし、家族の人数が将来的に増える、子どもの年齢が幼い、お湯を利用する回数が多いなどの場合は、お湯の消費量が多くなる可能性があるので、貯湯容量に余裕を持たせられる460Lのエコキュートが良いです。
貯湯容量に余裕があれば、湯切れが起きるリスクを減らすことができ、日中に沸き増しをする必要がありません。
お湯の設定温度を高くする
お湯の設定温度を高くすることで、お湯の消費量を抑えることができます。
エコキュートはリモコンユニットで給湯時の温度と沸き上げ時の温度をコントロールしています。メーカーや機種によって沸き上げ時の給湯温度は異なりますが、80℃~90℃と高温です。
そのため、エコキュートは熱湯と水道水を混ぜて設定した温度まで下げてから、シャワーや台所などに給湯します。
つまり、沸き上げ時の温度が高いほど水道水の割合が多くなり、温度が低いと水道水の割合が少なくなってお湯の消費量が上がってしまいます。
湯切れを回避するなら、沸き上げ時の温度は高い設定にしておきましょう。
ただし、沸き上げ時の温度が高いとお湯を沸かすために多くのエネルギーが必要になるので、電気料金が余分にかかる可能性があります。また、水道水を多く利用するので、水道代が余分に発生するケースもあります。
エコキュートの設定を見直す
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器のため、外気温の変化によっては給湯効率が下がります。
メーカーや機種によって異なりますが、運転モードや沸き上げ温度などの設定を変えずに使用していると、エコキュートの本来の性能を発揮できません。そのため、季節が変わったらエコキュートの設定を見直すと良いでしょう。
追い焚きを利用しない
エコキュートのフルオートタイプは追い焚き機能が搭載されています。追い焚きとは、浴槽内部のお湯を循環させて、貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯と熱交換して、再び浴槽に戻す機能です。
貯湯タンクユニット内部のお湯と混ぜるわけではなく、熱交換だけでお湯を温めなおすので、余分な水道料金が発生しません。しかし、追い焚き機能を使うと、貯湯タンクユニット内部のお湯が少なくなる可能性があります。
貯湯タンクユニット内部はヒートポンプユニットが沸かしたお湯と、水道管から給水した水が層を重ねています。お湯を使うとお湯の層が減少し、水道水の層が増えていくため湯切れとなります。
追い焚きは貯湯タンクユニット内部のお湯と熱交換を行うので、お湯を使っていなくても温度が下がったことで、「水道水の層が増えたので沸き直しが必要だ」とエコキュートは判断します。
そのため、追い焚きを利用し過ぎると貯湯タンクユニット内部の温度が低くなり、湯切れとなって沸かし直しが必要となります。浴槽のお湯が冷めた場合は、追い焚きよりも、足し湯を行うと良いです。
太陽光発電の導入も検討してみる
上記の方法で湯切れを回避しようとしても、湯切れが起きてしまうケースはあります。
湯切れのデメリットは日中の使用電力量を増やしてしまい、お湯を沸かすためのランニングコストが高額になることです。つまり、日中の使用電力量を減らすことができれば、日中にお湯を沸かすことになっても安心できます。
例えば、太陽光発電は日中に自家発電を行うので、エコキュートが湯切れになっても使用電力量を抑えることが可能です。また、蓄電池があれば電気量料金が安い深夜に蓄えて、日中に使用することで使用電力量を減らすことができます。
太陽光発電や蓄電池を導入しても湯切れが起きる可能性を減らすことはできません。しかし、太陽光発電や蓄電池があれば湯切れが起きたとのデメリットを抑えることはできるので、導入の検討をしてみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの湯切れに関する解説です。湯切れが起きると、電気量料金が割高な日中にお湯を沸かすことになるので、エコキュートのメリットが減少してしまいます。
湯切れは家族の人数に見合った貯湯容量のタンクを選び、設定温度やモードなどを見直していけば回避できます。また、最近のエコキュートはスマホと連動でき、お湯の使用量をいつでも確認できるので、使いすぎないように注意しましょう。
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