エコキュートの容量は家庭のお湯使用量で決まる!目安となる使用量や湯切れ対策を解説!
2023年1月26日
エコキュートは経済的で環境にもよい設備だとされます。それを聞いて購入を検討している人もいるでしょう。エコキュートを選ぶときに大切なのは貯湯タンクの容量です。しかし、どの容量を選べばよいか迷うのではないでしょうか。
今回はエコキュートのサイズ・容量や容量を決めるときのポイント、1人あたりのお湯の使用量、世帯人数別のお湯の使用量、湯切れ対策などについてまとめます。
エコキュートはどんな給湯器?
エコキュートとはヒートポンプという仕組みを利用した給湯器のことです。一般的に使用されるガス給湯器と異なり、化石燃料を使わないためCO2を排出しないというメリットがあります。
エコキュートに用いられるヒートポンプは大気中の熱を利用して水を暖める仕組みであり、通常の電気温水器よりもはるかに小さな電力で稼働させることができます。稼働条件にもよりますが、一般的な電気給湯器の3分の1の電力でお湯を沸かすことができます。
太陽光発電設備がなく、エコキュート単独で稼働させている場合、エコキュートがお湯を沸かすのは深夜です。深夜帯の電力が安いプラン(深夜電力プラン)を契約し、深夜電力が使える時間帯にお湯を温めます。こうすることで。経済的にお湯を沸かせます。
また、エコキュートはCO2の排出量がガス給湯器や電気温水器よりもはるかに小さく、燃料を燃やさないため、火災や一酸化炭素中毒のリスクを低く抑えられる安全性が高い給湯設備だといえます。小さな子どもがいる家でも安心して利用できます。
エコキュートのサイズ・容量
市販されているエコキュートにはどのようなサイズ・容量のタイプがあるのでしょうか。まず、形状は角型タイプと薄型タイプの2種類です。多数派は角型タイプで、高さ約180cm、幅約60cm、奥行約70cmのものが多く出回っています。
容量は370L以下、430または460L、550Lの3タイプが主流です。少人数なら370L以下、5人以上いれば550Lを選ぶのが一般的です。容量については後ほど詳しく解説します。
容量を決めるときのポイント
エコキュートの容量を決めるとき、何に注目すればよいのでしょうか。注目すべき3つのポイントについて解説します。
世帯人数で容量を決める
1つ目のポイントは世帯人数で容量を決めることです。三菱電機の公式サイトでは、容量の目安として以下のような基準を示しています。
人数 | 用途 | おすすめのサイズ |
---|---|---|
1~2人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー2回 台所・洗面所・手洗い |
180L |
2~4人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー3回 台所・洗面所・手洗い |
180~300L |
3~4人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー4回 台所・洗面所・手洗い |
370L |
4~5人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー5回 台所・洗面所・手洗い |
430~460L |
5~7人 | 浴槽お湯張り1回 シャワー6回 台所・洗面所・手洗い |
550L |
出典:三菱電機
これによれば、夫婦と幼い子供、あるいは一人っ子であれば370L以下のタイプで十分まかなえます。子供が2人以上いて、かつ子どもたちが成長すると370Lでは足りないかもしれません。
一般に、人数が増えるほどお湯の使用量が多くなりますので、二世帯同居の住宅であったり、子どもが3人以上いる家庭であれば最大容量の550Lを検討してもよいでしょう。
成長期の子供がいるかどうかで容量を決める
2つ目のポイントは成長期の子供がいるかどうかです。子どもが幼いうちは、それほど多くのお湯を使うことがありません。
しかし、子供が成長すると飛躍的にお湯の使用量が増加します。中高生の子供がいれば、部活動などもあるため、1日に複数回シャワーを使うかもしれません。洗顔やキッチンでのお湯使用量も増加するでしょう。
帰宅時間が子どもによって異なるため、シャワーの回数を増やしたり、複数回風呂を沸かしたりしなければならないかもしれません。そうなれば、設置した時の想定よりも多くのお湯を使うことになります。
購入時に成長期の子供がいるなら、容量の大きいエコキュートを購入したほうが無難です。
寒冷地かどうかで容量を決める
3つ目のポイントは寒冷地かどうかでエコキュートの容量を決めることです。エコキュートは外部の熱を取り込んで水の沸騰に利用する機器ですので、外気温が低いと沸騰までに時間がかかってしまいます。
いったん貯湯タンクのお湯を使い切ってしまうと、温暖な地域よりも再沸騰させるのに時間がかかってしまいます。そうしないためには、最初から容量の大きいエコキュートを導入し、お湯を多めに作るのが無難です。
1人あたりのお湯の使用量
エコキュートのタンク容量を決めるには家庭で使うお湯の量を知らなければなりません。その基本となるのは、1人当たりのお湯の使用量です。ここでは、1人が1日あたりどの程度のお湯を使っているかについてまとめます。
お風呂で使うお湯の量
浴槽にお湯をためるには、どの程度のお湯が必要なのでしょうか。一般的な浴槽は満水状態にするのに240L、適切な湯量にするのに180〜200L程必要です。大きめの浴槽の場合は250L程度必要になりますが、1人であれば180L程度と考えるべきでしょう。
シャワーで使うお湯の量
最も使用量が変動するのはシャワーです。シャワーのお湯使用量の目安は1分間で10〜12Lです。3分であれば30〜36L、5分であれば50〜60Lのお湯を使います。
キッチンや洗面所で使うお湯の量
東京水道局は「用途別使用量の目安」を公表しています。
用途 | 使い方 | 水の使用量 |
---|---|---|
洗面・手洗い | 1分間流しっぱなし | 12L |
歯磨き | 30秒間流しっぱなし | 6L |
食器洗い | 5分間流しっぱなし | 60L |
出典:東京都水道局
自炊するかしないか、流しっぱなしにするかしないかで水の使用量は変化しますし、すべての用途でお湯を使用するわけではありません。あくまでも、最大の水使用量として考えるべきです。
合計使用量はどのくらい?
ここまでの内容を踏まえ、1日の1人あたりのお湯の使用量を割り出すと、180L+30L+(12L×3)+(6L×3)+60L=282Lとなります。
エコキュートの難点である湯切れ
エコキュートはランニングコストが安く、CO2排出量が少ないため環境にやさしい給湯設備として人気があります。しかし、ガス給湯器よりもお湯を沸かすのに時間がかかり、場合によっては湯切れするかもしれません。
エコキュートの難点である湯切れが起きる仕組みや、湯切れしてしまったときの対応をまとめます。
湯切れはなぜ起きる?
湯切れとは貯湯タンクのお湯がなくなってしまうことです。お風呂のお湯を入れている最中に湯切れしてしまうと、とても困ったことになります。一度湯切れしてしまえば、タンク内の湯が沸くまで待たなければなりません。
通常、エコキュートには「自動沸き増し機能」がついていているため、湯切れしてもお湯が追加されます。しかし、想定以上にお湯を使ってしまうとお湯の追加が間に合わず、湯切れしてしまうのです。
エコキュートのメリットは割安な深夜電力を使ってお湯を沸かすことですが、湯切れすると相対的に割高な昼間の電力を使って湯を沸かさなければならず、エコキュートのメリットがなくなってしまいます。
湯切れを防ぐ方法
湯切れを防ぐには以下の点に気を付けるとよいでしょう。
1つ目は、「沸き増し」機能を活用することです。大半のエコキュートにはお湯の使用量に応じて沸き上げ量を調整する「学習モード」機能が搭載されています。この機能を使って、湯切れを起こさないようにできます。
ただし、先ほど述べたように電気代が余分にかかってしまうことやガス給湯器のようにすぐにお湯を沸かせるわけではないため、お湯消費量が多いと沸き増しが間に合わなかったり、もう一度、沸き上げるまで時間がかかってしまいます。
2つ目は一度に大量のお湯を使わないようにすることです。エコキュートは急激なお湯の減少に弱いですが、徐々に減るのであれば沸き増しで対応できます。
3つ目は太陽光発電と組み合わせることです。エコキュートは深夜電力と組み合わせて利用されることが多い機器ですが、太陽光発電と組み合わせることができます。自家発電で昼間は太陽光発電の電力を、深夜は深夜電力を用いることで切れ目なくお湯を供給できます。
湯切れを防ぐには大容量エコキュートにした方がよい
湯切れを防ぐ最も有効な方法は、エコキュートの貯湯タンク容量を大きくすることです。たとえば、4人家族であれば370Lでも対応可能ですが、子どもの成長やお湯使用量の余裕を持たせるため、ワンサイズ上の430Lを購入します。
お湯の使用量の余力が出るため、湯切れを心配せずにお湯を使用できます。大容量にすると消費電力が気になりますが、深夜電力を利用するため、ある程度電力コストを抑えられます。
太陽光発電設備の導入を検討しているのであれば、蓄電池などと一緒に大容量エコキュートを導入するとお湯切れの心配をせずに済むためおすすめです。
まとめ
今回はエコキュートの容量についてまとめました。
エコキュートの容量は世帯の人数・成長期の子供の有無・寒冷地かどうかといった要素を踏まえて選択します。一般に、世帯人数が多ければ多いほどお湯の使用量が増えるため、大容量のエコキュートを購入したほうがよいといえます。
1日の1人あたりのお湯の使用量の目安は約280Lです。実際に使用量はこれよりも少なくなると考えられますが、半分と見積もっても1人あたり140L消費することになります。まして、成長期の子供がいる家庭ではお湯の使用量が増加しがちであるため、最小限の容量では沸き増しを繰り返すことになり、経済的なメリットが薄れてしまいます。
湯切れの根本原因はお湯の使用量が多いことです。お湯を節約したり、沸き増し機能を活用することで湯切れを防ぐことはできますが、根本的に解決するなら貯湯タンクの容量を大きくするのが一番です。
エコキュートの容量や機能で迷ったら、是非一度、エコキュート専門店のエコパパのお店までご相談下さい。