エコキュートの工事はどれくらい時間がかかる?ケース別に分けて解説
2024年10月30日
エコキュートは貯湯タンクユニットが必要な貯湯式給湯器のため、工事にある程度の時間がかかります。前の給湯器のタイプによっては時間がかかる場合があるので注意しましょう。
そこで今回は、エコキュートの工事にかかる時間をケース別に分けて解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートの工事はどれくらい時間がかかる?
エコキュートの設置工事は基本的に1日程度で完了します。
施工業者の在庫状況やタイミングによっては、見積もりを行った日のうちに設置まで完了する場合もあります。
ただし、エコキュートを設置する前の給湯器の種類や、設置スペースの環境によって工事にかかる時間は異なる点に注意しましょう。
次項より、エコキュートの工事にかかる時間を順番に解説します。
前の給湯器が瞬間式給湯器の場合
瞬間式給湯器とは、給湯時に水道水を温めてお湯にするタイプの給湯器です。主に、ガス給湯器や石油給湯器が該当します。
エコキュートや電気温水器は温めたお湯を貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。
瞬間式給湯器と貯湯式給湯器の違いは貯湯タンクユニットの有無で、貯湯タンクユニットがない瞬間式給湯器は壁に直接取り付けて設置できるほどコンパクトなサイズが多い傾向があります。
一方で、エコキュートは貯湯タンクユニットが必須です。貯湯容量が大きいほどサイズは大きくなり、満水時には500kgを超えることも珍しくありません。
つまり、前の給湯器が瞬間式給湯器だった場合、同じ場所にエコキュートを設置できない可能性が高いです。
設置したい場所がコンクリートなら直接アンカーボルトを打ち込みますが、砂利や土なら重さで沈み、最悪の場合は倒れてしまうため基礎工事を行います。
瞬間式給湯器からエコキュートへ交換する場合は、基礎工事を行う必要があるので、半日~1日程度かかる可能性があると覚えておきましょう。
前の給湯器が貯湯式給湯器の場合
前の給湯器がエコキュートや電気温水器のように、貯湯タンクユニットを必要とする貯湯式給湯器の場合、工事は半日程度で済む可能性が高いです。
貯湯式給湯器を設置する場合、タンクが倒れないように設置スペースはコンクリートで固められているか、基礎工事が行われています。
同じ場所にエコキュートの貯湯タンクユニットを設置するなら、基礎工事の時間が短縮できるため、短時間で設置することが可能です。
ただし、貯湯式給湯器を設置していたスペースが再利用できない場合や、別の場所にエコキュートを設置したい場合は、半日以上かかる可能性がある点に注意しましょう。
前の給湯器と給湯タイプが異なる場合
エコキュートには給湯タイプが3種類あり、次のように異なります。
概要 | |
---|---|
フルオートタイプ | ボタン1つでお湯はりが可能 自動保温機能により、浴槽内の湯温を一定に保てる |
セミオートタイプ | ボタン1つでお湯はりが可能 |
給湯専用 | 手動で給湯する |
通常、エコキュートは貯湯タンクユニットで溜めていたお湯を、風呂配管を通じてお風呂に給湯します。
他の給湯タイプと異なり、フルオートタイプでは追い焚き機能が利用可能です。
追い焚き機能とは、風呂配管とは別の専用配管を浴槽内部のお湯が循環し、再び温められて戻ってくる機能になります。
貯湯タンクユニットで新しいお湯と混ぜるのではなく、タンク内部のお湯と熱だけを交換して温めるので、貯湯タンクを汚すことはありません。
しかし、専用の追い焚き配管が必要です。
前の給湯器がオートタイプや給湯専用タイプで、追い焚き機能や配管が付いていない場合、給湯器の交換時に配管を設置する工事や、浴槽への穴開け、あるいは浴槽自体の交換を行います。
状況にもよりますが、大掛かりなリフォームとなるため、エコキュートでフルオートタイプに変更する場合は、1日以上かかる可能性が高いです。
反対に、フルオートタイプの給湯器から、オートタイプや給湯専用タイプのエコキュートへ買い替える場合も追い焚き配管を取り外し、浴槽への穴を塞ぐなどの工事が必要になるため、ある程度の時間がかかります。
給湯器を交換する際に、給湯タイプを変更すると大掛かりなリフォーム工事が発生するため、予算や工事期間などに注意しましょう。
エコキュートを設置するまでの流れ
エコキュートを設置するまでの流れは以下のとおりです。
- 1. 必要に応じて現地調査
- 2. お見積り書の提示と契約
- 3. エコキュートの運搬
- 4. 古い給湯器の撤去
- 5. 基礎工事
- 6. 配管接続工事
- 7. 電気工事
- 8. リモコン工事
- 9. 試運転と引渡し
基本的な流れは施工業者によって大きな違いはありません。
エコキュートを設置するまでの流れを順番に解説します。
必要に応じて現地調査
エコキュートを設置する際に必要なことは設置場所及びその周辺を確認することです。
エコキュートはエアコンの室外機に似たサイズと形状のヒートポンプユニットと、人の背丈よりも大きい貯湯タンクユニット、湯温や湯量をコントロールするリモコンユニットの3つで構成されています。
ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットは外に設置して利用する機器のため、設置場所の広さや条件を確認し、配管の位置、電力供給の状況などを考えることが必要です。
特に、狭小スペースにエコキュートを設置する場合、貯湯タンクユニットの形状やサイズによっては人が通れるスペースがない、隣家に近いなどのケースが発生する場合があるため、何らかの手段で付近を確認する必要があります。
既にエコキュートを設置している等、周辺環境に問題が無い場合は写真等の提示だけで問題ない場合もあります。
お見積り書の提示と契約
現地調査が終わると、設置スペースやお客さまの要望などから商品が提案され、お見積り書が提示されます
お見積り書にはエコキュート本体の価格だけでなく、必要な工事の費用が含まれているので、内容を確認して納得したら契約を結びましょう。
エコキュートの運搬
契約後、工事当日までに施工業者によってエコキュートが運搬されます。
現地調査の段階で、設置場所への搬入経路が問題ないか事前に確認されているので基本的に問題は発生しにくいです。
ただし、現地調査から運搬までに日数があり、荷物を置いているとトラブルにつながる恐れがあるので注意しましょう。
古い給湯器の撤去
工事当日、最初に行うのは古い給湯器の撤去です。
既存の給湯器がある場合、施工業者が撤去して廃棄まで行います。業者が廃棄するので、お客さまが何かする必要はありません。
基礎工事
エコキュートは貯湯タンクユニットにお湯を溜めておくタイプの給湯器なので、設置スペースに一定以上の強度が必要です。
設置スペースがコンクリートで固められているならアンカーボルトを打つだけで完了しますが、砂利や土なら次の基礎工事を行います。
- 打ち基礎(土間コンクリート)…現場で直接地面に打つタイプのコンクリート基礎
- エコベース(基礎ブロック)…既製品の基礎
打ち基礎は地面にコンクリートを打って、エコキュートを設置するための土間のようなスペースを作成する基礎工事です。
固まったコンクリートにアンカーボルトを打ち込むため、後述するエコベースよりも強度が高く、地震に強いというメリットがあります。
また、エコキュートのサイズに合わせて基礎を作れるので見た目がスッキリし、配管を収納できるため住宅の外観がキレイに仕上がる方法です。
ただし、打ち基礎はコンクリートを固めるためにある程度の時間が必要で、エコベースに比べると工事費用が高くなる可能性がある点に注意しましょう。
エコベースは既製品の基礎ブロックです。打ち基礎と異なり、既に枠組みが出来ているため工事の時間を短縮でき、一定以上の強度を確保できます。
工事の時間を短縮できるため、基礎工事が必要な場合でも当日中に工事の完了ができ、打ち基礎に比べて工事費用を抑えられるなどのメリットを得られます。
一方で、エコベースは既製品なので貯湯タンクユニットのサイズに合わせて調整することができず、地盤が緩すぎる場所では設置できません。
打ち基礎、あるいはエコベースの設置が終了すれば、次の工事を始められます。
配管接続工事
エコキュートの種類にもよりますが、配管接続工事には給水・給湯配管工事、追い焚き配管工事、ドレン排水配管工などがあります。
給水・給湯配管工事はエコキュートが利用できるように行う基本的な工事で、前の給湯器で利用していた配管を再利用することも可能です。
追い焚き配管工事はフルオートタイプのエコキュートを設置する際に行う工事になります。前の給湯器がフルオートタイプなら、配管や接続する穴を再利用できますが、異なるタイプの場合はある程度大掛かりな工事が必要です。
ドレン排水配管工事とは、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットから出る排水を排水口に流れるようにする工事になります。
上記の工事は、以前利用していた給湯器の配管が利用可能なら、工事費節約のために再利用することが多いです。
しかし、再利用できないほど劣化している、あるいは設置する場所を変更する場合は新しい配管を用意して工事を行います。
電気工事
エコキュートは200Vの高電圧を必要としますが、家庭のコンセントは100V主流のため電気工事が必要になるケースが多いです。
また、ブレーカーの容量が不足している場合は、ブレーカーの増設や既存の電気配線の見直しも行います。
なお、前の給湯器が電気温水器やエコキュートだった場合は、必要な電気工事が済んでいる場合もあるので、工事時間が短縮できます。
リモコン工事
リモコンユニットはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットと異なり、室内に設置する機器です。
主に風呂場と台所に設置して、湯量や湯温のコントロールが問題なく行えるかチェックします。
試運転と引渡し
リモコンユニットの設置まで完了すれば、必要な工事は全て終了しています。
あとは、試運転を行い問題がなければエコキュートの使い方を説明し、保証書を引き渡せば完了です。
なお、エコキュートを設置した場合、電力会社への申請が必要ですが、基本的には施工業者が行います。
ただし、ガス給湯器を利用しており、エコキュートへの交換でガスが不要になる場合はお客さまの方で廃止の依頼が必要です。
まとめ
以上が、エコキュートの工事にかかる時間の解説です。前の給湯器と同じ給湯タイプで、基礎工事にエコベースを選択しているなら、当日中に工事が終了する可能性は高いです。
一方で、給湯タイプを変更する、基礎工事に打ち基礎を選ぶと、1日以上かかる可能性が高いので注意しましょう。
また、エコキュートはメーカーや機種によって特徴やサイズが異なり、設置したいスペースとお客さまの要望に合った機種を選ぶ必要があります。
しかし、選ぶ際にはある程度の専門知識が必要です。
「エコパパのお店」では、専門知識が豊富なスタッフが対応いたします。メーカーの正規品を低価格で販売しておりますので、エコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。