エコキュートの水が青い原因は?対処法や日頃からやっておくべきメンテナンスを解説
2025年2月22日

エコキュートの水が青い原因は2種類考えられます。故障や身体への悪影響などが気になるかもしれませんが、放置していても問題ありません。
なお、原因によっては、対処可能なケースなので、エコキュートを利用する方は知っておきましょう。
そこで今回は、エコキュートの水が青い原因や対処法などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの水が青い原因は?
エコキュートを利用していて水やお湯が青く見える場合は、以下の原因が考えられます。
- 光の反射
- 銅の汚れ
上記を順番に解説します。
光の反射
エコキュートを使用している際に、水やお湯が青く見える原因の一つとして「光の反射」があります。これは、光の波長の特性と水の屈折や散乱によって生じる現象です。
水は透明に見えますが、実際には光を吸収し、散乱する性質を持っています。特に、太陽光や室内の照明の光が水中に入ると、波長の短い青色の光が散乱しやすくなります。
上記の現象は「レイリー散乱」と呼ばれ、空が青く見えるのと同じ原理です。短波長の光(青や紫)は空気中や水中でより強く散乱するため、結果として水やお湯が青っぽく見えることがあります。
また、浴槽や台所のシンクの素材や色によっても、水の見え方が変わる場合があります。
例えば、浴槽の内側が白や淡い色の場合、青い光の反射が強調されることがあり、水がより青く見えるかもしれません。
さらに、水質の違いによっても光の反射に影響が出ることがあります。
例えば、ミネラル成分が多く含まれている水は光を吸収しやすいため、青みが強調される可能性が高いです。特に、地下水を使用している場合や、水道水でも地域によって含まれるミネラル成分が異なるため、青く見える度合いが違ってくることもあります。
光の波長の特性や浴槽の色、水質などの要素が組み合わさることで、エコキュートを使用した際に水やお湯が青く見える場合があると覚えておきましょう。
銅の汚れ
エコキュートを使用している際に水やお湯が青く見えるもう一つの原因として、「銅の汚れ」が挙げられます。
給湯器や配管に使用されている銅イオンが水に溶け出し、特定の条件下で化学反応を起こすことによって発生する現象です。
給湯器や配管の内部に使用されている銅は水に溶けにくいのですが、水質や使用環境によっては銅イオンが徐々に溶け出し、浴槽や水中に広がることがあります。給湯器の劣化が進んでいる場合に、起きやすい現象です。
また、銅イオンが水中の脂肪酸(石鹸の成分や皮脂)と結びつくことで「銅石鹸」が生成されることもあります。
銅石鹸は水に溶けにくく、浴槽の壁や排水口付近に青い汚れとして付着したことにより、水自体が青く見える原因になる可能性が高いです。
なお、銅が原因の汚れは衛生的には不快ではありますが、健康面で心配する必要はありません。過剰に取り込んだ場合は悪影響を及ぼす可能性はありますが、微量なら影響は少ないです。
エコキュートの水が青い場合の対処法
エコキュートの水が青く見える場合、原因は「光の屈折」と「銅の汚れ」が考えられます。
残念ながら、原因が「光の屈折」の場合では、有効な対処法はありません。
しかし、「銅の汚れ」が原因の場合は、次の対処法を試してみましょう。
- 浴槽の掃除をする
- 配管を清掃する
上記を順番に解説します。
浴槽の掃除をする
浴槽の内側や排水口付近に付いた青緑色の汚れは銅石鹸の可能性があります。
銅石鹸はエコキュートや配管から溶け出した銅イオンが、石鹸や皮脂に含まれる脂肪酸と結びついて発生する不溶性の汚れです。
水に溶けにくい性質を持っているので、浴室の掃除をする場合は市販されている専門の洗剤を使用するか、次の組み合わせの道具を用意しましょう。
- アンモニア水とクエン酸
- 同量の酢と塩を混ぜた水
スポンジにアンモニア水を含ませて銅石鹸をこすった後で、クエン酸水をつけたスポンジでこする作業を何回か繰り返すと、汚れが落ちる可能性があります。
なお、アンモニア水は刺激臭が強く、人によっては気分が悪くなるので、窓を開けるか、換気扇をつけたまま作業しましょう。
また、同量の酢と塩で作った混合液をキッチンペーパーに含ませて、銅石鹸の上に貼り付けて30分ほど置いておくと、汚れが浮かび上がる場合があります。
あとは、ナイロンたわしでこすると銅石鹸が落ちるので、アンモニア水とクエン酸を用意できない場合は試してみましょう。
配管を清掃する
浴槽が綺麗でも、配管内部に皮脂やゴミなどが蓄積されて汚れている可能性は否定できません。
そのため、半年に1回程度のペースでエコキュートの配管を洗浄しましょう。
エコキュートの配管洗浄の手順はメーカーや機種によって多少異なりますが、基本的には次のとおりです。
- 1. 準備
- 2. 洗浄
- 3. 排水(1回目)
- 4. すすぎ
- 5. 排水(2回目)
まずは、浴槽に一定量の水かお湯を溜め、指定された洗浄剤を用意します。洗浄剤は市販の「ジャバ」がおすすめです。
溜めた水やお湯に混ざるようにかき混ぜたら、取扱説明書や公式サイトに記載されている方法で配管洗浄を行います。
排水を2回行うのは、1回目の排水だけでは内部に溜まった汚れや洗剤が洗い流せないからです。1時間程度で洗浄は終わるので、定期的に行いましょう。
エコキュートの水を青くしないようにする対策
エコキュートの水が青くなる原因の1つは銅石鹸です。銅石鹸は配管に含まれている銅イオンが劣化や水質の影響で水中に溶けだし、石鹸やシャンプーに含まれる脂肪酸と結びつくと発生します。
つまり、エコキュートの水を青くしないようにするなら、銅石鹸の発生を抑制する、あるいは発生してもすぐに対処しましょう。
エコキュートの水を青くしないようにする対策は以下のとおりです。
- 使用する石鹸やシャンプーを見直す
- 毎日浴槽を掃除する
上記を順番に解説します。
使用する石鹸やシャンプーを見直す
エコキュートの水を青くしないようにする場合、使用する石鹸やシャンプーを見直しましょう。
例えば、固形石鹸は脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムが主成分となっているため、銅と反応しやすいです。
また、動物性油脂を多く含むボディーソープも銅と反応しやすいので注意しましょう。
さらに、アルガンオイル、ココナッツオイル、ホホバオイルなどの天然由来のオイル入りシャンプーも脂肪酸は豊富です。
銅石鹸の発生を抑制したい場合は、合成界面活性剤を主成分とするボディーソープや弱酸性シャンプーなどを購入して使用しましょう。
また、石鹸カスやシャンプーの洗い残しがある状態で浴槽に入ると、湯船に溶け込んでしまい、銅石鹸が発生するきっかけになる可能性があります。湯船につかる前に、しっかりと髪や身体を洗い流すと良いです。
毎日浴槽を掃除する
入浴後のお風呂を長時間放置したり、お湯を抜いた後に放置したりしていると、銅石鹸が浴槽に付着しやすくなります。
そのため、お風呂に入ったら、なるべく毎日浴槽のお湯をすぐに抜き、早めに掃除を行い、石鹸カスや皮脂が残らないようにしましょう。
また、週に1回のペースで、クエン酸で浴槽を軽く洗浄しておくと、銅石鹸の発生を予防でき、汚れがつかないようにできます。
エコキュートでやっておきたいメンテナンス
エコキュートの水が青くなるのは、「光の屈折」か「銅の汚れ」が原因の可能性が高いです。
一方で、エコキュートを使用していると、黒いゴミや目詰まりが発生し、故障する場合があります。
青い水や黒いゴミ、目詰まりなどは定期的にメンテナンスを行っていれば、発生する可能性を抑えることが可能です。
そのため、配管の掃除とは別に、定期的に次のメンテナンスを行いましょう。
- 貯湯タンクユニットの水抜き
- 給水口ストレーナーの清掃
- 浴槽フィルターの清掃
- 漏電遮断器の点検
- 逃し弁の点検
- 水漏れの確認
- ヒートポンプユニットのエア(空気)抜き
- 凍結防止ヒーターの動作確認
上記のなかで、特に重要なメンテナンスの手順を順番に解説します。
なお、実際の手順と異なる場合があるため、取扱説明書や公式サイトを確認するとよいです。
貯湯タンクユニットの水抜き
貯湯タンクユニットは溜めているお湯の熱を逃がさず、空気と触れないように密閉されています。
しかし、長年使用しているとタンク内部に不純物やゴミが溜まる可能性があります。
そのため、半年に1回のペースで、次の手順で水抜きをしてゴミを排出しましょう。
- 1. 給水止水栓を閉める
- 2. 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
- 4. 排水栓を左に回して開ける
- 5. 2分ほど経過して排水が綺麗になったら排水栓を閉める
- 6. 排水が止まったら給水止水栓を開き、お湯が出ることを確認する
- 7. お湯が出たらすぐに逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
メーカーや機種によって多少手順は異なりますが、上記手順で数分間排水すれば、汚れやゴミを取り除くことができます。
なお、貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯は高温なので、排水時は触れないように注意しましょう。
給水口ストレーナーの清掃
給水口トレーナーとは、お湯を配管に送り出す際の入り口で、不純物やゴミが溜まりやすい箇所です。
そのため、次の手順で定期的に掃除しましょう。
- 1. 給水止水栓を閉める
- 2. 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げ、約1分間待つ
- 4. 給水口ストレーナーを外して歯ブラシやスポンジなどで掃除する
- 5. 給水口ストレーナーを装着する
- 6. 給水止水栓を開き水漏れが無いか確認する
- 7. 逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開き、お湯が出ることを確認する
一部手順が貯湯タンクユニットの水抜きと共通しているので、一緒に行うと良いでしょう。
浴槽フィルターの清掃
浴槽フィルターとは、浴槽側に取り付けられた金具の内側にあるフィルターです。
こちらも不純物やゴミで目詰まりを起こしやすいため、取り外して歯ブラシやスポンジで掃除しましょう。
漏電遮断器の点検
漏電遮断器はエコキュートで漏電が発生したときに、作動する安全装置のようなものです。
故障していると正常に作動しないため、次の手順で問題がないか確かめましょう。
- 1. カバーを外し、漏電遮断器の「テスト」ボタンを押す
- 2. 電源レバーが「入」から「切」になるか確認をする
- 3. 電源レバーを「入」に戻し、元通りにカバーを付け直す
上記の手順で漏電遮断器が作動するか確認し、漏電遮断器が作動しない場合は、メーカーや販売業者に相談すべきです。
逃し弁の点検
水はお湯になると体積が膨張するため、貯湯タンクユニット内部が高圧にならないように逃し弁で調整します。
逃し弁が故障していると、内部の圧力に負けて破損する可能性があるので、次の手順で確認しましょう。
- 1. 逃し弁操作カバーを外す
- 2. 逃し弁のレバーを2〜3回上下に動かす
- 3. レバーを上げたときのみ、水やお湯が出るかを確認する
- 4. 逃し弁のレバーを下げる
- 5. 逃し弁操作カバーを取り付ける
なお、逃し弁の点検はお湯を沸かしていないタイミングで行うことが望ましいでしょう。
まとめ
以上が、エコキュートの水が青い原因の解説です。エコキュートの水が青く見える原因は「光の屈折」と「銅の汚れ」の可能性があります。
「光の屈折」の場合は有効な対処法はありませんが、エコキュートの故障や衛生面のリスクはありませんので、放置していても大丈夫です。
「銅の汚れ」が原因の場合は、浴槽に付着している銅石鹸や配管を掃除すれば改善する可能性があるので、対処しましょう。
また、エコキュートは長年使用していると汚れやゴミなどが溜まってくるので、貯湯タンクユニットの水抜きや給水口トレーナーの清掃を行うと良いです。
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