エコキュートの理想的な設置場所は?狭小スペースでも設置しやすいエコキュートも紹介
2022年11月30日
基本的に、エコキュートは室外に設置する給湯器です。しかし、ガス給湯器と違って貯湯式給湯器のため、貯湯タンクユニットを設置するスペースが必要になります。そのため、スペースが狭い家庭の場合は、エコキュートを設置するのが難しいです。
そこで今回は、エコキュートの理想的な設置場所について解説します。理想的な設置場所が狭小スペースでも設置しやすいエコキュートも紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの理想的な設置場所
エコキュートの理想的な設置場所は、住宅で最も水を使用する場所に近いところです。エコキュートは温かいお湯を給湯する住宅機器のため、お湯が最短距離で使用場所に届くような場所に設置すれば、お湯が冷めにくいです。
そのため、理想的な設置場所はキッチンやお風呂に近い場所、あるいは両方から等距離になる場所です。もし、キッチンと台所が別々の方角にあるなら、台所か風呂のどちらかを優先して近い場所に設置しましょう。
エコキュートは貯湯タンクユニットの設置場所に困る
エコキュートの理想的な設置場所は水回りに近い場所ですが、家庭によっては設置が難しい可能性もあります。なぜなら、エコキュートの貯湯タンクユニットはサイズが大きく、ある程度のスペースを必要とするからです。
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。必要になる機器はヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、リモコンユニットの3つで、それぞれ次のような役割があります。
概要 | |
---|---|
ヒートポンプユニット | 空気の熱を取り込んで圧縮しお湯を作る エコキュートの心臓部分 |
貯湯タンクユニット | ヒートポンプユニットが沸かしたお湯を貯めておく 貯湯容量に比例してサイズは大きい |
リモコンユニット | 温度や湯量をコントロールする機器 基本的に室内に設置する |
基本的に、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットは室外に設置して使用する機器です。
ヒートポンプユニットは外観がエアコンの室外機とほとんど同じで、サイズも近いため、エアコンの室外機を設置できるスペースがあれば問題ありません。
しかし、貯湯タンクユニットはメーカーや機種にもよりますがサイズが大きいです。例えば、一般的な貯湯容量370Lの角型貯湯タンクユニットは横幅が630mm、奥行きが760mmの四角い形状をしており、高さは1820mmあります。
貯湯タンクユニットを設置する際は、タンクが置けるスペースに加えて、メンテナンスや点検、修理が行えるスペースも必要になります。
そのため、エコキュートを設置する際はある程度のスペースを確保するか、貯湯タンクユニットが薄いタイプを選ぶようにしましょう。
薄型エコキュートとは?
薄型エコキュートとは、貯湯タンクユニットの奥行きが440mm前後の商品のことです。真上から見ると長方形で、スリムなタイプとなっているので狭小スペースにも設置しやすいです。
メーカーや機種によって貯湯容量や奥行きは異なりますが、貯湯容量300L以上の薄型エコキュートが販売されているので、使いすぎなければ4人家族でも湯切れを起こさずにエコキュートを使用できます。
また、メーカーによっては貯湯容量が200L以下のコンパクトやスリムなども販売しています。貯湯タンクユニットの背が低かったり、底面積が通常の角型よりもコンパクトになったりしているので、マンションに設置しやすいサイズとなっています。
ただし、すべてのエコキュートに薄型タイプやコンパクトタイプがあるとは限りません。また、薄型タイプやコンパクトだと、水圧が弱い、メーカーの最新技術や機能が搭載されていないなどのデメリットがあるため、選ぶ際は注意しましょう。
エコキュートを設置する場合の注意点
エコキュートを設置する場合、次のことに注意しましょう。
- 浴室との距離は15m以内にする
- 寝室や隣家との距離に注意する
- 音が反響しないように注意する
- ヒートポンプユニットの向きに注意する
上記の注意点を順番に解説します。
浴室との距離は15m以内にする
メーカーや機種によりますが、浴室との距離が15m以上離れているとエコキュートがエラーを起こす場合があります。また、距離が遠いとシャワーでお湯が出るまでの時間が長くなり、余分に水道代もかかります。
そのため、エコキュートを玄関や駐車場に設置しようと考えている方は、浴室までの距離に注意しましょう。
寝室や隣家との距離に注意する
最近のエコキュートの稼働音は図書館並みの静けさを実現していますが、人によってはうるさく感じる場合があります。そのため、エコキュートを設置する際は自宅の寝室や隣家との距離にも注意しましょう。
スペースの都合で設置場所が寝室や隣家に近い場合は、防音対策を行うと良いです。例えば、防振ゴムや防音シート、防音壁などを設置して、振動や音を軽減する方法があります。
防振ゴムや防音シートはホームセンターやECサイトで購入でき、自分で設置することも可能なので検討をおすすめします。
音が反響しないように注意する
エコキュートの設置場所が壁や塀に囲まれていて狭い空間になっていると、音が反響して広範囲に届いてしまう恐れがあります。また、エアコンの室外機近くに置いておくと共振によって音が増幅される可能性もあります。
エコキュートを設置する際は、道路側や庭など広い場所に向けるか、防音壁の設置を検討してみましょう。
ヒートポンプユニットの向きに注意する
エコキュートはヒートポンプユニットが空気の熱を取り込み圧縮し、高温にして水道水と熱交換を行います。熱は水道水に移動するため、圧縮された空気は温度が下がり、ヒートポンプユニット内部で膨張され、さらに下がります。
つまり、ヒートポンプユニットは外気よりも5℃~10℃ほど下がった冷たい空気を排出します。冷気を放出する方向に植物や、隣家の通気口、換気扇、出入り口などがあると、悪影響を及ぼす可能性があります。
ヒートポンプユニットを設置する際は、排出される冷気の向きにも注意しましょう。
狭小スペースでも設置しやすいエコキュートは?
理想的な設置場所が狭小スペースでも、貯湯タンクユニットが薄型のエコキュートなら設置しやすいです。各メーカーから、さまざまな商品が販売されていますが、おすすめのメーカーは次の通りです。
- ダイキン
- 三菱
- パナソニック
上記メーカーの薄型エコキュートを順番に紹介します。
ダイキンの薄型エコキュート
ダイキンでは幅600mmのスペースでもスッキリ置ける薄型エコキュートを販売しています。「薄型(Xシリーズ)」と「薄型」の2種類で、どちらも貯湯容量370Lと460Lのタイプがあり、水圧が320kPaと高いです。
「薄型」はダイキンの一般的な角型フルオートタイプの貯湯タンクユニットを、奥行きが438mmにスリムにした商品になります。ダイキンならではの「温浴タイム」や「ウルトラファインバブル(別売)」を体験できます。
「薄型(Xシリーズ)」はタンク内部の温度や外気温度、沸き上げ温度、使用状況などをAIが分析するモデルです。ヒートポンプユニットの運転を最適化しているので、従来機種よりも給湯効率が高く、ZEH住宅におすすめのエコキュートになります。
三菱
三菱はエコキュートのシリーズが複数あり、薄型エコキュートはSシリーズとAシリーズの2種類です。それぞれ、次のような特徴があるシリーズになります。
概要 | |
---|---|
Sシリーズ | ハイグレードなシリーズ Aシリーズに比べて機能数が多い 水圧が280kPa |
Aシリーズ | シンプルベーシックなシリーズ 三菱フルオートタイプのエコキュートの中では価格が抑えられている 水圧が180kPa |
Aシリーズは三菱フルオートタイプのエコキュートの基本的な機能を搭載しています。追い焚き機能を搭載し、こだわりの先進仕様により高効率にお湯を沸かすことが可能です。
Sシリーズは三菱フルオートタイプのエコキュートではハイグレードなシリーズになります。Aシリーズにはない「キラリユキープ」や「バブルお掃除」を搭載しており、水圧が280kPaとなっています。
概要 | |
---|---|
キラリユキープ | 深紫外線により浴槽内部の菌を抑制する 翌日でも残り湯が臭くならず、ニオイを抑えられる |
バブルおそうじ | マイクロバブルの泡によって配管内部の汚れを除去する 配管掃除の手間を減らせる |
なお、三菱フルオートタイプの薄型エコキュートは貯湯容量が370Lと430Lの2種類のみで、タンクの奥行きが430mmとなっています。
パナソニック
パナソニックの薄型エコキュートはWシリーズとHシリーズの2種類です。
Wシリーズはパワフル高圧薄型フルオートと薄型フルオートの2種類に分かれており、基本的なサイズや機能に違いはありません。ただし、パワフル高圧フルオートは水圧が280kPaに対して、薄型フルオートは170kPaです。
Hシリーズは薄型フルオートのみで、Wシリーズとの違いはほとんどありません。貯湯容量はどちらも370Lと460Lの2種類があり、貯湯タンクユニットの奥行きは440mmです。
ただし、Hシリーズには「リズムeシャワープラス」という機能がありません。
「リズムeシャワープラス」はシャワーの湯量や温度を一定リズムで変動させることで、省エネや節水が行える機能です。リズム変動により肌あたりも快適になる機能で、自分好みのモードやリズムを設定できます。
パナソニックの薄型エコキュートで水圧が強いタイプが欲しいなら、Wシリーズのパワフル高圧薄型フルオートが、水圧や「リズムeシャワープラス」に興味がなければ、Hシリーズの薄型フルオートを選ぶようにしましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの理想的な設置場所の解説です。エコキュートは省エネを考えるなら、台所や浴室の近い場所に設置し、隣家に迷惑がかからないように向きや防音対策を考える必要があります。
また、狭小スペースに設置するなら、ダイキン、三菱、パナソニックの薄型エコキュートがおすすめです。それぞれ搭載している機能や性能が異なるため、自分に合った物を選ぶようにしましょう。