エコキュートの節電方法は? 電気代を安く抑えるためのテクニックを解説!
2024年10月30日
地球環境保全の一環として省エネが叫ばれて久しいですが、そもそもなぜエネルギー消費の削減が環境問題に寄与するのでしょうか。
その一つとしては化石燃料の削減は掘削による環境への負荷や、燃焼によって発生する温室効果ガスの低減につながります。
また、電気エネルギーを産生する際にも火力や水力など自然環境への負荷なしには成り立たない発電方法が多くあり、無限に使えるものではないことは周知のとおりです。
とはいえ電気はクリーンなエネルギーとしてますます需要が高まっており、住宅設備においても効率的に電気を用いた機器が発達しています。
その一つに高効率給湯器の「エコキュート」が挙げられます。
本記事ではエコキュートにフォーカスし、その節電効果をさらにアップさせるためのテクニックを解説します。
エコキュートとはどんな仕組みの給湯器?
最初にエコキュートとはどのような給湯機であるのか、その仕組みも含めておさらいしておきましょう。
電気エネルギーで稼働する高効率給湯器であることは既に述べましたが、電気ポットのように電熱で水をお湯にする機能とは異なる構造となっています。
エコキュートには熱交換装置の「ヒートポンプ」という機器が備わっており、これによって大気中の熱を集めて水を温めるのが機構の概要です。
ヒートポンプの作用をもう少し詳しく見ていくと、内部には熱を運搬するための気体として二酸化炭素が循環しており、これを「冷媒」と呼びます。
気体は圧縮すると温度が上昇するという性質を利用し、大気中の熱を吸収した冷媒を圧縮して熱を高め、それを水に移すことで加熱していきます。
沸騰するほどの温度にはなりませんが概ね60度程度が設定値のマックスで、日常生活に用いるには十分な温度です。
エコキュートはこうして得たお湯を貯湯タンクにためておき、キッチンや風呂場、洗面などの際に設定された最適な温度になるよう水で割って給湯する仕組みとなっています。
ちなみにヒートポンプの冷媒は熱を水に移した後には開放して逆に温度を下げ、再び大気中の熱を集めます。
この気体の開放によって温度が下降する性質は、冷蔵庫やエアコン(クーラー)にも利用されています。
エコキュートの節電効果をさらにアップさせる工夫10選
エコキュートは化石燃料の燃焼ではなく、電気の力で大気中の熱を集めてお湯を沸かすことから温室効果ガスをほとんど出さないクリーンな給湯器として注目されています。
しかもランニングコストが安く家計にもやさしい点が特筆されますが、その節電効果をさらにアップさせる工夫があります。
以下にそうした節電のポイント10例を見ていきましょう。
深夜に沸き上げを設定
エコキュートの節電ポイントとして、深夜に沸き上げを行うよう設定することが挙げられます。
これは電気料金が時間帯によって変化し、深夜では比較的安くなるためこの間にエコキュートを稼働させてお湯をためておくことが効率的な運用であるためです。
深夜の電気料金が安い時間帯につくったお湯を貯湯タンクに蓄え、日中にはそのお湯を適宜使っていくことで昼間の電気使用量を抑えます。
ただし夜の間に十分な量のお湯を蓄えることができなかった場合、昼間の給湯量がストック分を上回ると「お湯切れ」を起こしてしまうケースがあることに注意が必要です。
その場合には足りない分のお湯を沸かさねばならず、深夜に比べると電気料金が高い日中の稼働が必要となるため節電にはマイナスとなります。
このように電気料金が安く済む時間帯に集中してお湯をつくることが、エコキュートにおける節電の大きなポイントです。
沸き上げ湯量の最適化
エコキュートを使って沸き上げるお湯の量を最適化することも、電気料金の節約に直結します。
たとえば貯湯タンク容量いっぱいのお湯を沸かしたとしても、その後しばらくの間給湯しないといった状態では無駄が生じます。
一日に使うお湯の量がどれくらいで、そのためにはどの程度の沸き上げ量が必要なのかを把握することで最低限のエネルギー消費に抑えることがポイントです。
沸き上げ湯量は手動での設定も可能ですが、日々の使用データから最適な分を自動的に調整してくれる機能を持った機種も多く、「おまかせモード」と呼ばれるコマンドもあります。
また「節約モード」や「おまかせ少なめ」等々の細かいオーダーにも対応した機種があるため、これらの設定を上手に使って節電を行いましょう。
不在時には休止モードに
旅行などで数日の間家を空けるなど、不在時にはエコキュートの「休止モード」を使うことも節電に効果的です。
その名のとおりエコキュートの沸き上げを一定期間休止するための設定で、不在時の不要な電力消費を避けられる便利な機能です。
エコキュートは効率運転によりランニングコストが安く済むことが魅力ですが、このようにさらに細やかにオンオフを切り替えることで、さらなる節電効果を得ることができます。
最適な湯温での使用
キッチンやお風呂、洗面など日常生活で使うお湯の温度を最適な状態にすることも、エコキュートを使ううえでの節電に大きく影響します。
エコキュートはタンクにためたお湯を適宜水で割って各所に配することを先に述べましたが、高い温度で使えば使うだけタンク内のお湯は早く消費されてしまいます。
つまりお湯の無駄使いを避けることがポイントで、必要最低限の湯温を把握して使用することが重要です。
たとえば洗顔のために温度が60度ものお湯を出す必要性は薄く、もっと低い温度で使えば貯湯タンク内の湯量消費も少なくて済むでしょう。
このように最適な湯温で使用することも、節電に直結する心がけです。
追い焚きよりも足し湯で
お風呂の使い方に関することですが、エコキュートでは追い焚きをするよりも足し湯機能を使った方が節電効果に寄与するといわれています。
それというのも追い焚きでは専用の配管で浴槽のお湯を再加熱するための電力を要する反面、足し湯はあらかじめつくられたお湯を追加することから消費電力が少なくて済むためです。
入浴の仕方やタイミングにもよりますが、足し湯で対応できる状態であればそちらのほうが相対的な節電になるといえるでしょう。
ただし家族など複数人での使用が前提の場合は、なるべく間を置かずに入浴するなどの工夫で余計な電力消費を抑えられるため、そうした配慮も必要です。
浴槽の保温
前項に引き続いて入浴における工夫ですが、浴槽を保温してお湯を冷めにくくすることで、エコキュートの給湯による電力消費を抑える方法もあります。
具体的には浴槽にフタをするのが手軽かつ効果的な方法です。
湯量の追加は必要であるとしても、湯温をなるべく下げないようにすることで給湯量を減らすことができ節電につながります。
これもお湯の無駄使いを避ける心がけの一つであるといえ、ちょっとした工夫で節電できる好例です。
季節ごとのモード設定
エコキュートで沸き上げる湯量の上限は貯湯タンク容量の制約がありますが、厳密にはシーズンによって使うお湯の多寡は変動することが一般的です。
たとえば夏場ではお湯の使用温度が低く済む傾向にあり、そのため消費量も少なくなります。
反対に冬場はより多くのお湯が必要となり、エコキュートの稼働率も夏場に比べてアップすることが想定されるでしょう。
そこで季節ごとのモード設定を適切に行い、お湯の消費量が少ない夏には沸き上げ量もそれに合わせて調整するなどの工夫が可能です。
必要な時に必要な分だけ給湯できるよう最適化することで、無駄を省いて一年を通じた電気料金を安く抑えることにつながります。
日中の沸き上げON/OFF
エコキュートは深夜の電気料金が安い時間帯を中心にお湯を沸かせることを先に述べましたが、不足があればもちろん日中にも沸き上げが可能です。
しかし必要がないにもかかわらず、日中の電気料金が高い時間帯に自動的に沸き上げを行うと無駄になってしまいます。
そこで不要な場合には日中の沸き上げを休止する設定を行うことで、電気料金の低減が可能です。
このように日中沸き上げのONN/OFFをこまめに調整することで、累積での電気料金に少なからぬ影響を及ぼすといえるでしょう。
ピークカット設定
契約プランによって電気料金は一日を通して変動することは周知のとおりですが、深夜に比べて割高となる日中にはエコキュートで沸き上げを行わないようにすることができます。
これを「ピークカット設定」といい、もし湯量が巣不足したとしても電気料金の高い時間帯には稼働させないことで節電につなげるものです。
ただし万が一お湯切れした場合にはしばらく使えなくなるケースも想定されるため、見込み使用量を十分に把握したうえで運用することがポイントです。
電気料金プランの見直し
電気料金が深夜時間帯には安くなることに幾度か触れてきましたが、契約プランによって差が生じます。
そのため、エコキュートの稼働タイミングとお湯の使用タイミングとを勘案して、最適な電気料金プランを見直すことも重要です。
プランによっては深夜に稼働すれば必ず安くなると限らないため、生活のリズムやサイクルと併せてこまめに検討し直すことも節電に効果を発揮します。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートにおける節電について、機能的な部分と使用法の部分両面から10の具体的方法を解説しました。
設定によって自動的に節電を行ってくれる便利な機能もありますが、何よりも使う人自身が無駄にお湯やエネルギーを消費しないよう心がけることも大切なポイントといえるでしょう。
1998年に創業した「エコパパのお店」は、エコキュート設置の専門店です。
関東・関西・中部・中四国・九州の各エリアに拠点を持ち、地域に寄り添った迅速・丁寧なサービスでこれまでに20,000件以上の施工実績を有しています。
エコキュートの設置や買い替えなど、関連する設備の施工についてご検討中のことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合せくださいませ。