エコキュートの購入で後悔しない為に知っておきたい注意点は?
2022年6月27日
エコキュートはガス給湯器や電気温水器に比べて光熱費を節約できる給湯器システムです。ただし、ガス給湯器とお湯の作り方が違うため、事前に知っておきたい注意点が幾つかあります。
そこで今回は、エコキュートの購入で後悔しないために知っておきたい注意点について解説します。注意点を解決する方法も併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の力でお湯を作る給湯器システムのことです。
ヒートポンプユニットが取り込んだ空気を圧縮して発生した熱を用いてお湯を作り、貯湯タンクユニットに貯めておきます。そして、必要に応じてシャワーや台所、脱衣所などにお湯を給湯する仕組みとなっています。
メーカーや機種によって搭載されている機能は異なりますが、大きく分けて次の3種類があります。
特徴 | |
---|---|
フルオートタイプ | お湯はりや追い焚きなどの機能が充実している |
セミオートタイプ | 自動でお湯はりが可能 |
給湯専用タイプ | 給湯のみ可能 |
お風呂の時間や給湯効率を良くしたいならフルオートタイプ、導入するコストを抑えたいなら給湯専用タイプがおすすめです。
エコキュートで事前に知っておきたい注意点
エコキュートを購入する前に、事前に知っておきたい注意点は次のとおりです。
- ガス給湯器よりもお湯が出るまでに時間がかかる
- 貯湯式給湯器のため湯切れのリスクがある
- 貯湯タンクユニットのメンテナンスが必要
- 設置スペースや防音壁などが必要
上記の注意点を順番に解説します。
ガス給湯器よりもお湯が出るまでに時間がかかる
一般的なガス給湯器は瞬間式給湯器システムです。エコキュートのような貯湯式給湯器システムと違い、水道管の水道水を直接温めながら給湯するため、スピーディーにお湯が出ます。
一方、エコキュートは貯湯タンクユニットから配管を通ってお湯が出てくるまでに、ある程度の時間を必要とします。
極端に遅い訳ではありませんが、ガス給湯器からエコキュートへ交換した場合、お湯が出るまでに時間がかかるように感じるケースがあります。
また、エコキュートでは水道水の水圧を下げて、お湯を貯めています。そのため、ガス給湯器に比べてシャワーの水圧が弱く感じられることがあります。
最近のエコキュートはパワフル高圧給湯タイプが一般的となり、水圧の強い機種もあります。しかし、ガス給湯器よりも水圧を弱く感じるケースがあると注意しておきましょう。
貯湯式給湯器のため湯切れのリスクがある
エコキュートは電気料金の安い深夜にお湯を作り、日中にお湯を使う貯湯式給湯器システムです。そのため、お湯の量や使い方によっては日中に湯切れを起こしてしまう可能性があります。
湯切れが発生すると、エコキュートは電気料金の高い日中にお湯を作ろうと稼働して、結果として光熱費が高くついてしまう可能性があります。
最近のエコキュートはAIにより湯量をコントロールしています。直近のお湯の使用量から適切な湯量を作っておくので、極端にお湯を使わなければ湯切れが起きることはありません。
しかし、急な来客でお湯の消費量が増えた、あるいは家族が風呂に入る間隔が長いため足し湯を多くおこなうなどのケースがあると、湯切れが起きてしまいます。
そのため、エコキュートを購入したらリモコンで残りの湯量を確認し、必要に応じて設定を変更するようにしましょう。
ライフスタイルによっては電気料金が高くなる
エコキュートはほかの給湯器システムに比べると光熱費を大幅に節約できます。次の表は、エコキュートとガス給湯器の光熱費を比較したものになります。
エコキュートの年間の光熱費(税込) | ガス給湯器の年間の光熱費(税込) | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約28,800円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約54,000円 |
エコキュートはお湯を作るのに空気の熱を利用しているため、ガス給湯器や電気温水器よりも少ないエネルギーで同じ量のお湯を作ることができます。
また、エコキュートは電気料金が安い夜間にお湯を作るように設計されているので、年間の光熱費を節約できます。
ただし、夜間に電気料金が安い料金プランは日中の電気料金が高い傾向があります。次の表は東京電力エナジーパートナーのエコキュート向け料金プランをまとめたものです。
電力量料金(1kWh) | ||
---|---|---|
午前6時~翌午前1時(昼間料金) | 午前1時~午前6時(夜間料金) | |
スマートライフS | 25.80円 | 17.78円 |
スマートライフL | ||
スマートライフプラン(※) |
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電気料金単価や時間帯などは電力会社や料金プランによって異なりますが、基本的には夜間料金は安く、昼間料金は高いです。そのため、日中に電力を多く使用する家庭だと、エコキュートを導入したことで全体の光熱費が高くなってしまうケースがあります。
エコキュートを購入する際は、お湯を作るための光熱費だけでなく、全体の電力料金やライフスタイルを含めて検討してみましょう。
貯湯タンクユニットのメンテナンスが必要
エコキュートはお湯を貯湯タンクユニット内部に貯めておきます。そのため、使用し続けていると汚れやゴミが貯湯タンクユニットに蓄積し、給湯効率を下げたり、故障の原因になったりします。
メーカーは半年に1回のペースで貯湯タンクユニットのメンテナンスをおこなうように推奨しています。メンテナンスの内容や手順は簡単ですが、エコキュートを購入したらメンテナンスが必要だと覚えておきましょう。
設置スペースや防音壁などが必要
ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合、基礎工事が必要になります。なぜなら、瞬間式給湯器(ガス給湯器)と違い、エコキュートには貯湯タンクユニットという大きな機器を使用するので、置くための基礎工事や設置スペースの確保が必要です。
貯湯タンクユニットの大きさはメーカーや機種によって異なりますが、貯湯容量370L(一般的な容量)でベーシックな角型タイプならと横幅630mm前後、奥行き730mm前後、高さ2,175mm前後となっています。
上記のサイズに加えて、ヒートポンプユニットを置くスペースや、メンテナンス、修理をおこなうためのスペースも確保する必要があります。
また、古いエコキュートは稼働音がするため、隣家に迷惑をかけないために防音壁を設置する場合もあります。
メーカーによってはスペースを取らない省スリムな機種や、音を抑えているモデルなども販売しています。しかし、エコキュートを購入する場合は一定のスペースが必要で、隣人トラブルが起きないように注意する必要があります。
エコキュートの注意点を改善する方法
エコキュートの注意点を改善する方法は次のとおりです。
- 水圧の強いエコキュートを購入する
- 湯切れが起きないように設定を変更する
- 太陽光発電システムや蓄電池を一緒に導入する
- メンテナンスや定期点検をおこなう
- 施工業者に相談してみる
上記の方法を順番に解説します。
水圧の強いエコキュートを購入する
エコキュートはガス給湯器に比べると水圧が弱いです。しかし、最近のエコキュートは水圧が強い機種も登場しており、複数箇所で同時に使用してもお湯の勢いが弱くなりにくい、パワフル高圧給湯タイプがあります。
次の表は、主要なエコキュートメーカーで水圧の強い機種になります。
対象の機種 | 水圧 | |
---|---|---|
三菱 | Pシリーズ Sシリーズ |
290kPa |
パナソニック | JPシリーズ FPシリーズ J、N、W、NS、Fシリーズの一部機種 |
280kPa |
ダイキン | フルオート、オート、給湯専用の一部機種 | 320kPa |
また、日立では貯湯タンクユニットにお湯を貯めない水道直圧タイプを販売しています。ガス給湯器のように水道水を熱して給湯しているタイプのエコキュートなので、水圧は強いです。
お湯が出るまでの時間を速くしたい、あるいはシャワーの水圧を強くしたいと考えている方は、上記のような水圧の強いエコキュートを購入してみましょう。
湯切れが起きないように設定を変更する
日中に湯切れが起きないようにエコキュートの設定や使い方をきちんと管理しましょう。
例えば、冬場はお湯を使う量が増える傾向があるので、お湯を作る量を増やせば湯切れが起きる可能性を抑えられます。また、お風呂のお湯を温めなおすときは高温足し湯ではなく追い焚きにすれば、お湯を節約できます。
ただし、上記の方法は湯切れのリスクは抑えられますが、お湯を作るためのコストが高くなる可能性があります。湯切れのリスクとお湯を作るコストの両方を抑えたい方は次項の方法を検討してみましょう。
太陽光発電システムや蓄電池を一緒に導入する
日中に多くの電気を使う方はエコキュートと一緒に太陽光発電システムや蓄電池を導入してみましょう。
太陽光発電システムがあれば、電力会社から購入する電力量を抑えることができます。また、蓄電池があれば余剰電力を蓄電し、エコキュートが稼働する夜間の電力として使用できます。
ほかにも、太陽光発電システムや蓄電池があれば、震災時に停電が起きたとしても、日常に近い生活を送ることができるメリットがあります。水道管が無事なら、エコキュートを動かしてお湯を使ったり、お風呂に入ったりもできます。
エコキュートを導入することで全体の電気料金が高くなりそうな方は、太陽光発電システムや蓄電池の導入もおすすめです。
メンテナンスや定期点検をおこなう
エコキュートの寿命は10年~15年と言われていますが、メンテナンスや定期点検をきちんとおこなった場合の寿命です。
そのため、エコキュートを購入したら半年に1回はメンテナンスを自分でおこない、1年~3年に1回はメーカーに定期点検を依頼するようにしましょう。
施工業者に相談してみる
エコキュートの設置スペースや防音壁などで悩んでいる方は、まずは施工業者に相談してみましょう。
専門知識を持ったスタッフが、各家庭にあったタイプのエコキュートや必要な工事を提案します。基本的に見積もりは無料なので、エコキュートに興味があったらお近くの施工業者や販売業者に相談してみるのがおすすめです。
まとめ
以上が、エコキュートを購入する前に知っておきたい注意点の解説になります。エコキュートはガス給湯器と仕組みが違う為、購入してから後悔するケースはあります。しかし、事前に注意点を知っておき、きちんと対処しておけば問題ありません。
「エコパパのお店」では、エコキュートに関する豊富な専門知識を身に着けたスタッフが対応しております。総施工件数20,000件を突破しており、これまでに多くのお客様に満足して頂いております。エコキュートに関するご相談がありましたら、ぜひご覧ください。