エコキュートの黒いゴミの正体は?黒いゴミが浮かんだ時の水抜きのやり方も紹介
2022年10月18日
エコキュートを使用していると、黒いカスやゴミが湯船に混じることがあります。エコキュートの黒いゴミはガス給湯器のように故障してススを出しているのではなく、汚れが蓄積したり、劣化したりすると発生する傾向が高いです。
そこで今回は、エコキュートを使用していると混ざる黒いゴミの正体を解説します。黒いゴミの対処方法も紹介しますので、参考にしてください。
エコキュートの仕組み
エコキュートはヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、リモコンユニットの3つで構成されている給湯器システムです。
ヒートポンプユニットがファンで取り込んだ空気の熱を圧縮機で圧縮させ、水熱交換器で水道水と熱交換をして温めます。
温められた水道水はヒートポンプユニットから貯湯タンクユニットに送られ、必要に応じてシャワーや蛇口などに給湯されます。リモコンユニットはエコキュートをコントロールしており、給湯温度や貯湯容量の設定が行えます。
つまり、エコキュートはガス給湯器と違って、水道水が温められて給湯するまでの過程が長く、貯湯タンクユニットにお湯を貯める貯湯式給湯器です。
エコキュートの黒いゴミの正体
エコキュートは一般的なガス給湯器のような瞬間式給湯器と違い、貯湯式給湯器になります。そのため、エコキュートを使用していて発生する黒いゴミの正体は、次の可能性があります。
- 配管内のゴム
- 配管内の汚れ
- 配管に使われている金属のサビ
上記のゴミについて、順番に解説します。
配管内のゴム
エコキュートは貯湯タンクユニットでお湯を貯めて、必要に応じて浴槽にお湯を張ります。お湯を張るときは、貯湯タンクユニットからふろ配管を通じてお湯が流れ込むのですが、配管内のゴム部品が劣化していると、細かい粒のようになって湯船に混じってしまいます。
ふろ配管は基本的に金属製の配管ですが、ゴムで出来た管や、配管のつなぎ目にゴムパッキンを使用しています。エコキュートを長期で使用していると、ゴム部分が劣化して、水流に流される可能性はあります。
湯船に混じっている黒い粒やゴミを触って、伸びたりするなら、ゴムが劣化していると考えて良いです。
配管内の汚れ
フルオートタイプのエコキュートは追い焚き機能が付いています。追い焚き機能とは、浴槽のお湯を循環させて、給湯器で再び温めて浴槽に戻す機能で、たし湯と違って水道代が余分にかかりません。
しかし、湯船にはお風呂に入っている方の皮脂汚れやゴミ、入浴剤などの不純物が混じっているため、追い焚き配管を循環すると内部に汚れとして蓄積されることがあります。
配管内の蓄積された汚れは水流に押し流されて、湯船に混じることがあります。そのため、追い焚きやお湯はり時に黒いゴミが浮かんでいるなら、どこかの配管内部が汚れている可能性が高いと考えましょう。
なお、皮脂汚れや入浴剤などの不純物は本来なら白色や茶色をしています。黒色になっているのは上記の配管内のゴムの黒い色素が沈着した影響によるものなので、浴槽内に白色や茶色のゴミが浮かんでいる場合も、配管内部が汚れている可能性があります。
配管に使われている金属のサビ
エコキュートの機種によっては、ふろ配管や追い焚き配管に銅を使用していることがあります。銅製の配管は使用し続けると緑青(ろくしょう)というサビが発生し、水流によって流れて湯船に混じることがあります。
最近は耐久性や耐腐食性を重視してステンレス配管を使用しているメーカーが多くなっていますが、機種によっては銅製配管を使用しているので注意しましょう。
黒いゴミは人体に影響を与えるの?
結論から申し上げますと、黒いゴミが人体に与える影響は少ないです。
エコキュートは貯湯式給湯器で、沸かしたお湯は貯湯タンクユニットで貯められます。そのため、ゴミや雑菌が貯まって汚いというイメージがあります。
しかし、レジオネラ菌や黄色ブドウ球菌などの人体に影響を与える雑菌が繁殖できる温度は50度前後です。大抵が60度~75度以上で1分~10分間加熱されると死滅します。
エコキュートは貯湯タンクユニットに65度~90度のお湯を貯めています。必要に応じて各所に給湯する際は、水道水でお湯の温度を下げてからシャワーや蛇口から出ます。
そのため、貯湯タンクユニット内部で雑菌が繁殖することは少なく、黒いゴミが湯船に混じっていても人間に悪影響を及ぼすケースは少ないです。
黒いゴミの対処方法
人間に与える影響が少ないといっても、黒いゴミが浮かんでいると不衛生なイメージがあって、快適にお風呂を楽しむことができません。
黒いゴミが浮かぶようになったら、次の対処方法を試してみましょう。
- 水抜き
- 配管洗浄
- 本体部品の交換
黒いゴミが浮かぶようになったら、上記の対処方法を順番に試すと良いです。
水抜き
エコキュートを使用して黒いゴミが浮かぶようになったら、まずは水抜きをおこないましょう。
貯湯タンクユニットやヒートポンプユニットの水抜きをおこなうことで、黒いゴミを洗い流すだけでなく、フィルターの目詰まりを防ぐことができます。水抜きと一緒にメンテンナンスをやっておけば、エコキュートの寿命を伸ばすことにもつながります。
貯湯タンクユニットの水抜きの手順は以下のとおりです。
1. 貯湯タンクの下部の脚部カバーを取り外す
2. 給水配管に付いている止水栓を閉める
3.「逃し弁」カバーを開け、中に入っているレバーを引く
4. 排水栓を開き、約1~2分間、水を出し続ける(高温が出る可能性があるので注意)
5. 排水栓を閉じて、給水配管の止水栓を開ける
6. 排水口から水があふれるようになったら、逃し弁のレバーを元に戻す
貯湯タンクユニットの水抜きをおこなうことで、タンクの底に溜まったゴミや汚れ、不純物などを洗い流せます。
ヒートポンプユニットの水抜きの手順は以下のとおりです。
1. 機器側面にある「水抜き栓」を回す
2. 約1~2分間排水させる
3. 排水が終わったら水抜き栓を閉める
水抜きは半年から1年に1度のペースでおこなうと良いです。なお、エコキュートの機種によって逃し弁や水抜き栓の位置や手順が異なる場合があるので、公式サイトや取扱説明書を確認しましょう。
配管洗浄
水抜きをしても湯船に黒いゴミが混じっている場合は、配管内部に汚れが蓄積している可能性があります。そのため、配管洗浄をおこないましょう。
ふろ配管の洗浄は業者を呼ぶか、自分で配管洗浄用の洗剤を購入して実行する方法があります。
配管洗浄の相場は業者にもよりますが20,000円前後かかります。配管洗浄だけでなく、浴槽内の洗浄やウィルス、カビの除去まで行ってくれるので、徹底的に掃除をしたい時におすすめです。
配管洗浄の洗剤はドラックストアやスーパー、インターネットショップなどで販売しています。商品によって使用方法が異なりますが、安価なため定期的な掃除の時に役立ちます。
なお、配管洗浄用の洗剤を使用する時は、エコキュートメーカーの公式サイトをチェックして、使用しても問題ない商品を選ぶようにしましょう。特に、追い焚き配管の洗浄は、メーカーが商品を指定していることもあるので確認が必要です。
洗剤、もしくはエコキュートの説明書を見ながら、洗浄をおこないましょう。
本体部品の交換
水抜きや配管洗浄をおこなっても黒いゴミが混じってくる場合は、配管に使用しているゴムが劣化している可能性が高いです。
水抜きや配管洗浄では解決しないので、本体部品の交換をメーカーか修理業者に依頼しましょう。
エコキュートは購入時にメーカー保証が付いており、保証期間内なら修理や本体部品の交換がお得になる可能性があります。次の表は、メーカー保証をまとめたものです。
三菱 | パナソニック | 東芝 | ダイキン | コロナ | 日立 | |
---|---|---|---|---|---|---|
リモコンなど | 2年 | 1年 | 5年 | 1年 | 2年 | 1年 |
ヒートポンプユニット | 3年 | 3年 | 5年 | 3年 | 3年 | 3年 |
貯湯タンクユニット | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 | 5年 |
延長保証の期間 | 5年延長 8年延長 10年延長 |
5年延長 8年延長 10年延長 |
8年延長 10年延長 |
10年延長 | 5年延長 8年延長 10年延長 |
7年延長 10年延長 |
保証料(税込) | 5年間:11,800円 8年間:25,562円10年間:31,220円 |
5年間:11,524円 8年間:25,666円10年間:29,700円 |
8年間:18,700円10年間:26,400円 | 30,800円 | 5年間:11,880円 8年間:25,520円10年間:31,130円 |
7年間:23,049円 10年間:31,269円 |
貯湯タンクユニットの保証期間はどのメーカーも5年です。有償の延長保証に加入していれば、最長10年間の保証を付けられますが、メーカーは10年以上経過すると部品の保管を終了する傾向があります。
10年以上使用しているエコキュートで黒いゴミが混じっており、原因が部品の交換なら、修理より買い替えを検討してみましょう。
お風呂のお湯が青い理由は?
お風呂のお湯が青く見えたり、抜いた時に浴槽に青い線や青いシミが付いたりする原因は銅石鹸です。
銅石鹸とは、エコキュートの配管に使用されている銅イオンが水中に溶け出し、石鹸や人体の油分に含まれる脂肪酸に反応した物質になります。
水中に溶け出す銅イオンの量は微量で、エコキュートを使用し続けていると溶け出す量は減っていきます。そのため、銅石鹸はエコキュートを使用したばかりの時に起きやすい現象です。
銅石鹸が出たら、浴槽用洗剤か台所用の油汚れ用洗剤などで汚れを落とし、浴槽を清潔に保つようにしましょう。
まとめ
以上が、黒いゴミの正体に関する解説です。エコキュートを使用していると、ゴムが劣化したり、配管内部の汚れが流れ込んだりして、黒いゴミとして混ざることがあります。
人体に悪影響を及ぼす可能性は低いですが、配管や貯湯タンクユニットが汚れている証なので、水抜きや配管内部の洗浄をおこないましょう。水抜きや配管内部の洗浄を実行しても黒いゴミが浮かぶなら、配管の交換やエコキュートの買い替えが必要かもしれません。
「エコパパのお店」はエコキュートの故障や買い替えに対応しています。丁寧、安心の施工を心がけており、商品知識が豊富な専門スタッフが対応いたします。エコキュートのことで質問がありましたら、「エコパパのお店」にご相談ください。