エコキュートは自分でメンテナンスする必要があるの?自分で出来る手入れの方法を紹介
2022年6月22日
エコキュートの寿命は10年~15年と言われています。しかし、この寿命は「定期的にメンテナンスや点検」をおこなっていた場合の寿命です。
メンテナンスや点検を怠っていると、エコキュートの劣化が進み、故障したり、寿命が短くなったりします。
そこで今回は、自分で出来るエコキュートの手入れの方法を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートはメンテナンスする必要があるの?
結論から申し上げますと、エコキュートは自分でメンテナンスをする必要があります。なぜなら、エコキュートは水道水を使用していますが、メンテナンスを怠っていると水道水に含まれる不純物が沈殿して次のようなトラブルを招く恐れがあります。
- 目詰まりを起こして稼働効率を下げる
- 配管の故障の原因となる
沈殿した不純物やゴミを放置したままだと、エコキュートの配管や貯湯タンクユニットが劣化して、故障する恐れがあります。
そのため、半年~1年に1回程度のペースでメンテナンスをおこなうことをメーカー側も推奨しています。
エコキュートのシステムは3種類の機器で構成されている
エコキュートは貯湯式給湯器システムです。ヒートポンプユニットで空気を圧縮し、熱を取り出してお湯を作ると貯湯タンクユニットで貯めておきます。そして、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットを操作するのがリモコンユニットです。
つまり、エコキュートでメンテナンスする必要がある機器はヒートポンプユニットと貯湯タンクユニット、リモコンユニットの3種類になります。
ただし、機器によってお手入れする方法や内容が異なるので、順番に解説します。
エコキュートのヒートポンプユニットのお手入れ方法
ヒートポンプユニットはエコキュートの心臓部分で、最も壊れやすい機器です。しかし、精密部品が密集している機器なので、メーカーや機種によってメンテナンスの方法が異なります。
そのため、ヒートポンプユニットのお手入れは、メーカーの説明書をしっかりと読んでからおこなうようにしましょう。
また、ファンで空気を取り込んでお湯を作るため、ファンの周りが雪や氷、ゴミなどで塞がっていると給湯効率が大幅に下がります。
雪が積もりやすい地域や、気温が下がりやすい地域では定期的に雪かきする、あるいは霜が降りていないかチェックしましょう。また、風が強い日の翌日は、落ち葉やゴミを掃除するようにしましょう。
ほかにも、ヒートポンプユニットの側面には「水抜き栓」が付いています。ヒートポンプユニット内部に溜まっている水を排出する栓で、半年から1年に1回のペースで栓を開けると、ヒートポンプユニットの寿命を伸ばすことができます。
エコキュートの貯湯タンクユニットのお手入れ方法
エコキュートの貯湯タンクユニットでやっておきたいお手入れは次のとおりになります。
- タンク内の掃除
- 給水口ストレーナーの掃除
エコキュートの貯湯タンクユニットはお湯を貯めるタンクのため、ヒートポンプユニットに比べると頑丈で壊れにくいです。しかし、放置していると汚れが溜まり、壊れる原因となるので、定期的にお手入れをしましょう。
上記のお手入れする方法を順番に解説します。
タンク内の掃除
貯湯タンクユニット内部の掃除手順は以下のとおりです。
- 1. 給水止水栓を閉じる
- 2. 電源扉を開けて、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げてから約1分間待つ
- 4. 排水栓を回して開く
- 5. 排出された水がキレイになったら閉める
- 6. 給水止水栓を開いてお湯が出るか確認する
- 7. 逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開いてお湯が出るか確認する
貯湯タンクユニットの清掃はエコキュートのメンテナンスで最も重要なことです。手順が多いように感じられますが、専用の排水栓から不純物やゴミを流すだけなので、誰でも簡単におこなえます。
また、次に解説する「給水口ストレーナーの掃除」と手順が一部同じなので、タンクユニットの清掃と一緒にやっておくと効率よくお手入れできます。
給水口ストレーナーの掃除
給水口ストレーナーの掃除の手順は以下のとおりです。
- 1. 給水止水栓を閉じる
- 2. 電源扉を開け、漏電遮断器を「切」にする
- 3. 逃し弁レバーを上げてから約1分間待つ
- 4. 給水口ストレーナーを外してブラシなどで掃除
- 5. 給水口ストレーナーを着ける
- 6. 給水止水栓を開き水漏れが無いか確認
- 7. 逃し弁レバーを戻す
- 8. 漏電遮断器を「入」にする
- 9. 混合水栓のお湯側を開いてお湯が出るか確認する
給水口ストレーナーはお湯を配管に流し込む入口あたりのフィルターのことです。手順3までは「タンク内の掃除」と一緒なので、沈殿したゴミや不純物を排水するときに一緒に掃除しましょう。
エコキュートのリモコンユニットのお手入れ方法
エコキュートのリモコンユニットは定期的に掃除をして、きれいな状態を維持するようにしておきましょう。
また、リモコンユニットの時刻がズレていると、電気料金が安い時間帯にお湯が作られていないというケースがあります。そのため、リモコンユニットの時間がズレていないか、定期的に確認しておくことも大事です。
風呂場でのエコキュートのお手入れ方法
エコキュートを利用している方は、定期的に風呂場で次の手入れをする必要があります。
- 浴槽フィルターの清掃
- 配管の清掃
エコキュートは追い焚きの仕組みが特殊なため、配管や浴槽フィルターが汚れやすい傾向があります。そのため、機器のメンテナンスとは別に、上記のお手入れを半年に1回程度のペースでおこなっておくと良いです。
上記のお手入れ方法を順番に解説します。
浴槽フィルターの清掃
浴槽フィルターとは風呂場の浴槽内部にある金具の内側にあるフィルターのことです。給水口ストレーナーと同じように、フィルターを外してブラシでゴミを取り除きましょう。
なお、清掃中に貯湯タンクユニットやリモコンユニットを操作する必要はありませんが、フィルターを外したままお湯を入れると故障の原因となるので注意しましょう。
配管の清掃
エコキュートは追い焚き時に風呂場のお湯を循環して温めます。そのため、風呂の配管内部に皮脂汚れや不純物が沈殿して目詰まりを起こす可能性があります。
エコキュートによっては配管内部の清掃機能もありますが、半年に1回のペースで風呂用の配管洗浄液を用いてお手入れしましょう。
自分で出来るエコキュートの点検方法
エコキュートをお手入れする際に、自分で動作確認や水漏れなどの点検をしておくとエコキュートに関するトラブルを避けられます。
自分で出来るエコキュートの点検方法は次のとおりです。
- 漏電遮断器の動作確認
- 逃し弁の動作確認
- 水漏れの点検
- 凍結防止の確認
上記の点検方法を順番に解説します。
漏電遮断器の動作確認
漏電遮断器はエコキュートが漏電しているときに、電気を自動的に切るための安全装置です。漏電遮断器が故障していると、漏電時に家全体のブレーカーが落ちてしまい、電化製品が動かないトラブルに発展します。
そのため、定期的に漏電遮断器が動くかどうか確認する必要があります。漏電遮断器の動作確認の手順は以下のとおりです。
- 1. 貯湯タンクユニットの電源扉を開け点検ボタンを押す
- 2. 漏電遮断器が「切」になれば正常
- 3. 漏電遮断器を「入」に戻して扉を閉じる
点検は半年に1回のペースでおこなうと良いので、貯湯タンクユニットのお手入れの際に一緒にやっておきましょう。
逃し弁の動作確認
逃し弁は水道水が温められた際の膨張部分を排水して、貯湯タンクユニットを守る安全装置です。故障しているとお湯の膨張分により配管や貯湯タンクユニットが変形して、水漏れや故障の原因となります。
逃し弁の動作確認の手順は以下のとおりです。
- 1. 貯湯タンクユニットの逃し弁レバーを上げる
- 2. 排水が始まれば正常
- 3. 逃し弁レバーを戻す
なお、逃し弁の動作確認は沸き上げや沸き増しをおこなっていない時にしましょう。
水漏れの点検
貯湯タンクユニットや配管周りで水が漏れていないか、目視で確認しましょう。水漏れ箇所を発見したら、施工業者かメーカーに修理を依頼します。
戸建住宅なら水漏れが起きても敷地内なので周りにあまり迷惑をかけません。しかし、集合住宅(マンション)で水漏れが起きると周辺の住人に迷惑をかける恐れがあるので、定期的に点検しておくことが重要です。
凍結防止の確認
エコキュートは外気を利用する給湯器です。そのため、凍結する恐れ(外気温0℃以下)がある地域では内部のファンが凍ってしまい、故障する可能性が高いです。
機種にもよりますが、エコキュートには凍結防止機能が搭載されています。本格的に寒くなる前に、凍結防止が機能しているか確認しましょう。
また、エコキュートのメーカーは風呂配管や給水・給湯配管の凍結予防方法を公開しているので、やり方を確認しておくことも大事です。
メーカーの定期点検を依頼しておくと安心できる
エコキュートは自分でお手入れする、あるいは点検することで寿命を伸ばすことができます。しかし、本格的なメンテナンスを定期的にしておくと、安心して利用できます。
エコキュートのメーカーでは定期点検をおこなっています。メーカーの専門スタッフが直接確認するため、購入者が気づかなかった故障が発見でき、早期に対処できます。
定期点検の費用はメーカーによって違いますが、1万円~2万円が相場となっています。エコキュートは夏場より冬場の方が故障しやすいので、本格的に寒くなる前に依頼すると良いでしょう。
まとめ
以上が、自分で出来るエコキュートのお手入れ方法や点検の方法の解説になります。エコキュートの寿命は10年~15年とされていますが、手入れをせずに放置していると故障やトラブルの原因となり、予想よりも早く買い替えることになります。
本記事で紹介したお手入れ方法やメンテナンスなどを、半年~1年を目安におこなっておくと、エコキュートの寿命を延ばすことができます。また、メーカーの定期点検を依頼しておけば、安心して長期間利用できます。
「エコパパのお店」はエコキュートに関する専門知識が豊富なプロのスタッフが対応しております。総施工件数は20,000件を突破しており、これまでに多くのお客様に喜ばれています。
エコキュートのお手入れや点検に関する疑問やご相談がありましたら、ぜひ「エコパパのお店」までお気軽にご連絡ください。