エコキュートをお得に使うための設定は?時間帯や注意事項などを分かりやすく解説
2022年5月25日
エコキュートはガス給湯器や電気温水器よりもランニングコストが安い給湯器です。そのため、光熱費の節約のためにエコキュートを買い替えるケースがあります。
しかし、エコキュートを導入したことで、かえって光熱費が高くついてしまうことがあります。
そこで今回は、エコキュートをお得に使うために知っておきたい設定や注意事項などを分かりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの仕組み
エコキュートは電気と空気の力を利用してお湯を作ります。エコキュートの心臓部分であるヒートポンプユニット内部で空気を圧縮し、取り出した熱でお湯を作り貯湯タンクユニットにて貯めます。
電気だけでなく、空気の力も利用してお湯を作るため、ほかの給湯器に比べてエコキュートのランニングコストは安いと言われています。
貯まったお湯は必要に応じて各所に給湯され、深夜になるとエコキュートは稼働して新しいお湯を作ります。
エコキュートが深夜に稼働するのは電気料金が昼間に比べて安い料金プランに切り替えているからです。基本的に、エコキュートは導入する際に料金プランの変更を推奨されます。
一般的な家庭の電気料金プランは「従量電灯契約」で、使用する電気量が多いほど電気料金が増えていく仕組みとなっています。そのため、エコキュートのように電力消費量が増える夜間蓄熱式機器を使用する方には、特別な料金プランが用意されています。
つまり、エコキュートの基本的な仕組みは次のとおりです。
- エコキュートは電気と空気の力でお湯を作る
- お湯を作るのは電気料金が安い深夜
エコキュートをお得に使うための設定
エコキュートをお得に使うための設定は以下のとおりです。
- シーズンによってモードや湯量を調節する
- 昼間の沸き上げは停止する
- お湯を温めるときは高温足し湯がおすすめ
- 状況に合わせて沸き上げ時間を調整する
- エコキュートの給湯温度を50℃に設定する
上記の設定について順番に紹介します。
シーズンによってモードや湯量を調節する
最近のエコキュートはAIによって管理されており、家庭の消費湯量に合わせて焚き上げ量を調整します。そのため、省エネモードが一番エコキュートをお得に利用できる設定です。
ただし、省エネモードだと、寒い冬にお湯をたくさん使いたい、あるいは暑い夏はシャワーで済ませたいなどの好みに細かく対応することは難しいです。
また、省エネモードでもライフスタイルの変化や子供の成長などにすぐに対応できない場合があり、湯切れを起こす可能性はあります。日中に湯切れを起こしてしまうと、電気料金が高い時間帯にお湯を沸かすことになります。
つまり、エコキュートをお得に使用するなら、基本的には省エネモードに設定し、夏や冬になったら運転モードの変更を行い、定期的に湯量の調整などをしましょう。
昼間の沸き上げは停止する
エコキュートをお得に使うなら、昼間の沸き上げは停止しましょう。次の表は東京電力エナジーパートナーのエコキュート向け料金プランをまとめたものです。
電力量料金(1kWh) | ||
---|---|---|
午前6時~翌午前1時 (昼間料金) |
午前1時~午前6時 (夜間料金) |
|
スマートライフS | 25.80円 | 17.78円 |
スマートライフL | ||
スマートライフプラン(※) |
(※)記事執筆時点では新規加入の受付を停止しております。
表にあるように、エコキュート向けの料金プランだと、夜間料金に比べで昼間料金の方が安いです。同じ湯量を沸かす場合、昼間よりも夜間の方が電気料金を抑えることができます。
エコキュートをお得に使いたいと考えているなら昼間の時間帯に沸き増しをするような「自動沸き上げ機能」はオフにして、なるべく日中に湯切れが起きないように湯量をコントロールしましょう。
お風呂のお湯を温めるときは高温足し湯がおすすめ
エコキュートは機種にもよりますが、お風呂のお湯を温める方法が3つあります。
特長 | |||
---|---|---|---|
追い焚き | 冷めたお湯を循環させて再び温めなおす ユーザーが自分で操作する |
||
自動保温 | 冷めたお湯を循環させて再び温めなおす 一定の温度になるように保つ |
||
高温足し湯 | 高温のお湯を足して冷めた風呂のお湯を温めなおす |
追い焚きや自動保温は冷めたお湯を循環させて、再び温めます。温める際に用いる熱は貯湯タンク内の熱を使うため、貯湯タンクユニット内部の熱が下がってしまいます。
一方、高温足し湯は貯湯タンクユニット内部のお湯をそのままお風呂に給湯するため、貯湯タンクユニット内部の温度は下がりません。そのため、追い焚きや自動保温よりも、高温足し湯の方が電気代の節約につながります。
状況に合わせて沸き上げ時間を調整する
電気料金は電力会社のプランごとに仕組みが異なります。夜間に安くなるプランといっても、午後11時~翌午前7時まで安くなる場合もあれば、東京電力エナジーパートナーのように午前1時~午前6時までというケースもあります。
エコキュートは夜間にお湯の沸き上げをおこないますが、初期設定のままだと電気料金が安い時間帯に沸かない場合があります。エコキュートを設置したら、まずは沸き上げ時間を契約している料金プランに合わせて設定を変更しましょう。
また、太陽光発電システムを導入している家庭は、FIT制度が終わったらエコキュートの沸き上げの時間を変更することを検討してみましょう。
なぜなら、卒FIT後は売電価格が下がっているため、余剰電力を消費した方が節約効果を期待できる場合があります。余剰電力を自家消費する方法の1つとして、エコキュートを昼間に沸かすという選択肢があります。
エコキュートの給湯温度を50℃に設定する
エコキュートは貯湯タンクユニットにお湯を貯めて、必要に応じて各所に給湯します。給湯の際は配管を通るため、お湯の温度は3℃前後下がると言われています。
つまり、エコキュートの給湯温度を50℃に設定しておけば、47℃前後のお湯が給湯されるようになります。
給湯温度が低すぎるとぬるく感じたり、お湯を大量に使ったりすることがあります。そのため、給湯温度を50℃に設定しておけば、電気代だけでなく、水道代の節約にもつながります。
エコキュートをお得に使用する際の注意事項
エコキュートをお得に使用する際の注意事項は次の3つです。
- 日中に湯切れを起こさないように注意する
- 昼間の消費電力を減らす
- ピークシフトプランなら変更も検討してみる
順番に解説します。
日中に湯切れを起こさないように注意する
上記でも触れましたが、エコキュート向けの料金プランは昼間料金が高い傾向があります。そのため、日中に沸き上げをするとエコキュートなのに電気代が高くなってしまいます。
エコキュートを使用するなら、日中に湯切れが起きないように湯量を常に確認し、コントロールするようにしましょう。
昼間の消費電力を減らす
エコキュートを導入し、日中に湯切れを起こさないように注意しているのに電気料金が高くなってしまう場合は、昼間の消費電力が多い可能性があります。
エコキュート向けの料金プランは昼間料金が高くなる傾向があり、昼間の消費電力が多いと電気代が増えてしまいます。次の表は、関西電力の「従量電灯A」とエコキュート向けの料金プラン「はぴeタイムR」を比較したものです。
電力量料金(1kWh) | |
---|---|
従量電灯A | 20.32円~29.29円 |
デイタイム(平日午前10時~午後5時) | 28.96円(夏季) 26.33円(その他季) |
リビングタイム (平日午前7時~午前10時・午後5時~午後11時、休日午前7時~午後11時) |
22.89円 |
ナイトタイム(毎日午後11時~翌午前7時) | 15.20円 |
「従量電灯A」は従量課金制のため、電力消費量によって1kWhあたりの電力量料金が20.32円~29.29円と変動します。一方、「はぴeタイムR」はリビングタイムが従量電灯Aの最低料金を上回っており、デイタイム(夏季)だと最高料金と1円程度の差しかありません。
つまり、エコキュート向けの料金プランは日中に家に誰かがいるような家庭だと、かえって電気料金が高くなってしまうケースがあります。
エコキュートを導入する場合は、太陽光発電システムや蓄電池を設置して日中の買電量を減らすなどの対策を考えてみましょう。
ピークシフトプランなら変更も検討してみる
ピークシフトプランとは、7月~9月を夏季、10月~6月をその他季に分けて、電気料金のシステムが異なる料金プランのことを指します。「はぴeタイムR」のように夏季の特定の時間帯の電気料金が高くなるのが特徴です。
次の表は東京電力エナジーパートナーの「ピークシフトプラン」の夏季電気料金をまとめたものです。
電力量料金(1kWh) | ||
---|---|---|
午後11時~翌午前7時(夜間料金) | 12.48円 | |
午前7時~午後1時(昼間料金) | 29.62円 | |
午後1時~午後4時(ピーク料金) | 55.78円 | |
午後4時~午後11時(昼間料金) | 29.62円 |
(※)2022年9月30日までの料金です
表にあるように、ピーク料金は夜間料金の4倍以上となっており、ピークシフトプランだと昼間の電気料金が高くなりやすいです。
現在、ピークシフトプランの新規加入は、ほとんどの電力会社で停止しています。
そのため、これからエコキュートを購入する方は関係ありませんが、2016年3月31日より前に導入してピークシフトプランに加入している方は、ピークシフトプランの切り替えを検討してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートをお得に使うための設定の解説になります。エコキュートをお得に使うためには、エコキュート向けの料金プランの夜間料金に合わせて沸き上げるように時間帯を設定することです。
最も重要なのは日中に沸き上げをおこなわないように、湯切れを起こさないことです。また、給湯温度を50℃に設定し、お湯を温めなおす際は高速たし湯にする事がポイントです。
なお、エコキュート向けの料金プランは昼間の電気料金が高くなるので、日中の消費電力量が多い方は、太陽光発電システムや蓄電池を併用する事で環境に優しくお得に利用できると思います。
「エコパパのお店」はエコキュートの知識が豊富なスタッフが在籍しております。総施工件数20,000件を突破しており、これまでに多くのお客様に喜ばれています。エコキュートに関する相談がありましたら、ぜひご連絡ください。