エコキュートを使っていないのにお湯が減る理由は?確認すべきポイントをわかりやすく解説
2023年2月7日
エコキュートは貯湯容量が少なくなると沸き増しを行います。日中に沸き増しを行うと、エコキュートを使用しているのに電気代が高くなってしまう恐れがあるので、お湯の残量には常に注意するべきです。
しかし、エコキュートを使っていないのに、リモコンユニットの貯湯容量が減ってしまう現象があります。
そこで今回は、エコキュートを使っていないのにお湯が減る理由について分かりやすく解説します。確認すべきポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートの仕組み
エコキュートは一般的なガス給湯器と違い、お湯を夜間に沸かして、日中に消費する貯湯式給湯器システムです。
エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットでお湯を沸かして、貯湯タンクユニット内でお湯を貯めておき、リモコンユニットでコントロールします。メーカーや機種によって給湯効率や搭載している機能は異なりますが、基本的な仕組みは変わりません。
エコキュートを使っていないのにお湯が減る理由
エコキュートを使っていないのに、リモコンユニットの画面上でお湯の表示が減る理由は以下の通りです。
- 貯湯タンクユニット内の湯温が下がっている
- 自動保温や追い焚きで使用している
- 自動配管洗浄で使用している
- 水漏れしている
上記の理由を順番に解説します。
貯湯タンクユニット内の湯温が下がっている
エコキュートの貯湯タンクユニット内部に貯められているお湯の温度は設定にもよりますが、70℃~90℃と非常に高温です。
エコキュートは風呂場や台所などに給湯する場合、貯湯タンクユニットの高温のお湯に水道水を混ぜて設定した給湯温度まで下げてから各所に給湯します。
90℃のお湯と水を混ぜる場合に比べて、70℃や60℃のお湯と水を混ぜる場合は、使用する湯量が増えます。
つまり、貯湯タンクユニット内部にある湯量は変わっていないのに、タンク内部の温度が下がってしまうことで使用できるお湯の量が少ないと判断して、貯湯容量が減っている表示がされたり、沸き増しを行ったりします。
エコキュートの貯湯タンクユニットは魔法瓶のように断熱材に包まれています。しかし、時間経過と共にある程度の放熱で湯温が下がり、特に冬場は外気温が大きく低下するので、お湯を消費していなくても貯湯容量が減ってしまう現象は発生しやすいです。
自動保温や追い焚きで使用している
フルオートタイプのエコキュートは自動保温や追い焚き機能が搭載されています。自動保温はお湯の温度を一定に保ち、追い焚きはお湯を循環させて風呂のお湯を温めなおすなどのメリットがあり、便利な機能です。
しかし、自動保温や追い焚き機能を使用するとお湯を消費していないのにエコキュートの貯湯容量が減る可能性があります。
例えば、自動保温は浴槽内部のお湯を循環させて温め直します。貯湯タンクユニット内部に貯めてあるお湯と混ぜるわけではありませんが、タンク内部のお湯と熱交換をして温めなおすので、湯船のお湯が温かくなれば、タンク内部のお湯の温度は下がります。
追い焚き機能も同様に、貯湯タンクユニット内部のお湯と熱交換をするので、タンク内部のお湯の温度が下がり、お湯を使用していないのにエコキュートは貯湯容量が減ったと認識します。
自動配管洗浄で使用している
エコキュートはメーカーや機種によっては自動配管洗浄機能があります。
風呂の栓を抜くときに配管内部を洗浄する機能ですが、機種によっては貯湯タンクユニット内部の高温のお湯を消費するケースがあります。例えば、パナソニックのエコキュートの自動配管洗浄機能では、貯湯タンクユニット内部のお湯を約10L使用するとなっています。
4人家族の場合、ライフスタイルや年齢によりますが1日平均450Lのお湯を使用すると言われています。
エコキュートの貯湯容量は370Lや460Lが多く、お湯と水道水を混ぜて使用するので、4人家族の一日分の湯量を賄えます。
しかし、自動配管洗浄や自動保温のように、エコキュートの機能によってはお湯が足りなくなる場合があるので注意しましょう。
水漏れしている
上記の理由とは別に、エコキュートを使用していないのに貯湯容量が減ってしまう場合は、次の箇所で水漏れしている可能性があります。
- 風呂の栓が閉まっていない
- 配管に亀裂が入っている
- エコキュートが故障している
水漏れで可能性が高いのは、風呂の栓が完全に閉まっていないケースです。風呂の栓はゴム製が多く、劣化すると栓をしていても隙間があり、お湯が抜けてしまうことがあります。
エコキュートによってはセンサーで水位を測定し、一定まで下がると自動的にたし湯を行って風呂水位を設定値に保とうとします。つまり、風呂の栓が完全に閉まっていないと、お湯を出していなくても貯湯容量が減ってしまう可能性があります。
また、エコキュートから浴槽につながる配管が劣化して亀裂が入っていると、お湯が漏れだして貯湯容量が減ります。ほかにも、エコキュート内部の基板やセンサーが故障して、貯湯容量が正確に表示されないというケースもあります。
水漏れは修理が必要なので、なるべく早めに施工業者やメーカーに点検や修理を依頼しましょう。
使用していないのにお湯が減ってしまうときに確認すべきポイント
使用していないのに、エコキュートのお湯が減ってしまうときは、原因を突き止めるために次のことを確認しましょう。
- 夏と冬で設定を変える
- 自動保温や追い焚き機能を使用しない
- エコキュートの機能を確認する
- エコキュートの点検や修理を依頼する
上記を、順番に解説します。
夏と冬で設定を変える
エコキュートの設定温度やモードは夏のシーズンと冬のシーズンで変更しましょう。
夏は外気温が高いので、お湯の沸き上げ温度が低くても問題ありません。しかし、冬は外気温が低くなるため、夏の設定温度では湯温が下がってしまい、使用していないのに貯湯容量が減ってしまう現象が起きる可能性があります。
そのため、11月~3月までは設定温度を高めにしておくと、日中にお湯の沸き直しを行うリスクが避けられます。
自動保温や追い焚き機能を使用しない
フルオートタイプのエコキュートを使用しているなら、自動保温機能をオフにすることを検討してみましょう。
自動保温機能がオンだと、センサーによって湯温をチェックして、必要に応じて浴槽内のお湯を温めなおすので、使用していなくても貯湯容量が減ります。自動保温機能をオフにしておけば、貯湯容量が減ってしまうことは防げます。
風呂のお湯が冷めてしまった場合は、追い焚きではなくたし湯がおすすめです。たし湯は浴槽内部のお湯を捨ててから、貯湯タンクユニット内部のお湯を足す機能になります。
貯湯タンクユニットのお湯をそのまま使用するので、貯湯容量が減ります。しかし、自動保温や追い焚きに比べると、たし湯の方が効率よく風呂の温度を上げることができるので、風呂の湯を温めなおしたいときに役立ちます。
エコキュートの機能を確認する
パナソニックエコキュートの自動配管洗浄のように、貯湯タンクユニット内部のお湯を使用する機能がエコキュートには搭載されています。
自動保温機能のようにオフにできる場合もありますが、できない機能もあるので、エコキュートの機能を把握することは重要です。
そのため、エコキュートを購入したら、エコキュートに搭載されている機能や使い方を確認し、効率よくお湯を使える方法を家族全員と共有しましょう。
エコキュートの点検や修理を依頼する
上記の確認すべきポイントを実践しても、貯湯容量が減ってしまう場合は、エコキュート周りで水漏れが発生している可能性が高いです。
エコキュートを購入した施工業者や、エコキュートメーカーの修理窓口に相談してみましょう。次の表は、主要なエコキュートメーカーの相談窓口をまとめたものになります。
相談窓口 | |
---|---|
パナソニック |
0120-878-554(年中無休) 03-6633-6700・0120-087-704 (上記の番号が利用できない場合) |
三菱 |
0120-139-365 (平日9時~19時、土日祝9時~17時) |
ダイキン | 0120-881-081 |
コロナ |
0120-919-302(年中無休) 0570-550-992 (上記の番号が利用できない場合) |
日立 |
0120-3121-68 (月~土9時~18時、日・祝日9時~17時) 0570-0031-68(携帯電話) |
東芝 |
0120-1048-19(全日9時~20時) 03-5365-7420(携帯電話) |
放熱ロスを考えるなら「おひさまエコキュート」がおすすめ
エコキュートは深夜にお湯を沸かして、貯湯タンクユニット内部で貯めてから、必要に応じて消費します。例えば、午前6時までに沸かしたお湯は、ライフスタイルや家族の人数にもよりますが、午後7時以降に集中的に使用されます。
つまり、一般的なエコキュートはお湯を沸かしてから消費するまでに12時間以上掛かることも珍しくなく、時期や場所によっては放熱ロスが発生しやすいです。
「おひさまエコキュート」は従来のエコキュートと違い、昼間にお湯を沸かします。日中にお湯を沸かすため、湧き上がってからお湯を大量に消費するまでの時間が短いので、放熱ロスが発生しにくいです。
また、夜間に比べて日中の方が外気温は高いので、お湯を沸かすためのエネルギーも少なく済みます。パナソニックのシミュレーションによれば、給湯にかかる光熱費が従来のエコキュートに比べて約24%も削減できます。
「おひさまエコキュート」は太陽光発電システムとの併用が前提のエコキュートで、記事執筆時点では取り扱っているメーカーや、電力会社が限定されているなどの注意点があります。
しかし、日中にお湯を沸かすことで放熱ロスが抑えられることや、従来のエコキュートよりも給湯にかかる光熱費を削減できるなどのメリットは魅力的です。
まとめ
以上が、エコキュートを使っていないのにお湯が減る理由です。エコキュートは貯湯タンクユニット内部に高温のお湯を貯めて、水と混ぜて温度を下げて給湯します。
タンク内部のお湯の温度が下がってしまうと使用する湯量が増えてしまうので、エコキュートを使用していなくても、貯湯容量が減っていると判断し、場合によっては沸き増しを日中に行おうとします。
エコキュートを使用していないのにお湯が減ってしまう場合は、冬の設定温度を上げたり、自動保温機能を停止したり、エコキュートの機能を確認したりしてみましょう。
また、古いエコキュートは保温効率が低い場合があるので買い替えをおすすめします。
「エコパパのお店」では、メーカー正規品のエコキュートを低価格で販売しています。専門知識が豊富なスタッフが対応いたしますので、エコキュートの買い替えを検討している方は、ぜひご相談ください。