エコキュートを支える「基礎」とは? 重要な役割を果たす2種類の基礎を解説!
2025年3月27日

2001年、暖房機器メーカーのコロナから世界初の「エコキュート」が発売されました。
エコキュートは電気のみをエネルギー源として稼働し、熱交換装置であるヒートポンプの作用でお湯をつくることから「家庭用ヒートポンプ給湯器」という正式名称を持っています。
エコキュートの名前自体は愛称でもあり、登録商標としては2002年に関西電力によって登録されたものです。
省エネルギーかつランニングコストにすぐれた給湯器として、同2002年に前年度分(平成13年度)の省エネ大賞・経済産業大臣賞を受賞しました。
世に登場してからまだ24年ほどと歴史の新しい電化製品ではありますが、2025年春には累計出荷台数が1,000万台を超えると見込まれるヒット商品となっています。
導入にあたっては国の事業として補助金が支給されるなど手厚い後押しがされていることもあり、今後ますますの普及が期待される給湯器です。
そんなエコキュートですが、装置全体としては大がかりで重量のある設備を設置する必要があるため、工事には土台となる「基礎」が非常に重要な役割を果たします。
本記事ではエコキュートを支える縁の下の力持ちといえる2種類の基礎を取り上げ、その概要や工事の流れ、あるいは費用などについて解説します。
エコキュートはどんな構造の給湯器?
エコキュートの基礎について触れる前に、そもそもどのような構造の給湯器であるのかをおさらいしておきましょう。
エコキュートがヒートポンプの作用を用いて電気のみで稼働することは先に述べたとおりですが、電気で動くとはいっても電気温水器や電気ポットなどのように電熱でお湯を沸かすわけではありません。
エコキュートがお湯をつくれるのはヒートポンプが持つ熱交換の作用によるもので、それには「冷媒」と呼ばれる気体が重要な働きをしています。
エコキュートのヒートポンプ内部には冷媒として二酸化炭素が循環しており、まずはこれを空気中の熱で温めます。
そして圧縮すると温度が上昇するという気体の性質を利用して圧力を加え、90℃ほどにまで冷媒の熱を高めて水に移していくことで最終的にお湯を得るというのがエコキュートの大まかな仕組みです。
水に熱を移した後の冷媒は膨張弁を通すことで逆に開放され、温度が下がるため再び空気中の熱を吸収しては圧縮・温度上昇のサイクルを繰り返します。
このような熱交換の原理は冷蔵庫や冷暖房に用いられているものと同じで、かつては冷媒にフロンが使われていましたが環境配慮から二酸化炭素を利用しているのがエコキュートの特徴の一つです。
また、エコキュートは「貯湯タンク」にお湯をためておき、これを水で割りながら分配する運用法も独特です。
エコキュートは電気料金の安い夜間の時間帯にヒートポンプを稼働させることを前提に設計されており、そのため少ないエネルギーで効率よくお湯を得ることが可能です。
そして前述したように貯湯タンクにためたお湯を無駄なく配分することから、省エネルギーと低ランニングコストの両立を可能とした給湯器となっています。
エコキュートの基礎とは?
これまで見てきたように、エコキュートは「ヒートポンプ」と「貯湯タンク」というそれぞれのユニットを含む複合的な構成の設備であり、これらは屋外に設置されるパターンが多いといえます。
ヒートポンプはちょうどエアコンの室外機をイメージするとわかりやすい外見とサイズ感ですが、貯湯タンクに関しては大きいものだと満水時に400㎏~500㎏にもなる重量級のユニットです。
このような重さを支えつつ水やお湯が配管内を正確に流れるためには水平に設置する必要があるため、しっかりとした土台が必要となります。
そうしたベースが「基礎」であり、これはエコキュートのみならずビルや住宅といった建造物全般に必要不可欠なものです。
基礎の種類
エコキュートを設置するための基礎としては、厚さが10㎝以上かつ縦横が80㎝以上のコンクリートスペースを必要とします。
逆にいうと設置箇所に軒下の犬走りや敷地に関わるコンクリ打設などがあればこれを充当することができ、新たに基礎を設ける必要がない場合もあります。
しかし専用の基礎を打つことは一般的な工事となるため、どのようなものであるのかを確認しておきましょう。
以下、2種類の基礎について解説します。
打ち基礎
エコキュートを設置するための基礎として一般的なものの一つ目は「打ち基礎」です。
これは鉄筋を組み込んだ型枠にコンクリートを流し込むことで強靭な専用土台をつくるもので、住宅の基礎とも原理的にはよく似ています。
設置場所の状況に応じて現地で施工することから「現場打ち」とも呼ばれています。
ただしコンクリートの敷設には地面を掘り下げて砕石を敷き詰め地盤を安定させたり、流し込んでから完全に硬化するまで時間がかかったりするため、大がかりな工事となるのが特徴です。
エコキュートは建築基準法で定められた規格のボルトで基礎に固定する必要があり、打ち基礎はそうしたアンカーボルトをコンクリートベース本体に打ち込めるため高い強靭性を獲得します。
また、新規の場合はエコキュートの機種に合わせていわばカスタマイズする形で専用基礎をつくるため、無駄な構造がなくすっきりと美しい外観になるメリットもあります。
特に設置するスペースに限りがある場合には空間の有効利用にも貢献する施工法といえるでしょう。
エコベース
もう一つは「エコベース」と呼ばれ、あらかじめ土台のコンクリートブロックと固定用の金具が一体化した専用ベースの既製品です。
打ち基礎に比べて設置が簡易で価格も安いため、施工時間と費用の面で大きなアドバンテージのあるアイテムです。
ただし既製品であることからサイズには制限があり、汎用性を高めてさまざまな機種を設置できるよう大きめに設計されていることが多いといえます。
そのためエコキュートを設置するためのスペースがハードルとなってエコベースを使用できなかったり、貯湯タンクは据え置けるもののエコベースはサイズオーバーになったりする事態も想定されます。
また、地盤がゆるい場所には用いることができないなどの弱点もあるため、安さと施工の早さを踏まえても一長一短といえるでしょう。
基礎工事の流れと費用の目安は?
エコキュートを設置するための2種類の基礎を見てきましたが、具体的にはそれぞれどのような手順で設置し、工事にはいくら位の費用が必要なのでしょうか。
以下に大まかな工事の流れと費用感を見ていきましょう。
打ち基礎の工事手順と費用目安
打ち基礎の工事手順は、おおむね以下の通りです。
まずは設置する貯湯タンクのサイズに合わせて、基礎を打つべきスペースの分で地面を掘り下げます。
そしてそのスペースに木枠をはめて鉄筋を組み、コンクリートを流し込むための外枠と芯を作成します。
さらに地面には砕石を敷き詰めて圧力をかけ、地盤を安定させることも不可欠な手順です。打ち基礎のコンクリートは地面の上に直接流し込むのではなく、こうした砕石を敷き詰めた上に施すのが一般的です。
いわば基礎を打つための基礎で、こうすることによってしっかりと揺るぎのない基礎を設けることが可能となります。
そしてコンクリートを流しいれて表面を平らにならし、硬化を待ちます。
ただしコンクリートが完全に固まるまでには時間がかかり、おおむね一週間ほどを目安にするのが一般的です。
打ち基礎工事の費用は3万円~5万円程度が相場とされていますが、状況によっては価格が加算されることもあり、想定よりも高額になるケースがある点に注意しましょう。
エコベースの工事手順と費用目安
エコベースの大まかな工事手順は以下の通りです。
まず、設置すべき地面に砂利を敷くかあるいはコンクリートを流し入れて地盤の安定と水平を確保します。コンクリートを用いた場合には硬化を待って作業を再開するのは周知のとおりです。
そしてエコベースのブロックをその上に設置し、枠の役割を果たすプレートを取り付けます。その後アンカーボルトを打ち込んでモルタルを流し入れ、ブロックの間にコンクリートを充填して表面をならします。
コンクリートを使う場合には固まるまでの時間が必要なことは先に述べた通りですが、エコベースは使用するタイプと施工の状況次第では一日で工事が完了する場合も珍しくありません。
エコベースにもさまざまなタイプがあり、枠のプレートをスライドさせられるものやブロックを積層していくものなど、作業工程を削減する多くの工夫が施されています。
またあらかじめ凍結防止剤を部材に含んだものもあり、寒冷地での使用にも配慮されています。
エコベースを用いた基礎工事の費用は1万円~3万円が相場とされ、打ち基礎に比べて大幅に安くなるケースもある点が大きなメリットです。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事ではエコキュートを構成する貯湯タンクなどを設置するための基礎について、一般的に用いられる2種類の概要とその工事手順、そして費用相場について解説しました。
エコキュートに限らず住宅やビルなどの建造物では地面にしっかりと建って揺るぎないことが大前提であり、そのためには適切な施工法で充分な強度が担保された基礎の存在が不可欠です。
普段は目に見えにくい部分ではありますが、文字どおり縁の下の力持ちとしてエコキュートを支えている基礎について、その役割を把握しておくことは大切なポイントといえるでしょう。
エコキュートは多くのメリットがある反面、導入における初期費用の高さがネックとなる場合が多いため、本事業のような大きな補助は普及を後押しする強力な原動力になっているといえるでしょう。
1998年に創業した「エコパパのお店」は、エコキュート設置の専門店です。
関東・関西・中部・中四国・九州の各エリアに拠点を持ち、地域に寄り添った迅速・丁寧なサービスでこれまでに20,000件以上の施工実績を有しています。
エコキュートの設置や買い替えなど、関連する設備の施工についてご検討中のことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合せくださいませ。