エコワンって何?エコキュートと比較してみよう
2023年12月15日
エコキュートと似た名前のエコワンは、省エネ性能に優れた高効率給湯器。エコキュートのライバルに当たります。ここではエコワンとエコキュートを比較して、それぞれがどんな家庭に向いているかを解説しています。
エコキュートとエコワンに共通するのは、ライフスタイルによって向く・向かないがあることです。お家にぴったりの高効率給湯機を選んで、省エネで快適な毎日をおくりましょう。
エコワン(ハイブリッド給湯システム)とは?
エコワン(ハイブリッド給湯システム)の仕組みは、ヒートポンプで作ったお湯を、ガスで加熱して供給するというものです。
価格の安い深夜電力で40〜50度のお湯を作ってタンクに貯めておき、使う間際にガス湯沸かし器で加熱することで、従来の給湯器よりも高い省エネ性を実現しています。電気とガスの両方で給湯するので、ハイブリッド給湯システムと名づけられているのです。
タイトルにある「エコワン」とはリンナイの商標です。手掛けているもう一つのメーカー、ノーリツではハイブリッド給湯システムと呼んでいますが、ここでは通りがよいことと、文字数の関係からエコワンで統一いたします。
ヒートポンプでお湯を沸かす
ヒートポンプとは、周りの空気を取り込み圧縮することで、熱を取り出す仕組みのことです。ヒートポンプを利用してお湯を沸かすといえば代表的なのはエコキュートです。料金の安い深夜電力でヒートポンプを動かしお湯を作り、タンクに貯めて利用するというものですが、同様の仕組みをエコワンも備えているのです。
ガスによる湯沸かしも可能
ヒートポンプだけでなく、ガス湯沸かし器の特徴もあわせ持つのがエコワンです。ただし、エコワンのタンク内のお湯はエコキュートほど高温ではないので、使う直前にガスでの再加熱を必要とします。
したがってエコワンを利用するなら、電気だけでなくガスも使い続けなければなりません。オール電化住宅には向きませんが、たとえばIH調理機ではなくガスでの調理が好みという方におすすめです。
耐用年数の目安はエコキュート同様10年
エコワンの寿命は10年程と考えて良いでしょう。主な理由は、メーカーが修理用の部品を保有しているのが、製品が廃番になってから10年程だからです。10年を過ぎると部品がなくて修理ができないということが起こり得る為、注意しましょう。
また、エコワンを手掛けるリンナイやノーリツのメーカー保証は2年間です。期間内に起こった自然故障なら無償で修理できますが、不適切な使い方をした場合や、地震や落雷など天災が原因で故障した場合は、メーカー保証の対象外となります。
導入費用はエコキュートよりやや高め
エコワンの導入費用は本体価格と工事費の合計で60〜80万円、エコキュートは40〜70万円なので、エコワンのほうがやや高めといえます。
理由は、電気のみで湯沸かしするエコキュートに対して、エコワンはガスでも湯沸かし出来るためです。ガスが停止されている場合は電気で、停電中はガスでも湯沸かしが出来るという利点の分だけ、費用が高くなると考えましょう。
エコワンの本体価格に幅があるのは、お湯を貯めておくタンクの容量が大きくなるほど価格が高くなるからです。お湯の使用量が多いお家ほど大容量のタンクがおすすめなのは、エコキュートと同様になります。
エコキュートよりエコワンが向いているケース
エコワンとエコキュートはヒートポンプでお湯を沸かすという点では同じですが、使用時にガスで加熱するかどうかが違います。
ならば、エコワンが向いているのはどんなお家でしょうか。簡単にいうなら、お湯を大量に使うお家です。
お湯切れが心配という方
タンクに貯められたお湯を使い切っても、ガス湯沸かしに切り替えられるのがエコワンの特徴です。お湯が切れることがないので、安心して大量にお湯を使えますが、エコキュートはそうはいきません。タンク内のお湯を使い切ると、水しか出なくなってしまいます。
エコキュートのお湯切れが心配なら、あらかじめ多めに貯湯するよう「沸き増し」しておくとよいでしょう。お湯を多く使った場合、自動でお湯を足してくれる機能も利用できますが、利用しすぎると電気代が高くなってしまうので注意が必要です。
温水暖房に魅力を感じている
温水による床暖房やパネルヒーターなどを使いたい方は、エコワンの導入をおすすめします。温水暖房は熱源が屋外にあり室内の空気を汚さない、熱源に触れる可能性が低いので安全性が高いなどのメリットがあります。
大量にお湯を沸かすケースに強いのがエコワンです。エコキュートよりも光熱費が安くなるかもしれません。
とはいえ、リフォームで温水暖房を導入するには大規模な工事が必要ですし、より温水暖房に強いダブルハイブリッドタイプのエコワンは、新築でしか導入できないのがデメリットです。
都市ガスが引かれているエリア
エコワンのメリットが出やすいのは、ガス代が安い都市ガスが使えるお家です。プロパンガス(LPガス)しか使えないエリアでエコワンを使うと、ガス代が高いのでメリットが出にくくなります。
たとえば温水暖房を使うケースでも、エコキュートより光熱費が安くなりやすいのは、都市ガスを利用できるお家です。
とはいえエコワンやエコキュートの導入で光熱費がどれくらい安くなるかは、各家庭のお湯の使い方によります。導入前にはシミュレーションを試すなど慎重さが必要です。
大家族でお湯をたくさん使う
お湯切れの心配がないことと、大量のお湯を使うのに向いていることから、大家族でお湯をたくさん使うお家にはエコワンが向いているかもしれません。
エコワンを手掛けるリンナイによると、家族が4人以上いてお風呂やシャワーを頻繁に使う場合だと、メリットが大きくなるだろうとのことですが、これも都市ガスが利用できるなど使用条件によります。4人以上の家族なら必ずエコワンがお得になるわけではないので注意してください。
オール電化は災害時に不安という方
光熱費が安くなると評判のオール電化住宅が人気です。エコキュートやIHクッキングヒーターを導入して、オール電化住宅へのリフォームを考えている方も多いでしょう。
しかし、ライフラインを電気に一本化することに不安を感じる方もいるものです。オール電化住宅は、災害時など電気の供給がストップすると、お湯すら沸かせなくなってしまうのです。
エコワンの導入を検討しているのは、もしもの時にそなえて電気とガスの両方を使い続けたいという方かもしれません。ガスでも電気でもお湯を沸かせるエコワンは、どちらかのライフラインが生きていれば給湯が可能です。
エコキュートの水圧の低さが気になる方?
ガス給湯器など従来のものより、水圧が低くなりがちなのがエコキュートです。シャワーを使った場合に爽快感がないというデメリットを感じる方もいます。エコワンも水道直圧式給湯器より水圧は低くなってしまいますが、約400kpa程度と平均的なエコキュートよりも高い水圧を備えています。
とはいえ、エコキュートの水圧の低さが気になるかどうかは人それぞれですし、シャワーヘッドを低水圧用に交換するなどの対策も可能です。
近年では爽快感のあるシャワーが楽しめる高圧仕様のエコキュートも登場しており、旧タイプのエコキュートにあった水圧の低さによる問題は、現在はほぼ改善されていると考えてよいでしょう。
エコワンよりエコキュートが向いているケース
上で見てきたケースに当てはまらない方なら、エコワンよりエコキュートがおすすめです。
たとえば、少しでも安く高効率給湯機を導入したいと考えている方など、エコキュートを購入した方がよいケースは多数あります。それでは、具体的に見ていきましょう。
導入費用をエコワンより抑えたい方
エコキュートの導入費用がエコワンより安いのは、すでに見た通りです。光熱費を安くしたいけど、導入費用が高いのは困るという方にエコキュートはおすすめです。
エコキュートとエコワン、そしてエネファームの3つは高効率給湯機と呼ばれています。従来型の給湯機より少ないエネルギーで給湯できるのが特徴ですが、それらの中で最も安いのがエコキュート。これまで900万台以上も販売されているのには理由があるのです。
お湯の消費量が標準的な家庭
温水暖房は使わない、家族はそう多くはないなど、お湯をそれほど使わないお家にはエコキュートがおすすめです。エコワンのメリットはお湯をたくさん使った場合に光熱費がかからないところと湯切れの心配がないところですが、両方の心配がないならエコキュートを検討すればよいでしょう。
とはいえ、エコキュートがエコワンよりマッチしているかどうかは、お湯の使い方などそれぞれのお家の事情を考慮しなければ判断できません。販売・取付業者に相談する、シミュレーションをおこなうなど慎重に検討しましょう。
都市ガスが引かれていないエリア
残念ながらエコワンは、プロパンガス代の高さに悩まされている方にはおすすめできません。効率がよいとはいえ、プロパンガスを使うことがその理由です。
プロパンガスの場合、そもそものランニングコストが高いめ、エコワンでの節約効果にも限界があります。
エコワンのメリットが発揮されるケースのほとんどは、都市ガスが引かれているエリアでのことなのです。
プロパンガスを使っている方は、ガスを一切使わない、エコキュートに入れ替えてしまいましょう。
エコキュートであれば電気だけで動くため、プロパンガスのランニングコストの高さから脱却出来ます。
オール電化に魅力を感じている方
お得な電力プランを利用できる、火を使わないので安全性が高いなど、オール電化住宅に魅力を感じているならエコワンを選ぶ理由はありません。IH調理器とあわせてエコキュートを導入して、安全で快適なオール電化住宅へリフォームするのがおすすめです。
太陽光発電システムと好相性
「おひさまエコキュート」の登場で、太陽光発電システムとの相性がよくなりました。最大の特徴は太陽光で作った電気でお湯を沸かせるところ。割高な時間帯の電力は使わないことはもちろん深夜電力すらも用いないので、従来よりもさらに光熱費がかからなくなりました。
太陽光発電システムの導入も検討しているなら、おひさまエコキュートもあわせて導入することをおすすめします。
最新型のエコキュートはこんなにすごい!
おひさまエコキュートで太陽光発電システムとの相性がよくなった以外にも、最新型のエコキュートには見るべき点があります。中でも注目したいのは、アプリで遠隔操作ができるところと、さらに省エネ性能が高まったところでしょう。
アプリで遠隔操作が可能
アプリで遠隔操作可能といえば、以前はエコワンだけの特徴でした。しかし、新型の登場とともに、エコワンに負けない機能を追加していったのがエコキュートです。今ではアプリを操作してのお湯張りや設定などもできてしまいます。
初期型のエコキュートを使っている方は、最新型に使われている技術の進歩ぶりに驚くに違いありません。
従来型より省エネルギー
新型のエコキュートは省エネ性能で大きな進歩を遂げています。たとえば効率よくお湯を沸かせるようになり、旧型とくらべて年間の電気代が7,000円ほどお得になるというのです。
エコワンとエコキュートで迷っている方は、エコキュートの省エネ性能もさらにアップしていることを踏まえて検討してください。
まとめ
エコワンがおすすめのお家は温水暖房を使いたい、大家族でお湯を大量に使う、電気とガスの両方を使い続けたいといったケースに限られます。これらに魅力を感じており、都市ガスが引かれているエリアにお家があるなら、エコワンは検討するに値するでしょう。
一方でエコキュートがおすすめなのは、高効率給湯機を少しでも安く導入したいお家です。最新型のエコキュートなら機能もエコワンに見劣りしなくなり、さらに省エネルギーになりました。
条件に当てはまれば真価を発揮するのがエコワンですが、大多数のお家におすすめできるのがエコキュートです。ご興味のある方は「エコパパのお店」までお問い合わせください。
「エコパパのお店」では経験・知識が豊富なスタッフがエコキュートのご案内をしています。メーカー正規品を他店に負けない低価格で販売しておりますので、新型のエコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。