エネファームが普及しない理由とは?エコキュートと比較してみよう!
2023年12月15日
2023年の夏に販売台数が900万台を突破したのがエコキュート、対してエネファームは50万台しか普及していません。なぜエネファームは普及していないのでしょうか。
ここではエネファームが普及していない理由をエコキュートとの比較で解説していきます。
両者を比較すると、最初にエネファームの導入費用の高さが目につくことでしょう。
なぜ、エネファームがエコキュートと比べて大幅に高いのか?それは、エネファームがエコキュートのように単なる給湯機ではないからです。
エネファームは給湯もできる発電機
エネファームの正式名称は「家庭用燃料電池コージェネレーションシステム」です。
「燃料電池」とは、水素と酸素を化学反応させて電気を作り出す発電装置のことです。
また、「コージェネレーション」とは、発電時に発生する熱を回収して利用することです。
エネファームは都市ガスやプロパンガスから取り出した水素を、空気中の酸素と反応させることで発電しているのですが、その際に発生する熱で給湯もおこなっているのです。つまり、エネファームは給湯もできる発電機と考えるべきでしょう。
注意点は、燃料電池は「電池」といえど、家庭用蓄電池のように電気はためられないところです。水素と酸素さえあれば水の電気分解と逆の原理で、電気を作り続けるのがエネファームですが、電気をためておく機能はないので注意してください。
エネファームのメリット
エネファームのメリットは主に「光熱費が節約できる」「停電時でも電気が使える」「補助金・助成金制度が使える」「環境にやさしい」の4点です。
それぞれをくわしく解説していきますが、エネファームのメリットの一部は、エコキュートでも得られるところに注意してください。導入を検討しているなら「エネファームにしかない」メリットを意識しながら読み進めましょう。
光熱費が節約できる
エネファームで作った電気は、家庭での使用に回せるので、光熱費の削減につながります。
とはいえ、ガスで発電するのがエネファームです。ガスの使用量は増えますし、エネファーム向きのプランをガス会社が用意しているとはいえ、光熱費が劇的に安くなるわけではありません。
使用条件により差が出るので一概にはいえないものの、節約できる光熱費は、同じ高効率給湯機であるエコキュートやエコワン(ハイブリッド給湯システム)と同じくらいと考えましょう。
停電時でも電気が使える
最新型のエネファーム(アイシン「エネファーム・type S」)なら、停電時でも電気が使えます。ガスさえ供給されていれば、700Wまでの電気を使い続けられるのです。
一方、エコキュートは電気の供給が止まると運転できません。オール電化住宅ならお湯の供給が止まるだけでなく、IH調理機も動かなくなるので、停電は大きなピンチといえるでしょう。
停電時の安心感の大きさは、エネファームの大きなメリットです。
補助金・助成金制度が使える
エネファーム、エコキュート、エコワンの3種類は、従来の給湯器とくらべて、少ないエネルギーでお湯を沸かせるので高効率給湯器と呼ばれており、国や地方自治体は導入に補助金・助成金を用意しています。
エネファームの補助金・助成金は、エコキュートやエコワンとくらべて高額なことが多いのは、うれしいポイントです。
とはいえ、補助金・助成金が高額な分、導入費用も高額なのがエネファームです。導入の前には、エコキュートなどと十分な比較検討が必要でしょう。
環境にやさしい
発電と給湯を同時におこなうエネファームは、環境にやさしい存在です。効率が良いとはいえ、エコキュートは電気、エコワンはガスを使う一方で、エネファームは発電の余熱で給湯するのです。環境負荷の軽さでは、エネファームに大きなメリットがあるといえそうです。
ただ光熱費を削減するだけでなく環境負荷も減らしたいという方に、エネファームはおすすめといえるでしょう。
エネファームのデメリット
エネファームのデメリットは主に「導入費用が高い」「設置スペースが必要」「売電には確認が必要」「メンテナンスコストがかかる」の4点です。
それぞれをくわしく解説していきますが、中でも大きなデメリットは導入費用の高さでしょう。
導入費用が高い
エネファームの導入費用は100〜200万円ほど、機種によっては250万円を超えてしまいます。エコキュートの導入費用、40〜70万円ほどとくらべると、エネファームの導入費用の高さが際立ちます。
エネファームやエコキュートを導入する目的が、光熱費の削減とお湯を沸かすだけなら、両者の差額は到底埋められそうもありません。エネファームは給湯できるだけでなく、いざというときに頼れる発電機、エコキュートとは導入目的が違うと考えましょう。
設置スペースが必要
燃料電池とバックアップ熱源機という、2つの装置で構成されるのがエネファームです。新型が出るたびに改善されつつあるとはいえ、それでも大型のエコキュートと同じぐらいの設置スペースが必要です。
ガス給湯器からエネファームへの入れ替えを考えている方は、設置スペースに頭を悩ませることになるはず。エコキュートと同様に、エネファームも一戸建て向きといえるでしょう。
売電には確認が必要
エネファームは発電機ですが、あまった電気を買い取ってもらえるかはガス会社によります。必ず買い取ってもらえるわけではないので確認が必要ですし、エネファームで作った電気を買い取ってもらえても、利益が出るかは疑問なので注意が必要です。
理由はエネファームで電気を作るには、ガス代がかかるから。売電で得られる収入がガス代を上回ることは、エネファーム用のガス料金プランに加入していても難しいからです。
エネファームでの発電は、家庭で消費する分の一部を満たすもの。もしくは、停電時に安心感を得るものと考えた方がよさそうです。
メンテナンスコストがかかる
エネファームの寿命は一部で20年といわれています。一方のエコキュートの寿命は10年といわれていますので耳寄りな情報のようですが、実際はそうではありません。
理由はエネファームを10年を超えて使うには、1回10万円〜というメンテナンス費用が必要だから。高額なメンテナンス費用がかかる上に故障も増えるので、使用が10年を超えた時点で、エコキュートなどに買い替えを検討する方も多いものです。
エネファームの20年という寿命を鵜のみにせず、導入前にはエコキュートなどとの比較をおこないましょう。
エコキュートは高効率給湯機
エコキュートが効率よくお湯を沸かせる理由は、空気を圧縮して熱を取り出して給湯に利用するヒートポンプを搭載しているからです。
あわせて、ヒートポンプを動かすのは安価な深夜電力。給湯にガスは使わなくなりますし、従来の電気温水器よりも光熱費を削減できるのです。
しかし、エコキュートは高効率ではありますが、お湯を沸かすことしかできず、エネファームのように発電はできません。高効率での給湯に特化しているのがエコキュートです。
エネファームと比較したエコキュートのメリット
エコキュートのメリットは「光熱費が節約できる」「導入費用が安い」「補助金制度が使える」「環境にやさしい」「メンテナンスコストがかからない」の5点です。
それでは、それぞれをくわしく解説していきましょう。
光熱費が節約できる
電気温水器が電気ヒーターを用いるかわりに、ヒートポンプで効率よく水を温めるのがエコキュートです。あわせて使うのは割安な深夜電力なので、その分、電気代の節約が見込めます。
また従来のガス給湯器よりも給湯の効率がよいので、ガス代のかわりに電気代がかかるとはいえ、トータルで光熱費の節約が出来ます。
使用条件により差が出るので一概には言えませんが、光熱費節約という点において高効率給湯器の中でも最もコストパフォーマンスに優れるといえるでしょう。
導入費用が安い
エコキュートの導入費用は40〜70万円と、決して安くはありませんが、エネファームの100〜200万円と比較すると手ごろです。もう一つの高効率給湯器、エコワン(ハイブリッド給湯器)の60〜80万円とくらべても、やはりエコキュートの導入費用の安さが際立ちます。
エコキュートの普及台数は約900万台で、3種類の高効率給湯器のうち最も売れていますが、その大きな理由は導入費用の安さでしょう。
補助金・助成金制度が使える
エコキュートにもエネファームと同様に、導入には国や地方自治体が補助金・助成金を用意しています。エネファームの場合とくらべると、総じて金額が低めなのは残念ですが、それぞれの導入費用に占める補助金・助成金の割合で考えると、エコキュートのほうがお得感があります。
補助金・助成金の注意点は、申請のタイミングやお住まいの地域によって、用意されていないこともあることです。これらの制度にくわしい販売・取付業者と相談しながら、お得にエコキュートを導入するとよいでしょう。
メンテナンスコストがかからない
高額なメンテナンスコストがかかるエネファームと違い、メンテナンスコストがかからないのがエコキュートのメリットですが、まったく故障しないわけではありません。
メーカー保証はありますが期間は1〜5年なので、寿命とされる10年間安心して使い続けるなら、販売・取付業者独自の保証が頼りになるでしょう。たとえば「エコパパのお店」の「NICE保証」の保証期間は10年間、故障や不具合が発生しても、回数無制限で無償で修理してもらえます。
エコキュートを安心して寿命まで使い続けるなら、延長保証がある販売・取付業者を選びましょう。
エネファームと比較したエコキュートのデメリット
エコキュートとエネファームそれぞれのメリットに注目すると、エコキュートの人気ぶりがうなずけますが、すべての面で、エコキュートがエネファームに勝っているわけではありません。
「発電できない」「環境にエネファームほどやさしくはない」「お湯切れが起こる」の3点が、エネファームと比較した場合のエコキュートのデメリットです。
発電できない
エネファームは発電中に停電する、という条件を満たす事が必要とはいえ、停電時でも電気を使う事ができます。しかし、エコキュートが停電時に出来ることは限られてきます。。タンクにお湯が残っていれば、そのお湯を生活用水として使用することができますが、新たにお湯を沸かすことは出来ません。停電時の安心感が必要ならエネファームを選ぶか、エコキュートとあわせて家庭用蓄電池の導入をおすすめします。
エネファームは給湯もできる発電機ですがエコキュートは単なる給湯器、製品の性格が異なるのです。
環境にエネファームほどやさしくはない
エネルギーの消費量が少ないエコキュートは、環境にやさしい給湯器といえますが、エネファームと比較すると見劣りします。理由は従来の給湯器と同様に、電力会社から購入した電気でお湯を沸かしているから。電力会社はCO2を出しながら、発電しているからです。エネファームはガスから電気を作ったり、お湯を沸かしたりするのにCO2を出さないのです。
環境へのやさしさを最重視するならエネファームを選ぶか、太陽光発電システムと連携できる「おひさまエコキュート」の導入を検討してください。
お湯切れが起こる
貯湯タンクのお湯を使い切ると、お湯が出なくなるのはエコキュートのデメリットです。エネファームもエコキュートと同じ貯湯式ですが、ガス瞬間湯沸かし器と同じ仕組みをあわせもつので湯切れの心配はありません。
とはいえ近年のエコキュートは、使ったお湯の量を学習して適量を沸かす機能を搭載しており、湯切れの心配はそれほどでもなくなりました。また、普段より多くのお湯の使用が予想される日は、多めにお湯を沸かしておく方法もあります。エコキュートに搭載されている機能をうまく利用してください。
まとめ
エネファームがエコキュートほど普及していない最大の理由は導入コストです、エコキュートが40〜70万円に対してエネファームは100〜200万円、助金・助成金が手厚いとはいえ、両者の差は、そのまま販売台数の差にあらわれています。
しかし、エコキュートにはない特徴を持っているのがエネファーム、中でも発電できるのはエネファームならでは。単なる高効率給湯器として両者を比較するのは考えものです。
高効率給湯器への入れ替えを考えている方におすすめはエコキュート、停電時の安心感を得たい方や、より環境にやさしい給湯機を探している方におすすめなのがエネファームといえるでしょう。
「エコパパのお店」では知識と経験が豊富なスタッフがお客様のライフスタイルにあったエコキュートをご案内しています。
給湯器の交換、新設をご検討の方は、ぜひ一度お問い合わせ下さい。