オール電化を止めたい理由は?オール電化のメリットやデメリットを交えつつ解説
2023年3月13日
オール電化の普及率は年々上昇傾向にあり、2030年までには5軒に1軒はオール電化住宅になると言われています。一方で、オール電化を止めたいと考える人は少なくありません。
そこで今回は、オール電化を止めたい理由について解説します。オール電化のメリットやデメリットを交えつつ、オール電化を止める方法も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
オール電化とは?
オール電化とは、一般的な住宅における調理や給湯、冷暖房などに必要なエネルギーをすべて電気で賄うことです。
料理や給湯の時にガスを一切使用しない住宅で、ガス給湯器はエコキュートや電気温水器、ガスコンロはIHクッキングヒーターなどに交換します。
ガスを一切使用しない住宅のため、ガス会社と契約をする必要が無く、月々の光熱費は電気代が大きな割合を占めます。
オール電化のメリットとデメリット
オール電化のメリットとデメリットは以下の通りです。
オール電化 | |
---|---|
メリット |
光熱費の管理がしやすくなる 光熱費の節約につながる ガスを使わないので安全 IHクッキングヒーターやエコキュートを利用できる |
デメリット |
光熱費が節約できるとは限らない 初期費用やリフォーム費用が高い IHクッキングヒーターやエコキュートにはデメリットもある |
オール電化にしたことで光熱費の管理がしやすくなり、節約につながる可能性はあります。しかし、すべてのケースで光熱費が節約できるとは限りません。
また、IHクッキングヒーターやエコキュートはガスコンロやガス給湯器に比べて初期費用やリフォーム費用が高く、デメリットもあります。そのため、オール電化にしたい場合は、メリットとデメリットを比較しておくことが重要です。
次の記事で、オール電化のメリットとデメリットを詳しくまとめてあるので、気になる方は参考にしてください。
オール電化を止めたい理由は?
オール電化を止めたい主な理由は以下の通りです。
- 光熱費が下がりにくい
- 停電の時に住宅設備が使用できない
- 快適に過ごしにくい
- 住宅設備の修理費用や交換費用が高い
上記の理由を順番に解説します。
光熱費が下がりにくい
オール電化のメリットとしてよく挙げられるのが、「光熱費を一本化できる」、「ガス料金の分を節約できる」などです。確かに、オール電化に切り替えればガスが不要になり、給湯や調理などのエネルギーが電気に集約されるので、光熱費を一本化できます。
ガスの基本料金を支払う必要が無く、ガス給湯器からエコキュートに交換したことでランニングコストを大幅に節約できる可能性はあります。次の表は、エコキュートとガス給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストはエコキュートの性能や家族の人数、ライフスタイルによって異なりますが、中部電力エリアでガス給湯器からエコキュートに交換すれば、年間約63,600円の節約が見込めます。
しかし、オール電化にしても光熱費が必ず下がるとは限りません。
エコキュートのお湯を沸かすためのランニングコストが安くなる理由は、エコキュートが空気の熱を利用してお湯を沸かしていることと、深夜の電気料金が安いプランに変更しているからです。
例えば、中部電力ミライズではオール電化向け料金プランとして「スマートライフプラン」を提供しています。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 契約容量10kVAまで | 1契約 | 1,487.04円 |
契約容量10kVAをこえる場合 | 1kVA | 286.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWh | 38.71円 |
@ホームタイム | 28.52円 | ||
ナイトタイム | 16.30円 |
エコキュートは電力量料金が安くなる深夜にお湯を沸かす給湯器のため、ガス給湯器からエコキュートに交換することで大幅にランニングコストを節約できます。
しかし、「スマートライフプラン」のように、オール電化向け料金プランは日中の電力量料金が割高な傾向があります。そのため、日中の電力消費量が多い家庭では、オール電化にしたことで電気料金が下がりにくい、あるいは高額になってしまうケースはあります。
停電の時に住宅設備が使用できない
オール電化を止めたい理由として、「停電の時に住宅設備が使用できなくなる」こともあります。
オール電化は調理や給湯のみならず、照明や暖房でも電気を必要とします。そのため、停電が起きてしまうとキッチンや風呂だけでなく、エアコンや床暖房なども利用できません。
寒さが厳しい地域に住んでいる場合、暖房が使用できなくなると生命に関わる問題なので、電気以外の暖房設備の導入やオール電化を止めるなどの対策を考えてみましょう。
快適に過ごしにくい
オール電化にしたことで「快適に過ごしにくくなった」という声も少なくありません。
例えば、ガス給湯器からエコキュートに交換すると、次のようなデメリットが発生します。
- エコキュートは貯湯式給湯器なので湯切れのリスクがある
- シャワーの勢いが弱くなる
エコキュートは深夜にお湯を沸かして、貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。ガス給湯器と違って、お湯を使いすぎてしまうと湯切れのリスクがあります。
湯切れになると、お湯が沸くまでお湯を使うことができません。エコキュートはガスに比べるとお湯を沸かすまでの時間が長く、日中にお湯を沸かす場合、電気料金が割高になるのでランニングコストが余分にかかってしまうなどのデメリットがあります。
また、貯湯式給湯器はお湯を貯めておく時に減圧するので、エコキュートは機種にもよりますがガス給湯器に比べて水圧が弱いです。
他にも、IHクッキングヒーターにしたことで調理用具を買い替えることになった、電気では暖房の効きが弱いなどのデメリットが指摘されています。
以上の理由により、オール電化にしたことで過ごしにくくなったと感じて、オール電化をやめようとする人はいます。
住宅設備の修理費用や交換費用が高い
オール電化を止めたい理由として、「住宅設備の修理費用や交換費用が高い」ことも挙げられます。
例えば、エコキュートの修理費用は修理箇所にもよりますが、約15,000円~約200,000円となっており、寿命は10年~15年です。
寿命を迎えると給湯効率が下がる、あるいはお湯が沸かなくなるため買い替えを行いますが、工事費を含めた相場が400,000円~700,000円と高額な傾向があります。一方で、ガス給湯器は種類にもよりますが100,000円~200,000円で購入できます。
省エネ性能の高い住宅機器には補助金が交付されますが、タイミングや条件によっては利用できない可能性があります。そのため、オール電化にする時は、将来的な予算をシミュレーションしておくと良いです。
オール電化を止める方法は?
オール電化を止める方法は、住宅機器のいずれかをガスが必要な製品に交換して、ガス会社と契約を結びなおすことです。なお、すべての製品を一度に交換する必要ありません。不要だと思った住宅機器だけを段階的に交換していきましょう。
例えば、給湯をガスに切り替えたい場合はガス給湯器やエコジョーズなどを購入して、エコキュートと交換します。給湯器の大きさや性能によって費用は異なりますが、相場は100,000円~200,000円程度です。
調理をガスに切り替えたい場合は、コンロをIHクッキングヒーターからガスコンロに交換します。コンロの口数や機能によって費用は異なりますが、相場は50,000円~200,000円程度です。
給湯や調理、暖房などで必要な機器と交換して、ガス会社と契約を結べばオール電化を止めることができます。ただし、オール電化を止める場合、新築戸建住宅と集合住宅では別の注意点があるので、順番に解説します。
新築戸建住宅
新築戸建住宅で最初からオール電化の場合、住宅にガスを運ぶ配管がない可能性があります。そのため、新築戸建住宅でオール電化を止めると、ガスの引込工事が必要になる可能性が高いです。
都市ガスの場合、近くのガス本管から宅内へと配管敷設工事が必要になりますが、工事の際に敷地を掘削し、場合によっては塀やフェンスを撤去します。大掛かりな工事となり、規模によっては工事費用が高額になる恐れがあります。
一方で、プロパンガスはガスボンベを運搬して設置するだけなので、都市ガスに比べて工事が小規模かつ短期間で終わります。新築戸建住宅でオール電化を止める場合は、状況や予算に合った方法を選択しましょう。
共同住宅
共同住宅によっては、入居した時からオール電化住宅になっている場合があります。
リフォームによってオール電化に切り替えているなら、ガス管が引き込まれている可能性があるので、住宅機器を交換してガス会社に連絡すれば、オール電化を止めることができます。
一方で、ガス管が引き込まれていない場合は、管理組合や管理会社にオール電化を止めたいことを相談して、工事を行う許可が必要になります。
また、共同住宅によっては、エコキュートやIHクッキングヒーターをガスに切り替えることができない契約を結んでいる場合もあります。
そのため、共同住宅でオール電化を止めたい場合は、管理組合や管理業者に相談することから始めましょう。
まとめ
以上が、オール電化を止めたい理由の解説です。オール電化はメリットだけでなくデメリットもあり、人によってはデメリットのほうが大きくなる可能性があります。
オール電化にしたことで光熱費が高くなる、IHクッキングヒーターやエコキュートなどが使いづらいと感じたら、オール電化を止めることも検討してみましょう。
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