マイクロバブルを搭載しているエコキュートは?三菱・ダイキン・日立の特徴を分かりやすく解説
2022年11月30日
マイクロバブルを搭載したエコキュートがあれば、お風呂の時間が快適になります。ただし、機能を搭載したエコキュートを扱っているメーカーは限られています。
そこで今回はマイクロバブルを搭載したエコキュートメーカーの特徴を解説します。マイクロバブル以外の機能も紹介していますので、選ぶ際の参考にしてください。
マイクロバブルを搭載しているエコキュート
マイクロバブルは肌にぶつかったときに弾けた衝撃で毛穴の老廃物や微小なごみを取り除くことができます。ただし、メーカーや機種によっては機能が搭載されていません。
エコキュートの主要メーカーで搭載しているのは以下の通りです。
- 三菱
- ダイキン
- 日立
名称はメーカーごとに異なりますが、「直径1~100μm(マイクロメートル)以下の気泡により温浴効果や美肌効果を得られる」という基本的なメリットは同じです。メーカーごとの機能名や効果について順番に解説します。
三菱のマイクロバブルとは?
三菱エコキュートでは、「ホットあわー」というマイクロバブルをオプションで設置可能です。入浴中にボタンを押せば、微細な泡に全身が包まれ、温浴効果を期待できます。
公式サイトの調査結果によれば、「ホットあわー」により湯上り後の肌に含まれる水分量が1.6倍にアップすることが証明されています。また、ホットあわーと花王の入浴剤「バブ(白濁タイプを除く)」を併用すると、長時間入浴剤の香りを楽しむことが可能です。
三菱の「ホットあわー」の注意点
三菱の「ホットあわー」は最上位モデルPシリーズ限定の機能です。そのため、「ホットあわー」を体験したい方はPシリーズのエコキュートを購入しましょう。
また、「ホットあわー」はオプション品で、エコキュートだけでなく専用の別売り部品が必要になります。
「ホットあわー」以外のバブル機能
三菱のPシリーズと、スタンダードモデルSシリーズでは、泡による「バブルお掃除機能」を搭載しています。
お風呂の栓を抜くと、洗浄効果に優れた泡を含んだお湯の循環運転が自動的にスタートし、ふろ配管や熱交換器内に付着した皮脂汚れを洗浄しながら排水溝へ流れていきます。
循環洗浄後は泡を含んだ水流により徹底洗浄を行うので、配管内に残った汚れも洗い流されます。
「バブルお掃除機能」はオプション品が不要で、PシリーズだけでなくSシリーズにも搭載されている機能のため、配管内部の掃除の手間を減らしたい方は検討してみましょう。
ダイキンのマイクロバブルとは?
ダイキンでは、フルオートタイプのエコキュートに「ウルトラファインバブル入浴」という機能をオプションで取り付けられます。
ウルトラファインバブル機能は下記の3つの効果を期待できます。
概要 | |
---|---|
温浴効果 | 微細な泡が全身を包み込み、身体の芯まで温める 入浴後も湯冷めしにくくなる |
美肌効果 | 微細な泡が角質層にまで水分を浸透させる 優しく洗いながら、肌にうるおい効果を与える |
洗浄効果 | 洗浄効果が高く、皮膚のしわまでスッキリとする 残り湯を洗濯に使うこともおすすめ |
マイクロバブルは直径1~100μm(マイクロメートル)以下の気泡を指しますが、ダイキンのウルトラファインバブルは1μm未満の泡のことです。泡の洗浄力は大きさに反比例するため、マイクロバブルよりも小さいウルトラファインバブルの効果は高いと言えます。
ダイキンの「ウルトラファインバブル入浴」の注意点
ダイキンの「ウルトラファインバブル入浴」はオプション品で、フルオートタイプのエコキュートのみ取り付けることが可能です。
エコキュートはフルオートタイプ以外に、給湯方法が異なるオートタイプと給湯専用タイプがあり、それぞれ次のような違いがあります。
概要 | |
---|---|
フルオートタイプ | ボタン1つでお湯はりから保温、たし湯などが自動で行える 追い焚き機能が付いている |
オートタイプ | お湯はりを自動でストップできる たし湯や高温たし湯がボタン操作で可能 |
給湯専用タイプ | 給湯のみ可能なタイプ |
ダイキンの「ウルトラファインバブル入浴」を楽しみたい方は、フルオートタイプの商品を選び、オプション品を購入するようにしましょう。
日立のマイクロバブルは?
日立のフルオートタイプのエコキュートは、「シルキー快泡浴」という機能をオプションで付けられます。なお、日立では泡の直径1μm未満のウルトラファインバブルと直径1~100μmのマイクロバブルを総称してファインバブルと呼びます。
直径が異なる2種類の泡と噴き出すお湯の流れにより、肌表面が効率的に温まりやすくなり、温浴効果や美肌効果を得られます。公式サイトの発表でも、通常の入浴よりも「シルキー快泡浴」のほうが、湯上り後の体温が下がりにくいことが証明されています。
日立の「シルキー快泡浴」の注意点
日立の「シルキー快泡浴」もフルオートタイプのエコキュートのみオプションで付けられる機能となっています。そのため、「シルキー快泡浴」を試したい方は、フルオートタイプのエコキュートで、別売りの標準アダプターを購入しましょう。
エコキュートで迷ったらマイクロバブル以外の機能を比較してみる
三菱、ダイキン、日立のマイクロバブルは、泡の大きさやアダプターの種類など多少の違いはありますが、次のような基本的なメリットは変わりません。
- 温浴効果や美肌効果、洗浄効果を期待できる
- 泡が蓋の代わりになってある程度の保温効果を期待できる
そのため、エコキュートを選ぶときに迷ったら、マイクロバブル以外の機能や性能を比較してみましょう。三菱、ダイキン、日立でマイクロバブルを使用できるエコキュートの特徴を順番に解説します。
マイクロバブルを使用できる三菱エコキュートの特徴
三菱エコキュートでマイクロバブルを使用できるのは、Pシリーズのみです。Pシリーズは最上位モデルのため、「ホットあわー」以外に次のような機能を搭載しています。
概要 | |
---|---|
ダブルフルオート追いだき | 湯はりから保温、たし湯までフルオートで行える マイルド追いだきや急速追いだきなど、状況に合った追いだき方法がある |
キラリユキープ | ふろ配管を通るお湯に深紫外線を照査して綺麗にする機能 残り湯のニオイやぬめりを抑えることができる |
バブルおそうじ | マイクロバブルによりふろ配管内部の皮脂汚れを掃除する機能 ふろ配管の掃除を行う手間を減らせる |
ホットりたーん | 残り湯の熱を回収して翌日の給湯に活かす機能 光熱費の節約に繋がる |
三菱のエコキュートはこだわりの先進仕様により、給湯効率の高い商品となっています。また、Pシリーズはハイパワー給湯タイプのため、水圧が290kPaとなっており、シャワーの勢いが強い機種です。
三菱のPシリーズは「ホットあわー」だけでなく、給湯効率や水圧などの性能がよく、便利な機能を搭載しているエコキュートになります。
マイクロバブルを使用できるダイキンエコキュートの特徴
マイクロバブルを使用できるダイキンエコキュートは、主にフルオートタイプのエコキュートです。
ダイキンのエコキュートは三菱と違って、給湯タイプによって分かれており、フルオートタイプのラインナップは次の通りです。
概要 | |
---|---|
角型Xシリーズ(パワフル高圧) | ZEH住宅におすすめのエコキュート 貯湯タンクユニットの形状が角型 水圧が320kPa |
角型(パワフル高圧) | 貯湯タンクユニットの形状が角型 水圧が320kPa |
角型 | 貯湯タンクユニットの形状が角型 水圧は210kPa |
薄型Xシリーズ(パワフル高圧) | ZEH住宅におすすめのエコキュート 貯湯タンクユニットの形状が薄型 水圧が320kPa |
薄型(パワフル高圧) | 貯湯タンクユニットの形状が薄型 水圧が320kPa |
角型(寒冷地仕様・パワフル高圧) | 貯湯タンクユニットの形状が角型 水圧が320kPa 寒冷地でも使用できる |
Xシリーズは貯湯タンクユニットの温度や外気温度、沸き上げ温度、使用状況などをAIが分析して、ヒートポンプユニットの運転を最適化したモデルです。そのため、従来機種よりも給湯効率が高く、ZEH住宅におすすめのエコキュートになります。
また、上記のフルオートタイプはお好みの湯温モードをリモコンで設定できる温浴タイムやスマートフォンから簡単操作でお風呂のお湯はりが始められるアプリに対応しています。
角型のほかに、貯湯タンクユニットの形状が薄いタイプもあるため、住環境に合わせてエコキュートを選ぶことが可能です。
また、ダイキンのパワフル高圧タイプは水圧が320kPaとエコキュートのなかでは高いため、シャワーの勢いが強いほうが好みの方におすすめです。ただし、パワフル高圧が付いていない角型フルオートの水圧は210kPaとなっているので、間違えないようにしましょう。
マイクロバブルを使用できる日立エコキュートの特徴
マイクロバブルを使用できる日立エコキュートはフルオートタイプのみになります。日立のエコキュートはフルオートタイプと給湯専用に分かれており、次のようなラインナップになっています。
概要 | |
---|---|
フルオート ナイアガラ出湯 | 水道直圧給湯タイプのフルオートエコキュート |
フルオート ナイアガラタフネス | 硬度の高い水道水や井戸水に対応したフルオートエコキュート |
フルオート | 一般的なフルオートタイプのエコキュート |
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を作る給湯器です。ヒートポンプユニットが空気の熱を圧縮して温めた熱によりお湯を作り、沸き上げたお湯を貯湯タンクユニットに貯めておき必要に応じて各所に給湯します。給湯するときは水道水を混ぜて温度を下げます。
日立のナイアガラ出湯やナイアガラタフネスは水道直圧給湯タイプのエコキュートです。沸き上げたお湯を貯湯タンクユニットに貯めておくところまでは同じですが、貯めたお湯を混ぜずに水道水を温めて各所に給湯します。
エコキュートの水圧が弱くなるのは、貯湯タンクユニットにお湯を貯めておく貯湯式給湯器のため、水圧を下げないとタンクが破裂する恐れがあるからです。そのため、ガス給湯器に比べてエコキュートの水圧は弱いと言われています。
つまり、一般的なガス給湯器と同じく、給湯直前に水道水を温めてお湯にしているナイアガラシリーズは、水道水の水圧をそのまま利用できるため、エコキュートのなかでも水圧がかなり強い機種になります。
また、ナイアガラタフネスは硬度の高い井戸水や地下水エリアでもエコキュートを使用できるように耐久性に優れています。
そのため、シャワーの勢いが強いエコキュートや、井戸水や地下水エリアでもエコキュートを使用したい方は、日立のナイアガラシリーズがおすすめです。
ただし、ナイアガラと付いていない日立のフルオートタイプは一般的なエコキュートと同じ仕組みの機種なので、購入時は間違えないようにしましょう。
エコキュートのメリット
エコキュートの最大のメリットはお湯のランニングコストが他の給湯器に比べて抑えられていることです。そのため、ガス給湯器や電気温水器からエコキュートに交換した場合、光熱費を大幅に節約できます。
次の表は、同じ湯量を沸かすための年間ランニングコストを給湯器ごとに比較したものです。
エコキュート | 電気温水器 | 石油給湯機 | ガス給湯器 | |
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 | 約81,600円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約80,400円 | 約73,200円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約82,800円 | 約72,000円 | 約118,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約24,000円 | 約102,000円 | 約67,200円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約99,600円 | 約68,400円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 | 約64,800円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約91,200円 | 約68,400円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 | 約67,200円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約78,000円 | 約66,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 不明 | 約56,400円 | 約54,000円 |
実際のランニングコストは家族の人数やライフスタイルによって変動しますが、どの地域でもガス給湯器や電気温水器に比べてエコキュートのランニングコストは安いです。
エコキュートのランニングコストが抑えられている理由は給湯の仕組みにあります。エコキュートはヒートポンプユニットによって空気の熱を圧縮して高温にすることでお湯を作ります。
ヒートポンプユニットを動かすために電気を必要としますが、お湯を沸かすための主なエネルギーは空気です。そのため、エコキュートは他の給湯器に比べてランニングコストの節約が可能な給湯器です。
エコキュートの注意点
エコキュートはランニングコストを抑えることができる給湯器ですが、次のような注意点があります。
- 湯切れを起こすとランニングコストが高くなってしまう
- エコキュートで使用できる入浴剤は限定されている
上記の注意点を順番に解説します。
湯切れを起こすとランニングコストが高くなってしまう
水道直圧給湯タイプのガス給湯器と違って、エコキュートは貯湯式給湯器です。電気料金が安い深夜にお湯を沸かし、翌日以降に消費します。そのため、お湯を使いすぎると湯切れを起こしてしまい、電気料金が高い昼間にお湯を沸かすことがあります。
ガス給湯器からエコキュートへ交換したら、お湯を使いすぎないように、消費量に気を付けると良いです。
なお、日立のナイアガラシリーズは水道直圧給湯タイプですが、給湯される水道水を温めている熱源は貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯です。お湯が冷めてしまうと温めなおす必要があるので、日立のナイアガラシリーズでも使いすぎには注意しましょう。
エコキュートで使用できる入浴剤は限定されている
エコキュートで使用できる入浴剤は、基本的にメーカーが指定している商品のみです。
オートタイプや給湯専用タイプなら問題ありませんが、フルオートタイプはメーカーの指定した入浴剤以外を使用すると故障する可能性が高いです。
エコキュートのフルオートタイプは追いだきが可能です。ふろ配管とは別に追いだき配管があり、浴槽内のお湯を循環させて温め直して戻します。貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯と混ざらないため、タンク内部のお湯は綺麗なままです。
しかし、浴槽内部に入浴剤が混じっていると、追いだき配管に成分が沈殿し、目詰まりを起こす原因となります。そのため、エコキュートメーカーによって異なりますが、バブルタイプの入浴剤や生薬タイプ、にごり湯は使用できません。
マイクロバブルを楽しめる三菱、ダイキン、日立のエコキュートで使用できる入浴剤は下記の通りです。
使用できる入浴剤 | |
---|---|
三菱 | バスロマン バスクリン |
ダイキン | バスクリン(にごり湯・とろみ成分も含める) きき湯 日本の名湯 ソフレ 温美浴 |
日立 | バブ・バブ和漢ごこち(炭酸発泡ありも含める) きき湯・きき湯アロマリズム(炭酸発泡ありも含める) バスクリン・バスクリンクール(炭酸発泡は含めない) バスロマン・バスロマンクール(炭酸発泡は含めない) |
ダイキンはバスクリンならにごり湯やとろみ成分が含まれた入浴剤を、日立は一部シリーズなら炭酸発泡が含まれた入浴剤を使用できます。ただし、マイクロバブルを使用しながら入浴剤を投入できるとは明言していません。
一方で、三菱は使用できる入浴剤の種類こそ少ないですが、マイクロバブルを利用しながら入浴剤を投入できると明言しています。
入浴剤を使用する際は、エコキュートメーカーが指定している商品か確認し、マイクロバブルを利用するかどうかも含めて検討してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートのマイクロバブルの解説になります。マイクロバブルを搭載したエコキュートを扱っているのは、三菱とダイキン、日立の3社になります。
マイクロバブルの大きさに違いはありますが、基本的なメリットは共通しているため、迷ったらマイクロバブルを搭載しているエコキュートごとの特徴を比較してみましょう。
- 三菱…マイクロバブル以外の機能が充実している
- ダイキン…住環境に合ったエコキュートを選べる
- 日立…水圧の強いエコキュートを扱っている
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