低すぎるのは要注意!エコキュートの給湯温度の設定は50度がおすすめ
2024年1月19日
エコキュートの給湯温度は夏場50度、冬場は50度よりやや高く設定するのがおすすめです。一方でおすすめできないのは、45度以下など低すぎる給湯温度。電気代の節約にならないほか、いくつかのデメリットが生じます。
今回は、エコキュートの給湯温度設定は50度がおすすめな理由や、エコキュートの電気代を節約する方法について解説しています。
エコキュートがお湯を供給する仕組み
エコキュートの給湯温度の設定は50度がおすすめですが、その理由の説明の前に知っておきたいのは、エコキュートのお湯を供給する仕組みについてです。
エコキュートの貯湯タンク内にはメーカーによって多少異なりますが、65〜90度のお湯が貯められています。このままだと熱すぎて使えないので、使用時にリモコンに表示されている給湯温度まで水道水を混ぜてお湯の温度を下げています。
夏場の給湯温度の設定は50度がおすすめ
シャワーを浴びる機会が多くなる、夏場の温度設定のおすすめは50度です。
理由は以下の3つにまとめられます。
- 各人の好みに温度調節しやすいから
- 水圧が高くなるから
- 電気代を節約できるから
理由1:各人の好みに温度調節しやすいから
50度に給湯温度を設定した方が、家族それぞれの適温にあわせやすくなります。
給湯温度の設定が50度と聞いて、心地よいとされる40度よりずいぶん高いと感じるかもしれません。
しかし、快適と感じる温度はそれぞれで違うもの。ならば、シャワーから出る直前までは50度のお湯にして混合栓の温度調節でそれぞれの好みにした方が、みんなが満足できるシャワーになるでしょう。
理由2:水圧が高くなるから
50度に給湯温度を設定した方が、40度の設定より水圧が高まります。
50度のお湯はシャワーの混合栓で、それぞれの好みまで下げられます。その際に使われるのが水道水。水道の水圧が加わって、エコキュートそのものよりも勢いのあるシャワーが楽しめます。
発売された当時のエコキュートとくらべて、現在は水圧もずいぶん高くなり不満を感じることは減りました。とはいえ一部の機種を除いて、エコキュートの水圧の低さに不満を持つ方もいるかもしれません。そういった方も、水道水で勢いを増したお湯なら、多くの方が満足できるでしょう。
理由3:電気代を節約できるから
40度のお湯が出るシャワーより、50度に給湯温度が設定された方が電気代の節約になります。
40度のお湯では家族によってはぬるすぎると感じたり、水道の水圧が加わらないシャワーに、もの足りなさを感じたり。結果として長くなるのがシャワーの時間です。50度に設定されたシャワーは、お湯を使いすぎることを防ぎ、電気代の節約につながります。
冬場の給湯温度の設定は50度よりやや高くするのがおすすめ
高すぎる給湯温度は電気代の上昇につながりますが、冬場の給湯温度の設定は夏場の50度より3〜5度高めにするのがおすすめです。なぜなら給湯温度を高めにしないと、冬場はぬるすぎるお湯が出てしまうからです。
冬場にぬるすぎるお湯が出てしまう理由
蛇口から出るお湯は給湯温度よりぬるくなりますが、冬場はそれがより激しくなります。これは、バスタブに張るお湯でも同じです。
エコキュートで給湯温度まで下げられたお湯は、配管を通って蛇口まで届きます。しかし、配管は給湯温度より冷たいもの。給湯温度のお湯は蛇口に届くまでに夏場で3度ほど、冬場にはそれ以上に冷やされます。
エコキュートから蛇口までの配管の長さはそれぞれの家庭で異なるので、冬場にどれくらい温度が下がるのか一概にはいえませんが、冬場は夏場より高めの設定がおすすめです。
ぬるすぎる冬場のお湯は節約につながらない理由
ぬるすぎる冬場のお湯は、夏場に給湯温度を40度に設定した場合と同じく、エコキュートで沸かしたお湯や水道水の使いすぎにつながります。
また、冬場は熱目のお湯につかりたくなるもの。バスタブのお湯を加熱する機能ばかり使っていては、余計に電気代がかかってしまいます。
給湯温度とバスタブのお湯張り温度は、夏場より3〜5度高く設定してください。
エコキュートの給湯温度を低く設定するデメリット
給湯温度の設定を低くすると、以下の3つのデメリットが生じます。
- 電気代の節約にならない
- 雑菌が繁殖する危険性がある
- 40度以下ではサーモスタット混合栓が故障する
デメリット1:電気代の節約にならない
給湯温度が低すぎるとお湯を使いすぎたり、水圧が低すぎてシャワーで爽快感が得られなかったりというのは上でも見たとおり。電気代の節約につながりませんし、エコキュートからのお湯が冷える冬場はなおさらです。バスタイムを楽しむという点からも、50度以下の給湯温度はおすすめできません。
デメリット2:雑菌が繁殖する危険性がある
45度以下に給湯温度を設定すると、配管内にレジオネラ菌が繁殖する危険性が増します。
レジオネラ菌とは感染すると深刻な健康被害の恐れがあるもので、20~45度の水温で繁殖します。
繁殖を抑えるのには配管の洗浄が効果的ですが、給湯温度は45度以上に設定した方がより安心。おすすめする50度の設定は家族の健康も守ってくれるでしょう。
デメリット3:40度以下ではサーモスタット混合栓が故障する
40度以下の給湯温度の設定は、サーモスタット混合栓の故障を招きます。
サーモスタット混合栓とは、お湯と水を混ぜて使用する混合栓の中でも、特に温度設定ができるタイプのことで、バスルームやキッチンの多くで使われています。
そこで見かけるのが「給湯温度は50〜60度での使用を推奨する」という注意書き。お湯と水との温度差が大きいほど、サーモスタット混合栓の動作がスムーズになるのです。40度以下での使用を続けると故障して、高額な修理費用が必要になるリスクが高まります。サーモスタット混合栓を故障なく使い続けるためにも、エコキュートの給湯温度は50度がおすすめです。
給湯温度の設定以外のエコキュートの節約術
エコキュートの電気代を節約するなら、設定温度を低くするのではなく、搭載されている機能を活かしましょう。近年のエコキュートは機能が豊富になり、旧型よりも高い節約効果が期待できます。
給湯温度は50度に設定し、エコキュートの節約機能を使いこなしましょう。
湯量設定は「おまかせ」モードにする
多すぎると電気代の無駄になり、少なすぎると湯切れが起こるのが貯湯タンク内のお湯。沸き上げる湯量をどれくらいにするかは悩みどころですが「おまかせ」モードに設定すれば、悩まずに節約できます。
おまかせモードとは、過去1〜2週間くらいに使った湯量を学習したエコキュートが適量を判断し、沸き上げ量を決めるというもの。メーカーごとに名称は異なりますが、最新型にはたいてい搭載されています。
来客があるなどイレギュラーで使用する湯量が増えるなら、おまかせから「多め」に設定を変更するのを忘れずに。
沸き上げる時間帯は「深夜のみ」にする
一部のエコキュートには、貯湯タンクのお湯が少なくなると自動で沸き上げをおこなう機能がついています。節約のためには自動で沸き上げる機能をオフにして「深夜のみ沸き上げ」に設定しましょう。
自動での沸き上げ機能は湯切れを防げますが、沸き上げるのは電気代が高い時間帯です。節約を考えるなら、沸き上げは電気代が安い深夜のみにおこなうべきでしょう。一部のメーカーでは同様の設定を「湯切れ防止」機能を切ることでおこないますが、それらの設定で頻繁に湯切れが起こるようなら、貯湯タンク容量が大きな新型エコキュートへの入れ替えを検討してください。
「追い焚き」機能を使わない
バスタブのお湯がぬるい場合は「高温足し湯」機能を使いましょう。
エコキュートの「追い焚き」はぬるくなったお湯をヒートポンプで再加熱する機能です。ヒートポンプを動かすには電気代がかかるので、決して経済的とはいえません。
一方で高温足し湯は、貯湯タンク内の熱いお湯をそのままバスタブに加えます。水道代こそかかりますが、追い焚きでかかる電気代と比較すると微々たるものです。
とはいえ、貯湯タンクのお湯の使用はお湯切れを招きかねません。貯湯タンク内のお湯が残り少ない場合は、高温足し湯より追い焚きを選びましょう。
「休止モード」を活用する
旅行などで家を開けるときには、エコキュートを「休止モード」にするのを忘れないでください。
お湯を使っていなくても貯湯タンクのお湯は少しずつ冷めていきますが、冷めたお湯を温め続けるのがエコキュート。休止モードに入っていないエコキュートは、電気を使い続けてしまうのです。
家を開けるときには、必ずエコキュートを休止モードに入れましょう。
新型エコキュートを検討する
新型エコキュートというと新しい機能ばかりに注目しがちですが、電気代の節約という点でも進化しています。
貯湯タンクの保温性やヒートポンプの性能を向上させることや、省エネ性能に優れた機能を搭載することで、電気代がずいぶんかからなくなっているのです。
現在、国はエコキュートの買い替えに、8〜13万円の補助金を用意しています。購入から10年ほどたったなら、エコキュートはそろそろ寿命かもしれません。補助金を利用して、進化したエコキュートの省エネ性能を試してみましょう。
新型エコキュートの進化については弊社コラム「エコキュートの省エネ性能って10年前と違う?エコキュートの省エネ性能の進化を解説」も参考にしてください。
まとめ
エコキュートの給湯温度の設定は50度がおすすめです。なぜなら、それくらいが最も電気代がかからないと考えられるから。お湯の温度が下がりやすい冬場は50度よりやや高く設定してください。
50度に設定することで、エコキュートの電気代の上昇が気になる方もいるかもしれません。しかし低温に設定しすぎると、かえって電気代がかかったり水栓が故障したりするデメリットがあります。それよりも給湯温度を50度に保ちつつ、搭載されている機能を活かして節電を目指しましょう。
また新型エコキュートへの入れ替えは、節電でも効果を発揮しますので、現時点でエコキュートを長期使用されている方は、新調を検討してみてもよいでしょう。
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エコキュートの新設、交換をご検討の方は、エコキュート専門店「エコパパのお店」に、ぜひご相談ください。