国や自治体はエコキュートの補助金を出しているの?九州地方の補助金制度について解説
2022年8月30日
国は2010年までエコキュートの補助金制度を行っておりましたが、記事執筆時点では終了しています。一方で、一般社団法人や市区町村レベルの自治体が独自の補助金制度を行っているので、条件に合う方は検討してみると良いです。
そこで今回は、九州地方のエコキュートの補助金制度について解説します。
なお、記事執筆時点で確認できた補助金制度を取り上げているので、タイミングによっては終了している可能性はあります。
エコキュートは補助金制度があるの?
結論から申し上げますと、エコキュートは補助金制度があります。政府は省エネ性能の高い給湯器であるエコキュートの購入を推奨しており、導入しようと考えている方に補助金を出す方針を掲げています。
補助金は都道府県レベルと市区町村レベルで分かれており、併用可能です。例えば、福岡県北九州市に住んでいる方は、全国を対象とした補助金制度と、北九州を対象とした補助金の両方を受け取ることができます。
ただし、エコキュートの補助金制度は自治体によって条件や金額が異なり、場合によっては出していない可能性もあります。そのため、条件を満たしていない、あるいは住んでいる自治体で補助金制度が無ければ貰うことはできません。
全国を対象とした補助金制度
記事執筆時点で、全国を対象としたエコキュートの補助金制度は以下のとおりです。
- 令和4年度 戸建住宅ZEH化等支援事業
- こどもみらい住宅支援事業(令和3年度補正予算)
上記の補助金制度を順番に解説します。
令和4年度 戸建住宅ZEH化等支援事業
対象地域 | 全国 | ||
---|---|---|---|
対象者 | ZEH住宅やZEH+住宅を新規注文、購入する個人者など | ||
公募期間 | 二次公募:2022年7月4日(月)10:00 ~ 2022年8月19日(金) 17:00締切 三次公募:2022年8月29日(月)10:00 ~ 2022年10月7日(金) 17:00締切 四次公募:2022年11月21日(月)10:00 ~ 2023年1月6日(金) 17:00締切 |
||
補助率 | 上限額:55万円/戸(ZEH) 100万円/戸(ZEH+) |
||
注意点 | エコキュートだけを対象としていない |
一般社団法人環境共創イニシアチブでは、省エネ性能の高い住宅機器に関する様々な補助金制度を行っています。
「令和4年度 戸建住宅ZEH化等支援事業」では、新築住宅を建築、購入する個人を対象に、ZEH住宅なら上限55万円、ZEH+住宅なら上限100万円の補助金が出ます。
ZEH住宅とは、断熱性能に優れており、省エネ性能の高い設備やシステムを導入した住宅のことで、エネルギーの自給自足を可能としています。そのため、エコキュート以外に、蓄電池や太陽光発電システムなどの導入も条件に含まれている補助金制度です。
注意すべき条件や交付要件のポイントが複雑な補助金制度ですが、補助金額は大きく、対象地域が全国なため、どの県に住んでいる方でも対象になるのは魅力的です。
こどもみらい住宅支援事業(令和3年度補正予算)
対象地域 | 全国 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 全世帯の工事発注者 | ||
公募期間 | 2021年11月26日(金)~ 工事着工まで | ||
補助率 | 上限額:30万円/戸 下限額:5万円/戸 |
||
注意点 | リフォーム工事でエコキュートを導入する場合の内容 エコキュートだけでは補助金は出ない |
子育て世帯や若者夫婦世帯に省エネ性能の高い住宅や機器を導入してもらうのを目的とした「こどもみらい住宅支援事業(令和3年度補正予算)」があります。
本補助金制度は、申請時点で18歳未満の子どもがいる、あるいは39歳以下の世帯が主な対象者となっていますが、リフォーム工事だけなら全世帯の工事発注者が対象となります。
リフォーム工事でエコキュートを購入する場合、JIS C9220 に基づく年間給湯保温効率、または年間給湯効率が3.0 以上(ただし寒冷地仕様は 2.7
以上)の機種を設置するなら、1<戸あたり2万4千円の補助金が出ます。
ただし、本補助金制度は補助額が合計5万円以上でないと補助対象にはなりません。つまり、エコキュート以外に外壁や屋根、耐震改修、バリアフリー改修などの別のリフォーム工事も一緒に申請する必要があります。
福岡県を対象とした補助金制度
記事執筆時点で福岡県を対象とした補助金制度は以下のとおりです。
- 空き家リノベ補助(住まいの安全安心・流通促進事業)
上記の補助金制度について解説します。
空き家リノベ補助(住まいの安全安心・流通促進事業)
対象地域 | 福岡県北九州市 | ||
---|---|---|---|
対象者 |
北九州市に住んでおり市内事業者が請け負う場合 39歳以下の若者世帯、もしくは18歳未満の子どもがいる子育て世帯 親世帯が子世帯と同居、あるいは近居している |
||
公募期間 | 2022年5月16日(月)~工事着工前 | ||
補助率 | 3分の1以内
上限額:40万円/1戸 |
||
注意点 | 空き家を取得後、リノベをする場合の内容 |
福岡県北九州市では、空き家を取得後、エコ工事やエコ住宅設備設置工事、バリアフリー化工事などを行った方を対象に「空き家リノベ補助(住まいの安全安心・流通促進事業)」があります。
補助金額は工事費の3分の1以内で、1戸あたり最大40万円となっています。エコキュートの設置以外に、屋根や天井の断熱工事や節水トイレ、ヒートショック対策工事など、様々な工事に対応しているのが特徴です。
なお、本補助金は「空き家を取得」が条件に含まれています。中古住宅を購入、あるいは既存住宅を相続、生前贈与されてからリノベーションをした場合は問題ありませんが、注文住宅や新築住宅は対象外となるので注意しましょう。
長崎県を対象とした補助金制度
記事執筆時点で、長崎県を対象とした補助金制度は以下のとおりです。
- 波佐見町住宅性能向上リフォーム支援事業
上記の補助金制度について解説します。
波佐見町住宅性能向上リフォーム支援事業
対象地域 | 長崎県波佐見町 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 町内に住宅を所有しており住んでいる方 申請時点で改修工事を行う住宅を所有しており、工事後に住む予定のある方 |
||
公募期間 | ~2023年2月28日(火)まで | ||
補助率 | 5分の1まで 上限額:10万円/戸 |
||
注意点 | 改修工事費の合計が50万円以上 |
長崎県波佐見町では、バリアフリー化や省エネ化のための改修工事を行う方への補助金制度があります。
「波佐見町住宅性能向上リフォーム支援事業」では、手すりの設置や段差の解消などのバリアフリー化、エコキュートの設置のような省エネルギー型リフォーム工事、基礎の補給工事に対して、1戸あたり上限10万円の補助金を出します。
ただし、補助の対象となる工事は改修工事費の合計が50万円以上と定められているので、50万円を下回る工事だと補助金が貰えない可能性があります。なお、本補助金制度は前年まで前期後期受け付けでしたが、本年度から通年受付に変更されています。
熊本県を対象とした補助金制度
記事執筆時点で、熊本県を対象とした補助金制度は以下のとおりです。
- 氷川町住宅用新エネルギー等導入促進事業
上記の補助金制度について解説します。
氷川町住宅用新エネルギー等導入促進事業
対象地域 | 熊本県氷川町 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 町内に住宅があり一定要件を満たした太陽光発電システムや太陽熱利用施設を設置する方 | ||
公募期間 | 2012年3月28日(水)~ | ||
補助率 | 2分の1以内 上限額:10万円/戸 |
||
注意点 | エコキュート単体では申し込めない |
熊本県氷川町の補助金制度は2012年から現在まで続いています。本補助金制度の主軸は太陽光発電システムの設置で、1kwあたり2万5千円、上限10万円の補助金が出ます。
エコキュートの補助金は太陽光発電システムを同時に設置した場合に限り事業費の2分の1以内で、上限10万円が支給されます。つまり、太陽光発電システムとエコキュートを同時に設置すれば、最大20万円の補助金が貰える制度です。
受け付けの終了時期が未定のため、熊本県氷川町に住んでいる方は検討をおすすめします。
鹿児島県を対象とした補助金制度
記事執筆時点で、鹿児島県を対象とした補助金制度は以下のとおりです。
- 高効率給湯器(エコキュート)導入補助金制度
- 木造住宅の新築・増改築工事の補助制度
- 垂水市住宅リフォーム促進事業
上記の補助金制度を順番に解説します。
高効率給湯器(エコキュート)導入補助金制度
対象地域 | 鹿児島県肝付町 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 平成23年4月1日以降にエコキュートを自宅(併用住宅を含む)に設置した町民 | ||
公募期間 | 2022年4月1日(金)~ | ||
補助率 | 上限額:2万円/台 | ||
注意点 | 過去のエコキュート購入も対象となる |
鹿児島県肝付町の「高効率給湯器(エコキュート)導入補助金制度」は、2011年4月1日以降にエコキュートを購入した町民に対して、補助金を出しています。
対象者に対する条件が緩いため、過去にエコキュートを購入して設置した町民も貰える可能性はあります。ただし、2022年4月1日以降の補助金額は1台につき2万円となっており、今後減額される可能性があるので、早めに申し込みをしましょう。
木造住宅の新築・増改築工事の補助制度
対象地域 | 鹿児島県出水市 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 建築後1年以上経過した住宅 | ||
公募期間 | 工事完了後6ヶ月以内 | ||
補助率 | 補助対象工事費の15% 上限額:15万円/戸 |
||
注意点 | エコキュートの設置は増改築工事に含まれるが、事前に確認が必要 |
鹿児島県出水市では、「木造住宅の新築・増改築工事の補助制度」があります。木造住宅の新築工事は一律30万円、増築工事だと補助対象工事費の15%以内で、上限15万円の補助金が出ます。
増築工事の対象には、省エネ性能の高いエコ給湯器の購入及び設置が含まれています。つまり、エコキュートの購入だけでも最大15万円の補助金が貰える可能性はあります。ただし、条件となる工事の判定が厳しいので、事前に確認をしておきましょう。
垂水市住宅リフォーム促進事業
対象地域 | 鹿児島県垂水市 | ||
---|---|---|---|
対象者 | 垂水市に持ち家がある町民 | ||
公募期間 | 2022年4月1日(金)~2022年12月28日(水) | ||
補助率 | 世帯によって補助率は異なる 上限額:15万円/戸(一般世帯) 45万円(子育て世帯) |
||
注意点 | エコキュートの購入費は対象外 |
鹿児島県垂水市の「垂水市住宅リフォーム促進事業」は18歳未満の子どもがいるかどうかで、補助率や上限額が異なります。
- 一般世帯(18歳未満の子供がいない):対象工事費の10%以内で、上限15万円
- 子育て世帯(18歳未満の子供がいる):対象工事費の30%以内で、上限45万円
また、本補助金制度では対象となる工事の判定が厳しく、エコキュートの場合は製品の購入費は対象外で工事費のみ認められています。工事費の合計額が20万円以上でないと補助金は貰えないので、場合によっては別の工事も一緒に申し込む必要があります。
九州ってどんなところ?
九州地方は日本列島の南西部に位置する島の1つです。元々、9つの国から成り立っていたことから「九州」と呼ばれていましたが、現在は福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の7県で構成されています。
7県の総世帯数は約579万世帯で、総人口は約1310万人です。面積は北海道の半分弱程度で、中央に九州山地が形成されており、中核をなす阿蘇山は世界最大級のカルデラ(火山活動によってできた大きなくぼ地)があります。
九州地方の気候は黒潮と対馬海流の影響を受けているため、冬でも比較的温暖です。そのため、エコキュートを設置しても、冬場の外気温が下がりにくいので給湯効率が低下しづらいというメリットがあります。
まとめ
以上が、九州地方の補助金制度の解説になります。記事執筆時点では、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県の一部自治体でエコキュートの補助金制度が行われています。条件や金額はそれぞれ異なるので、申し込む前にしっかりと確認しましょう。
一方で、宮崎県、佐賀県、大分県ではエコキュートを設置する個人住宅向けの補助金制度は確認できませんでした。ただし、全国を対象とした補助金制度は利用できるので、そちらを検討してみましょう。
「エコパパのお店」は九州地域に複数の施工センターがあります。三菱電機やパナソニックなど、様々なメーカーの正規品を低価格で販売しているので、エコキュートや補助金制度でご相談がありましたら、ぜひご連絡ください。