放置はNG!エコキュート室外機の水漏れは故障?見分け方と対処法
2025年9月29日

「エコキュートの室外機から水が漏れている…これって故障?」
今、この記事を読んでいるあなたは、きっととても不安な気持ちでいることでしょう。でも、ご安心ください。結論から言うと、エコキュート室外機の水漏れは、ほとんどの場合、故障ではありません。
実は、エコキュートはエアコンと同じく、冬の寒い時期や夏の暑い時期に、室外機から水が出るように作られているんです。例えば、冬の朝に室外機の下が濡れているのは、「霜取り運転(デフロスト運転)」という正常な働きによるものです。
もちろん、中には故障のサインであることもあります。しかし、正しい知識があれば慌てる必要はありません。この記事を最後まで読めば、あなたの家の水漏れが「放置しても大丈夫な水」か、それとも「すぐに専門業者に連絡すべき危険な水」かを、誰でも簡単に見分けられるようになります。
読み終わる頃には、水漏れの原因がはっきり分かり、安心してこれからの対応を考えられるようになります。ぜひ、読み進めてみてください。
エコキュート室外機の水漏れは、実は故障じゃないかも?
「エコキュートの室外機から水が漏れている!」と聞くと、とても焦りますよね。でも、実はその水、ほとんどの場合は故障ではないんです。
エコキュートは、空気中の熱を利用してお湯を沸かす、とってもエコな給湯器です。そのときに使うのが、室外機。室外機は、空気を吸い込んで熱を取り出すための、いわばエコキュートの心臓部です。
この室外機は、エアコンの室外機とよく似た働きをします。エアコンも、夏に冷たい風を出すときに、室外機から水が出ますよね?あれと同じように、エコキュートも運転中に水が出るのが当たり前なんです。
実は正常!「結露(けつろ)」や「霜(しも)」が原因の水
エコキュートの室外機から出る水は、主に次の3つの理由が考えられます。
- 結露(けつろ) 冷たい飲み物の入ったコップを部屋に置いておくと、コップの周りに水滴がつきますよね。あれが「結露」です。エコキュートの室外機の中も、お湯を沸かすために空気を冷やすときに、同じように結露が発生します。その結露が水となって、室外機の下からポタポタと出てくるのです。特に、夏場や湿気が多い日によく見られます。
- 霜(しも)をとかした水 冬の寒い時期、室外機に霜がたくさんつきます。霜がたくさんつくと、エコキュートの効率が悪くなってしまうため、エコキュート自身がその霜を溶かす運転を行います。これを「霜取り運転(デフロスト運転)」と呼び、溶けた霜が水になって出てくるのです。この水は、一時的に勢いよく流れることもありますが、数分〜10分程度で止まります。
- タンクの圧力を抜く「減圧弁(げんあつべん)」 エコキュートの貯湯タンクは、高圧のお湯をためるため、安全を守るための部品がついています。その一つが「減圧弁」です。お湯を沸かすときにタンク内の圧力が上がりすぎないよう、余分な水を少しずつ外に出して圧力を調整します。この水も、ポタポタと少しずつ出てくるため、故障と勘違いされやすいです。
水漏れが「故障」のサインかも?今すぐ確認すべきポイント
「正常な水漏れじゃないみたい…」そう感じたときは、故障のサインかもしれません。でも大丈夫!まずは以下のポイントを落ち着いてチェックしてみましょう。
今すぐチェック!故障を知らせる3つのサイン
以下の表を参考に、あなたの家の水漏れが故障かどうかを見分けましょう。
チェックポイント | 正常な水漏れ | 故障の可能性がある水漏れ |
---|---|---|
水の量と勢い | ポタポタと少量ずつ出る、または一時的に勢いよく出る | 一日中、勢いよく流れ続けたり、量が異常に多かったりする |
水の出る場所 | 室外機の下にある「ドレン口」と呼ばれる場所から出る | 室外機の下以外(側面や裏側など)から出る。配管のつなぎ目から漏れる場合も |
水の様子 | 透明で無色透明 | 水がにごっていたり、油のようなものが混じっていたりする。異臭がする場合も |
もし、上の表の「故障の可能性がある水漏れ」に当てはまる場合は、少し注意が必要です。特に、水がにごっていたり、普段と違う場所から水が出ている場合は、すぐに専門業者に連絡しましょう。
配管(はいかん)から水が出ているときの対処法
室外機から少し離れた場所にある、エコキュートとつながる管(配管)から水が漏れている場合、配管のひび割れや破損が考えられます。
この場合、放置しておくと水漏れが悪化し、水道代が高くなったり、家の基礎部分にまで影響を及ぼしたりする可能性もあります。
【水漏れを発見したら】
- 落ち着いて応急処置をする 水が広がるのを防ぐため、バケツなどで水を受け止めましょう。
- エコキュートを止める エコキュートの電源を切るか、ブレーカーを落として運転を止めましょう。これで水漏れが一時的に止まることが多いです。
- 絶対に自分で直そうとしない 配管はとてもデリケートです。下手に触ると、さらに悪化してしまうことがあります。また、感電の危険性もあるため、絶対に自分で修理しようとしないでください。
【水漏れが続く】こんな時はすぐに専門業者へ連絡しよう
水漏れが止まらなかったり、明らかに故障のサインが見られたりする場合は、すぐにプロの専門業者に連絡しましょう。
業者に連絡する前に、以下の3つの準備をしておくと、その後のやり取りがスムーズになります。
準備1:メーカー・型式(型番)・製造番号を正確に控える
屋外機(ヒートポンプユニット)と貯湯タンク(貯湯ユニット)は、別々の型式が付いていることが多いです。屋外機の側面・背面、貯湯タンクの側面・前面にある銘板シールをライトで照らし、次を写真+メモで残してください。
- メーカー名/型式(機種名)/製造番号(S/N)
- 製造年月(記載があれば)/定格電源・出力(参考)ポイント
- 文字の読み間違い防止に、寄りの写真と全体の写真を両方撮る。
- **2筐体ぶん(屋外機・貯湯タンク)**の情報をセットで控える。
- リモコンにエラーコードが出ていれば、その表示も撮影。
- 保温材やパネルは無理に外さない(破損・感電リスク)。
テンプレ(コピー用)
メーカー:/型式(屋外機):/型式(貯湯):/製造番号:/製造年月:/設置場所(方角・直射・積雪有無):
準備2:水漏れの「発生源・量・条件」が分かる写真/動画を用意
業者が原因を絞り込みやすいのは、どこから・どれくらい・いつ出ているかの3点です。次の順で撮影・記録しましょう。
- 全景写真:ユニット・配管・地面の水たまり範囲が分かるように。
- 発生源の接写:ドレン口、配管継手、逃し弁まわりなど水が出ている位置。
- 動画10〜20秒:流量や**止まり方(断続/連続)**が伝わるもの。
- 比較物:定規・500mlペットボトル・紙コップを置き、1分で何杯など簡易量測。
- 色・におい:白紙やティッシュを受け皿にして濁り/油膜の有無を確認(虹色の膜は油分の可能性)。
- 発生条件メモ:日時/天候・外気温(体感でOK)/運転状況(湯張り中・追いだき直後・霜取り中など)/直近の給湯量。
NG行為
パネル外し・電装箱開封・ドレン口塞ぎ・テープやシーリング剤での自己修理は厳禁。濡れた地面での作業や、濡れた手でのブレーカー操作も避ける。
準備3:購入時期・保証(メーカー/延長)・施工店情報を確認
費用負担や対応スピードに直結するため、手元の書類・記録を整理します。
- 確認先:保証書/領収書・請求書/販売店マイページ/工事請負書/リース・メンテ契約書。見当たらない場合は、銘板の製造年月や分電盤のラベル、リモコン設定情報から設置年の手掛かりを拾います。
- 保証の種類:メーカー保証(部位により期間が異なる場合あり)/販売店の延長保証(5年・10年など)/リース・電力会社等の保守契約。契約ごとに条件が異なるため、無償対象か自己負担かの判定材料として必須。
- 施工店情報:設置業者の社名・電話・工事日が書かれたシールが筐体に貼られていることがあります。連絡先として控える。
連絡テンプレ(メール/電話メモ)
● 依頼内容:エコキュート屋外機まわりの水漏れ診断・修理相談
● メーカー・型式・製造番号:(屋外機/貯湯)
● 設置年(概算可):
● 症状:〇〇から〇分以上連続で流れる/ポタポタが一日続く 等
● 発生条件:早朝の霜取り時/給湯直後/雨天後 など
● 添付:全景・発生源接写・動画・銘板写真
● 希望:概算費用帯と訪問可能最短日を知りたい/応急措置の可否を教えてほしい
この3つの準備がそろっていると、業者側は「正常排水か故障か」「現地で何を持参すべきか」「概算費用はどのレンジか」を初回のやり取りだけで判断しやすくなり、訪問後の一次対応で解決できる確率が上がります。
これらの情報をあらかじめ伝えておけば、業者も状況を素早く把握し、的確なアドバイスや見積もりを出してくれます。
修理?買い替え?判断するときの3つのポイント
「修理するべきか、いっそ買い替えるべきか…」と悩んだときは、以下の3つのポイントを参考に判断しましょう。
【寿命や費用】あなたのエコキュートはどっちを選ぶべき?
判断ポイント | 修理するべき場合 | 買い替えるべき場合 |
---|---|---|
使用年数 | 5年〜8年程度 | 10年以上使っている場合 |
修理費用 | 修理費用が10万円以下 | 修理費用が20万円以上など、高額になる場合 |
保証期間 | メーカー保証や延長保証が残っている | 保証期間が過ぎている |
一般的に、エコキュートの寿命は10年〜15年と言われています。10年以上使っていて故障した場合は、今後も別の部品が壊れる可能性が高いので、買い替えを検討するのがおすすめです。
もし、修理費用が高額になる場合でも、最新のエコキュートは省エネ性能がアップしているので、買い替えれば長期的に見て電気代を節約できるというメリットもあります。
まとめ
この記事では、エコキュート室外機の水漏れについて、故障の見分け方や対処法、修理・買い替えの判断基準を解説しました。
- エコキュート室外機の水漏れのほとんどは、結露や霜による正常なものです。
- 勢いよく水が出たり、配管から水が漏れていたりする場合は、故障のサインかもしれません。
- 故障が疑われる場合は、自分で直そうとせず、すぐに専門業者に連絡しましょう。
- 使用年数や修理費用を考え、修理か買い替えかを判断しましょう。
水漏れに気づいたら、まずは落ち着いて、この記事を参考に原因を特定してみてください。正しい知識があれば、不要な不安を感じることはありません。あなたのエコキュートが、これからも長く使えることを願っています。