新築住宅にエコキュートはおすすめ?選ぶ際のポイントや一緒に導入したい住宅機器を解説
2025年2月25日

新築住宅を注文する際にエコキュートを購入するかどうか悩んでいる方もいるかもしれません。
新築住宅の場合、エコキュートを選ぶと幾つかのメリットがあるので、おすすめの給湯器です。
そこで今回は、新築住宅にエコキュートがおすすめの理由や選ぶ際のポイント、一緒に導入したい住宅機器を解説します。
新築住宅にエコキュートはおすすめ?
結論から申し上げますと、新築住宅にエコキュートはおすすめです。
おすすめの理由は以下のとおりです。
- 将来的なランニングコストが抑えられる
- オール電化住宅やZEH住宅を目指しやすい
- 補助金を受け取りやすい
上記を順番に解説します。
将来的なランニングコストが抑えられる
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。ヒートポンプユニットが空気の熱を圧縮し、高温にしてお湯を沸かすため、一般的なガス給湯器や電気温水器に比べるとランニングコストが抑えられています。
次の表は、エコキュートとほかの給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能やお湯の使用量などで異なりますが、エコキュートを購入した場合、ガス給湯器に比べて年間5万円程度の節約効果を得られます。
新築住宅の寿命は構造やメンテナンスの状況によって異なりますが、木造住宅では約30年、鉄骨住宅では約30~50年、鉄筋コンクリート住宅では約40~90年が目安です。
仮に、木造住宅でエコキュートを使い続けた場合、30年間で150万円の節約効果を期待できます。
また、後述する太陽光発電システムや蓄電池を併用すれば、節約効果をさらに向上することが可能です。
オール電化住宅やZEH住宅を目指しやすい
オール電化住宅とは、ガスを一切使用せず、すべてのエネルギーを電気でまかなう住宅のことです。調理や給湯、冷暖房をすべて電気で動かすため、安全性や光熱費の管理がしやすくなります。
ZEH(ゼッチ)住宅とは、年間のエネルギー消費量が実質ゼロまたはマイナスになる住宅です。何らかの方法でエネルギーを創り、省エネ性能の高い機器を使って消費エネルギーを削減します。
エコキュートは電気で稼働する給湯器で、ガス給湯器や電気温水器に比べると省エネ性能が高いです。
つまり、オール電化住宅やZEH住宅を新築で目指す場合に、エコキュートは必須の住宅機器と呼べます。
また、新築住宅でガス給湯器を設置してから、エコキュートに買い替える場合、次の問題点があります。
- 設置スペースの確保
- 電気契約の確認や変更
- 給湯タイプが違う場合は配管や浴槽の工事
工事や手続きの煩雑さを考えるなら、オール電化住宅やZEH住宅を目指す場合は最初からエコキュートを選ぶと良いでしょう。
補助金を受け取りやすい
国土交通省の「住宅市場動向調査(2023年度)」によれば、土地を購入した新築住宅の相場は約5,811万円です。
新築住宅を建てる際は高額な出費となるため、国や自治体からの補助金が出るケースが多い傾向があります。
ただし、国や自治体は温暖化対策の一環として省エネ性能の高い住宅を推奨しており、新築住宅の補助金の条件としてエコキュートの設置を求めているケースが少なくありません。
例えば、2024年に開催していた子育てエコホーム支援事業では、条件を満たした方が長期優良住宅やZEH住宅を新築注文する、あるいは分譲住宅を購入する場合に最大100万円の補助金を貰うことができました。
ZEH住宅にはいくつかの住宅機器が必要で、エコキュートの設置も条件に含まれています。
子育てエコホーム支援事業以外にも、新築住宅の補助金でエコキュートの設置を求めるケースはあり、条件を満たせば補助金を受け取ることが可能です。
そのため、新築住宅の補助金を受け取りたい場合は、エコキュートの設置も含めて検討しましょう。
新築住宅でエコキュートを選ぶ際のポイント
新築住宅でエコキュートを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 家族の人数
- 水圧
- メーカー
上記を順番に解説します。
家族の人数
エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで溜めておき、必要に応じて各所へ給湯する貯湯式給湯器です。
電気量料金単価が安い時間帯にお湯を沸かしておき、翌日以降に消費する仕組みとなっています。
貯湯式給湯器の場合、お湯を使いすぎてしまうと湯切れとなり、新しくお湯を沸かすまでお湯が使えません。
しかし、エコキュートを利用している場合、日中の電気料金単価が高い料金プランで契約しているので、日中に沸かし直しするとエコキュートのランニングコストが高くなってしまう恐れがあります。
つまり、新築住宅でエコキュートを選ぶ際は、湯切れを起こさないように、家族の人数やお湯の使用量に合った貯湯容量のエコキュートを選ぶべきです。
次の表は、貯湯容量と家族の人数の目安をまとめたものになります。
貯湯容量 | 家族の人数 |
---|---|
300L以下 | 2人~3人 |
370L | 3人~4人 |
460L | 4人~5人 |
550L以上 | 5人以上 |
あくまでも目安ではありますが、将来的な子供の人数や親との同居の有無などを考慮して、家族の人数に合った貯湯容量のエコキュートを選びましょう。
水圧
最近は新築住宅で2階建て、3階建てを選択するケースが多くなり、風呂場や台所、洗面台などの水回りを2階以上に設置する傾向があります。
風呂場や台所を2階以上の高所に設置する場合、重要になるのはエコキュートの水圧です。
エコキュートは貯湯タンクユニットにお湯を溜めておく際に、内部の圧力でタンクが変形しないように減圧します。
一般的なエコキュートの水圧は190kPaで、1階で使用する分には問題ありませんが、2階や3階に設置するのは難しい場合があります。
一方で、エコキュートのなかには高圧タイプと呼ばれる、水圧が300kPa前後の機種があり、風呂場や台所などの水回りを2階や3階に設置することが可能です。
そのため、2階以上の高い場所に風呂場や台所を設置する場合はエコキュートの水圧が300kPa前後の機種を選びましょう。
メーカー
記事執筆時点でエコキュートの主要なメーカーは、三菱、パナソニック、ダイキン、コロナ、日立の5社です。
メーカーによってエコキュートの特徴や代表的な機能などは異なるので、新築住宅で選ぶ際はメーカーを比較しましょう。
次の表は、主要メーカーの特徴や代表的な機能をまとめたものです。
特徴 | 代表的な機能 | |
---|---|---|
三菱 | 貯湯容量やサイズの種類が豊富 省エネ性能が高い |
深紫外線で清潔な状態を維持する「キラリユキープPLUS」 マクロバブルの洗浄機能「バブルおそうじ」 微細な泡による温浴効果「ホットあわー」 |
パナソニック | シェアトップのメーカー 搭載している機能が多い |
省エネ性能が期待できる「AIエコナビ」や「リズムeシャワープラス」 残り湯を有効活用する「ぬくもりチャージ」 |
ダイキン | 入浴剤の選択肢が多い 機能が充実している |
深紫外線で綺麗な状態を維持する「おゆぴかUV」 超微細な泡で美肌効果を期待できる「ウルトラファインバブル入浴」 |
コロナ | 省エネ性能とサポート機能に特化している | 自動掃除や閉栓、お湯はりが可能な「おそうじconnect」 細かい水温管理を行う「7個の温度センサー」 |
日立 | 業界で唯一の水道直圧式タイプを販売 | 水道直圧式で強い水圧が体験できる「ナイアガラ出湯」 高硬度水や井戸水に対応している「ナイアガラタフネス」 |
例えば、省エネ性能を重視するなら年間給湯保温効率が4.2と業界トップの数値を誇る三菱のエコキュートがおすすめです。
機能性や使いやすさを重視するならパナソニック、自動掃除機能ならコロナ、さまざまな種類の入浴剤を使うならダイキンが適しています。
また、一般的なエコキュートは貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯を利用する仕組みですが、日立の「ナイアガラ出湯」は貯湯タンクユニットで溜めたお湯の熱で水道水を温める水道直圧式給湯器です。
水道水の水圧をそのまま利用できるので、一般的なエコキュートに比べて水圧が強く、耐久性に優れているなどのメリットがあります。
メーカーによって搭載している機能が異なるので、新築住宅でエコキュートを選ぶ際に比較しましょう。
新築住宅でエコキュートを設置する際に導入するべき住宅機器
新築住宅でエコキュートを設置するなら、一緒に次の住宅機器も導入しましょう。
- 太陽光発電システム
- 蓄電池
- IHクッキングヒーター
上記を順番に解説します。
太陽光発電システム
太陽光発電システムは、太陽のエネルギーを電気に変換する発電設備であり、エコキュートとの相性が非常に良い住宅設備です。
エコキュートは夜間の安価な電力を活用してお湯を沸かしますが、昼間の余剰電力を活用することでさらにランニングコストを抑えられます。
また、太陽光発電を導入することで、昼間に発電した電力を自家消費できるため、電力会社から購入する電力を減らし、家全体の光熱費の削減が可能です。
ZEH住宅を目指す場合、ご家庭でエネルギーを生み出す手段が必要になるので、エコキュートと一緒に導入しましょう。
蓄電池
蓄電池は、発電した電力や安価な夜間電力を溜めておき、必要な時に使える設備です。
エコキュートと一緒に導入した場合、夜間の電力を溜めておき、日中に利用してお湯を沸かすことができます。
エコキュートは空気の熱を利用するため、外気温が高い日中のほうが、エネルギーの消費量が少なくなる可能性が高いです。
契約している料金プランは日中のほうが料金単価は高くなりますが、蓄電池があれば夜間の電力を使えるため、ランニングコストのさらなる節約効果を期待できます。
また、災害時や停電時には、蓄電池に貯めた電力を使用できるため、冷蔵庫や照明、通信機器などの最低限の電力を確保できるのが大きなメリットです。
蓄電池を導入することで電気代削減と災害対策を同時に実現できるため、新築住宅で導入を検討する価値が高いでしょう。
IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは、電気を使って調理を行う加熱機器で、オール電化住宅ではガスコンロの代替として主流になっています。
エコキュートと同時に導入することで、ガスを一切使わず、光熱費を電気代だけに統一できるため、家計の管理がしやすくなるのが大きなメリットです。
IHクッキングヒーターの最大の特長は、安全性の高さです。火を使わないため、ガス漏れや火災のリスクが低く、小さな子どもや高齢者がいる家庭でも安心して利用できます。
エコキュートとIHクッキングヒーターを導入することで、オール電化住宅が実現するので、新築住宅を購入する際におすすめです。
まとめ
以上が、新築住宅でエコキュートがおすすめの理由の解説です。エコキュートは省エネ性能の高い給湯器のため、将来的なランニングコストの節約効果やオール電化住宅、補助金などのメリットが得られます。
また、相性の良い太陽光発電システムや蓄電池、IHクッキングヒーターを導入しておくと、光熱費の節約効果や利便性の向上など期待できることもポイントです。
ただし、エコキュートはメーカーや機種によって貯湯容量や水圧、搭載している機能、特徴などが異なるので、選ぶ際には専門的な知識が求められます。
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