気になるエコキュートの水圧は?水圧を強くする方法やハイパワー高圧タイプを販売しているメーカーを解説!
2022年5月16日
気になるエコキュートの水圧は?水圧を強くする方法やハイパワー高圧タイプを販売しているメーカーを解説!
エコキュートはガス給湯器に比べて水圧が弱いと言われています。水圧が弱いとシャワーの勢いが弱かったり、風呂の給湯に時間が掛かったりします。そのため、エコキュートの水圧の弱さはガス給湯器から交換する際のデメリットの1つとされています。
本記事では、エコキュートの水圧が本当に弱いのか、わかりやすく解説します。水圧の基本知識や、エコキュートで水圧の強い機種も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
水圧とは?
水圧とは「水を供給元から蛇口まで送る力」のことを指します。単位はkPa(キロパスカル)で、数値が高いほど水圧が強く、シャワーから出る水の量が多くなります。
- 水圧が弱い…シャワーの勢いが悪く、浴槽に湯が貯まるまでの時間が長い
- 水圧が強い…シャワーの勢いが強く、浴槽に湯が貯まるまでの時間が短い
水道水の供給元には色々なパターンがあり、一般的なのは各地方自治体が運営している公営水道ですが、住んでいる地域によっては共用井戸や敷地内の井戸から水を送り出している場合があります。
どのパターンでも共通していることは水道管を使用していることです。水道管の口径が大きいほど水圧は高くなりますが、各家庭に引き込む際に細い水道管に変換され、各家庭で使用できる水圧まで下げています。
水道管の口径はエリアに住んでいる戸数や家庭の蛇口の数によって太さが決まっています。そのため、人によっては住宅に引き込む段階で水圧が弱いというケースもあります。
ガス給湯器に比べてエコキュートの水圧は弱いの?
結論から申し上げますと、エコキュートの水圧はガス給湯器に比べて弱いです。
一般的な公営水道の水圧は、住宅に引き込んだ時点で500kPa程度あります。ガス給湯器は水道直圧式と呼ばれる給湯器で、水道管を直接温めて各所に給湯するので、公営水道の水圧をそのまま利用できます。
一方、エコキュートは貯湯式給湯器です。貯湯タンクユニットにお湯を貯め込み、必要に応じて各所に給湯するのですが、公営水道の水圧だとタンクが内側から破裂する恐れがあります。
そのため、エコキュートは貯湯タンクユニットでお湯を貯める際に、水圧を減らしています。水圧を減らせば、シャワーの勢いが弱くなるので、「ガス給湯器からエコキュートへ交換するとシャワーの水圧が弱くなる」と言われます。
次の表は、一般的なエコキュートの水圧とガス給湯器の水圧を比べたものです。
水圧 | |
---|---|
一般的なエコキュート | 180kPa |
一般的なガス給湯器 | 500kPa |
一般的なエコキュートの水圧はガス給湯器に比べると3分の1程度しかありません。また、エコキュートは貯湯タンクユニット内部の湯量が減ると、更に水圧が下がってしまいます。
そのため、シャワーの水圧は強い方が好みの方は、エコキュートよりもガス給湯器の方がおすすめです。ただし、エコキュートのなかには水圧が強いモデルもあります。
水圧が強いエコキュートはどれ?
エコキュートの水圧が強いモデルは、大きく分けて2種類あります。
- パワフル高圧給湯タイプ
- 水道直圧タイプ
上記の違いを順番に解説します。
パワフル高圧給湯タイプ
パワフル高圧給湯タイプとは、貯湯タンクユニットの耐圧性能が通常のエコキュートよりも高いモデルで、メーカーによって異なりますが水圧は300kPa前後となっています。
貯湯タンクユニットで減圧をそれほど行っていないため水圧は強く、複数箇所で同時に使用しても、風呂場が2階や3階にあってもお湯の勢いが弱くなりにくいです。次の表は、主要なメーカーのパワフル高圧給湯タイプのエコキュートをまとめたものです。
パワフル高圧給湯の名称 | 水圧 | 対象の機種 | |
---|---|---|---|
三菱 | ハイパワー給湯 | 290kPa | Pシリーズ Sシリーズ |
パナソニック | パワフル高圧給湯 | 280kPa | JPシリーズ FPシリーズ J、N、W、NS、Fシリーズの一部機種 |
ダイキン | パワフル高圧給湯 | 320kPa | フルオート、オート、給湯専用の一部機種 |
メーカーによってパワフル高圧給湯の名称は異なり、水圧にも違いがあります。また、ハイエンドモデルのみという場合もあれば、ダイキンのように給湯専用の一部機種でもパワフル高圧給湯に対応している場合もあります。
なお、パワフル高圧給湯タイプとは別に高圧給湯タイプのエコキュートはありますが、パワフル高圧給湯タイプに比べると水圧は弱いです。
高圧給湯タイプとして販売されているエコキュートの水圧は180kPa前後で、標準的なエコキュートの水圧と比べると特別高い訳ではありません。シャワーの水圧にこだわる方は、高圧給湯ではなく、パワフル高圧給湯タイプを選ぶようにしましょう。
水道直圧タイプ
水道直圧タイプは、貯湯タンクにお湯を貯めないタイプのエコキュートのことです。日立が販売しているタイプのエコキュートで、熱交換器で水道水を熱して給湯しているため、ガス給湯器のように水圧が強いタイプです。
公営水道の水圧をそのまま利用するので、配管は強度の高いステンレスを使用しています。そのため、不純物を多く含んでいる井戸水や硬度の高い水道水のような環境でも使用できるというメリットがあります。
エコキュートの水圧を強くする方法
高圧給湯タイプや水道直圧タイプのエコキュートを購入しても、シャワーの勢いに満足できない場合は次の方法を試してみましょう。
- エコキュートの給湯温度を上げる
- 低圧用シャワーヘッドを使用する
上記の方法を順番に解説します。
エコキュートの給湯温度を上げる
エコキュートは貯湯式給湯器のため、作ったお湯をタンクに貯めてから必要に応じて各所に給湯します。給湯時に貯湯タンク内のお湯と設定した給湯温度が同じだと、貯湯タンク内のお湯だけが給湯されます。
しかし、貯湯タンク内のお湯の温度が給湯温度よりも高い場合、設定した給湯温度になるように水道水と混ぜてから各所に給湯されます。つまり、貯湯タンク内の湯温が高いと、公営水道の水圧が加わるため、シャワーの勢いが強くなる場合があります。
エコキュートの水圧が弱いと思ったら、まずは貯湯タンク内の湯温を上げてみましょう。ただし、湯温が高くて水道水と混ぜる場合、使用水量が増えるので水道料金が高くなる傾向があります。
低圧用シャワーヘッドを使用する
シャワーの勢いが弱いと思ったら、低圧用シャワーヘッドを使用してみましょう。低圧用シャワーヘッドとは、ヘッドの大きさを小さくしたり、散水版の穴の数を少なくしたりするなどの工夫で水圧を強くする道具です。
エコキュート専用の低位用シャワーヘッドはありません。ホームセンターやインターネットで購入できるので、自宅のシャワーと交換できるタイプの低圧用シャワーヘッドを購入して試してみましょう。
シャワーの水圧が弱い原因
シャワーの水圧が弱い原因には、エコキュート以外に下記の理由も考えられます。
- シャワーのフィルターの目詰まり
- 止水栓が閉まりすぎている
- 水漏れが起きている
上記の原因を順番に解説します。
シャワーのフィルターの目詰まり
シャワーにはお湯が出るシャワーヘッドと、水を運ぶホースの間にフィルターがセットされています。フィルターは水のなかに混ざっているゴミを取り除く機能がありますが、使用し続けているとゴミやサビが蓄積して目詰まりを起こす場合があります。
フィルターが目詰まりを起こしていると、シャワーの水圧が弱くなります。また、フィルター以外にもシャワーヘッドの目詰まりが起きている可能性もあります。まずは、シャワーヘッドやフィルターを外して、ブラシで目詰まりを取ってみましょう。
止水栓が閉まりすぎている
止水栓とは、水量の調整を行うために設けられている水栓のことです。シャワーの場合は洗面所や浴槽付近にあり、水圧調整が行えます。
止水栓が何らかの理由で閉まりすぎていると、シャワーの水圧が下がっている場合があります。また、家全体の水圧が下がっている場合は、元栓が完全に開いていない可能性もあります。
まずは、止水栓が閉まりすぎていないかチェックして、緩めるなどの対処をしてみましょう。それでもシャワーの水圧が弱い場合は、水道メーターの近くにある元栓が閉じていないか確認し、全開にしましょう。
水漏れが起きている
シャワーヘッド周りの掃除や、止水栓、元栓などをチェックしても水圧が弱い場合は、どこかで水漏れが起きている可能性があります。水道管が破損して水漏れが起きていると、住居全体の水圧が弱くなります。
水漏れが起きているかどうか、一般の方が調べるのは難しいです。そのため、水漏れの可能性を疑っているときは、水道の修理業者に相談してみましょう。なお、水道は自治体の指定業者以外に調べてもらうと条例違反となるので、指定業者に依頼しましょう。
また、水漏れが起きていると水道を使っていなくても水道料金に加算されて請求されますが、水漏れによって高額になった分は自治体に手続きを申し込めば減額となります。手続きには修理証明書が必要になるので、修理業者から忘れずに貰っておきましょう。
まとめ
以上が、エコキュートは本当に水圧が弱いのかについての解説になります。確かに、多くのエコキュートはガス給湯器に比べて水圧が弱いです。一方で、水圧が強いパワフル高圧給湯タイプや水道直圧タイプなども販売しています。
また、エコキュートの水圧が弱くても、貯湯タンク内の設定温度を上げたり、低圧用シャワーヘッドを使ったりするなど、購入してから強くする方法もあります。
「エコパパのお店」はエコキュートの施工や電話窓口などを商品知識が豊富な専門のプロスタッフが対応しています。自宅の風呂が2階や3階にある、家族の人数が多いなど、各家庭の事情に合った商品をご提案できます。
また、仲介業者を減らすことでコストを削減でき、メーカー正規品を低価格で販売しております。また、エコキュートに関する疑問や、ガス給湯器からエコキュートへの交換でご相談がありましたら、ぜひエコパパのお店までお気軽にご連絡ください。