熊本県に住んでいる方が利用できるエコキュートの補助金制度は?2023年度の制度を解説
2023年11月14日
政府は省エネ性能の高い住宅機器に補助金を出しており、地方自治体によってはエコキュートへの補助金制度があります。
しかし、地域によって補助金制度の有無や条件などは異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
そこで今回は、熊本県に住んでいる方が利用できるエコキュートの補助金制度を解説します。
なお、本記事は2023年11月上旬時点での情報に基づいて作成しております。タイミングによっては補助金制度が終了している可能性もあるので、注意しましょう。
熊本県に住んでいる方が利用できる開催中のエコキュート補助金制度は?
熊本県に住んでいる方が、2023年に利用できるエコキュート補助金制度は以下のとおりです。
補助金制度 | |
---|---|
熊本県氷川町 | 令和5年度 太陽光発電等の補助事業 |
熊本県で開催しているエコキュートの補助金制度は1つしかありません。次項より、熊本県氷川町の補助金制度を解説します。
熊本県氷川町
熊本県氷川町で開催している補助金制度の概要は以下のとおりです。
概要 | |
---|---|
補助金制度名 | 令和5年度 太陽光発電等の補助事業 |
対象要件 | 町内に住所を有しており、住んでいる住宅に対象機器を設置する、あるいは新築住宅に設置する方 |
補助金額 | 一律50,000円 |
申請期間 | 予算が尽きるまで |
申請のタイミング | 着工前 |
注意事項 | 太陽光発電システムと同時に設置する必要がある
過去に、同じ対象設備で街から補助金を受けていると申し込めない 対象機器の工事を2024年1月31日にまでに終了すること 工事完了後に報告書を提出する必要がある |
令和5年度 太陽光発電等の補助事業は、町内に住所を有しており、住んでいる住宅に対象機器を設置する、あるいは新築住宅に設置する方を対象とした補助金制度です。
本補助金制度ではエコキュート以外に太陽光発電システムと太陽熱利用施設の設置でも次のように補助金が給付されます。
対象機器 | 補助金額 |
---|---|
エコキュート | 一律50,000円 |
太陽光発電システム | 一律50,000円 |
太陽熱利用施設 | 自然循環型:一律25,000円 強制循環型:一律50,000円 |
条件を満たしているエコキュートの設置で、一律50,000円の補助金が貰えます。ただし、エコキュートの補助金を貰うためには、太陽光発電システムの同時申請が必要です。
本補助金制度では、複数の機器を同時に申込むことは可能なので、エコキュートと太陽光発電システムの同時申請で、合計100,000円の補助金を貰うことになります。
補助金額は増えますが、太陽光発電システムも同時に設置することになるので、支出額も増えると覚えておきましょう。
また、本補助金制度は着工前に申請を行い、2024年1月31日までに工事が完了して工事完了報告書を提出する必要があります。工事着工前に、スケジュール通りに進められるか施工業者に聞いておくことも重要です。
熊本県でエコキュートの補助金制度が少ない理由は?
エコキュートは省エネ性能の高い給湯器のため、補助金制度の対象になりやすい機器です。
しかし、補助金制度は地方自治体ごとに特徴が異なります。例えば、寒い地方では給湯器や給湯に関する燃料への補助金制度が豊富ですが、暖かい地方では数や規模が小さくなる傾向があります。
熊本県のみならず、福岡県や佐賀県、大分県といった九州地方ではエコキュートの補助金制度が少ないです。
熊本県を含めた九州地方でエコキュートの補助金制度が少ない理由は、幾つか考えられますが、一番の理由は九州地方でのエコキュートの普及率が高いからです。
九州地方は黒潮と対馬海流の影響を受けているため、冬でも比較的温暖な気候です。特に、九州南部地方は年間を通じて気温が下がりにくく、日差しが強いなどの特徴があります。
そのため、九州地方では太陽熱利用施設やエコキュートの普及率が全国平均を上回っており、多くの家庭ですでにエコキュートを設置しています。
エコキュートの補助金はエコキュートの導入を目的としているため、普及率が高い九州地方では補助金制度の数が少ないです。
熊本県氷川町の補助金制度は、2022年度、2023年度と続いておりますが、2024年度も開催されるとは限りません。熊本県氷川町でエコキュートを利用したいと考えている方は、早めに申し込みましょう。
熊本県でエコキュートを利用するメリットはあるの?
結論から申し上げますと熊本県でエコキュートを利用するメリットはあります。
次の表は、エコキュートとほかの給湯器のお湯を沸かすためのランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数などによって異なりますが、九州電力エリアならガス給湯器からエコキュートに買い替えることで、年間約80,000円の節約が可能です。
エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器のため、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすための効率が非常に良いです。
また、九州地方は日差しが強く、年間を通じて温暖な傾向があるため、冬でも気温があまり下がりません。エコキュートは空気の熱を利用しているため、冬でも気温が下がりにくい環境下で利用していれば、給湯効率が下がりにくいです。
そのため、熊本県を含めた九州地方では、ガス給湯器や石油給湯器などを購入するよりも、エコキュートを購入したほうがランニングコストを節約できてお得です。
エコキュートを購入する際の注意点は?
エコキュートを購入する際の注意点は以下のとおりです。
- ガス給湯器と使い方が違う
- エコキュートの初期費用は高額
上記の注意点を順番に解説します。
ガス給湯器と使い方が違う
エコキュートは夜間にお湯を沸かしておき、貯湯タンクユニットに貯めておく貯湯式給湯器です。ガス給湯器のようなお湯を使いたい時に沸かす瞬間式給湯器と仕組みが違うため、次のようなデメリットがあります。
- シャワーや給湯の勢いが弱い
- 湯切れの可能性がある
瞬間式給湯器は水道水の水圧をそのまま利用しながら各所に給湯するため、水圧が強いです。一方で、エコキュートは貯湯タンクユニットに貯めておく際に減圧を行っており、瞬間式給湯器に比べてシャワーや給湯の勢いが弱い傾向があります。
最近はシャワーの水圧が強い機種も販売されていますが、ガス給湯器に比べると弱いと感じる場合があるので、注意しましょう。
また、エコキュートは夜間にお湯を沸かしておき、翌日以降に消費する貯湯式給湯器です。日中にお湯を使いすぎると、湯切れが発生してお湯が使えなくなります。お湯が沸くまで使えなくなるので、使いすぎにも注意しましょう。
エコキュートの初期費用は高額
メーカーや機種によって異なりますが、ガス給湯器は工事費込みの相場が150,000円~250,000円で、エコキュートは工事費込みの相場が400,000円~700,000円と高額な傾向があります
初期費用の差額は250,000円~450,000円となっており、エコキュートを購入する際の大きな負担です。
ただし、エコキュートは他の給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられます。地域や機種によって異なりますが、年間約50,000円~80,000円は節約できるので、10年ほど使用していれば初期費用を回収できます。
10年以上使用できれば、さらに支出を節約できるため、エコキュートを購入したら定期的に点検やメンテナンスを行って、長期にわたって使用できるようにしましょう。
エコキュートに太陽光発電システムは必要なの?
エコキュートに太陽光発電システムは必須ではありませんが、同時に運用できれば次のようなメリットが得られます。
- エコキュートを日中に動かせる
- 災害が起きてもエコキュートが利用できる
エコキュートと太陽光発電システムを同時に導入するメリットを順番に解説します。
エコキュートを日中に動かせる
基本的に、エコキュートは夜間にお湯を沸かす給湯器です。夜間にお湯を沸かす理由は、エコキュートを導入した場合、日中よりも夜間のほうが電気量料金単価の安い契約プランに切り替えるからです。
例えば、熊本県でエコキュートを設置した場合、九州電力の「電化でナイト・セレクト」に切り替えます。電気料金単価は次の表のとおりです。
区分 | 単位 | 料金単価 | ||
---|---|---|---|---|
基本料金 | 契約電力が10kW以下の場合 | 1契約 | 1,888.80円 | |
契約電力が10kWを超える場合 | 15kWまで | 1契約 | 4,758.20円 | |
15kW超過分 | 1kW | 573.88円 | ||
電力量料金 | 平日昼間 | 夏冬 | 1kWh | 27.57円 |
春秋 | 1kWh | 24.68円 | ||
休日昼間 | 夏冬 | 1kWh | 21.95円 | |
春秋 | 1kWh | 18.55円 | ||
夜間 | 1kWh | 14.48円 |
太陽光発電システムがあれば日中の太陽光を電気に変換して発電するので、エコキュートを昼間に稼働しても買電量は増えません。
また、夜間に比べて日中のほうが気温は高いため、お湯を沸かすためのエネルギー量を減らすことができ、お湯を使用するまでの時間が短いので放熱ロスも減らせます。
そのため、エコキュートだけを運用するよりも、太陽光発電システムと一緒に運用すれば電気代の大幅な節約が見込めます。
災害が起きてもエコキュートが利用できる
エコキュートは電気で稼働する住宅機器のため、地震や台風などの災害が起きて給電されなくなると使用できません。
しかし、太陽光発電システムが稼働するなら、停電時でもエコキュートを使用することは可能です。
実際、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震での停電時でも、太陽光発電システムとエコキュートを設置していた家庭では日常に近い生活を送ることができたという報告が幾つもあります。
補助金制度は別の補助金制度と併用可能?
補助金制度ごとに条件が異なり、なかには条件を満たしていれば併用可能な補助金制度もあります。
例えば、経済産業省資源エネルギー庁が開催している「給湯省エネ事業」は、熊本県氷川町の「令和5年度 太陽光発電等の補助事業」との併用が可能です。
次の表は給湯省エネ事業の概要をまとめたものになります。
概要 | |
---|---|
補助金制度名 | 給湯省エネ事業 |
対象要件 | 給湯省エネ事業者と契約を締結しており、所有している住宅に対象設備を導入する方 |
補助金額 | 一律50,000円 |
申請期間 | 2023年12月31日まで |
申請のタイミング | 着工後 |
注意事項 | 給湯省エネ事業に登録している事業者から購入する必要がある |
給湯省エネ事業は給湯省エネ事業者と契約を締結しており、所有している住宅に対象設備導入する方が対象の補助金制度です。対象要件に住んでいる場所が含まれていないため、都道府県に住んでいるすべての方が対象になります。
エコキュートの補助金額は一律50,000円で、着工後に補助金を申し込む制度です。熊本県氷川町の「令和5年度 太陽光発電等の補助事業」は着工前なので、併用したい方は先に「令和5年度 太陽光発電等の補助事業」を申し込みましょう。
なお、申請期間は2023年12月31日までで、任意の予約申請は2023年11月30日までです。予約申請をすれば3ヵ月間は補助額分の予算を確保してもらえるため、確実に補助金を受け取りたい方は、先に予約の申請だけ済ませておくのも選択肢の1つです。
まとめ
以上が、熊本県に住んでいる方が利用できる補助金制度の解説になります。熊本県は太陽熱利用施設やエコキュートの普及率が高いためか、利用できる補助金制度の数が少ないです。
一方で、熊本県氷川町の「令和5年度 太陽光発電等の補助事業」と、「給湯省エネ事業」を併用すれば、エコキュートに対して合計100,000円の補助金が受け取れます。
エコキュートの初期費用の相場は400,000円~700,000円と高額なので、購入したい方は利用できる補助金制度を確認しましょう。
「エコパパのお店」では、エコキュートに関する知識が豊富なスタッフが対応致します。メーカー正規品を低価格で販売しておりますので、エコキュートに興味がある方は、ぜひご相談ください。