自宅を長期不在する場合にエコキュートでやっておくことは?水抜きや休止設定の方法を解説
2023年5月26日
エコキュートを使用している方が自宅を長期不在する場合、やっておくべきことがあります。やらずに旅行や出張に行ってしまうと、エコキュートのお湯が不衛生になったり、余分な光熱費が発生したりするので注意しましょう。
そこで今回は、自宅を長期不在する場合にエコキュートでやっておくことについて解説します。水抜きや休止設定の方法なども紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートを長期不在で放置しているとどうなる?
エコキュートを長期不在で放置していると、次のようなリスクが発生します。
- 余分な光熱費がかかる
- 貯湯タンクユニット内部のお湯が不衛生になる
- 漏電や火災の原因になる
- 冬場は凍るリスクもある
上記のリスクを順番に解説します。
余分な光熱費がかかる
エコキュートは貯湯式給湯器で、夜間にお湯を沸かして貯湯タンクユニットにて貯めておきます。必要に応じて各所に給湯する仕組みとなっており、基本的にリモコンユニットのAIによってコントロールされています。
エコキュートの電源がオンのまま長期不在で放置していると、自動でお湯を沸かそうとして無駄な光熱費が発生する可能性があります。
エコキュートの最大のメリットは年間ランニングコストの安さなので、余分な光熱費を発生させないように気を付けましょう。
貯湯タンクユニット内部のお湯が不衛生になる
貯湯タンクユニット内部のお湯は空気と触れておらず、沸き上げで沸騰しているので、普段ならある程度の清潔さは維持されています。しかし、長期不在で放置していると再沸騰を繰り返しても不衛生なお湯となるのは避けられません。
そのため、長期不在で放置したお湯でシャワーを浴びたり、お風呂にお湯を張ったりするのは止めましょう。
漏電や火災の原因になる
電源が点いた状態のエコキュートを長期不在で放置していると、漏電が起きていても気づくことができません。また、エコキュートが故障していたり、配線が摩耗していたりすると、知らない間に火災が起きてしまう可能性も否定できません。
自宅を長期不在する場合は、エコキュートを含めた住宅機器やブレーカーなどを落とすことも検討しておきましょう。
冬場は凍るリスクもある
環境にもよりますが、長期不在でエコキュートを放置していると配管内部の水が凍ってしまうリスクがあります。
エコキュートの風呂配管や給水・給湯配管は保温工事が行われており、基本的には凍りません。しかし、外気温が0℃以下になるような環境の場合は、保温工事を行っていても凍る可能性は高いです。
自宅に居る場合は、エコキュートが凍結しないように給湯側の蛇口を開いて、水を出すことで凍結予防を行うことができます。しかし、長期不在で自宅に誰もいない場合は凍結予防が行えないので、凍結してしまうリスクが高まります。
風呂配管や給水・給湯配管が凍結するとエコキュートが使用できなくなるので、冬場に凍結するリスクがある方は、長期不在する前に次項で紹介する対処方法を行っておくと良いです。
自宅を長期不在する場合にエコキュートでやっておくことは?
エコキュートを設置している自宅や別荘などを長期不在する場合は、電源をオフにして水抜きを行いましょう。
電源をオフにしておけば、長期不在中に自動で沸かしたり、保温したりすることはありません。また、漏電や火災が起きるリスクも減らせます。
エコキュートの電源を切る手順はメーカーや機種によって多少異なりますが、次の手順です。
- 貯湯タンクユニットの正面に立つ
- 貯湯タンクユニットの「漏電遮断器」のスイッチをオフに切り替える
電源をつけたいときは、漏電遮断器のスイッチをオンに切り替えましょう。
電源をオフにしたら、次は貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの水抜きを行います。メーカーや機種によって手順は異なるので、行う前に公式サイトや説明書を確認しておくと良いです。
また、機種によっては漏電遮断器のスイッチをオフにする前に行う場合があります。次の手順は、パナソニックエコキュートの水抜きのやり方です。
- 浴槽を空にする
- リモコンユニットの追いだきを押す
- 循環口から水が出なくなるのを確認する
- 追いだきを停止する
- リモコンユニットでタンクの水抜き準備を設定する
- 漏電遮断器のスイッチをオフにする
- 貯湯タンクユニットの混合水栓のお湯側と水側をすべて開く
- お湯が出なくなるまで待つ
- 混合水栓の水側を閉じる
- 給水元栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げて排水栓を開く
- 排水口や排水配管から水が流れ出なくなるまで待つ
- 混合水栓のお湯側を閉じる
- すべての水抜き栓と非常取水栓を緩めてストレーナーを外す
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を緩める(外さないように注意する)
- 水が出なくなるまで待つ
- 水抜き栓や非常用取水栓を閉じて、ストレーナーを戻す
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を閉じる
- 排水栓を最後に閉じる
- 逃し弁レバーを下げる
貯湯容量にもよりますが、全部の手順を済ませるまでに2時間近くかかる場合があるので注意しましょう。また、手順を間違えると高熱のお湯を浴びたり、エコキュートが破損したりする恐れがあるので、しっかりと確認してから行うと良いです。
貯湯タンクユニットを満水にする方法
上記の手順でタンクの水抜きを行った場合、長期不在から帰ったらタンクを満水にする必要があります。
タンクを満水にする方法は、メーカーや機種によって異なるので、実行する前に公式サイトや取扱説明書を確認しましょう。
次の手順は、パナソニックエコキュートの貯湯タンクユニットを満水にする手順です。なお、漏電遮断器のスイッチはオフになっていることが前提です。
- 貯湯タンクユニットの排水栓を閉じる
- 給水元栓を開ける
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水口や排す配管から水が連続して出るまで待つ
- 逃し弁レバーを下げる
- 混合水栓のお湯側を開き、水が出るのを確認したら閉じる
- ヒートポンプユニットの水抜き栓を開く(水抜き栓は抜かないように気を付ける)
- 1分以上水が出ることを確認したら水抜き栓を閉じる
- 漏電遮断器のスイッチをオンにする
- リモコンユニットのメニューを押す
- メニュー画面の「その他」を選ぶ
- メニュー画面の「空気抜き」を選ぶ
- 自宅の蛇口のお湯側を開き連続的に水が出始めたら閉じる
以上の手順で貯湯タンクユニットの内部は満水となります。あとは、リモコンユニットを操作して沸き直し、あるいは沸き増しを行えば、お湯が利用可能です。
なお、機種や外気温によってお湯を沸かすまでの時間は異なります。目安として、100L沸かすのに約1時間かかると覚えておきましょう。
長期不在する場合は電源を切るだけでは駄目なの?
長期不在するたびに2時間近くかけて水抜きを行うのは面倒に感じるかもしれませんが、電源を切るだけでは次のようなリスクがあります。
- 貯湯タンクユニットの内部が不衛生になる
- 凍結のリスクが高い
貯湯タンクユニットは密閉されており、沸騰したお湯を貯めているのである程度の清潔さが維持されています。しかし、電源を切ってしまうと沸かし直しができなくなるので、汚れが蓄積されます。
貯湯タンクユニット内部のタンクが不衛生になっても、洗うことはできません。そのため、タンクの水抜きを行っておく必要があります。
また、エコキュートには凍結防止の機能が搭載されており、0℃以下の環境でもヒートポンプユニット内部の水やお湯が凍らないように設定されています。しかし、電源を切ってしまうと凍結防止の機能が動かなくなり、凍結のリスクが高まります。
凍結機能をご自身で停止してヒートポンプユニットが故障した場合、メーカー保証の対象外になる可能性は高いです。ヒートポンプユニット一式の交換となると10万円以上の出費も考えられます。
以上の理由により、長期不在の際に電源だけを切ってしまうことはリスクが高いので、一緒に水抜きも行っておくと安心できます。
短期の留守の場合はどうすればいいの?
上記のやり方は自宅を1ヶ月以上不在にする場合の方法です。不在の期間が1ヶ月以内の短期間の場合は、エコキュートの休止設定を利用しましょう。
リモコンを操作することで、エコキュートの沸き上げを一定期間休止する方法があります。短期間ならお湯も酷く汚れないので、水抜きをする手間を考えたら休止設定のほうが良いです。
ただし、休止設定のやり方はメーカーや機種によって異なるので、実行する場合は公式サイトや取扱説明書を確認しましょう。
次の手順はパナソニックエコキュートの休止設定のやり方です。
- リモコンユニットのメニューを押す
- メニュー画面の「沸き上げ設定」を選択する
- 「休止設定」を選択する
- 休止期間を設定する
休止設定なら凍結防止機能が自動で動くので、安心です。1ヶ月以上不在にする場合は電源を切って水抜きを行い、不在期間が1ヶ月以内の場合は休止設定を行いましょう。なお、機種によって設定できる休止期間は異なります。
自宅を長期不在する際にガス給湯器も何かするべき?
自宅を長期不在する場合、ガス給湯器でも水抜きを行っておく必要があります。
ガス給湯器は瞬間式給湯器に分類され、給湯器内部のバーナーが配管を直接温めてお湯にして各所に給湯します。ガス給湯器を使用していないときは配管に水が残っているので、エコキュートと同様に外気温が下がったときに凍結するリスクがあります。
そのため、冬場に自宅を長期不在する場合は、ガス給湯器の公式サイトや取扱説明書で確認しながら、水抜きを行うと良いです。
まとめ
以上が、自宅を長期不在する場合のやっておくべきことの解説です。1ヶ月以上不在にする場合は、エコキュートの電源を切ったうえで、水抜きをしっかりとやっておくべきです。
水抜きに2時間程度、帰宅してからお湯を利用できるまでに4時間~5時間程度はかかりますが、何もしないで不在にするとタンク内部が不衛生になったり、余分な光熱費が発生したりすることを考えると、面倒でもやっておきたいです。
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