販売終了したエコウィルから買い替えるならどの給湯器?
2024年4月19日
クリーンな都市ガスを使って給湯と発電を同時に行うといえば、エネファームを思い浮かべるかもしれません。しかし、かつては別な選択肢もありました。それがエコウィルです。エコウィルは2003年に発売されましたが、2017年9月30日をもって販売終了しました。
利便性が高い機器であるため、エコウィルを導入した家庭も少なくないでしょう。そうした家庭ではエコウィルが老朽化した時に新しい機器に買い替える必要が出てきます。
本記事ではエコウィルの交換サインや買い替えるときの基準、買い替え時の選択肢、エコキュートを専門店で購入するメリットなどについて解説します。ぜひ、参考にしてください。
エコウィルとは?
エコウィルは「家庭用コージェネレーションシステム」の一種です。天然ガスや石油、LPガス等を燃料として発電し、そのときに発生する熱(排熱)も同時に回収して利用する仕組みと考えるとよいでしょう。エコウィルは発電だけではなく、排熱も効率よく利用するためエネルギー効率が高く、環境負荷を抑えられるとして人気になりました。
エコウィルは既に販売終了している
エコウィルはエネファームよりも安価に設置できることもあり、10万台以上の半場実績がある機器です。しかし、2017年9月30日で販売が終了してしまいました。その理由として以下のことが考えられます。
- より多くの発電ができるエネファームの普及が拡大したから
- 補助金が廃止されたから
1つ目の理由はエネファームの普及が拡大したからです。エネファームはエコウィルよりも高価な機器ですが、より多くの電気を発電できます。ガスの消費量は増えますが、発電量も増えるのでエコウィルよりも利便性が高いといえるでしょう。
2つ目の理由は補助金が廃止されたからです。かつて、エコウィルを購入すると本体購入費86,000円、工事代金(基礎工事・据付工事など)38,000円の合計124,000円の補助金が受けられました。しかし、この補助金が廃止されたことでエコウィルを導入するメリットが低下してしまったのです。
エコウィルの交換サイン
エコウィルのメリットや環境負荷の低さを魅力に感じて設置した方は、どのタイミングでエコウィルから別の機器に交換したらよいのでしょうか。
エコウィルは給湯ユニットと発電ユニットの2つの部分から構成されていますが、どちらも10年が目安です。適切なメンテナンスを行っているのであれば、より長く使用できるかもしれません。
しかし、エコウィルが以下のような状態であれば交換のタイミングかもしれません。交換を検討したほうが良い状態は以下のとおりです。
- リモコンにエラーが表示された
- お湯がぬるい気がする
- お湯が出るまでに前より時間がかかる
- エコウィルから大きな音がする
- エコウィルの周囲に水漏れがある
- 臭いが出るようになった
これらのうち、一つでもあてはまるものがあった場合はできるだけ早く交換を検討したほうがよいでしょう。
エコウィルから買い替えるならどれがいい?
エコウィルは残念ながら発売が終了してしまいました。現在エコウィルを使っている方は、次にどの給湯器に買い替えたらよいのでしょうか。買い替え候補として以下の4つがあります。
- エコキュート
- エネファーム
- エコジョーズ
- ガス給湯器
4つの給湯器の特徴を表でまとめました。
エコキュート | エネファーム | エコジョーズ | ガス給湯器 | |
---|---|---|---|---|
仕組み | ヒートポンプ式給湯器 | 家庭用燃料電池を使用したコージェネレーションシステム | 潜熱回収型のガス給湯器 | 従来型のガス給湯器 |
動力 | 電気 | ガス(水素) | ガス | ガス |
発電能力 | なし | あり | なし | なし |
初期費用 | 30~70万円 | 100~150万円 | 15~40万円 | 10~20万円 |
ランニングコスト | ◎ | ○ | △ | × |
それぞれの特徴やメリット・デメリットなどについて詳しく見てみましょう。
エコキュート
エコキュートとは、ヒートポンプの仕組みで空気中の熱を利用してお湯を沸かす家庭用給湯システムです。従来型の電気給湯器に比べてランニングコストを抑えられるという特徴があります。
エコキュートのメリット
エコキュートのメリットは以下の3点です。
- ランニングコストが安い
- 二酸化炭素の排出量を低く抑えられる
- 非常時にタンクの水を利用できる
空気中の熱を利用できるエコキュートは電気給湯器はもちろんのこと、従来型のガス給湯器よりもランニングコストを抑えられる高効率給湯器です。特に、ガス代が都市ガスよりも高くなりがちなLPガスを利用している場合は、エコキュートに買い替えることでランニングコストを大きく下げられます。
空気熱を利用するため、発電に必要な電気を抑制できることから火力発電所由来の電気の使用量を減らせて二酸化炭素の排出削減に貢献できます。最近注目されている太陽光発電と組み合わせるタイプのエコキュート(おひさまエコキュート)であれば、さらに二酸化炭素排出量を削減できるでしょう。
また、地震などの自然災害で断水した際にタンク内に残っている水を生活用水として活用できます。コスト削減とリスク対処の両面から、エコキュートは有力な選択肢だといえるでしょう。
エコキュートのデメリット
エコキュートのデメリットは以下の3点です。
- 初期費用がガス給湯器よりも高額
- 騒音のリスクがある
- 湯切れを起こす可能性がある
エコキュートの初期費用はエコウィルやエネファームよりも安いとはいえ、一般的なガス給湯器よりも高めです。深夜に稼働させると駆動音がうるさいと言われる可能性があります。また、お湯を使いすぎると湯切れを起こしてしまうリスクもあります。
駆動音についてはおひさまエコキュートを使用すれば昼間にお湯を沸かせるため深夜のリスクを回避できます。湯切れについてはお湯の使用量を多めに設定することで対応できますが、あらかじめ利用量が多くなる日がわかっていればその日だけ多くお湯を沸かす設定にすると対処可能です。
エコキュートについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧下さい。
エネファーム
エネファームはエコウィルと同じ「家庭用コージェネレーションシステム」の一種です。都市ガスやLPガスから水素を取り出して酸素と反応させることで発電する燃料電池です。電気を発電するだけではなく、発電時に発生する熱を使って貯湯タンク内のお湯を温めます。
エネファームのメリット
エネファームのメリットは以下のとおりです。
- 光熱費を節約できる
- エネルギー効率が高い
- 停電時でも発電可能
エネファームを利用すると、電力会社から購入する電気の量を減らすことができるため光熱費を削減できます。電気代には再エネ賦課金が含まれていますが、電力会社から電気を購入しなければ再エネ賦課金を支払わずに済み、光熱費を削減できるでしょう。
エネルギー効率の高さもエネファームの魅力です。自宅で発電するため送電ロスがなく、排熱を給湯に使用できることからエネルギー効率が高い発電・給湯方法だといえます。
電力会社で発電する場合、燃料(天然ガスなど)が持っているエネルギーのうち、59%ものエネルギーが利用されない排熱や送電ロスで失われてしまいます。そのため、家庭のエネルギー利用率は41%に過ぎません。
しかし、エネファームはエコウィルと同じように自宅で発電し排熱を給湯に利用するため、85〜97%のエネルギーを利用できます。また、停電時でもガスの供給が止まらなければ電気を利用し続けることができるというメリットもあります。
エネファームのデメリット
エネファームのデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用が高い
- ガス代が高騰すると光熱費が上がる
エネファーム最大のネックは初期費用の高さです。コージェネレーションシステムに興味がある人でも、導入費用が100万〜200万円となれば二の足を踏んでしまうかもしれません。エコウィルから買い替えるとなると、かなりのコストアップと感じるでしょう。
また、ガス料金によってランニングコストが大幅に上昇する恐れがあるのもエネファームのデメリットです。円安や資源価格の高騰といった事態が起きたとき、コスト面での有利さが失われてしまう可能性は想定しなければなりません。
エコジョーズ
エコジョーズは従来型のガス給湯器よりもエネルギー効率が良いガス潜熱回収型給湯器のことです。これまでのガス給湯器はお湯を沸かす際に発生する潜熱を有効活用できていませんでした。エコジョーズは熱交換器の仕組みを変えることで潜熱を有効活用できます。
エコジョーズのメリット
エコジョーズのメリットは以下のとおりです。
- 給湯時の熱効率が高い
- ガス使用量が従来型よりも少ない
- 二酸化炭素の排出量が少ない
エコジョーズは潜熱を利用できるようになったため、給湯時の熱効率が80%から95%まで向上しました。そのため、ガス使用量を減らすことができます。ガスの使用量は従来型に比べて13%も少なくなりました。もちろん、ガスの使用量が減ると二酸化炭素の排出量も削減できます。こちらも13%の削減に成功しました。
エコジョーズのデメリット
エコジョーズのデメリットは一般的なガス給湯器よりも高額であることです。それでも他の給湯器よりも安価ですので、ガスを使うのであればエコジョーズは有力な選択肢です。
一般的なガス給湯器
一般的なガス給湯器のメリットは初期費用の安さです。数万円から10数万円前後で導入できるため、最も導入コストを低くできます。しかし、エコウィルのように発電できませんし、ランニングコストが安くなるわけではありません。導入時のコストを安くしたい方におすすめです。
エコウィルからの買い替えはエコキュートがおすすめ!
今回紹介した4つの選択肢の中で最もおすすめなのがエコキュートです。なぜなら、ランニングコストが低く、ガスを使う給湯方法で心配な火災のリスクをかなり低く抑えられるからです。導入費用は最安とは言えませんが、高効率給湯器の中ではお求めやすなっておりコストパフォーマンスに優れた給湯器といえるでしょう。
他熱源給湯器とエコキュートのランニングコストの比較については、下記の記事で解説していますので、是非ご覧下さい。
まとめ
今回はエコウィルの販売終了に伴う買い替えをテーマとして解説しました。エコウィルからの買い替え選択肢はエコキュート、エネファーム、エコジョーズ、一般的なガス給湯器の4つです。
ランニングコストの安さや導入のしやすさを考えると、最も有力な選択肢はエコキュートです。エコキュートはランニングコストを安くでき、災害時にもタンクの水を使用できるといったメリットがあるためおすすめです。
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エコキュートの導入を検討している方はぜひ一度、エコパパのお店へご相談下さい。