電気を使う給湯器とは?エコキュート・電気温水器の賢い選び方を徹底解説
2025年9月16日

生活に欠かせない給湯器だからこそ、日々の使い勝手に加えてランニングコストや環境への負荷を考えて選びたいものです。そこで最近注目されているのが、電気を使う電気給湯器です。ところが電気を使う給湯器には、エコキュート・電気温水器があるので、違いを正しく理解した上で選ばなければ、損をすることもあり得ます。そこで今回は、エコキュート・電気温水器、それぞれの特徴やメリット・デメリット、家庭に合った選び方のポイントをわかりやすく解説していきましょう。
1.家庭用給湯器にはどのような種類がある?
給湯器とは、お風呂の浴槽やシャワー、洗面所や台所などにお湯を供給するために、お湯を沸かす機器です。家庭用の給湯器には、大きく分けて「ガス給湯器」「石油給湯器」「電気給湯器」の3種類があります。
ガス給湯器は、プロパンガスや都市ガスを燃焼させてお湯を沸かす仕組みで、お湯を使うタイミングで瞬間的にお湯を沸かすため、ためておくタンクがいらずコンパクトなのが特徴です。
石油給湯器は灯油を使いランニングコストが安いため、寒冷地でよく選ばれています。
電気給湯器は、電気を使ってお湯を沸かす給湯器です。電気給湯器はさらに、「電気温水器」と「エコキュート」の2種類に分けられます。
このように、お湯を沸かすエネルギーによって、給湯器にはガス式・石油式・電気式があるのです。どのタイプの給湯器にもそれぞれ違った特徴や、メリット・デメリットがあります。給湯器を選ぶ際には、それらを把握し、比較検討して選ぶようにしましょう。
2.電気給湯器とは?
給湯器の中でも、電気を使いお湯を沸かす電気給湯器は、エコキュート・電気温水器の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
2-1.電気温水器とは?
電気温水器とは、電気で温めた電熱ヒーターで水を直接加熱する仕組みの電気給湯器です。電気温水器は、瞬間式と貯湯式が存在します。
瞬間式電気温水器とは、蛇口を開くたび、瞬間的に水を加熱してお湯を作る電気温水器です。お湯をあらかじめ作ってためておくことはしないため、タンクが不要でコンパクトなのが特徴です。必要な時に必要なだけお湯を作ります。
貯湯式電気温水器は、電熱ヒーターで熱したお湯を保温性のあるタンクにためておき、必要な時に使える仕組みの電気温水器です。
2-2.エコキュートとは?
エコキュートは、電気を使ってお湯を沸かす点では、電気温水器と同じです。ただし大きく違う点が、エコキュートは電気以外にも、空気中の熱を利用する点です。ヒートポンプで空気中の熱を集めて、電気とともにお湯を沸かすのに使います。
2-3.エコキュート・電気温水器の違いを比較
エコキュート・電気温水器の違いを表で比較します。
比較項目 | 電気温水器 | エコキュート |
---|---|---|
仕組み | 電熱ヒーター | ヒートポンプ |
初期費用 | 安い | 高い |
光熱費 | 高い | 安い |
設置スペース | 室内に必要(瞬間式はコンパクト) | 屋外に必要 |
補助金 | ほぼ対象外 | 対象になりやすい |
電気温水器は初期費用が安く導入しやすい反面、毎月の光熱費は割高です。エコキュートは初期費用がかかるものの、月々の光熱費は抑えられるため、総コストを考えるとお得だと言えます。瞬間式電気温水器はタンクがなく省スペースですが、貯湯式電気温水器の場合はタンクを置くための広めのスペースが室内に必要です。エコキュートはヒートポンプ・貯湯タンクの2つを置くスペースが室外に必要です。
3.電気温水器のメリットとデメリット
電気温水器のメリットとデメリットは、次の通りです。
3-1.電気温水器のメリットとは?
電気温水器のメリットは、初期費用の安さです。構造がシンプルなため故障もしにくく、設置工事も比較的簡単なので、導入のハードルが低い点がメリットです。
3-2.電気温水器のデメリット
電気温水器は長く使うほどコストがかさみ、毎月の光熱費が高くなりやすい点がネックです。貯湯式の電気温水器の場合、タンクの設置スペースを確保する必要もあります。また、導入に当たっては補助金の対象外である場合が多く、費用負担は軽減しにくい点もネックでしょう。
4.エコキュートのメリットとデメリット
エコキュートを選ぶメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
4-1.エコキュートのメリット
エコキュートは、電気だけでお湯を沸かす電気温水器と異なり、空気中の熱も活用して効率よくお湯を沸かします。そのため、使用する電気が少なくて済むのが、エコキュート最大のメリットだと言えます。また、エコキュートは1日に使うお湯をあらかじめ沸かしてタンクにためておく貯湯式なので、光熱費の安い深夜に沸き上げを行えば、光熱費を大幅に抑えられるのです。
また、エコキュートは二酸化炭素の排出量を抑えられる給湯器なので、環境に配慮した暮らしが実現します。「2050カーボンニュートラル」(二酸化炭素排出量を実質ゼロ)という大きな目標に向けて、国や地方自治体がエコキュートの導入を推進しているのはご存知でしょうか。そのため、エコキュート導入時にさまざまな補助金が用意されています。
4-2.エコキュートのデメリット
エコキュートは電気温水器や他の給湯器と比較しても、本体代や工事費といった初期費用が高く、導入時にまとまった費用が必要になります。ただしこれは、国や地方自治体の設けている補助金を活用すれば、負担を大きく減らせるでしょう。
また、エコキュートは室外機を置くスペースが必要です。屋外に室外機を置くため騒音対策が必要な点もデメリットだと言われますが、実際にはエコキュートの稼働音は40dBであり、これは図書館内と同程度の静かさで、一般的には静かな機器だと言えます。
5.エコキュート・電気温水器、どちらを選べばいい?選び方のポイント
エコキュート・電気温水器はどちらも電気を使った給湯器で、どちらを選べばいいのか迷うかもしれません。そこでここからは、どちらを選べばいいか、選び方のポイントを紹介していきます。
5-1.家族構成で選ぶ
1人暮らしや夫婦2人の家庭なら、1日に使う湯量は比較的少ないはずです。このような家庭では、電気温水器でも十分に対応できます。電気温水器のタンクはエコキュートと同様、1人暮らし向きの150リットル~200リットルのものから、4~6人家族向けの460リットル以上のものまでそろっています。エコキュートと比べ、電気温水器は電気を多く使用しなければなりません。それでも家族の人数が少なく、使用湯量の少ない家庭なら、電気温水器でも光熱費が大きな負担になることはないでしょう。
家族が3~4人以上になると、入浴や洗面、台所で使う湯量が一気に増えます。電気温水器では光熱費が高くなりがちなので、エコキュートの方が有利です。エコキュートなら高効率のヒートポンプでお湯を沸かすので、万が一お湯が足りなくなった場合に沸き増しをしても、光熱費を抑えられるため、電気温水器と比べて光熱費はかかりません。そのため、大家族ほどエコキュートを選ぶメリットが大きくなります。
5-2.ライフスタイルで選ぶ
家族のライフスタイル、おもに入浴の仕方によっても電気給湯器の選び方は異なります。毎日湯船にお湯を張ってしっかり入浴する家庭の場合、使用湯量が多くなるので、エコキュートの方が効率的で、コストも抑えやすい傾向にあります。一方でシャワーだけで済ませることの多い家庭では、シンプルな仕組みの電気温水器で十分対応可能です。
5-3.ランニングコストで選ぶ
エコキュートの方が、電気温水器と比べて毎月の光熱費はリーズナブルです。たとえばある試算によると、電気給湯器の年間給湯光熱費が約10万円だった家庭では、エコキュートにしたことで約2万4千円に抑えられたというデータもあります。選ぶ機種や契約電力、使用湯量などによって異なるものの、エコキュートの方が電気温水器より年間で3~4万円、電気温水器の3分の1~4分の1程度の節約効果が期待できると言われています。導入前にシミュレーションして、どちらが自分の家計にとってお得なのか調べるといいでしょう。
5-4.使用期間で選ぶ
エコキュートは初期費用が高いものの、光熱費は電気温水器よりリーズナブルです。つまり使用期間が長ければ、初期費用の高かった分を、月々の光熱費で回収していけます。10年程度使い続けることで、初期費用の高かった分を回収できるケースが多いでしょう。数年以内に引っ越しが決まっている場合や、仮住まいなどで長期の利用ができない場合は、初期費用の安い電気温水器の方が向いています。
5-5.設置環境で選ぶ
電気温水器は、貯湯式の場合でもタンク本体を室内に設置すればよく、室外機は不要です。そのため、狭小住宅やマンションなど、屋外に設置スペースがない場合でも設置できます。戸建てで屋外スペースに余裕のある場合には、室内スペースを圧迫しないエコキュートがおすすめです。庭先や家の裏など、邪魔にならない場所に設置できます。
5-6.メンテナンス性で選ぶ
2005年頃までは、電気温水器の販売台数が、エコキュートを上回っていました。ところが2021年にはエコキュートの販売台数が電気温水器を大きく上回り、900万台を突破しました。つまり、電気温水器からエコキュートへの置き換えが進行しているというわけです。今後新規に電気温水器を設置する人が少なくなり需要が減ると、電気温水器の本体や部品が生産終了になる可能性があります。劣化や故障で部品交換したくなっても、部品が手に入らなくなりかねません。そのようなメンテナンス性を考えると、エコキュートの方が安心だと言えます。
6.まとめ
エコキュート・電気温水器は、どちらも電気を使った給湯器であり、二酸化炭素を排出しない給湯器として注目を集めています。ただしエコキュート・電気温水器にはそれぞれ特徴があるので、ライフスタイルや設置環境などに合わせて選ぶことが大切です。光熱費の節約になり、今後もシェアを伸ばしていくエコキュートは、補助金も利用できるため有力な候補となるでしょう。
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