電気温水器で電気代を節約する方法は?電気代の高騰前にやっておきたい対策を紹介
2023年7月28日
電気温水器は電気でお湯を沸かす給湯器なので、電気代の高騰の影響を受けやすい住宅機器です。2023年6月1日に、大手電力会社7社が大規模な値上げを行っており、電気温水器を使用している家庭によっては電気代が高騰している可能性があります。
そこで今回は、電気温水器で電気代を節約する方法を解説します。ぜひ最後までご覧ください。
電気温水器の仕組み
電気温水器は貯湯タンクユニット内部に設置されているヒーターが電気によって熱せられて、お湯を沸かす仕組みです。お湯を沸かすためにガスは必要なく、一般的なガス給湯器と違って沸かしたお湯を貯湯タンクユニットに貯めておいて、各所に給湯します。
そのため、電気温水器は貯湯式給湯器に分類されます。ただし、メーカーや機種によってはガス給湯器のように給湯時にお湯を沸かす瞬間式もあります。
電気温水器のランニングコストは電気代の高騰に影響を受ける
電気温水器がお湯を沸かすためには電気が必要になるため、ランニングコストは電気代の高騰に影響を受けやすいです。
2023年6月1日、大手電力会社7社は規制料金の値上げを行っており、値上げ率は20%~40%と高い数値となっています。今回の値上げは幾つかの社会情勢の変動により、経営が急激に苦しくなったためです。
仮に、電気温水器の1カ月あたりのランニングコストが10,000円の家庭なら、電気代の高騰により給湯代が2,000円~4,000円アップし、1年間で24,000円~48,000円増える可能性があります。
大手電力会社の規制料金は従量課金制を取っており、使用電力量が増えるほど1kWhあたりの料金単価が割高になるため、ライフスタイルや家族の人数によっては電気代の高騰の影響は更に大きくなる可能性も否定できません。
大手電力会社10社のうち、2023年6月1日に値上げを行わなかったのは中部電力、関西電力、九州電力の3社です。値上げをしなかった理由は幾つかありますが、値上げをしなかった企業の業績も苦しいため、将来的に電気料金の値上げを実行すると予想されています。
また、大手電力会社7社が値上げを実行した原因である社会情勢の変動は収まっておらず、値上げを実行したことで経営が改善されたという報告は現時点でありません。
そのため、お湯を沸かすために電気が必要になる電気温水器を使い続けるなら、節電を意識したほうが良いです。
電気温水器で電気代を節約する方法
電気温水器で電気代を節約する方法は以下の通りです。
- 使わないときは電源を切る
- 給湯温度を見直す
- お湯の使用量を減らす
- 電気料金プランを変更する
- 太陽光発電システムを設置する
上記の方法を順番に解説します。
使わないときは電源を切る
電気温水器は電気料金が安くなる深夜に、事前に設定した給湯量と給湯温度になるように毎晩お湯を沸かします。
しかし、お湯を消費していなくても、貯湯タンクユニット内部のお湯の温度が下がっていると、設定した給湯温度になるようにお湯を沸かそうとするため、余分な電気代が発生します。
そのため、電気温水器を使用するなら、使わないときは電源を切ってみましょう。
お湯を毎日沸かすのではなく、数日おきに1度沸かすようにすると、電気料金の節約につながります。
ただし、冬場は貯湯タンクユニットの性能にもよりますが、お湯の温度が下がりやすくなり、必要なときにお湯が使えなくなる可能性が高くなるので、まずは夏場に試してみましょう。
給湯温度を見直す
設定した給湯温度が高いと、必要になる電力量も大きくなります。
過去に行われた実験によると、設定した温度が高ければ高いほど、消費電力と電力消費量も増加します。電気温水器の性能にもよりますが、60℃までお湯を沸かすのと、80℃までお湯を沸かすのでは、必要になる消費電力は1.7倍も違います。
つまり、給湯温度を下げれば消費電力を抑えることができて、電気温水器のランニングコストを節約することに繋がります。
ただし、給湯温度を下げると、お湯の消費割合が増える可能性があるので注意しましょう。
貯湯式の電気温水器は、貯湯タンクユニットに貯めてある高温のお湯に、水道水を混ぜて各所に給湯します。
40℃のお湯を利用しようとした場合、給湯温度が80℃なら40℃に下げるまでに水道水が多く必要になります。しかし、給湯温度が60℃ならお湯の割合は80℃の時よりも増えます。
給湯温度が下がると、同じ量のお湯を出しているつもりでも、貯湯タンクユニットのお湯の消費割合が増える可能性があるので、湯切れが発生しやすくなると覚えておきましょう。
お湯の使用量を減らす
お湯を沸かす際、加熱する水の量が多いほど必要になる消費電力も増えます。例えば、お湯を60℃まで沸かす場合、沸かすお湯の量で消費電力は次のように異なります。
60℃ | |
---|---|
50L | 3.8kW |
100L | 7.6kW |
150L | 11kW |
200L | 15kW |
実際の消費電力は電気温水器の性能にもより異なりますが、沸かすお湯の量が少ないほど、電気代の節約につながります。そのため、日ごろからお湯の使用量を減らすように注意しましょう。
例えば、シャワーヘッドを節水効果の高いものに交換したり、浴槽の湯量を減らしたり、湯船に浸かる回数を減らしたりすると、お湯の使用量を減らすことができます。
電気料金プランを変更する
電気温水器を使用し続けるなら、電気料金プランの変更も検討してみましょう。
電気温水器を設置すると、時間帯によって電気料金高が変動する季節別時間帯別電灯に契約します。例えば、中部電力エリアに住んでいる方が電気温水器を設置すると、スマートライフプランに契約します。
次の表はスマートライフプランの電気料金をまとめたものです。
区分 | 単位 | 料金単価(税込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 10kVAまで | 1契約 | 1597.04円 |
10kvAを超える | 1kVA | 297.00円 | |
電力量料金 | デイタイム | 1kWh | 38.95円 |
@ホームタイム | 28.76円 | ||
ナイトタイム | 16.63円 |
電力会社によって電気料金単価の仕組みや金額などは異なります。つまり、上記のスマートライフプランよりもお得な電気料金プランに乗り換えることができれば、電気温水器のランニングコストを節約できます。
住んでいる場所によって契約できる電気料金プランは異なるので、ご自身の住んでいる場所で契約できるプランを比較してみましょう。
太陽光発電システムを設置する
電気温水器の電気代を節約する方法として、太陽光発電システムの設置もおすすめです。
太陽光発電システムは光エネルギーを電力に変換して、ご家庭で消費したり、電力会社に売電したりする住宅機器になります。
太陽光発電システムの設置容量や天気にもよりますが、発電した電力で電気温水器を動かすことは可能なので、理論上はランニングコストを0円にすることもできます。
また、電気温水器だけでなく、テレビやエアコンなどの電力も賄えるので、家庭全体の電気代の節約も期待できます。
電気代の高騰前にエコキュートへ交換する
上記で解説した方法を実践すれば、電気温水器のランニングコストをある程度までは節約できます。しかし、2023年6月1日に大手電力会社が行った、20%~40%の大規模な値上げに上記の方法だけで対応できるとは言えません。
そのため、電気代の高騰に本格的に対処するなら、電気温水器からエコキュート交換しましょう。
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。エアコンにも用いられているヒートポンプ技術により、空気を圧縮して生み出した熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクユニットで貯めて各所に給湯します。
そのため、電気温水器とエコキュートでは次のような共通点があります。
- エコキュートも貯湯型給湯器
- お湯を沸かすためにガスは不要で、電気が必要
- 設置すると、季節別時間帯電灯と契約する
現在販売されているエコキュートの大半が貯湯型給湯器です。お湯を沸かす際にガスが必要なく、電気料金単価が安い時間帯にお湯を沸かすなど、貯湯型の電気温水器との共通点は多いです。
利用している電気温水器が貯湯型なら、違和感なく電気温水器からエコキュートに切り替えることができます。
一方で、電気温水器とエコキュートの最大の違いは、お湯を沸かすためのランニングコストです。次の表は、同じ湯量を沸かした場合の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | 電気温水器 | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約108,000円 |
東北電力エリア | 約31,200円 | 約80,400円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約166,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約25,200円 | 約104,400円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約100,800円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約86,400円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約91,200円 |
四国電力エリア | 約26,400円 | 約126,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約78,000円 |
沖縄電力エリア | 約28,800円 | 不明 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数によって異なりますが、電気温水器に比べてエコキュートのほうが抑えられているのが分かります。
エコキュートはお湯を沸かすためのエネルギーに電気と空気の熱を利用しており、ランニングコストは電気温水器の3分の1程度です。中部電力エリアで電気温水器からエコキュートに交換すれば、年間約75,600円の節約ができます。
つまり、電気温水器からエコキュートに交換すれば、電気代が20%~40%値上げした場合でも、十分対処できるほどの節約効果を得られます。
まとめ
以上が、電気温水器で電気代を節約する方法の解説になります。電気温水器を使用しているなら、電気代が高騰する前に次の方法を試してみましょう。
- 使わないときは電源を切る
- 給湯温度を見直す
- お湯の使用量を減らす
- 電気料金プランを変更する
- 太陽光発電システムを設置する
- エコキュートと交換する
おすすめはエコキュートへの交換です。エコキュートは電気温水器と共通点が多く、買い替えるだけで一定以上の節約効果を期待できます。ただし、エコキュートを選ぶ際には、ある程度の知識が必要になります。
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