電気温水器の交換費用と判断基準!エコキュート乗り換えで電気代節約
2025年10月27日

「お湯が出なくなった」「エラーが頻発する」— 電気温水器の故障は、突然のことで焦るものです。電気温水器の平均寿命は10年~15年であり、この時期にトラブルが発生した場合、修理ではなく「交換」を検討するのが賢明です。
結論からお伝えすると、電気温水器を交換する最適なタイミングは、エコキュートへの乗り換えを同時に検討する絶好の機会です。エコキュートは初期費用こそかかりますが、電気温水器と比べて年間の電気代が1/3~1/4に削減できるため、数年で初期投資を回収でき、長期的に圧倒的な経済メリットを享受できます。
例えば、15年以上前の古い電気温水器を使い続けると、効率が悪くなり電気代が高くなるだけでなく、部品の供給が終了していて修理自体ができないリスクもあります。
この記事では、電気温水器の寿命サインから、修理と交換の判断基準、そしてエコキュートへ乗り換える際の具体的な費用相場や補助金情報までを詳しく解説します。
電気温水器の交換タイミング:寿命のサインと判断基準
電気温水器の交換を検討するにあたり、まずは自身の機器の状態と寿命を把握することが重要です。
電気温水器の平均寿命は何年か?
電気温水器の平均的な寿命は、10年〜15年とされています。これはメーカーが定める「設計標準使用期間」がおおむね10年であることに基づいています。
- 10年未満: 突発的な故障でなければ、メーカー保証や延長保証が適用される場合が多く、修理で対応できるケースがほとんどです。
- 10年〜15年: 故障が増え始める時期です。修理部品の保有期間(一般的に製造終了から約10年)が終了している可能性も出てきます。
- 15年超: 機器全体の経年劣化が進んでおり、たとえ修理しても別の箇所がすぐに故障する「いたちごっこ」になりやすいため、交換を強く推奨します。
交換が避けられない「故障のサイン」3つ
以下の症状が出たら、寿命を迎えている可能性が高く、すぐに業者へ相談してください。
- お湯の温度が不安定・沸き上げができない: 最も多いサインです。ヒーターや温度を制御する基板(制御盤)の故障が考えられ、この部品の修理費が高額になる場合、交換の方が経済的です。
- 頻繁にエラーコードが表示される: リセットしてもすぐにエラーが出る場合、センサーや内部回路に深刻な問題が発生しています。特に古い機種では、エラーコードが出てもすでに部品がないケースもあります。
- 本体や配管からの水漏れ: タンク本体からの水漏れは、内部の缶体に穴が開いている可能性があり、修理が不可能で即交換となります。配管からの水漏れでも、劣化が広範囲に及んでいる場合は交換が最善です。
修理か交換か?判断を分ける「使用年数」の目安
故障した際の修理と交換の判断は、「使用年数」と「保証期間」、そして「修理費用」で決めましょう。
| 項目 | 使用年数10年未満 | 使用年数15年超 |
|---|---|---|
| 修理費用 | 比較的安価な部品交換で済むことが多い。 | 部品が供給終了の可能性あり。高額修理でもすぐに次の故障が起こるリスクが高い。 |
| 保証 | メーカー保証や延長保証が適用される場合が多い。 | 保証期間外。全額自己負担となる。 |
| 推奨判断 | 修理を優先。ただし、修理費用が本体交換費用の50%を超える場合は交換も検討。 | 交換を強く推奨。特にエコキュートへの乗り換えを検討すべき。 |
【最重要】エコキュートへの乗り換えを強く推奨する理由
電気温水器からエコキュートへの乗り換えは、給湯システム全体を省エネ化し、長期的な経済メリットを得るための最善策です。
理由1:年間電気代が大幅に削減できる経済性
電気温水器とエコキュートの最大の違いは、お湯を沸かす仕組みです。
- 電気温水器: 電気ヒーターで直接水を温めるため、効率が悪く電気代が高くなります。
- エコキュート: 大気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かすヒートポンプ式のため、電気温水器に比べて約1/3〜1/4の電気代で済みます。
例えば、4人家族の場合、電気温水器からエコキュートに替えるだけで、年間で約5万円〜8万円もの電気代を節約できる可能性があります(地域や使用状況による)。この節約分で、エコキュートの初期費用を数年で回収できます。
理由2:国の補助金制度を活用できるチャンス
政府は現在、高い省エネ性能を持つ給湯器の導入に対し、「給湯省エネ2025事業」などの補助金制度を設けています。この制度は、電気温水器からエコキュートへの交換が特に優遇されています。
- 最大補助額: 既設の電気温水器の撤去を伴う交換の場合、高性能なエコキュートであれば、最大17万円(基本額+性能加算+電気温水器撤去加算)の補助金を受け取れる可能性があります。
- 注意点: 補助金は予算に限りがあり、申請期間が定められています。補助金制度の登録事業者である業者を通して申請する必要があるため、交換を決めたらすぐに専門業者に相談し、制度の活用について確認しましょう。
乗り換え時に発生する「基礎工事」と設置場所の確保
電気温水器からエコキュートへ交換する際、初期費用が電気温水器のまま交換するより高くなる主な要因は、以下の工事が発生するためです。
- ヒートポンプユニットの設置: エコキュートには室外機(ヒートポンプユニット)が必要となるため、その設置場所の確保と、安定させるための基礎工事(コンクリート打設)が必要になります。(費用目安:2万円〜4万円)
- 配管工事: 貯湯タンクとヒートポンプユニットを繋ぐ配管工事や、浴槽の追い焚き配管新設工事(フルオートの場合)、制御用の電気配線工事が必要です。
これらの追加工事が必要かどうか、設置場所の状況も含めて事前に業者に確認しましょう。
電気温水器を交換する際の費用相場と内訳
交換費用は「本体費用」と「工事費用」に大きく分かれます。既存の電気温水器から同じ電気温水器に交換する場合と、エコキュートに交換する場合とで費用相場は大きく異なります。
電気温水器に交換する場合の費用相場
| 項目 | 費用相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 本体費用 | 15万円〜30万円 | 容量や機能(フルオート、セミオート)によって変動 |
| 工事費用 | 8万円〜20万円 | 既存機器の撤去・処分、新しい機器の設置、配管接続など |
| 総額相場 | 25万円〜50万円 | ※給湯専用や容量の小さい機種はさらに安価な場合あり |
エコキュートに交換する場合の費用相場と内訳
| 項目 | 費用相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 本体費用 | 25万円〜50万円 | 高機能機種や寒冷地仕様は高額になる |
| 基本工事費 | 10万円〜15万円 | 既存機器の撤去・処分、新規設置 |
| 追加工事費 | 5万円〜15万円 | ヒートポンプ基礎工事、追い焚き配管新設、200V配線工事など |
| 総額相場 | 40万円〜70万円 | 初期費用は高いが、補助金制度が利用可能 |
費用を抑えるための「相見積もり」の重要性
給湯器の交換は定価がないため、業者によって見積もり額が大きく異なります。
- 必ず3社以上から相見積もりを取ることで、適正な価格を把握し、費用を抑えることが可能です。
- 見積もりを比較する際は、単に総額だけでなく、本体の品番、工事内容の詳細(特に基礎工事や配管工事の有無)、保証期間まで細かく確認してください。
失敗しない交換業者の選び方と工事の流れ
交換業者選びは、工事の品質と交換後の安心を左右する重要なポイントです。
業者選びのポイント:「専門性」「実績」「保証」
信頼できる業者を選ぶために、以下の3点をチェックしましょう。
- 給湯器専門業者か: 地元の工務店やリフォーム業者ではなく、給湯器(特にエコキュート)の交換・設置を専門としている業者は、知識や技術、価格面で優れていることが多いです。
- 豊富な実績と口コミ: 過去の施工事例や、実際に利用した人の口コミ・評価を確認し、技術力と対応力を把握します。
- 充実した保証内容: 本体保証(メーカー保証)だけでなく、工事保証(5年〜10年)を提供している業者を選びましょう。工事保証があれば、施工不良によるトラブルが発生しても無償で対応してもらえます。
交換工事にかかる時間と準備すべきこと
一般的な交換工事は、以下の流れで約半日〜1日で完了します。
- 既存機器の撤去: 古い電気温水器の水を抜き、撤去・処分します。(エコキュートへの交換では、電気温水器の撤去に補助金加算がある場合があります。)
- 基礎工事(エコキュートの場合): ヒートポンプユニットを設置するための基礎(土台)を新設します。
- 新規機器の設置: 新しい貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットを設置します。
- 配管・配線工事: 給水、給湯、追い焚き配管、電気配線などを接続します。
- 試運転と説明: 試運転を行い、問題がないことを確認した後、新しいリモコンの使い方などを説明してもらいます。
【準備すべきこと】: 工事当日は断水・停電が発生するため、工事時間帯に合わせて飲料水や生活用水を確保しておきましょう。また、貯湯タンクの搬入経路に障害物がないか確認しておくことも重要です。
電気温水器のタイプ別:交換時の注意点
交換する機器を選ぶ際、現在使用している電気温水器のタイプによって注意すべき点があります。
タンク容量(370L/460L)の選び方
現在と同じ容量を選ぶのが基本ですが、家族構成やライフスタイルが変わった場合は見直しましょう。
- 370L(3〜4人家族): 一般的な家庭で最も選ばれる容量。
- 460L(4〜7人家族): お湯の使用量が多い家庭や、来客が多い、浴槽が大きい家庭向け。
エコキュートに乗り換える場合、電気温水器より効率よく沸き上げられるため、ワンサイズ下げてもお湯切れしにくいというメリットもあります。
設置タイプ(屋外/屋内)による工事難易度の違い
- 屋外設置型: 設置スペースが広く、工事は比較的容易です。エコキュートへの交換も、ヒートポンプのスペース確保ができれば問題ありません。
- 屋内設置型: 撤去・搬入経路が狭い場合が多く、工事が難航する可能性があります。エコキュートは原則屋外設置ですが、寒冷地などでは屋内設置型のエコキュートもあります。必ず事前に業者に屋内設置であることを伝え、搬入経路を確認してもらいましょう。
まとめ
電気温水器の交換は、使用年数15年を目安に検討すべきです。特に故障が発生した場合は、修理よりもエコキュートへの乗り換えを強く推奨します。
- エコキュートは初期費用(40万円〜70万円)がかかりますが、電気温水器に比べて年間の電気代が1/3〜1/4になるため、数年で費用を回収し、以降のランニングコストを大きく抑えられます。
- 交換の際は、費用を抑えるために3社以上から相見積もりを取り、本体価格、工事費、保証内容を詳細に比較しましょう。
- 国の補助金制度(最大17万円)を賢く活用し、信頼できる給湯器専門業者を選んで、安心で経済的な給湯ライフを手に入れましょう。


































