電気温水器の寿命はどれぐらい?耐用年数や次に購入するおすすめの給湯器などをわかりやすく解説
2023年10月12日
電気温水器のような給湯器には寿命があり、一定期間使用すると劣化により故障する可能性が高くなります。そのため、耐用年数が近づいたら、電気温水器から次の給湯器に買い替えることを検討してみましょう。
そこで今回は、電気温水器の寿命や次に購入するおすすめの給湯器などをわかりやすく解説します。電気温水器の寿命が気になる方は、参考にしてください。
電気温水器の寿命は?
電気温水器の寿命は10年~15年程度と言われています。
電気温水器は設計標準使用期間が設定されています。設計標準使用期間とは、購入者が安心して製品を使用できる期間で、使用環境や使用条件、使用頻度などを基に、科学的見地から行われた試験の結果から導き出されています。
期間を超えると部品の経年劣化により製品故障の可能性が高まるので、寿命や耐用年数とも呼びます。
電気温水器の場合はメーカーが設計標準使用期間を公開しており、大抵が10年です。
10年経過したら、取り扱い説明書通りに使用していても徐々に故障する可能性が高くなります。なお、10年が経過したらすぐに壊れるという訳では無いので、電気温水器の寿命は10年~15年とある程度の猶予があります。
使い方や点検を小まめにおこなっていれば、寿命が長持ちします。そのため、電気温水器を15年以上問題なく使用できるケースもあります。
電気温水器の寿命の注意点
電気温水器の寿命は10年~15年ですが、あくまでも「取扱説明書に記載されている使い方で、定期的に点検やメンテナンスを行った」場合の寿命です。
例えば、追い焚きを多用したり、推奨されていない種類の入浴剤を使用したりすると、電気温水器に余計な負荷がかかってしまい、故障する、あるいは寿命が短くなる可能性があります。
また、メーカーによって異なりますが、電気温水器は定期的なメンテナンスを行うことが推奨されています。貯湯タンクや風呂配管は使用しているとゴミや汚れが蓄積していき、故障の原因になり、身体に悪影響を及ぼす可能性も否定できません。
そのため、1年に1回~2回の頻度でメンテナンスを行ったほうが良いです。
ほかにも、電気温水器にはパッキンや逃し弁などの消耗品が使用されており、経年劣化によって損傷し、電気温水器が故障するきかっけとなります。そのため、数年に1回のペースで良いので、業者に依頼して本格的な点検を行いましょう。
上記の注意点を守っていれば、電気温水器を10年~15年以上使用することができます。
電気温水器が寿命を迎えたときのサイン
電気温水器を使用していて、次のような症状が出てきたら、寿命を迎えたサインの可能性があります。
- 給水や給湯ができない
- お湯の温度が低い
- お湯にゴミが混じっている
- 電気温水器の周りが濡れている
- エラーコードの表示頻度が多い
上記のサインを順番に解説します。
給水や給湯ができない
電気温水器は貯湯式給湯器で、配水配管と風呂配管など複数の配管が伸びています。
本来なら、リモコンユニットで給水や給湯はコントロールされていますが、基板が故障している、あるいは配管内部が目詰まりしていると給水や給湯が出来ません。
お湯の温度が低い
電気温水器は貯湯タンク内部に電熱ヒーターがあり、電気によって熱せられたヒーターによってお湯が沸きます。電熱ヒーターに異常があると設定した温度までお湯が沸かないので、お風呂やシャワーの温度が低い場合があります。
お湯にゴミが混じっている
給水配管や貯湯タンク内部が腐食すると、お湯を張ったときにゴミが混じっている場合があります。腐食してサビが混じると身体に悪影響を及ぼし、水漏れにつながる可能性があるので早めに対処しましょう。
電気温水器の周りが濡れている
電気温水器の周りの地面が不自然に濡れており、設定した量までお湯が沸かない場合は水漏れが起きている可能性があります。水漏れを放置していると、余分な水道代が発生してしまうので、給水栓を閉じて、早めに業者を呼んで修理を依頼しましょう。
エラーコードの表示頻度が多い
エラーコードとは、リモコンユニットに表示されるコードのことで、電気温水器に発生しているトラブルをアルファベットと数字の組み合わせで示します。
寿命を迎えた電気温水器はトラブルや故障を発生させる確率が高くなり、特に電気系統で不具合が生じやすいです。
エラーコードによっては購入者の操作で解除できますが、寿命を迎えた電気温水器は症状が改善されなかったり、同じエラーコードが繰り返し表示されたりします。そのため、エラーコードの表示頻度が多くなったら、買い替えを検討してみましょう。
電気温水器の次に購入する給湯器はどれが良い?
電気温水器が寿命を迎えたら、次の給湯器の購入を検討してみましょう。
住環境やライフスタイル、家族の人数によって最適の給湯器は異なりますが、電気温水器が寿命を迎えたら、次の給湯器はエコキュートがおすすめです。
エコキュートとは、電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす貯湯式給湯器です。
エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットが空気の熱を取り込み圧縮し、発生した高温の熱によってお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで貯めておき、必要に応じて各所に給湯します。
電気温水器とエコキュートの主な特徴は以下のとおりです。
電気温水器 | エコキュート | |
---|---|---|
お湯を沸かすためのエネルギー | 電気 | 電気と空気の熱 |
給湯の仕組み | 貯湯式 | 貯湯式 |
寿命 | 10年~15年 | 10年以上 |
ランニングコスト | 約8万円~約19万円 | 約2万円~約5万円 |
導入費用 | 20万円~35万円 | 40万円~70万円 |
補助金 | ない | ある |
電気温水器とエコキュートは共に、「電気で稼働する貯湯式給湯器」です。そのため、「ガス会社との契約は必要ない」、「湯切れのリスクがある」、「減圧するので水圧が弱い」など、多くのメリットやデメリットが共通しており、すぐに慣れます。
しかし、ランニングコストと導入費用の2つだけは違い、トータルコストを考えると電気温水器よりもエコキュートへの買い換えがおすすめです。
次項より、エコキュートへの買い換えがおすすめの理由を順番に解説します。
エコキュートはランニングコストが抑えられている
次の表は、同じ湯量を沸かした場合の給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
電気温水器 | エコキュート | ガス給湯器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約184,800円 | 約54,000円 | 約104,400円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約189,600円 | 約48,000円 | 約98,400円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約166,800円 | 約42,000円 | 約112,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約158,400円 | 約37,200円 | 約73,200円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約100,800円 | 約25,200円 | 約81,600円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約87,600円 | 約20,400円 | 約75,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約176,400円 | 約43,200円 | 約108,000円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約193,200円 | 約44,400円 | 約93,600円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約84,000円 | 約20,400円 | 約102,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 不明 | 約27,600円 | 約62,400円 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数、お湯の使い方によって異なります。
しかし、電気温水器が電気の力だけお湯を沸かすのに対して、エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かします。
空気の熱により効率よくお湯を沸かすことができるので、エコキュートは電気温水器よりも圧倒的にランニングコストを抑えることができます。場所や契約している料金プランによっては年間10万円以上の節約効果を期待できることは大きな魅力です。
エコキュートには補助金制度がある
エコキュートの工事費を含めた導入費用の相場が40万円~70万円に対して、電気温水器は20万円~35万円と抑えられています。
導入費用を比較するとエコキュートのほうが不利に思えますが、エコキュートには補助金制度があるため、実際の導入費用を安くできることが可能です。
政府は省エネ性能の高い給湯器の導入に対して補助金を給付するケースがあります。例えば、エコキュートの場合は経済産業省資源エネルギー庁が行っている「給湯省エネ事業」により、1台につき5万円の補助金が貰えます。
補助金制度は「給湯省エネ事業」のように国が主導している場合と、地方自治体が開催している場合があり、併用が可能です。条件を満たす必要がありますが、2種類以上の補助金を併用できれば、高額なエコキュートをお得に購入できます。
一方、電気温水器は省エネ性能が高い給湯器ではないため、補助金が支給されることはほとんどありません。
長期的に見ればエコキュートのほうがお得
短期的に見れば導入費用が抑えられている電気温水器のほうがお得のように思えますが、長期的に見ればエコキュートのほうがお得です。
次の表は、電気温水器とエコキュートの導入費用とランニングコストを基にシミュレーションしたトータルコストを比較したものです。
電気温水器 | エコキュート | |
---|---|---|
導入費用 | 20万円 | 70万円 |
中部電力エリアでの年間ランニングコスト | 約10万円 | 約2.5万円 |
1年目のトータルコスト | 約30万円 | 約72.5万円 |
5年目のトータルコスト | 約70万円 | 約82.5万円 |
10年目のトータルコスト | 約120万円 | 約95万円 |
15年目のトータルコスト | 約170万円 | 約107.5万円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数、お湯の使い方などで異なりますが、シミュレーション上では7年目の時点で電気温水器のトータルコストはエコキュートのトータルコストを上回ります。
10年目では約25万円、15年目では62.5万円の差額が生じます。
短期的に見れば導入費用が安い電気温水器のほうがトータルコストもお得ですが、長期的に見ればエコキュートのトータルコストがお得になります。そのため、電気温水器から買い替えるなら、エコキュートのほうがおすすめです。
まとめ
以上が、電気温水器の寿命に関する解説になります。電気温水器の寿命は定期的に点検やメンテナンスを行っていれば10年~15年程度です。
お湯が沸かない、お湯の温度が低い、エラーコードを繰り返すなどのサインが出たら、寿命が近いので買い替えを検討してみましょう。
電気温水器から買い替えるならエコキュートがおすすめです。電気温水器と同じ、電気で稼働する貯湯式給湯器なので、設置スペースや配線などが流用できる可能性があり、使い方も近いのですぐに慣れます。
また、エコキュートは電気温水器よりも導入費用が高いですが、ランニングコストが抑えられているので、数年で導入費用の差額を回収でき、ある程度の節約効果も期待できます。
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