エコキュートの給湯温度は何度が正解?電気代を安くする設定を解説
2026年1月23日

「エコキュートの温度設定、なんとなく決めていませんか?」 実は、設定を間違えると電気代が高くなってしまうことがあります。「節約のために」とタンクの温度を低くしている人は、逆に損をしているかもしれません。
結論を言うと、タンクの温度は「おまかせモード」にするのが正解です。無理に下げるとお湯切れを起こし、電気代が高い昼間にお湯を沸かすことになるからです。一方で、シャワーやキッチンの給湯温度は、使い方に合わせて50度や60度に変えることで快適さが変わります。
この記事では、場所別のおすすめ温度や、季節ごとの設定変更のコツ、お湯がぬるい時の対処法をわかりやすく解説します。正しい知識を身につけて、賢くお得に使いましょう。
エコキュートの温度設定は2つある!「給湯温度」と「タンク温度」の違い
最初に知っておくべき基本的なことがあります。それは、エコキュートには「2種類の温度」が存在するということです。
ここを混同していると、節約の話をしても意味がわからなくなってしまいます。まずは、この2つの違いをはっきりと区別しましょう。
蛇口から出るお湯の温度(給湯温度)
1つ目は、皆さんがリモコンで操作して決める「給湯温度」です。 キッチンやお風呂の蛇口から出てくるお湯の温度のことです。「お風呂は40度」「キッチンは38度」というように、使う場所や好みに合わせて自由に設定できます。
リモコンの画面に大きく表示されている数字は、基本的にこの「給湯温度」を指しています。普段の生活で変更するのは、こちらの温度です。
タンクの中で貯めているお湯の温度(沸き上げ温度)
2つ目は、家の外にある大きなタンクの中に貯まっている「沸き上げ温度」です。 エコキュートは、深夜の安い電気を使って、タンクの中にお湯をまとめて作ります。この時、タンクの中のお湯は、実は65度から90度というかなりの高温になっています。
私たちが使うときは、このタンクの熱湯と水を混ぜて、設定した温度(40度など)にしてから蛇口へ送っています。
- 給湯温度:蛇口から出る温度(35度〜60度くらい)
- 沸き上げ温度:タンクの中の温度(65度〜90度くらい)
この違いを覚えておくことが、節約への第一歩です。
電気代を安くしたいなら「タンクの温度」は下げずに「おまかせ」にする
「電気代を節約したいから、タンクの沸き上げ温度を『低め』に設定しよう」 そう考える人が多いのですが、実はこれが一番の落とし穴です。
なぜ温度を下げてはいけないのか、その理由と、正しい設定方法を解説します。
「低め」に設定すると逆に電気代が高くなる理由
エコキュートは、タンク内の熱湯と水を混ぜて適温のお湯を作ります。 例えば、タンクの中に90度の熱湯があれば、たくさんの水と混ぜて、40度のお湯を大量に作れます。しかし、タンクの設定を「低め(65度など)」にすると、混ぜられる水の量が減り、作れるお湯の量が少なくなってしまいます。
その結果、夕方や夜にお風呂を沸かすときにお湯が足りなくなり、「湯切れ」を起こします。すると、エコキュートは慌ててお湯を作り始めます。
問題なのは、お湯を作る時間が「電気代の高い昼間や夕方」になってしまうことです。 深夜の安い電気でお湯を作れるのがエコキュートの良さなのに、高い時間帯に動かしてしまっては意味がありません。だからこそ、タンクの温度を無理に下げるのはおすすめできないのです。
基本はAIにお任せするモードが一番賢い
では、どう設定するのが正解なのでしょうか。 答えは、「おまかせモード」を選ぶことです。メーカーによって名前は違いますが、以下のようなモードが用意されています。
- おまかせ
- おまかせ節約
- 学習モード
このモードにしておくと、エコキュートに搭載されたAI(人工知能)が、「この家は毎日これくらいお湯を使うな」と学習し、必要なお湯の量を自動で判断して沸かしてくれます。
普段はお湯を余らせないように効率よく沸かし、来客などでたくさん使った日は自動で調整してくれます。人間が細かく設定をいじるよりも、機械にお任せした方が、結果的に一番無駄なく節約ができます。
シャワーやキッチンのおすすめ設定は?場所別の最適な「給湯温度」
タンクの設定は「おまかせ」が良いとわかりました。次は、実際に蛇口から出す「給湯温度」についてです。
場所によって最適な温度は違います。使いやすさと節約を両立させるおすすめの温度を見ていきましょう。
キッチンは手肌を守るために少し低めに
食器洗いをするときのお湯の温度は、「35度〜38度」がおすすめです。
油汚れは温度が高い方が落ちやすいですが、40度以上のお湯で洗い物を続けると、手肌に必要な油分まで落としてしまい、手荒れの原因になります。
冬場は寒くて温度を上げたくなりますが、ゴム手袋をするか、設定温度を30度台に抑えるのが賢い使い方です。ガス給湯器と違い、エコキュートはキッチンと浴室で別々の温度を設定できる機種が多いので(優先権の設定)、うまく使い分けましょう。
シャワーや洗面所は「50度〜60度」設定が良い理由
「シャワーの温度設定は何度にしていますか?」と聞くと、「40度」や「42度」と答える人が多いでしょう。もちろん、それでも間違いではありません。 しかし、お風呂場のサーモスタット水栓(温度調節機能付きの蛇口)を使っている場合は、リモコンの設定を「50度」や「60度」と高めにする方法があります。
「えっ、熱くないの?」と驚くかもしれませんが、蛇口側で40度に調整すれば問題ありません。なぜわざわざ高温に設定するかというと、「シャワーの水圧が強くなる」からです。
エコキュートからの50度のお湯と、水道からの冷たい水を蛇口の中で混ぜることで、水道の強い水圧を利用でき、勢いのあるシャワーになります。「エコキュートにしてからシャワーが弱い」と感じている方は、この方法を試してみてください。
※注意:2ハンドル水栓(お湯と水のハンドルが別々の蛇口)の場合は、やけどの危険があるため、リモコン設定は40度〜42度の適温にしてください。
サーモスタット水栓(蛇口)での温度調整のコツ
お風呂場によくある「サーモスタット水栓」は、左側のハンドルで温度を決め、右側のレバーで水を出したり止めたりします。
この蛇口を使う場合、おすすめの設定バランスは以下の通りです。
- エコキュートのリモコン:50度〜60度に設定する
- 蛇口の温度ハンドル:40度(適温)に合わせる
こうすることで、温度が安定しやすくなります。 逆に、リモコンを40度にして、蛇口も40度にすると、調整がうまくいかず「お湯がぬるくなったり熱くなったりする」という現象が起きやすくなります。リモコンの温度は、実際に使いたい温度よりも10度くらい高く設定するのがコツです。
お湯がぬるい・温度が安定しない時に確認する3つのポイント
「設定温度にしているのに、なんだかお湯がぬるい気がする」 「シャワーを浴びている途中で水になってしまう」
そんなトラブルが起きたとき、すぐに故障と決めつけるのは早いです。修理を呼ぶ前に、自分で確認できる3つのチェックポイントを紹介します。
タンクのお湯がなくなっていないか(湯切れ)
一番よくある原因が、単純な「湯切れ」です。 タンクの中に貯めてあったお湯を使い切ってしまうと、当然ですが蛇口からは水しか出なくなります。
リモコンの画面を見て、「タンク残湯量」の目盛りを確認してください。もし目盛りがゼロや少なくなっていたら、それが原因です。「沸き増し」ボタンを押して、お湯が沸くのを待ちましょう。
冬場にお湯をたくさん使った日や、家族が帰省して人数が増えた日によく起こります。
エコキュートの設定温度と蛇口の設定温度のバランス
先ほども触れましたが、エコキュートのリモコン設定温度と、蛇口(サーモスタット水栓)の設定温度が近すぎると、お湯の温度が安定しないことがあります。
例えば、リモコンの設定が40度で、蛇口の設定も40度になっている場合です。この状態だと、蛇口の中で水を混ぜる余地がなくなり、うまく温度調整ができません。
一度、エコキュートのリモコン温度を50度〜60度に上げてみて、症状が直るか確認してください。これで直るなら故障ではありません。
配管のトラブルや混合弁の故障の可能性
上記の2つを確認しても直らない場合は、機械の故障が疑われます。
- 混合弁の故障:お湯と水を混ぜて適温にする部品が壊れている。
- 温度センサーの異常:正しい温度を感知できなくなっている。
- 配管からの水漏れ:お湯がどこかで漏れてしまっている。
これらの場合は、自分では直せません。メーカーのサポートセンターや、設置してくれた業者に連絡して点検をお願いしてください。 その際、リモコンに「エラーコード(C○○やH○○などの記号)」が出ていないかを確認し、伝えるとスムーズに対応してもらえます。
季節に合わせてモードを変えよう!夏と冬の使い分けテクニック
一年中ずっと同じ設定にしておくのは、少しもったいない使い方です。 日本には四季があり、水温やお湯を使う量は季節によって大きく変わります。季節に合わせて設定を少し変えるだけで、節約効果がアップします。
お湯を使わない夏場は「省エネモード」で少なめに
夏はシャワーだけで済ませることが多く、お湯の使用量が減ります。また、水道水の温度も高いため、少しのエネルギーでお湯が沸きます。
この時期にタンクいっぱいにお湯を沸かすのは、無駄になりやすいです。 機種によっては「省エネモード」や「少なめ」という設定があります。夏の間だけはこの設定にして、沸き上げるお湯の量を制限しましょう。放熱によるロス(タンクから熱が逃げること)も減らせるので一石二鳥です。
お湯がたくさん必要な冬場は「多め」の設定で湯切れ防止
逆に冬は、お風呂にお湯を張ったり、洗い物の温度を上げたりと、お湯の使用量が急増します。さらに水温が低いため、お湯を作るのにたくさんのパワーが必要です。
冬場に一番怖いのは「湯切れ」をして、電気代が高い昼間に沸き増しをすることです。 これを防ぐために、冬の間は「多め」の設定にしておくか、自動設定にお任せするのが安心です。
「節約したいから冬も少なめで」と頑張ると、結局昼間に沸かすことになり、かえって電気代が高くなるケースが多いです。冬はケチらず、たっぷり沸かして昼間の稼働を防ぐのが、結果として一番の節約になります。
まとめ:正しい給湯温度を知ってエコキュートを賢く使おう
エコキュートの温度設定について解説してきました。 最後に、記事のポイントを整理します。
- 2つの温度:蛇口から出る「給湯温度」と、タンクの中の「沸き上げ温度」は別物。
- タンク設定:節約したいなら「低め」にはせず、「おまかせモード(AI)」にするのが正解。無理に下げると湯切れで損をする。
- 給湯設定:シャワーがぬるい場合や水圧を上げたい場合は、リモコン設定を50度〜60度にして、手元の蛇口で調整する。
- キッチン:手荒れ防止のために、35度〜38度の低めに設定する。
- 季節設定:夏は「少なめ」、冬は「多め」や「おまかせ」で湯切れを防ぐ。
エコキュートは、設定ひとつで快適さも電気代も変わる便利な機械です。 「なんとなく」で使っていた設定を、今日から見直してみませんか?
特に、タンクの温度を「おまかせ」に戻すことと、シャワーの温度設定のバランスを整えること。この2つを実践するだけで、毎日のバスタイムが快適になり、次回の電気代を見るのが楽しみになるはずです。 ぜひ、今夜お風呂に入る前にリモコンをチェックしてみてください。



































