台風シーズンや災害に備えてエコキュートでやっておくべきことは?
2022年8月23日
エコキュートは空気の力でお湯を作る給湯器のため、省エネ性能の高さが注目されます。しかし、貯湯式給湯器のため、台風や地震などの災害に備えられる住宅機器としての需要も高まっています。
ただし、エコキュートが災害に備えられる給湯器だとしても、準備を怠っていると、突然の事態に対応できません。
そこで今回は、台風シーズンに備えてエコキュートでやっておくべきことを解説します。貯湯タンクユニットのお湯を使う際の注意点や、災害に強いエコキュートメーカーについても紹介しますので、最後までご覧ください。
台風のシーズンはいつ?
気象庁によると台風が発生して日本に接近、上陸しやすいのは7月~10月です。
過去30年間の統計によると、年間で約25個の台風が発生し、約12個が日本に接近し、約3個が上陸をしています。特に8月と9月は発生数・接近数、上陸数がピークを迎えています。実際、日本で深刻な被害をもたらす大型台風は9月に集中しています。
つまり、台風のシーズンは7月~10月で、特に8月と9月は上陸もあり得るため、災害に備えておく必要があります。
台風シーズンに備えてエコキュートでやっておくべきことは?
台風シーズンに備えてエコキュートでやっておくべきことは、以下のとおりです。
- 台風が来る前に沸き増しを行う
- エコキュートの周りの物を片付ける
- 停電や断水時にやっておくべきことを確認する
- 非常時用のお湯の出し方をチェックする
上記について、順番に解説します。
台風が来る前に沸き増しを行う
天気予報で台風の接近を警告されたら、エコキュートの沸き増しを行っておきましょう。エコキュートは貯湯タンクユニットにお湯を貯める給湯器のため、台風が原因で停電や断水が起きたとしても、タンク内のお湯を生活用水として活用できます。
一般的なエコキュートの貯湯容量は370Lです。つまり、エコキュートがあれば2Lのペットボトル約175本分の生活用水を簡単に確保できます。
メーカーや機種によっては自分で沸き増しをしなくても、自動で対応してくれる場合があります。例えば、パナソニックは気象警報に連動しており、台風や大雨、洪水、大雪などの特別警報が発表されると、自動でお湯を沸き上げします。
お湯を一定量確保すると沸き上げは自動でストップするため、自宅に居なくてもエコキュートが自分で判断して対応してくれるので安心です。
エコキュートの周りの物を片付ける
台風が来る前にやっておくべきこととして、エコキュートの周りの物を片付けておくことが挙げられます。
エコキュートはヒートポンプユニットと貯湯タンクユニット、リモコンユニットの3つで構成されている給湯器システムです。
ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットは建物外に設置することが多いですが、土台(基礎ベース)に取り付けられているので、台風で倒れることは少ないです。
しかし、エコキュートの周りに台風によって飛ばされそうなものがあると、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットが破損する恐れはあります。
貯湯タンクユニットは頑丈なため、物がぶつかっても問題ないかもしれませんが、ヒートポンプユニットは精密機器の塊のため、衝撃に弱いです。ヒートポンプユニットの修理は故障の程度によっては数万円程度かかり、場合によっては交換もあります。
物が飛んでしまうと自宅や他所の住宅を傷つける恐れもあるので、台風が来る前に敷地の中や周囲を確認しておきましょう。
停電や断水時にやっておくべきことを確認する
台風が来て、実際に停電や断水が起きてしまうと、何をしたらいいのか分からなくなってしまう方は珍しくありません。そのため、停電や断水が起きた時に、エコキュートでやっておくべきことを事前に確認しておきましょう。
次の表は停電や断水が起きた時にエコキュートでやっておくべきことを簡単にまとめたものです。
やっておくべきこと | ||
停電 |
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断水 |
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エコキュートの場合、停電が起きた時にやっておくことは基本的にありません。ただし、停電終了後にエコキュートの時計がズレている、あるいは点滅している場合は現在時刻に戻す必要があります。
時計の時刻がズレていると、お湯を給湯する時間が電気料金の安い深夜から、料金の高い日中にズレてしまう可能性があります。また、停電が原因でエコキュートが故障した場合、リモコン部分にエラーコードが表示されるので、合わせて確認しましょう。
断水が起きた場合は、お湯側の蛇口をすべて閉じて、エコキュートの貯湯タンクユニットや住宅の給水止水栓を閉じておくと良いです。断水が起きていると、給水側の排水管に泥水や空気が混入してしまう恐れがあります。
泥水や空気が混入したままエコキュートを稼働させると、貯湯タンクユニットに混ざってしまい、お湯が濁る、異音がするなどのトラブルが発生します。最悪の場合、故障の原因となるので、断水が発生した時は速やかに対処すべきです。
断水した時の対処法や注意点を次の記事で詳しくまとめているので、参考にしてください。
非常時用のお湯の出し方をチェックする
エコキュートは停電や断水が発生した時は、貯湯タンクユニットに貯めてあるお湯を生活用水として使用できます。
基本的に、次の手順でお湯を取り出すことができます。
- 電源レバーを下げて「切」にする
- 給水配管専用止水栓を閉じる
- 逃し弁操作窓を開け、逃し弁のレバーを手前に起こす
- 非常用取水栓を開く
- お湯を取り出す
- 非常用取水栓を閉じる
機種によってお湯の取り出し方は異なります。薄型エコキュートだと非常用取水ホースを使用するケースもあるので、手順や必要な道具を事前に確認しておくと良いです。
エコキュートのお湯を生活用水として使用する場合の注意点
台風が来て、エコキュートのお湯を生活用水として使用する場合は、次のことに注意しましょう。
- エコキュートのお湯は飲料水に向かない
- お湯は高熱の可能性がある
上記の注意点を順番に解説します。
エコキュートのお湯は飲料水に向かない
基本的に、エコキュートのお湯は飲料水に向きません。メーカー側も「そのまま飲用するのには適していない」と公式ホームページや説明書に記載しています。
貯湯タンクユニット内部に貯めているお湯は飲用しても問題ないとされる水の基準から外れています。そのため、シャワーやお風呂のお湯として使ったり、生活用水として使用したりするのに問題はありませんが、飲み水としての利用は控えるようにと言われています。
一応、煮沸消毒をすれば飲用として使用できると説明しているメーカーもいます。しかし、エコキュートの使用状況やメンテナンスの頻度によって貯湯タンクユニット内部の汚れや不純物の沈殿具合は異なるため、安全だとは断言できません。
そのため、エコキュートのお湯は飲料水ではなく、次のようなことに使用する生活用水として活用しましょう。
- トイレの排泄物を流す
- 食器の洗浄
- 衣服の洗濯
お湯は高熱の可能性がある
エコキュートの貯湯タンクユニットは保温性に優れています。そのため、停電が起きてしばらくたっても、貯湯タンクユニット内部のお湯が高温を保っている可能性は高く、生活用水として取り出そうとしてやけどを負ってしまう可能性は十分考えられます。
エコキュートの貯湯タンクユニットからお湯を取り出す時は、お湯がまだ高熱の可能性があるので、慎重に行いましょう。
台風や災害に強いエコキュートは?
エコキュートは貯湯タンクユニットが大型なので、どのメーカーでも耐震設計が施されています。また、メーカー独自の対策や機能が搭載されているため、どのメーカーの機種を選んでも問題ありません。
あえて台風や災害に強いエコキュートをおすすめするとしたら、パナソニックのエコキュートです。
パナソニックは業界で初めて、災害対応機能「エマージェンシー沸き上げ」機能をエコキュートに搭載しました。気象庁が発表した各種警報や注意報に連動して、沸き増しを行う機能です。
専用のスマホアプリが気象情報会社ウェザーニューズと提携しているため、エコキュートのある地域で警報が発表されたら、沸き上げを開始します。どの警報や注意報で沸き上げを開始するかはユーザーが決定できるのもポイントです。
また、パナソニックのエコキュートは貯湯タンクユニットの脚部を3本脚から4本脚に変更しています。貯湯タンクユニットの脚を増やしたことで、耐震強度が従来の約1.3倍にアップしており、地震に強い機種となっています。
そのため、防災機器レベルとしては耐震クラスSを獲得しています。耐震クラスSは病院や学校など、災害が発生した時に避難所となる施設で使用できる機器の基準に達しているという証明です。
つまり、パナソニックのエコキュートは災害に備えられる便利な機能が搭載されており、耐震性も高いため地震にも強い機種と言えます。
まとめ
以上が、台風シーズンに備えてエコキュートでやっておくべきことの解説になります。エコキュートのお湯は生活用水として使用できるため、台風や災害に備えて沸き増しを行っておくと良いです。
また、台風によってエコキュートが故障しないように敷地の周りをチェックしたり、停電や断水が起きた時に備えてやっておくべきことを確認したりしておきましょう。
基本的にどのメーカーも耐震性を高めたり、便利な機能を搭載したりしているので、台風や災害に備えることはできます。なかでも、パナソニックは「エマージェンシー沸き上げ」機能があるので、エコキュートが自己判断で沸き増しを行ってくれます。
「エコパパのお店」ではパナソニックを始め、三菱電機やダイキンなど、主要なメーカーのエコキュートを販売しています。エコキュートに関する知識が豊富なスタッフが対応しますので、エコキュート選びで迷っているなら、ぜひご相談ください。